茶業研究報告
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2012 巻 , 113 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
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総説
  • 物部 真奈美
    2012 巻 (2012) 113 号 p. 113_1-113_9
    公開日: 2015/10/30
    ジャーナル フリー
    放射能汚染による生体影響で危惧される影響の1つに「がん」がある。遺伝子異常の蓄積の結果,発がんに至ると考えられており,できる限りがんリスク要因を減らすことが重要である。また,生体は障害を防ぐ機構を備えており,その機能低下を防ぐことも重要であると考えられる。
    報告されている放射線を用いた研究結果からは,緑茶の飲用による放射能汚染からの明確な防護効果を見出すことは難しい。しかし,これまでに報告されている緑茶の飲用による生体内抗酸化能の増加や免疫系への作用を考えると,緑茶の飲用が,個々が持っている障害への抵抗力を増加し,ひいては発がん抑制機構の一部を補助する可能性のあることが期待できる。期待できるといっても,緑茶を飲めば「がん」やその他病気にかからないということではなく,数あるリスクのうちのいくつかを減らす可能性があるとまでしかいえないのが現状である。
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報文
  • 田中 敏弘, 美座 芳江, 富濵 毅, 堀口 大輔, 堀口 俊, 徳田 明彦, 勝田 雅人, 加藤 正明
    2012 巻 (2012) 113 号 p. 113_11-113_26
    公開日: 2015/10/30
    ジャーナル フリー
    散水氷結法によるチャの防霜において,葉温は散水開始後に凍害発生の危険性のある-2℃付近まで低下し,その後急速に水の氷点(0℃)まで上昇する事例が多い。これまで,この散水初期の葉温低下は,散水量の不足や散水の不均一性のために起きていると考えられてきた。しかし,著者らは,この葉温低下が過冷却現象である可能性を考慮して本研究を実施し,以下のような結果を得た。
    1)新芽を沈めた水は,低温庫内で氷核活性細菌の懸濁液と同様に過冷却現象を示した。
    2)水中の一番茶新芽は,低温処理により-3℃程度まで葉温が低下しても,水が過冷却中で氷結前であれば被害を受けず,氷結後に葉温が-1.1℃より低下しなければ,被害の発生はなかった。
    3)新芽に凍霜害が発生しない温度域で葉温を維持することを目的に温度対応型の散水制御装置を試作し,野外での防霜効果および節水効果を検討した。本制御機は,センサーの感知温度が-0.3℃以上の温度帯を3分間継続する場合に散水を停止し,-0.4℃以下となった場合に散水を再開するように設定した。
    4)本制御による防霜は,2011年春期の連続して降霜が見られた条件下でも,一番茶新芽を凍霜害から守ることができた。また,センサー感知温度が-0.4℃以下とならない場合,散水量は非常に少なく,2011年の春期を通じた本制御の使用水量は鹿児島県曽於畑地域で普及している100秒均等間断散水より23%削減された。
    以上,本研究では,水が過冷却の状態であれば,氷点以下の低温になっても新芽に凍害は発生しないことが明らかにされた。また,水が氷結後に凍霜害が発生しない温度域で葉温を制御する新しい節水型防霜法は,実用性が高いことが確認された。
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  • 豊島 真吾, 石島 力, 佐藤 安志
    2012 巻 (2012) 113 号 p. 113_27-113_34
    公開日: 2015/10/30
    ジャーナル フリー
    誘蛾灯によるゴミムシ類の多様性調査の有効性を評価するため,茶園の誘蛾灯に捕獲されるゴミムシ類の種多様性と季節消長を把握し,ピットフォールトラップ(PFT)による調査結果と比較した。誘蛾灯には,2010年5月25日から10月25日までに24属52種1,959個体のゴミムシ類が捕獲され,上位10種で総捕獲数の90%を占め,既報のピットフォールトラップ(PFT)調査に比べて上位種が多様であったが,PFTの主要種であるマルガタツヤヒラタゴミムシは捕獲されなかった。誘蛾灯の主要5種は7月または9月に捕獲ピークを示したが,PFTの主要2種は6月と11月に捕獲ピーク(2山型)を示した。全期間の捕獲数に基づく種多様度指数は,0.794(シンプソンの指数:D)および2.198(シャノン・ヴィナーの指数:H’)と推定され,PFTのそれらに比べて高かった。以上より,誘蛾灯はPFT調査に比べて多様なゴミムシ類を捕獲するが,PFTと組み合わせて,相互にデータを補完することが望ましい。
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  • 松尾 啓史, 藤田 進, 龍野 利宏, 長瀬 慶紀, 御手洗 正文, 槐島 芳徳, 豊満 幸雄, 木下 統, 谷口 知博
    2012 巻 (2012) 113 号 p. 113_35-113_54
    公開日: 2015/10/30
    ジャーナル フリー
    水乾機について熱の流れと効率を求める実験を,水乾工程で使用した場合と締炒工程で使用した場合とに分けて行い,次の結果を得た。
    ⑴ 水乾機へ供給される熱量は,生葉1(kg)あたり水乾工程で約2,300(kJ),締炒工程で約960(kJ)であった。このうち水乾工程では19.4(%)が,締炒工程では22.3(%)が蒸発熱として有効に使われていた。
    ⑵ 熱効率への作業条件の影響は,今回の実験の範囲では認められなかった。
    ⑶ 熱効率は水乾工程で19.5(%),締炒工程で22.2(%)であった。
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  • 水上 裕造
    2012 巻 (2012) 113 号 p. 113_55-113_62
    公開日: 2015/10/30
    ジャーナル フリー
    ほうじ茶葉自体に含まれる香気寄与成分を特定するため,SAFE装置を用いた高真空蒸留で香気エキスを得て,希釈分析法で香りを解析した。その結果,Fdf10から10000を示す香気寄与成分として50成分が検出された。また,本研究では新たな茶の香気成分として,furfuryl mercaptaneと2-vinyl-3,5-dimethylpyrazineを同定した。ほうじ茶に最も強く影響する香気成分は2-ethyl-3,5-dimethylpyrazineと4-hydroxy-2,5-dimethyl-3(2H)-furanoneであった。次いで, 香りに影響する成分は2-acetyl-1-pyrrolline,(Z)-1,5-octadien-3-one,furfurylmercaptane, 2,3-diethyl-5-methylpyrazine,(E,E)-2,4-nonadienal, β-damasconeおよびβ-damascenoneの7成分であった。
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短報
