茶業研究報告
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2008 巻 , 106 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
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報文
  • 田中 敏弘, 折田 高晃, 上園 浩, 菅野 正道, 加藤 正明
    2008 巻 (2008) 106 号 p. 106_1-106_14
    公開日: 2011/11/01
    ジャーナル フリー
    樹冠面の温度低下に応じて散水強度を制御する温度対応間断散水法について,防霜効果と節水効果を検討した。本方式は制御機のセンサーによる樹冠面の感知温度が凍霜害発生危険温度以下では連続散水とし,それより温度が高い場合は散水時間を短くして無駄な散水を抑えるという散水法である。
    恒温槽による低温処理において葉温-2.4℃で2葉期の新芽に凍霜害がわずかに発生した。この葉温を参考に制御機の感知温度で-1.0または-1.1℃以下では連続散水となるように設定した。2005~2007年の試験期間において,当設定の温度対応間断散水方式では葉温が-2.4℃以下になることはなく,凍霜害を回避できたと判断された。
    散水と停止を等間隔で繰り返す均等間断散水方式では,防霜開始直後に葉温が-3.1℃まで低下した日があり,凍霜害発生の危険がある方式と考えられた。
    温度対応間断散水方式の散水量は温度が高い場合には少なく,用水量は連続方式の4割程度,均等周期方式の8割程度に止まった。
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  • 荒木 琢也, 松尾 喜義, 深山 大介, 角川 修, 荒木 慎介
    2008 巻 (2008) 106 号 p. 106_15-106_20
    公開日: 2011/11/01
    ジャーナル フリー
    防霜ファンの無駄な稼働を排した節電型の制御法の開発を目的として,茶園の風の強弱が高所と地面付近との気温差および防霜ファンの効果に及ぼす影響について調査した結果以下の点が明らかになった。
    1)気象観測露場における観測から,地上6.5mの風速の増加に伴い,高所(4.8m)と低所(0.5m)の気温差は減少し,平均風速が3m/sを超える状況下では気温差が1℃以下だった。
    2)風速2~3m/s程度以上の状況下では,防霜ファンの稼働に対応した樹冠面葉温の昇温効果が認められなかったが、風速がそれ以下の場合ははっきりと認められた。
    以上の結果より,気温差や風速条件を防霜ファンの稼働制御に利用すれば,効果が期待できないような環境下での無駄な稼働をなくした節電型の制御が可能になると考えられた。
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  • 角川 修, 深山 大介, 荒木 琢也
    2008 巻 (2008) 106 号 p. 106_21-106_38
    公開日: 2011/11/01
    ジャーナル フリー
    感水紙を用いて茶園における農薬散布時のドリフトを調査し,以下の知見を得た。
    1)オープンソースの画像処理プログラムImageJを用いて感水紙の液斑を自動抽出することが可能であった。また,ImageJのAnalyze Particlesコマンドを用いて,個々の液斑の面積や液斑の被覆面積率を容易に求めることができた。ただし,自動2値化で得られた液斑面積は視覚判断による液斑よりも大きめに抽出されるので,補正係数0.7411を用いて補正する。
    2)散布方法やノズルの違いにかかわらず,ドリフトした液滴の99%が直径200μm未満, 80%が直径125μm未満であった。
    3)ノズルの違いに関しては,手散布および乗用型防除機ともに,散布粒子の大きいノズルのほうがドリフトは少なかった。しかし,葉面付着程度には差は見られなかった。
    4)手散布と乗用型防除機の比較では,乗用型防除機のほうがブームノズルと樹冠面との距離を近く保てるため,ドリフトが少なかった。
    5)乗用型防除機の飛散防止カバーは粒子径が小さいノズルでは効果が見られたが,ドリフト・リスクを小さくするためには,粒子径の大きなノズルを使用することが望ましい。
