茶業研究報告
Online ISSN : 1883-941X
Print ISSN : 0366-6190
ISSN-L : 0366-6190
1996 巻, 83 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 忠谷 浩司, 伊東 正智
    1996 年 1996 巻 83 号 p. 1-8
    発行日: 1996/07/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    新芽の生育や品質関連成分への台木品種の影響を明らかにするために,定植4年及び5年目の接木育成茶樹について,一番茶新芽の生育及び遊離アミノ酸含量の調査を行った。
    穂木品種としでやぶきた,あさつゆ'を,台木品種として'めいりょく,こまかげ'を用いた。
    一番茶の萌芽期は台木品種による差が認められなかったが,新芽の生育は台木'めいりょく'で早まるなど,台木品種による影響がみられた。新芽中の全窒素や遊離アミノ酸含量は台木'こまかげ'で最も高く,次いで自根であり,台木'めいりょく'は最も低かった。台木'こまかげ'の顕著な特性は,新芽アルギニン含量が非常に高いことであった。新芽の熟度の違いによる影響を取り除いた場合でも,台木品種間にみられたこうした傾向は変わらなかった。これらの結果より,接木育成茶樹の新芽成分は台木品種固有の特性の影響を受けるものと考えられる。
  • 吉田 優子, 木曽 雅昭, 長嶋 等, 後藤 哲久
    1996 年 1996 巻 83 号 p. 9-16
    発行日: 1996/07/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    1993~1995年の3ヶ年にわたり,'さやまかおり,やぶきた,おくみどり'の一番茶期の新芽中における全窒素,カフェイン,タンニン,ASA,エピカテキン(EC),エピガロカテキン(EGC),エピカテキンガレート(ECg),エピガロカテキンガレート(EGCg),カテキン(C)の含有量を調べた。その結果,
    (1)全窒素,カフェイン,タンニン,総カテキン量は各年度とも新芽の生育に伴い減少した。
    (2)ASAは生育に伴い徐々に減少するなかで,降雨の後に品種の別なく大きく減少し,その後日射量の多い日が続くと増加・回復することを確認した。降雨後の減少量は,茶芽熟度による差があるような傾向を示した。
    (3)ECとEGCは生育に伴い増加する傾向が見られた。ECg,EGCg及びカテキン(C)は顕著に減少した。また,変動パターンとしては,ECとEGC,ECgとEGCgの挙動が類似していることを確認した。
  • 木幡 勝則, 堀江 秀樹, 向井 俊博, 深津 修一
    1996 年 1996 巻 83 号 p. 17-20
    発行日: 1996/07/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    顕微FT-IR法を用いることにより,てん茶を保存しておく間に表面に生じる白色粉状物質がカフェインであることを初めて明らかにした。
  • 後藤 哲久, 長嶋 等, 吉田 優子, 木曽 雅昭
    1996 年 1996 巻 83 号 p. 21-28
    発行日: 1996/07/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    市販録茶試料7茶種85点の8種のカテキン類とカフェインの含有量を測定した。玉露,抹茶は煎茶,玉緑茶と比較してやや多くのカフェインを含む一方総カテキン量は少なかった。同じ茶種の中では,上級茶は一般に下級茶より多くのカフェインを含み総カテキン量は低かった。個々のカテキン類の中では,エピガロカテキンガレート(EGCg)の含有量が最も多く,総カテキン量の50~60%を占め,エピガロカテキン(EGC)と合わせた量は総量の約80%であった。遊離型カテキン(EC,EGC)の含有量は,エステル型カテキン(ECg,EGCg)の,煎茶,玉緑茶では半分以下,玉露,抹茶では1/3以下であった。玉露,抹茶では多くの試料からカテキン(C)が検出されたが,それ以外の微量カテキン類はほとんど検出されなかった。ほうじ茶のカテキン類は,加熱による変化を受けるためか量的にも少なく,その組成も他の茶種と大きく異なっていた。
  • 堀江 秀樹, 木幡 勝則, 向井 俊博, 天野 いね, 後藤 哲久
    1996 年 1996 巻 83 号 p. 29-36
    発行日: 1996/07/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    1994年に三重県で開催された全国茶品評会入賞茶(玉露,てん茶,かぶせ茶,普通煎茶,深蒸し煎茶,蒸し製玉緑茶及び釜いり製玉緑茶)の主要成分(全窒素,全遊離アミノ酸,カフェイン,タンニン,アスコルビン酸及び7種類の主要な個別アミノ酸)を化学分析した。入賞茶の全窒素含量の平均は玉露,てん茶,かぶせ茶,普通煎茶,深蒸し煎茶,蒸し製玉緑茶及び釜いり製玉緑茶でそれぞれ,7.23%,7.07%,6.78%,7.12%,6.65%,6.89%,6.23%を示し,全遊離アミノ酸やカフェイン,各個別アミノ酸の含量も市販の茶より著しく高い値であった。
  • 原 利男
    1996 年 1996 巻 83 号 p. 37-39
    発行日: 1996/07/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    The drying method in air oven at 120°C for onehour was recommended as an improved determination method of the moisture content without grinding of the tea.
    The values determined by this method agreed with those by the standard method determined at 110°C for 5 hr. By this method, the tea moisture was determined more quickly than the standard method.
  • 古野 鶴吉
    1996 年 1996 巻 83 号 p. 41-46
    発行日: 1996/07/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    For the breeding of varieties resistant to tea gray blight caused by Pestalotiopsis longiseta (Spegazzini) Dai et Kobayashi, varietal differences of resistance to the fungus were investigated in 195 cultivars and genetic resources of tea. The resistance to the disease was classified into 5 grades from high resistance to hight susceptibility based on the rate of formation and the size of zonate spot lesions.
    In resistance to tea gray blight, most of the Japanese local varieties were resistant, but some cultivated varieties and breeding lives such as 'Sayamamidori, Yabukita, Toyoka, Hokumei, Asatsuyu, Natsumidori, Okumusashi' and 'Saemidori' for green tea were susceptible or slightly susceptible.
    The Japanese local varieties were almost susceptible, China type plants were the middle susceptible and Assam hybrids were slightly susceptible.
feedback
Top