茶業研究報告
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1996 巻, 82 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 岡野 邦夫, 松尾 喜義, 忠谷 浩司
    1996 年 1996 巻 82 号 p. 1-8
    発行日: 1996/01/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    茶株の群落光合成能力を高い状態に維持する整枝法の開発のためには,葉の成熟にともなう光合成活性の推移を明らかにする必要がある。そこで品種'やぶきた'一番茶葉の発育にともなう葉の形態及び光合成活性の変化を経時的に追跡した。
    葉面積拡大は開葉後約35日で完了し,同時に暗呼吸速度も一定値となったが,光合成活性はそれより10日程遅れて開葉後約45日で最大値に達した。葉重増加も同時に停止したが,葉の厚さはそれ以後も増加を続け,開葉から2ヶ月経過した後に一定値に達した。
    一番茶枝条の生長につれて,越冬葉や新梢下位葉の光合成活性は急激に低下した。新芽摘採により株面の光環境を改善したところ,急激な活性低下は抑制されたことから,チャ葉の光合成活性の低下には光条件が関与していると考えられた。
    乾物当たり全窒素含有率は新葉の発育にともなって急速に低下し,葉面積拡大停止期に一定値となったが,葉中の全窒素量は開葉後2ヶ月までは一貫して増加を続けた。従って,新葉の発育にともなう全窒素含有率の急速な低下は,窒素の絶対量が減少するためではなく,窒素の蓄積速度を乾物増加速度が上回るためであることが確認された。
  • サクラの開花日を用いた解析例
    入来 浩幸, 渡辺 利通, 佐波 哲次
    1996 年 1996 巻 82 号 p. 9-14
    発行日: 1996/01/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    サクラの開花特性を指標(生物季節)として,一番茶の摘採期の推定を試みた。
    やぶきたの一番茶摘採日はサクラ(ソメイヨシノ)の開花日と有意な相関があり,回帰式より得られた一番茶の推定日と実際の摘採日との平均残差は0.9日で,サクラの開花日を調べることにより高い精度で摘採適期の推定ができると考えられた。
    一番茶摘採日はサクラの満開日とも有意な相関があり,この回帰式より得られた一番茶摘採の推定日と実際の摘採日との平均残差は1.7日であった。サクラの開花日以後,満開日までの間に異常な気象の推移があった場合には満開日を用いた補正が必要と考えられた。
  • 山下 正隆, 武弓 利雄, 佐波 哲次, 釘本 和仁, 野中 一弥
    1996 年 1996 巻 82 号 p. 15-20
    発行日: 1996/01/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    1994年夏季の高温乾燥により干害を受けた茶樹について根の活力を評価し,地下部での被害の実態を解明するとともに翌年一番茶への影響を検討した。調査は佐賀県茶業試験場のほ場において行い,根の活力はEuを用いた放射化分析法により11月中旬に調査した。地上部に被害を生じた茶樹は根の活力も低下しており,その程度は地上部の被害程度とかなりよく一致した。翌年の一番茶は,地上部被害が大きかったものは大きく減収し,秋季の根の活力と翌年一番茶収量との問には密接な関係が認められた。干害翌年の一番茶の生育,収量は地下部の被害と地上部の被害の影響が複合した結果であると考えられたが,干害による夏・秋季の根の活力低下は,翌年一番茶の生育,収量を左右する要因となることが明らかになった。
  • 久保井 徹, 稲垣 順司, 渡辺 修治, 鈴木 壯幸
    1996 年 1996 巻 82 号 p. 21-27
    発行日: 1996/01/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    GCとLCデータを処理するためのパソコンシステムを構築した。このシステムは(1)検出器信号の記録,(2)クロマトグラムの解析と加工,および(3)市販ソフトを利用するためのファイル変換機能からなる。べースライン補正,定数の加算,対数変換,平滑化や複数クロマトグラムの平均化など,(2)の機能を用いることにより,原クロマトグラムを容易に加工できた。チャの成分組成を可視化するために,本システムをGC(香気成分)とLC(遊離糖およびカテキンとカフェイン)クロマトグラムに適用した。市販グラフソフトと併用することにより,新しいタイプのクロマトグラムを描くことができた。
  • 原 利男
    1996 年 1996 巻 82 号 p. 29-34
    発行日: 1996/01/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
  • 1996 年 1996 巻 82 号 p. 36-74
    発行日: 1996/01/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
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