    6)ドリフト率の値を用いて,他のドリフト試験の結果と比較したところ,茶園においては散布ノズルと樹冠面との距離を近くすることが可能なので,ドリフト率が約1/10と非常に小かった。
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  • 小澤 朗人, 久保田 栄, 金子 修治, 石上 茂
    2008 巻 (2008) 106 号 p. 106_39-106_52
    公開日: 2011/11/01
    ジャーナル フリー
    静岡県の茶園に生息するクワシロカイガラムシの土着天敵類の発生実態を明らかにするため,2002年と2003年に数カ所の茶園において,葉層下に設置した黄色粘着トラップに捕獲された天敵類の種類とその数を調べた。その結果,チビトビコバチ,サルメンツヤコバチ,ナナセツトビコバチ,クワシロミドリトビコバチ(仮称),および二次寄生蜂のマダラツヤコバチの5種の寄生蜂と捕食性タマバエDentifibula sp.,ハレヤヒメテントウ,キムネタマキスイ,およびヒメアカホシテントウの3種の捕食性コウチュウ類がトラップに捕獲された。寄生性天敵では,チビトビコバチの捕獲数が最大で,次いでサルメンツヤコバチや捕食性タマバエの捕獲数が多く,羽化調査の結果と同様にチビトビコバチが第1優占種であった。捕食性コウチュウ類では,ハレヤヒメテントウの捕獲数が他種より圧倒的に多く,本種がコウチュウ類の優占種であった。チビトビコバチは年間5~6回の明瞭な捕獲ピークが,サルメンツヤコバチとナナセツトビコバチでは年間3回の捕獲ピークが,捕食性タマバエとハレヤヒメテントウでは,やや不明瞭であるものの年間3回程度の捕獲ピークが認められた。さらに,チビトビコバチ,サルメンツヤコバチ,ナナセツトビコバチ,および捕食性タマバエでは,寄主のクワシロカイガラムシの幼虫ふ化ピーク日または雄成虫のピーク日と各天敵のピーク日との関係をまとめた。クワシロカイガラムシ幼虫または雄成虫の捕獲数とチビトビコバチの成虫捕獲数との関係を各世代毎にプロットしたところ,寄主-捕食寄生者間のモデルに示されたような震幅を拡大しながらの左回りの挙動を示した。このことから,チビトビコバチが,天敵として寄主の密度抑制に深く関与していることが示唆された。
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  • 野中 邦彦, 廣野 祐平, 渡部 育夫
    2008 巻 (2008) 106 号 p. 106_53-106_62
    公開日: 2011/11/01
    ジャーナル フリー
    慣行施肥が行われている茶園において,重窒素標識硫安をうね間施肥(うね間中央から株元へ15cmの施肥幅)及び広幅施肥(うね間中央から株元へ40cmの施肥幅)で上乗せ施用し,両者の窒素利用効率を解析した。その結果,広幅施肥を行うことによって,慣行のうね間施肥を行った場合に比べ,硫安で施肥した窒素の利用効率は33~38%向上することが分かった。また,窒素の利用効率向上は,秋肥,春肥,芽出し肥,夏肥のいずれの時期においても認められた。
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  • 三浦 伸之, 内村 浩二, 中村 孝久, 烏山 光昭, 阿江 教治
    2008 巻 (2008) 106 号 p. 106_63-106_70
    公開日: 2011/11/01
    ジャーナル フリー
    近年,茶園における施肥量の増加が懸念される。そこで,鹿児島県基準の年間窒素施用量50kg/10aに減肥した茶園を,再び有機質肥料主体で年間窒素施用量87~100kg/10aに多施用した場合における,窒素溶脱量および土壌中の窒素形態の変化を経時的に検討した。
    施肥基準に準じた栽培から有機質肥料多施用へ移行すると,地下60cmの暗きょ排水における硝酸態窒素濃度は,従来から有機質肥料多施用を継続していた茶園に比べて1/2以下だったのが,10ヶ月目から上昇し,移行後約11ヶ月で従来からの有機質肥料多施用並の濃度に高まった。これは減肥により溶脱窒素濃度が低下するのにかかる期間より約6ヶ月早かった。一方,移行1,2年後のうね間土壌中のタンパク質様窒素は増加したが,全窒素はあまり増加しなかった。このことは,有機質肥料多施用へ移行しても,増施分の窒素は土壌への蓄積が少なく,速やかに溶脱することを示している。
    以上のことから,茶園における有機質肥料の多施用は,短期間で窒素溶脱量の増大を引き起こすことが明らかになった。
