茶業研究報告
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1984 巻, 60 号
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  • 原 利男
    1984 年1984 巻60 号 p. 1-6
    発行日: 1984/12/01
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
  • 中村 順行, 大平 幸次, 小島 邦彦
    1984 年1984 巻60 号 p. 7-14
    発行日: 1984/12/01
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    チャのカルスの誘導並びに増殖の促進を図るため,培養方法や培養条件について検討を行った。また,カルスの特性を把握するため,形態及び2,3の化学成分についても調査した。
    1) チャのカルスは,供試した全ての組織から誘導され,カルス形成には茎で9-14日,葉で約20日,子葉及び根で8-12日,葯で7-10日を要した。カルスの増殖は液体振とう培養では寒天静置培養に比べ著しく早く,培養50日後には新鮮重が前者は後者の約2倍となった。
    2) カルスの増殖に適した培地組成は寒天静置培養と液体振とう培養では必ずしも同じでなかった。多量無機成分の異なる5種類の修正培地(表1)を用いた場合の寒天静置培養ではNITSCH&NITSCHが,液体振とう培養ではGAMBORGの培地が優れていた。また,2,4-D濃度は寒天静置培養では1.0mg/lが,液体振とう培養では0,1mg/1が適した。
    3) カルスの形態は,寒天培地では表面が凹凸に富んだ固い組織塊として増殖した。他方,液体振とう培養では径0.5~1.5cm程度の表面のなめらかな様々の大きさの球状塊となって発達した。また,振とう培養のカルスはBA濃度を無添加から10mg/1に高めることによりその大きさは約3/4となり,それとともに個数は2.3倍に増加した。
    4) カルス(葯由来)の無機成分の含有率は,葉に比較して,全窒素(5.46%),リン(0.23%)及びカリウム(2,34%)で多く,カルシウム(0,16%)とマグネシウム(0,17%)で少なかった。また,遊離アミノ酸としてはアスパラギン酸やグルタミン酸及びそれらのアミドなどの窒素同化初期産物の含量が多かった。有機酸類としては葉及び根と同様にカルスでもクエン酸,リンゴ酸及びコハク酸が検出された。特に,振とう培養カルスでクエン酸含量が多いのは根のそれに類似していた。
    5) カルス(葯由来)からカフェイン及びカテキンが検出されたが,それらは葉に比較して著しく低い含有率であった。しかし,テアニンは検出されなかった。
  • 山下 正隆, 関谷 直正, 田中 勝夫
    1984 年1984 巻60 号 p. 15-28
    発行日: 1984/12/01
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    摘採回数および整技法が秋冬期における窒素の吸収および蓄積に及ぼす影響を明らかにするため,成木園に準じて樹型を整えた2~3年生茶樹を用い,9月下旬から5月上旬までの樹体内の窒素含量の推移および窒素吸収量を調査した。
    1. 含有率に及ぼす摘採回数の影響については,四番茶摘採区は三番茶までの摘採区に比べ,各器富とも概して含有率は低く推移し,特に1月下旬から3月下旬にかけては葉および太中根でかなり大きな差異がみられた。
    2. 含有率に及ぼす整枝処理の影響については,整枝または秋芽摘除を行った区は無整枝区.に比べ各器官とも概して含有率は高く推移した。しかし,株全体でみると,無整枝区は含有率の高い葉の占める割合が多いため逆に高く推移した。
    3. 冬期間中の窒素の蓄積については,枝および太中根での蓄積が最も多く,葉における蓄積は三茶区の無整枝区以外はわずかであった。
    4. 一番茶萌芽期ごろの窒素含量についてみると,三茶区は四茶区に比べ,また,春整枝を除く他の区では,秋冬期の葉層を厚く保ったものは薄く保ったものに比べ含有率,含有量ともに勝った。秋整枝は春整枝に比べ含有率では勝ったが含有量では劣った。
    5. 秋期における窒素の吸収は,新葉の生長拡大期に最も盛んで,拡大停止期以後2月下旬までの吸収はかなり少なかった。
