茶業研究報告
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2002 巻 , 93 号
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  • 原口 康弘, 佐野 仁, 中里 賢一, 外丸 和男, 寄下 雅子, 荒川 正人, 沢村 信一
    2002 年 2002 巻 93 号 p. 1-8
    発行日: 2002/06/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    原料抹茶の保存条件の違いによる品質への影響を試験した。
    1) クロロフィル類含量では,Chla含量が最も強く温度・期間の影響を受けた。1週目より12週目までは期間が長くなる程減少し,その傾向は温度が高くなるほど著しかった。12週目以降はあまり変化が見られなかった。
    2) 総ビタミンC含量は,37℃保存では1週目より減少したが,8週目以降はその変化は小さかった。他の温度区では16週目以降ゆるやかに減少した。
    3) 残存酸素量は,-70℃保存では変化がなかったが,他の温度区では温度が高くなる程,期間が長くなる程急激に減少した。特に,25℃及び37℃保存区では12週目で数%以下にまで減少していた。
    4) 表面測色値は,-70℃・4℃保存において影響は見られなかった。37℃保存では1週目より16週目まで顕著な緑色の減少が見られた。
    5) 官能検査では,-70℃保存での影響は見られなかった。4℃,25℃保存でも商品特
    徴を維持していた。37℃保存において4週目以降商品として使用できないまで変質が進行した。
    6) 原料抹茶の保存は25℃以下で24週間商品特徴を維持した。37℃保存では,3~4週間が使用限界であった。
  • 大橋 透
    2002 年 2002 巻 93 号 p. 9-18
    発行日: 2002/06/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    (1)茶樹を白色ポリプロピレン製不織布(商品名:アグリテックス,シーアイ化成)によって冬季にトンネル被覆したところ,被覆下の日最高気温は無被覆よりも8℃から11℃高くなった。日最低気温にはほとんど差がなかった。
    (2)被覆区の新芽の遊離アミノ酸含有率が無被覆区と比べて有意に高かった。全窒素含有率には有意な差はみられなかった。
    (3)被覆区は無被覆区と比べて新芽数は少なく,新芽重,百芽重は軽かった。
    (4)被覆期間中の細根の遊離アミノ酸含有率及び被覆下の成葉の光合成速度は,無被覆区と比べて有意な差はみられなかった。
    (5)被覆区の新芽の遊離アミノ酸含有率が無被覆区と比べて高かったことは,萌芽期前後に新芽が低温障害を受けてその後の生育が悪くなり,摘採期に新芽が小さくなったために相対的に高くなったのではないかと考えられた。
    (6)遊離アミノ酸含有率が増加する被覆期間は1ヶ月半程度で十分であり,これ以上長い期間被覆しても遊離アミノ酸含有率は増加しなかった。
    (7)温度を上昇させる効果が高い資材で冬季に被覆することによって,無被覆とくらべて一番茶新芽の遊離アミノ酸含有率を高めることができるものの,新芽重,百芽重が軽くなった。冬季被覆を実用化させるためには,新芽重,百芽重の減少を防ぐ方法の開発が必要である。また,施肥量を減らした場合,冬季被覆によって新芽中の遊離アミノ酸含有率の低下を防げることを確認する必要がある。
  • 沢村 信一, 伊藤(中野) 恵利, 加藤 一郎
    2002 年 2002 巻 93 号 p. 19-25
    発行日: 2002/06/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    1) 荒茶の一般生菌数は,他の茶類(鳥龍茶・紅茶)と比較して多いことがわかった。蒸熱工程を含む緑茶特有の製造工程に起因しているものと思われる。
    2) 荒茶の一般生菌数を製茶法別に比較すると,深蒸し茶が普通煎茶より多い傾向にあった。深蒸し茶製造工程中の送帯式蒸機での一般生菌の残存と葉打ちから中揉にかけての二次汚染が原因と考えられる。
    3) 荒茶工場内の製茶工程毎に茶葉をサンプリングした結果,蒸機の種類により違いが見られた。送帯式蒸機の方が網胴回転撹拌蒸機より一般生菌数が多い傾向にあった。
  • 堀江 秀樹, 氏原 ともみ, 木幡 勝則
    2002 年 2002 巻 93 号 p. 26-33
    発行日: 2002/06/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    キャピラリー電気泳動法を用いて,緑茶葉及び浸出液中のシュウ酸,クエン酸,リンゴ酸及びコハク酸を定量した。さらに,これら有機酸について,新芽中の含有量の経時変化及び新芽の葉位別の含有量を測定した。その結果,クエン酸が茶の甘味に関係することが示唆されたものの,これら有機酸の含有量は品質指標としては重要性はそれほど高くないものと考察された。一方,圃場試験において,窒素施肥量が少ない場合は,新芽中の水溶性シュウ酸及び全シュウ酸の含有量は低かった。
  • 池田 奈実子
    2002 年 2002 巻 93 号 p. 34-38
    発行日: 2002/06/30
    公開日: 2009/12/03
    ジャーナル フリー
    '金系213,金韓93-23-7'の雄ずいがクラスター状であることを確認した。'金系213'は'やぶきた×ほうりょく'の交配から選抜された系統で,'金韓93-23-7'は,韓国萬淵寺から採取された系統である。これらの系統は雄ずいの基部が癒着しており,花粉稔性は正常である。雄ずいがクラスター状になる形質は遺伝的特性であると推察されるが,遺伝様式は不明である。
  • 中川 致之, 森藤 富士雄, 陳 風雷, 橋本 実千代, 山下 太市, 氏原 ともみ
    2002 年 2002 巻 93 号 p. 39-46