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  • 深山 大介, 荒木 琢也, 角川 修, 東 邦道
    2008 巻 (2008) 106 号 p. 106_71-106_80
    公開日: 2011/11/01
    ジャーナル フリー
    歩行作業による茶園施肥作業の軽作業化および高能率化を目的として,パイプ噴頭を備える台車式の歩行型施肥機を試作した。また有効作業量や,心拍数増加率等の作業特性について手押し式および動力付施肥機と比較検討したところ,以下の結果を得た。
    (1) 台車式施肥機は,左右に旋回する2本のパイプ噴頭により,2うね同時施肥と,一方のうね端で旋回動作を要しない作業法を実現することができる。
    (2) 台車式施肥機は,従来の歩行型施肥機より作業速度がやや遅いものの,作業幅の拡大により,有効作業量は0.89ha/hとなった。手押し式施肥機は0.71ha/h,動力付施肥機は0.58ha/hであり,台車式施肥機の作業能率の高さが示された。
    (3) 台車式施肥機の通常作業時の心拍数増加率は20%~52%となり,手押し式施肥機の43%~93%や動力付施肥機の45%~69%より低く,作業負担は小さかった。
    (4) 作業速度が同一であれば,台車式施肥機の心拍数増加率は手押し施肥機や歩行動作と同等であり,動力付施肥機より低かった。一方,有効作業量を同一にして心拍数増加率を比較すると,台車式施肥機の心拍数増加率が有意に低くなった。
    (5) 以上より,パイプ噴頭を有する歩行型台車式施肥機は,作業幅拡大により有効作業量が大きく,また作業速度がやや遅いことにより結果として作業者への作業負担が軽減できることが明らかとなった。
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  • 佐藤 昭一, 眞正 清司, 入来 浩幸, 浅井 淳也, 菅沼 宏文, 柴田 努
    2008 巻 (2008) 106 号 p. 106_81-106_90
    公開日: 2011/11/01
    ジャーナル フリー
    過熱水蒸気や加湿熱風を加熱媒体として加えた茶殺青装置を開発し,製茶特性及び荒茶品質について調査した。
    (1) 従来の釜炒り茶製造法に比べ,処理能力が向上し,品質管理を可能とする殺青機の仕様を構築した。
    (2) 新殺青機により,釜炒り茶風の茶だけでなく普通煎茶や深蒸し茶まで多様な蒸し度に対応できた。
    (3) 開発した殺青機により処理された茶葉は殺青中に重量減がみられた。
    (4) 釜炒り香味発揚の程度には生葉投入量の影響が大きく,殺青胴壁面と直接加熱される茶葉の接触機会が影響を及ぼすと考えられた。
    (5) 開発した殺青機により処理された茶葉は夏茶臭等の不快臭の軽減効果がみられた。
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  • 阿南 豊正, 山口 優一, 田村 保晃, 水上 祐造, 澤井 祐典
    2008 巻 (2008) 106 号 p. 106_91-106_104
    公開日: 2011/11/01
    ジャーナル フリー
    気温の違いが茶新芽の形質及び成分含有率に及ぼす影響について検討した。まず,温室での1年生茶樹を用いた試験及び成木園のビニールハウスにおける試験で,秋から春まで加温した区と対照の無加温露地区の一番茶新芽を比較した。品種は‘やぶきた’で,平均気温は加温区が16℃~19℃,露地区は9℃~12℃であった。なお,最終整枝は露地区が10月中旬~11月上旬,加温区は1月上旬~1月中旬に行った。
    その結果,加温区は露地区より全新芽数が少なく全新芽重が小さかった。また,新芽が不揃いであり,カテキン類含有率が高く全窒素含有率が低い傾向にあった。
    次に,‘やぶきた’の1年生茶樹を用いて,温室加温区と無加温露地区で年間の気温の違いによる影響を調べた。各茶期ごとに生育する新芽を採取し,形質調査及び成分分析を行った。1年間の平均気温は,加温区が22℃~23℃で露地区は16℃~17℃であった。
    その結果,加温区が露地区より摘芽回数が多く,年間の1株当り全新芽重が大きかった。また,期間終了時の樹高・幹直径・地上部重量で加温区が大きい傾向にあった。
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