    6. 吸収に及ぼす摘採回数の影響については,三茶区と四茶区では傾向を異にし,三茶区では10月下旬~11月下旬に最も多くの窒素が吸収されたが,四茶区では9月下旬~10月下旬に最も多く吸収された。また,全期間の吸収量は,三茶区は四茶区に比べてやや少なかったが,11月下旬から3月下旬までの吸収量は逆に三茶区のほうがやや多かった。
    7. 吸収に及ぼす整枝処理の影響については,三茶区では整枝処理区は無整枝区に比べてかなり吸収量が低下したが,四茶区ではやや低下したにすぎなかった。
  • 矢野 清, 常包 一明, 安部 秀雄
    1984 年1984 巻60 号 p. 29-36
    発行日: 1984/12/01
    公開日: 2009/12/03
    ジャーナル フリー
    香川県下の茶園土壌を構成する花崗岩を母材とする黄色土,三豊累層に由来する灰色台地土および洪積層に由来する赤黄色土についてその土壌理化学性の差異と土壌の種類がチャの生育および収量に及ぼす影響を検討しtc。
    1. 非毛管孔隙率は花崗岩土壌が最も高く,I~IV層の平均値は16%,三豊累層および洪積層土壌は5%であった。毛管孔隙率は客土した花崗岩土壌が中粒質であったため,花崗岩土壌が最も高く10%,三豊累層および洪積層土壌は5%であった。
    pH(H2O)は花崗岩土壌6.0,三豊累層土壌6.4,洪積層土壌4.9であった。置換性石灰+苦土飽和度は花崗岩土壌,三豊累層土壌が90%程度,洪積層土壌が30~50%であった。
    2. 定植3年目の一番茶収量は花崗岩土壌が最も多く次いで洪積層土壌であったが,その差はあまり明らかではなかった。三豊累層土壌は前二者に比べて明らかに少なかった。一番茶収量の多少は主として株張りの広狭にもとついたものであった。株張りの広狭に対しては土壌のpHより排水・保水性の良否のほうがやや強く影響した。
    3. 二番茶収量は花崗岩土壌が最も多く,洪積層士壌が次いで,三豊累層土壌は最も少なかった。二番茶収量の多少は主として二番茶芽の生育の良否にもとついたものであった。
    二番茶芽の生育は干ばつ時の土壌の種類による土壌水分消費特性の差異,すなわち花崗岩土壌は干ばつ時でも十分に水分を供給できたが,洪積層土壌では干ばつ後期には土壌水分不足になったことに影響された。
    4. 以上のことから茶の生産安定には土壌のpHより排水・保水性の向上が重要であり,さらに干ばつに遭遇しやすい夏茶の生産安定には,特に保水性の向上が重要である。
    なお,本報をとりまとめるに当って懇切なるご指導を賜った農林水産省茶業試験場茶樹第3研究室長青野英也博士に対し厚くお礼を申し上げる。
  • 福士 定雄, 陽 捷行, 石垣 幸三
    1984 年1984 巻60 号 p. 37-42
    発行日: 1984/12/01
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    黒ボク茶園土壌で21年間継続した四要素試験ほ場から対照区,窒素多量区,石灰多量区の土壌試料を採取,好気または嫌気条件下で30℃に7日間保ち,N2,N2O,NOの発生状況を追跡し,次の結果を得た。
    1) 好気条件での窒素の揮散は少なく,その速度は0,02~0。5mgN/1009・dであった。
    2) 嫌気条件での脱窒速度は2~4mgN/1009・dで,同じ方法で測定した他の水田および畑土壌のデータと比較すると,かなり高かった。
    3) 処理区間で比較すると,嫌気条件下での脱窒速度は窒素多量区>対照区>石灰多量区の順で,土壌のpHが高いほうが脱窒速度が高くはならなかった。
    4) 初期の生成含窒素ガスの大部分はN2OとNOであった。そして土壌のNO3-Nが多いほどN2O,NOのN2への還元がおくれた。また,石灰多量区の土壌ではNOが微量しか生じなかった。
    以上の結果から,少なくとも通気が阻害されたとぎには,強酸性の茶園土壌でも脱窒の可能性は充分あると考える。
  • 竹尾 忠一, 田代 正樹, 今村 義成
    1984 年1984 巻60 号 p. 43-45
    発行日: 1984/12/01
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    半発酵茶の製造にさいして,その第1操作である萎凋に当たっては,茶葉を35~40℃程度に加温しつつ1時間萎凋したのち,5~6時間室温萎凋し,この間軽く茶葉を撹梓することが,半発酵茶の香味形成上重要である。
    また,加温萎凋の時間の長短は,茶の香味を変化させることとなり,この調節により香味を異にする茶が造られる。
