チャ各36品種・系統(煎茶用19品種,玉露・てん茶用7品種,玉緑茶用4品種,紅茶用6品種)の一番茶及び秋芽の全窒素,全遊離アミノ酸,カフェイン,タンニンの分析を行い,各品種・系統の化学成分含量の差異や,茶種ごとの特徴を明らかにした。
全窒素含量は一番茶で4.59~6.12%,秋芽で3.05~4.83%,全遊離アミノ酸含量は一番茶で1.47~5.07%,秋芽で0.76~2.86%,タソニン含量は,一番茶で12.1~23.1%,秋芽で13.7~21.1%,カフェイン含量は,一番茶で2.60~4.88%,秋芽で2.07~3.56%であった。秋芽は一番茶と比べて,全窒素,全遊離アミノ酸,カフェイン含量は少なく,タンニン含量が多かった。
'やぶきた,おくゆたか'など品質優良な煎茶用品種や玉露・てん茶用品種の一番茶は,全窒素,全遊離アミノ酸含量が多く,タンニン含量は少なかった。一方,'めいりよく'はさわやかで清涼感のある品質が特徴であるが,煎茶用品種の中では全遊離アミノ酸含量は'ゆたかみどり'に次いで少なかった。玉緑茶用品種と紅茶用品種は全窒素やアミノ酸の含量は少なく,タンニン含量は多かった。紅茶用品種と'いずみ,印雑131'のアッサム雑種はカフェイン含量が多かった。
秋芽の品種,茶種ごとの化学成分含量は,一番茶に比べて変異が小さくなった。
主成分分析の結果,品種により,季節による化学成分の変動に特徴が認められた。
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