'はるもえぎ'は,1981年に宮崎県総合農業試験場茶業支場において'茶本F1NN27'を種子親,'ME52'を交配親として交配した中から選抜した品種である。
1991年から1999年まで'宮崎18号'の系統名で17場所で系適試験,2場所で特性検定試験(もち病,裂傷型凍害)が実施された。
その結果,'やぶきた'と'かなやみどり'の間に摘採できる品種として普及に移し得ると判断され,2003年9月に茶農林51号'はるもえぎ'として農林登録された。
'はるもえぎ'の特性の概要は次のとおりである。
1) 一番茶の萌芽期,摘採期は'やぶきた'より2日程度遅い中生品種である。
2) 樹姿は直立型,樹勢はやや強,株張りは'やぶきた'よりやや小さい。摘採期の新葉は淡緑である。
3) 耐病性は,炭疽病には中,輪斑病には強で'やぶきた'より強い。
4) 耐寒性は,赤枯れ,裂傷型凍害ともやや強である。
5) 収量は'やぶきた'と同程度である。
6) 煎茶品質は良好で,香気は温和で,滋味はまろやかである。特に色沢が優れる。荒茶に含まれる成分は,'やぶきた'に比ベアミノ酸含有率が高く,タンニン含有率は低い。
抄録全体を表示