    半発酵茶加工に適した茶品種として,べにふじ,ただにしき,いずみ,青心大方があげられ,いずれからも芳香性と品種特有の香りを持つ半発酵茶が造られた。
  • 竹尾 忠一, 今村 義成
    1984 年1984 巻60 号 p. 46-49
    発行日: 1984/12/01
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    かまいり茶,半発酵茶,紅茶浸出液の水色の特性を調べた。
    かまいり茶にはカテキンの酸化物はほとんど認められなかった。半発酵茶からは,酸化重合物,テアルビジン等の色素成分,それに無色のカテキン酸化物とカテキンが検出されたがテアフラビンはほとんど検出されなかった。紅茶からは,酸化重合物,テアルビジン,テアフラビンが検出された。
    以上の結果から半発酵茶と紅茶の水色の差は,その濃淡はカテキン酸化重合物とテアルビジンの量によるが,色調として前者には紅茶特有のテアフラビンが含まれて.いない点が特徴的差としてあげられた。
  • 竹尾 忠一
    1984 年1984 巻60 号 p. 50-53
    発行日: 1984/12/01
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    中国,福建省,台湾省産の鳥龍茶の香気成分組成をしらべた。
    福建省産の色種,水仙,鉄観音,黄金桂および台湾省産木柵と,台湾省産文山,北埔との間には,香気成分組成に特異的な差が認められた。即ち前者は発酵度の軽度の包種茶系の茶でこれにはジャスミンラクトン,インドールが検出されたが,後者の発酵度の進んだ鳥龍茶系の茶には両成分が検出されなかった。また発酵度の進んだ茶は発酵度の進んでない茶よりも,高沸点部の芳香成分量が多かった。
    次に半発酵茶は焙焼香気成分である。1-エチルピロールー2-アルデヒドが香気中に検出され,火香の強い茶ほどその量は多かった。
    産地別の茶香気中のテルペンアルコール組成をみると色種,水仙,鉄観音はリナロールの組成比が高く,台湾省の文山,北埔はゲラニオールが多く含まれていて,それぞれ種間特性を示していた。
    最後に本試験に用いた茶は,三井農林株式会社,株式会社伊藤園より恵賜されたことを記して謝意に代える。
  • 高柳 博次, 阿南 豊正, 池ケ谷 賢次郎, 中川 致之
    1984 年1984 巻60 号 p. 54-58
    発行日: 1984/12/01
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    台湾産,烏龍茶,包種茶について品質審査および化学成分の分析を行い次の結果を得た。
    1)烏龍茶,包種茶とも上級,中級,下級茶の順に審査評点が高く品質が優れていた。
    2)烏龍茶において,上級茶に多く含まれている成分は,全窒素,タンニン,遊離アミノ酸,可溶分で下級茶に多くみられる成分は遊離還元糖であった。
    包種茶においては,上級,中級,下級茶による成分含量の差に一定の傾向はみられなかった。ビタミンC含量は,両茶種とも極めて少なかった。カフェイン含量は,緑茶と比較して鳥龍茶の方が多かった。
    3)カテキンについては,烏龍茶では(-)―エピガロカテキンガレート,(-)―エピガロカテキンなどは,煎茶の含量の約半量程度であり,その差は酸化重合したものによるものと思われた。
    一方,包種茶では酸化重合型とみられるカテキン量が少なく,緑茶とあまり変わらなかった。
    4)烏龍茶の遊離アミノ酸について,バリン,イソロイシンなどの増加がみられたが,アスパラギン酸,セリン,テアニン,グレタミン酸は減少していた。
    5)無機成分含量は,鳥龍茶ではカルシュウム,マンガン,アルミニュウムは下級茶に多く上級茶に少なかった。
    包種茶ではカリュウム含量が下級茶に多い傾向であった。他の成分には差はなかった。
    本研究を行うに当り,試料購入に御協力いただいた製茶第2研究室長岩浅潔博士,無機成分分析に御指導をいただいた土壌肥料研究室長石垣幸三博,また,アミノ酸分析に御協力いただいた天野いね氏に深甚なる謝意を表する。
  • 将積 祝子, 高柳 博次, 阿南 豊正, 池ケ谷 賢次郎
    1984 年1984 巻60 号 p. 59-65
    発行日: 1984/12/01
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    中国茶の白茶(Bai-cha),黄茶(Huang-cha),青茶(Quing-cha:Ooiong-cha-type)および黒茶(Hei-cha)の化学成分,色およびし好調査を行った。その結果を要約するとつぎのとおりである。
