茶業研究報告
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2002 巻 , 94 号
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  • 渡部 育夫, 徳田 進一, 野中 邦彦
    2002 年 2002 巻 94 号 p. 1-6
    発行日: 2002/12/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    ライシメーターを用い,茶園からの養分の溶脱を検討した。試験は5年生やぶきた'茶樹をライシメーターに植栽し,供試した。植栽後4ヶ月経過した後養分の溶脱を3年間にわたり測定した。窒素の施肥量は30kgN/10a・年と50kgN/10a・年とした。最後の年度には重窒素標識硫酸アンモニウム(10.2atom%)を施用した。その結果50kgN/10a・年区で浸透水中の硝酸性窒素は年平均で10mg/lを超えた。また施用した重窒素標識肥料の溶脱率は30kgN/10a・年区では9%,50kgN/10a・年区では31%であった。
  • 辻 正樹, 金田 秋光
    2002 年 2002 巻 94 号 p. 7-14
    発行日: 2002/12/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    樹冠下での効果的な施肥技術を考えるために,樹冠下への雨水の落下状況を調べた。
    樹冠下ではごく一部の場所に多量の雨水が落下したのに対し,その他大部分の場所ではわずかな水量しか認められなかった。うね間にはほぼ降雨量程度の水量がむらなく認められた。また,裾部付近の落下水量は降雨量に対して特別に増加することはなかった。多量の採水量が認められた部分を観察すると,枝の一部が下に突き出したような形状をしており,樹冠面に降り落ちた雨水が枝を伝ってこの部分に集中するため局所的な落下分布を示すものと考えられた。このような樹冠下への雨水落下様式は,仕立てや降雨量の多少に関わらず同様であった。
    また,主幹の株元に集まる雨水の量を測定した結果,樹冠面に落下した雨の4割程度が主幹株元に集中的に流れ落ちることがわかった。
    以上の結果,茶園における樹冠下への雨水落下は極めて局所的であることがわかり,施肥成分の動態も場所により大きく異なると予想された。
  • 後藤 昇一
    2002 年 2002 巻 94 号 p. 15-28
    発行日: 2002/12/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    茶園造成地で伐採した樹木の枝条を枝条処理機でチップ化し,茶園土壌へ有機質資材として還元利用することを目的に実証試験した。チップ化した枝条は,造成地茶園ヘマルチ資材として利用する方法と,家畜ふんと混合して堆肥として利用する方法について検討
    した。
    1.枝条チップを定植1年目の幼木園のうね間にマルチすることにより,雑草の抑制は10a当たり30m3以上の施用区で効果が高かった。また,マルチにより土壌の物理性が改善されて,表層土壌が比較的ぼう軟に保たれるうえ,地温が安定する傾向にあった。
    生育,収量は無施用区に比べて勝る傾向にあり,施用量20m3~50m3/10aの範囲では30m3施用区が多い傾向であった。
    2.枝条チップを豚ぷんと混合して製造した枝条チップ堆肥を,定植時に植え溝に施用した場合,無施用区に比ベチャの生育,収量は多い傾向にあった。施用量2.5t~12.5t/10aの範囲では,5t施用区の生育,収量が多い傾向にあり,7.5t以上の施用区では土壌pHが6前後と高い傾向が認められた。
  • 志和 将一, 吉澤 喜代雄, 丸本 卓哉
    2002 年 2002 巻 94 号 p. 29-36
    発行日: 2002/12/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    赤黄色土の茶園を供試して,牛糞堆肥連用,牛糞堆肥単年施用および有機物無施用土壌のバイオマス炭素および窒素とその代謝回転速度を測定した。併せて菜種油粕連用土壌を含め,土壌の理化学性および微生物数の変化,バイオマス炭素および窒素の年間変動を調査した。
    牛糞堆肥連用5年目になると,牛糞堆肥連用土壌と有機物無施用土壌との間には有機態炭素量や陽イオン交換容量など明らかに理化学性の差がみられるようになった。希釈平板法によって検出した微生物数も牛糞堆肥連用土壌では,細菌,放線菌が大幅に増加していた。バイオマス炭素および窒素は,牛糞堆肥連用土壌が有機物無施用土壌に比ベバイオマス炭素で3~5倍,バイオマス窒素で2~8倍で推移し,菜種油粕連用土壌はその中間的な値で推移した。これらのことから,施用した可給態炭素量が微生物増殖の大きな制限要因となっていることが窺われた。
    バイオマスが保持する窒素量を表層から深さ20cmで推定すると,牛糞堆肥連用6年目の土壌で10a当たり8.4kg,牛糞堆肥単年施用土壌で5.7kg,有機物無施用土壌で5.1kgとなった。また,これらの代謝回転速度はそれぞれ0.85年-1,0.66年-1,0.57年-1となり,年間に深さ20cmまでのバイオマスから供給される窒素量はそれぞれ10a当たり7.1kg,3.8kg,2.9kgと推定された。茶樹が年間に吸収する窒素を10a当たり30kg,そのうち地力窒素が15kgと仮定すると,牛糞堆肥連用土壌では茶樹が吸収した地力窒素の47%,総窒素量の24%がバイオマスに由来することになる。