    発行日: 2002/06/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    添加茶判別時の指標とされるNa+濃度の測定値について,静岡県,鹿児島県,愛知県で生産された茶芽及び煎茶を試料とし,海岸からの距離を視点にした調査を行った結果,以下のような知見が得られた。
    (1) 静岡県の沿岸部,中間部,山間部で生産される茶芽のNa+濃度の間には,統計的に有意差が認められた。
    (2) 沿岸部で生産される茶芽では,添加茶の指標とされるNa+濃度を超えているものが見受けられた。
    (3) 鹿児島県産煎茶のNa+濃度についても,静岡県の茶芽と同様に,沿岸部,離島のものは高く,山間部のものは低い傾向があり,種子島産の煎茶では指標値を超えているものがあった。
    (4) 従って,沿岸部で生産される茶については,添加の有無をNa+の測定により判別することは不可能であり,グルタミン酸とテアニンの比率など,他の観点による判断が必要であると考えられる。
    (5) 茶芽中のNa+濃度は,降雨により著しく低下することが認められ,Na+濃度が高い原因は海水の飛沫の付着によると推測された。
    (6) 茶園土壌のナトリウム含有量については,海岸からの距離による差は認められなかった。
  • 佐田 康稔, 西島 卓也, 森田 明雄, 亀山 眞由美
    2002 年 2002 巻 93 号 p. 47-54
    発行日: 2002/06/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    蛍光X線分析顕微鏡を用いた茶葉の無機元素分析について検討した。その結果,カリウムは成葉,新葉の全体に存在し,新芽の心にやや多くみられた。また,カルシウムは成葉や大きな新葉に多く存在し,特に葉柄に多く存在していた。
    この方法を用いて,チャ炭疽病に罹病した茶葉の無機成分を分析したところ,カルシウムは次第に炭疽病特有の壊死病斑部に集積し,逆にカリウムは病斑部から消失していった。炭疽病による壊死の進行とともに茶葉中の無機元素が移行することが明らかとなった。
    蛍光X線分析顕微鏡による無機元素分析は茶殺青葉および凍結乾燥茶葉中において,その存在部位とその動態を多元素同時に分析することが可能であり,生理障害,病虫害などに対する茶樹の反応を解明するうえで有用な方法であることが明らかとなった。
  • 堀江 秀樹, 氏原 ともみ, 木幡 勝則
    2002 年 2002 巻 93 号 p. 55-61
    発行日: 2002/06/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    高速液体クロマトグラフィーを用いて,茶浸出液中のアデニル酸,イノシン酸及びグアニル酸の分析法を開発した。通常の茶浸出液中には,アデニル酸及びグアニル酸が検出されたが,その濃度は茶のうま味に影響しない程度であった。調味料を添加した茶の浸出液では,グアニル酸濃度が高く,イノシン酸が検出される場合が多かった。本分析法は,調味料が添加されていることの確認にも利用できる。
  • 水野 直美
    2002 年 2002 巻 93 号 p. 62-69
    発行日: 2002/06/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    関係者の常識としては明確であったが,厳密な科学的定義のなかった栽培地帯区分を明瞭にする方法を開発し初めて約1kmの解像度を持つ精密な区分図を作成した。これは,最寒月の日最低気温の月平均に基づくメッシュデータを利用したものである。栽培地帯区分に気温のメッシュデータを用いる最初の応用例である。栽培地帯区分自体の再検討も行い,従来の暖地,温暖地,冷涼地の他に,限界地,枯死域,亜熱帯を設定するべきという結論に達しその様に作図した。区分図はインターネットで公開予定であり,1ピクセル=1メッシュであるので,図から任意の地点の地帯区分が判定できる。この様な再利用可能で正確な位置指定の出来る地帯区分図はこれまでになかった試みである。区分図が作成できたので,将来の温暖化の対応を考えるため,各メッシュの温度を+2℃,+4℃,+6℃上昇させたデータに対して栽培地帯区分を行い,同様に図示した。この結果,現在でも栽培上の問題がある亜熱帯地域が拡大することが分かったので,この地域に対応する技術開発の加速が期待される。
  • 吉冨 均
    2002 年 2002 巻 93 号 p. 70-90
    発行日: 2002/06/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    茶品評会の集計作業を効率的に行なうプログラムを開発した。開発したプログラムは,効率的なデータ入力,順位付け,任意の書式での印刷機能を持ち,あらゆる形式の品評会に柔軟に対応できる。
  • 堀江 秀樹, 氏原 ともみ, 木幡 勝則
    2002 年 2002 巻 93 号 p. 91-94
    発行日: 2002/06/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    玉露浸出液中のアミノ酸及び有機酸を分析し,これに基づき,玉露のうま味のモデル液を調製した。このモデル液から,各成分を除去したときの味の変化を官能検査した結果,グルタミン酸,テアニン,クエン酸が玉露のうま味にとって重要と考察された。
  • 中川 致之
    2002 年 2002 巻 93 号 p. 95-101
    発行日: 2002/06/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
  • 原口 健司, 村上 宏亮, 牧 英樹, 木村 泰子
    2002 年 2002 巻 93 号 p. 102-109
    発行日: 2002/06/30
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
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