    1)一般化学成分含量は黄茶(Huang-cha)が煎茶の中級品に近く,白茶(Bai-cha)および青茶(Qing-cha)は煎茶の下級品に相当した。
    黒茶はバラエティに富み,蒸した後,堆積発酵するので,カテキン類酸化重合物が多く,各種成分が少なくなり,遊離アンモニアが多かった。
    2)白茶の色は暗オリーブ色,黄茶は淡黄色~オリーブ黄色,青茶はオリーブ黄色~黄褐色,黒茶は灰オリーブ~暗褐色であった。
    3)し好調査の結果は短大生に青茶が好まれ,消費者婦人団体は青茶は飲み易いとしてもそれほど好まなかった。
    料理専問家は白茶と青茶をとぎどきなら飲んでもよいと答えた。
    黒茶は料理専問家がまずいと答えた。
    終りに本稿を草するに当たり御懇切なる御稿閲を賜った製茶部長,竹尾忠一博士,アミノ酸・アマイド類の分析を担当して下さった天野いね氏に深甚なる謝意を表する。
  • 中野 不二雄, 吉冨 均, 滝谷 洋, 鈴木 勝弘, 鈴木 三郎, 岩浅 潔, 斉藤 弘, 深津 修一, 田中 伸三, 岩堀 源五郎, 萩原 ...
    1984 年1984 巻60 号 p. 66-78
    発行日: 1984/12/01
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    製茶における省エネルギを考える資料とするため,中揉機の熱の流れと熱効率を求める実験を,1982年三番茶期に15K型機で行ない次の結果を得た。
    1.中揉工程の作業条件が供給熱量に及ぼす影響は,設定温度46,52,58℃,風量比0.27, 0.33Nm3/min・kg(生葉)の実験範囲内では認められず,生葉1kg当り約130kcalで,このうち約66%が蒸発熱として有効に利用された。
    2.設定温度が高くなると火炉効率は僅かではあるが低下する傾向にあるが,風量比の影響は認められなかった。また,本体と総合効率については,設定温度の影響は認められないが,風量比が増すと熱効率は低下した。
    3.この実験範囲内における平均火炉効率は88.3%,本体効率77,6%,総合効率68.5%であった。
    本実験を実施するに当り,(株)カワサキ機工技術部には風量の測定に関して多大のご協力を頂いた。記して厚く謝意を表する。
  • 池ケ谷 賢次郎, 高柳 博次, 阿南 豊正
    1984 年1984 巻60 号 p. 79-81
    発行日: 1984/12/01
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    Chemical compositions of various grades of Mat-cha (5000, 4000, 3000, 2000, and 1000 yen/40g) were determined.
    Contents of total nitrogen, caffeine and free amino acids and an amide (theanine) were decre ased with decreasing the price of Mat-cha.
    Vitamine C contents of these were lower than that of Sen-cha, and Vitanine C contents of high grade Mat-cha (>3000 yen/40g) were higher than those of low grade Mat-cha (<2000 yen/40g).
    Contens of free reducing suggar and vitamine E were not different amang Mat-chas.
    Free arginine, asparatic acid, glutamic acid, threonine and theanine (amide) in Mat-cha were decreased with decreasing the price of Mat-cha.
  • 久保田 悦郎
    1984 年1984 巻60 号 p. 82-83
    発行日: 1984/12/01
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
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