  • 山本(前田) 万里, 砂田 智, 太田(橋本) 晶子, 佐藤 晶紀, 小山 真右, 浅井 和美
    2002 年 2002 巻 94 号 p. 37-44
    発行日: 2002/12/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    がん治療においては転移を抑制することが重要であり,がん浸潤・転移過程ではマトリクスメタロプロテナーゼ(MMPs)が重要な役割を果たす。一方,滑膜細胞からのMMPs産生を抑制することはリウマチ疾患の予防的治療法で非常に重要なことである。近年,消費者の機能性食品への関心が高まってきている。そこで,本報では茶を中心とする食品中の抗リウマチ成分・がん転移阻害成分を簡易に検索するためのマトリクスメタロプロテナーゼ(MMP-2)活性測定用マイクロプレート比色法を開発した。本測定法は,ビオチン標識ゼラチン(BG)を供試試料とともにMMPで消化し,未消化BGをストレプトアビジン(SA)コートマイクロプレートに結合させ,さらにパーオキシダーゼ標識SAでサイドイッチして基質を発色させ,その吸光度の減少からMMPs活性の阻害程度を測定するものである。本方法により,従来2日かかっていた測定が約5時間で行えるようになった。
    また、ヒト細胞などを培養する必要がない等,簡易に行えるようになった。
  • 坂本 彬, 中川 致之, 杉山 弘成, 堀江 秀樹
    2002 年 2002 巻 94 号 p. 45-55
    発行日: 2002/12/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    1. 煎茶の標準的な入れ方に近い湯温50℃,60℃,70℃,90℃(遊離アミノ酸類は90℃を除く),浸出時間は1煎目が60秒,2煎目,3煎目が10秒間の条件で,主要カテキン類4種,カフェイン,主要遊離アミノ酸類6種がどのように溶出するかを調べた。
    (1)カテキン類,カフェインは,ともに温度の上昇に伴って溶出量が増加した。カテキン類のうちで遊離型カテキン類は比較的溶出しやすく,エステル型カテキン類は溶出が遅かった。90℃3煎目で前者が90%以上溶出されたのに対し,後者は50%台であった。
    カフェインは遊離型カテキン類に近い溶出性を示した。
    (2)アミノ酸類はきわめて溶出されやすく,50~70℃の1煎目で半分近く溶出し,3煎目には,ほとんど100%溶出した。ただし, アルギニンは他のアミノ酸より溶出が遅い傾向にあった。
    2. 温度を変える入れ方,すなわち1煎目を5℃,10分,2煎目を50℃,1分,3煎目を95℃1分の条件で主要カテキン類4種,カフェイン,主要遊離アミノ酸類6種,ペクチン,カリウム,マグネシウム,カルシウム,リン酸がどのように溶出するかを調べた。
    (1)遊離型カテキン類は冷水でも比較的溶出しやすく,3煎目までで80~90%が溶出した。一方,エステル型カテキン類は低温では溶出されにくく,熱湯を用いた3煎目で急激に溶出したが,それでも50%程度であった。
    カフェインは低温でも1煎目で36%程度溶出し,熱湯を用いた3煎目までで84%に達した。
    (2)アミノ酸類は冷水でもよく溶出したが,アルギニンは他のアミノ酸類より溶出が遅かった。1煎目に冷水を使用する条件でも,アルギニンを除いて2煎目で70~80%が溶出した。
    (3)ペクチンは溶出しやすく,いずれの形態のものも煎を重ねるに従って段階的に溶出が減少した。
    (4)カリウムは溶出されやすく,3煎でほとんどが溶出した。マグネシウム,リン酸は煎を重ねるに従って溶出が減少した。ただし,カルシウムは1煎から3煎まで同程度の溶出量であり,溶出割合も3煎までで4%に満たなかった。
    (5)1煎液の濃厚な甘味,旨味にはアミノ酸類の濃度が高く,ペクチンを多く含むことが,また3煎液の強い苦味にはエステル型カテキン類の濃度の高いことが寄与していると推察される。
  • 池田 奈実子
    2002 年 2002 巻 94 号 p. 56-59
    発行日: 2002/12/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    供試したチャの808品種・系統のうち13系統の花糸が淡紅色であることを確認した。そのうち10系統は,韓国の寺院から採取された系統で,3系統は育成系統である。花糸が淡紅色の系統の新芽及び成葉の葉色は必ずしも赤味を帯びていなかった。花糸の色は遺伝的特性であると推察されるが,遺伝様式は不明である。
  • 堀江 秀樹, 山本(前田) 万里, 氏原 ともみ, 木幡 勝則
    2002 年 2002 巻 94 号 p. 60-64
    発行日: 2002/12/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
    緑茶のカテキン類,ストリクチニン,カフェインを分析するための抽出法について検討した。2%リン酸水溶液で茶粉末を分散後,エタノールを等量添加して抽出する方法により最も高い抽出率が得られた。
  • 望月 雅俊
    2002 年 2002 巻 94 号 p. 65-78
    発行日: 2002/12/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
  • 2002 年 2002 巻 94 号 p. 79-83
    発行日: 2002/12/31
    公開日: 2009/07/31
    ジャーナル フリー
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