茶業研究報告
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1994 巻, 79 号
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  • 小澤 朗人
    1994 年 1994 巻 79 号 p. 1-14
    発行日: 1994/08/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    1991年に静岡県中遠・小笠地区の茶園から採集したカンザワハダニ7~16個体群の雌成虫または2~12個体群の卵についてプロフェノボス,ピラクロホス,プロチオホス,BPPS,ポリナクチン複合体・BPMC,ケルセン,ミルベメクチン,フェンピロキシメート,フェンピロキシメート+MEP,ピリダベン,ピリダベン+PAP,ヘキシチアゾクス・DDVP及びテトラジホンの計13薬剤に対する薬剤感受性検定を行い,各薬剤に対する感受性の実態を調べた。
    1.プロフェノホス,ピラクロホス及びプロチオホスの3種有機リン剤については,プロフェノホスではほとんどの個体群が実用濃度で死虫率90%以上を示し,殺ダニ活性は比較的安定していた。しかし,他の2剤では50%以上の個体群に感受性の低下が認められた。
    2.BPPS,ポリナクチン複合体・BPMC及びケルセンについては,約30%の個体群に感受性の低下が認められた。
    3.新規殺ダニ剤であるミルベメクチン,フェンピロキシメート及びピリダベンにっいては,ミルベメクチンは殺卵活性も高く,すべての個体群に対して極めて高い殺ダニ活性を示した。しかし,他の2剤では,散布実績がほとんどないにもかかわらず,大部分の個体群に感受性の低下が認められた。
    4.ヘキシチアゾクス・DDVP,テトラジホンについては,約50%の個体群に感受性の低下が認められた。
    5.フェンピロキシメートまたはピリダベンに有機リン剤を混用すると協力作用が認められ,殺ダニ活性は増強された。
    6.北部山間地の個体群は南部平坦地の個体群に比べて概して薬剤感受性は高かった。
    7.同一地域内の近接した圃場の個体群間においても,薬剤感受性に差がみられた。
    8.雌成虫の死虫率における薬剤間の相関関係から,ピラクロホスとプロチオホス,フェンピロキシメートとピリダベンにおいて交差抵抗性の可能性が示唆された。
  • 小野 亮太郎, 渡辺 利通
    1994 年 1994 巻 79 号 p. 15-18
    発行日: 1994/08/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    圃場における細根の分布調査を,従来のトレンチ法に改良を加えて行った。茶園にトレンチを掘り,調査土壌断面の表面数cmの土を水で洗い流した後,土壌断面に縦横5cm間隔で糸を張り,各ます目毎に露出している細根の数のみ計数した。計数した細根数は視覚的に分かりやすいように,細根1本を1つの点に置き換えて図化表現した。
    この改良トレンチ法により,細根が株元から放射状に斜め下方向に分布を拡げていることが解るなど,比較的少ない労力で圃場断面における細根分布の様相を把握できることが明かとなった。
  • 後藤 哲久, 堀江 秀樹, 向井 俊博, 千羽 智子, 増田 英昭, 藁科 二郎
    1994 年 1994 巻 79 号 p. 19-24
    発行日: 1994/08/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    1993年品評会入賞茶と1991年全品入賞茶の化学成分含有量を比較した結果,
    1.全窒素含有量には大きな差は見られなかったが,全遊離アミノ酸含有量は1993年産茶が全般に少なかった。
    2.カフェイン,タンニン,NDFは1993年産茶の方がやや多い傾向が見られた。
    3.個別アミノ酸の含有量では,グルタミン酸,テアニン,アルギニンといった茶の呈味や品質との関わりが大きいとされているアミノ酸の含有量が1993年産茶で少なかった。
    この原因の一つとして,1992年秋からの乾燥と,1993年3,4月の低温といった気候の影響が考えられる。
  • 原 利男, 松村 正弘
    1994 年 1994 巻 79 号 p. 25-30
    発行日: 1994/08/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    近赤外分光法により,茶の水分,全窒素,遊離アミノ酸,カフェイン,タンニン等を分析し,仕上茶及び荒茶の別に茶成分の特性を調べた。
    その結果,仕上茶は価格別に茶成分を比較したところ,従来から報告されているように,価格と全窒素及びアミノ酸含有量が相関し,これらを茶の品質指標として利用できることが認められた。
    荒茶については,工場別に茶成分の経時変化を比較すれば,各茶期ごとの品質特性がわかり,また,タンニン,カフェイン及びアミノ酸の成分バランスにより一番茶と二番茶の判別ができる。
  • クラーク ジェイムズ・エイチ, ネイラー ジャネット・エム, バンクス ジョン・エヌ, スキュウーダモア キース・エイ, 伊藤 陽子, 向井 ...
    1994 年 1994 巻 79 号 p. 31-36
    発行日: 1994/08/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    10種の茶試料と1つの生葉の菌類を,3種類の培地を用いた希釈平板法で調べた。生葉からもっとも多くの菌類が検出された。その主なものはCladosporium cladosporioidesとピンク色のコロニーを作る酵母であった。10種の茶試料中7点の試料からは,5×102cfu/g以下の菌しか検出されなかった。紅茶3点はいずれもこの7点の中にあった。後発酵茶である碁石茶からは1.5×103cfu/gの菌が検出され,すべて1種類の酵母であった。中国産のプーアル茶1点から4.1×103cfu/gの菌が検出されその主なものはアスペルギルス属のAspergillus versicolorとA. sydowiiであった。今回分離された菌のうち,A. sydowiiはいずれもステリグマトシスチンを産生しなかった。また,A. versicolorのうちの一株は,穀類の培地上にステリグマトシスチンを産生したが,緑茶や緑茶に10%穀類を添加した培地では,ステリグマトシスチンの産生はみられなかった。
  • 本間 健平, 多田 茂男, 中筋 房夫
    1994 年 1994 巻 79 号 p. 37-39
    発行日: 1994/08/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    The larvae of a scarabaeid, Heptophylla picea MOTSCHULSKY, just after hatching were divided into four groups and each group (30 individuals) was reared under following conditions. The groups 1 and 2 were supplied with peat moss and a piece of carrot. The group 3 was supplied with only peat moss and group 4 was supplied with leaf mold. The group 1 was kept at 25°C and the others were kept at 18°C. Each group was kept in the dark.
    All larvae of the groups 3 and 4 died within the 1st or 2nd instar. Twenty-three larvae of the group 2, and 9 larvae of the group 1 developed up to the 3rd (last) instar, respectively. The period of the 2nd instar of the group 1 was twice as long as that of the group 2.
    In the result of present experiment, the most favorable condition for rearing the larvae of H. picea was the following requirements : use of peat moss as medium and of carrot as food and maintenance of temperature at 18°C.
  • 渡辺 利通
    1994 年 1994 巻 79 号 p. 41-54
    発行日: 1994/08/15
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
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