  • 吉田 克志, 松尾 喜義
    2012 巻 (2012) 113 号 p. 113_63-113_69
    公開日: 2015/10/30
    ジャーナル フリー
    We developed a simple method of estimating the freezing resistance of tea plants by measuring electrolyte leakage from low-temperature-treated overwintering buds and leaves. Overwintering buds and leaves were treated with subfreezing temperatures (−2°C to −15°C) in a controlled freezer for 1 hr and incubated for one hour at 15°C in a growth chamber. Each overwintering bud and leaf was then immersed in distilled water adjusted to 20 times (bud) or 40 times (leaf) the volume of the plant tissue’s weight. Electric conductivity (EC) of the water in which tissue was immersed was measured by a conductivity meter at 0, 60 and 120 minutes after addition of water. Freezing damage to tissues was confirmed by 0.1% (w/v) Evans blue staining after EC measurement. The increase of EC of tissue immersed in water from 0 to 120 minutes indicated the degree of freezing damage to buds and leaves. The freezing resistance of buds and leaves could be estimated from the variation in increase of EC value among the tissues treated at different temperatures, to an accuracy of 1°C. This method is an easy, precise method of evaluating the freezing resistance of tea plants and would be useful for monitoring changes in the freezing resistance of tea plants from autumn to spring to avoid frost damage.
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  • 物部 真奈美, 江間 かおり, 徳田 佳子, 山本(前田) 万里
    2012 巻 (2012) 113 号 p. 113_71-113_76
    公開日: 2015/10/30
    ジャーナル フリー
    Catechins, one of the main components in green tea extract, have antioxidative activity and immunomodulating activities, and play an important role in reducing the risk of disease. The most abundant catechins in a green tea extract are epigallocatechin gallate (EGCG) and epigallocatechin (EGC), and the EGCG/EGC ratio in a green tea extract was affected by the extraction temperature. We found that the cold water extract or the catechin mixture with a high EGC ratio induced greater immunoglobulin A (IgA) production by murine Peyer's patch (PP) cells. Here, we investigated the effect of cold water extract of green tea on salivaly sIgA levels in habitual green tea (hot water extract) drinker.
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技術レポート
  • 松尾 啓史, 藤田 進, 龍野 利宏, 長瀬 慶紀, 御手洗 正文, 槐島 芳徳, 豊満 幸雄, 木下 統, 谷口 知博
    2012 巻 (2012) 113 号 p. 113_77-113_80
    公開日: 2015/10/30
    ジャーナル フリー
    釜炒り茶製造工程全体における必要熱量を計算した。荒茶1kgを製茶するのに必要な供給熱量は,煎茶が約28,000kJであるのに対して,釜炒り茶は,炒り葉→揉捻→水乾→締炒→乾燥の工程で約32,000kJ,炒り葉→揉捻→中揉→締炒→乾燥の工程で約25,000kJ,炒り葉→粗揉→揉捻→中揉→締炒→乾燥の工程で約26,000kJであった。釜炒り茶製造工程の熱効率向上のためには,水乾工程において水乾機の代わりに中揉機を導入するのが有効と思われるが,これでは釜炒り茶の特徴が失われる可能性があるため,水乾機の熱効率の改善が急務と考えられる。
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  • 谷口 知博, 槐島 芳徳, 松尾 啓史, 藤田 進, 龍野 利宏
    2012 巻 (2012) 113 号 p. 113_81-113_91
    公開日: 2015/10/30
    ジャーナル フリー
    釜炒り茶と煎茶の荒茶カテキンおよびカフェイン含有量に差がなかったが,浸出液では総じて釜炒り茶が煎茶より低く,例えば1~3煎の合計でみた場合カテキンは約30%,カフェインは約20%煎茶に比べ少なかった。  煎茶は,浸出条件が異なった場合でも実験区間のカテキンおよびカフェイン含有量に差がみられなかったが,釜炒り茶は浸出時間や60℃~100℃の浸出温度,浸出回数でカテキンおよびカフェイン含有量に差がみられ,粗揉,中揉を加えずに製造された釜炒り茶が最も少ない結果となった。これは,釜炒り茶の内容成分は煎茶よりも溶出しにくく,その理由は茶葉に対し釜炒り茶の製茶工程では煎茶ほど揉圧が加わらないからであり,釜炒り茶の中でも揉圧を加える工程が最も少ない粗揉,中揉を加えずに製造された釜炒り茶でカテキンおよびカフェイン含有量が少ない結果になったことから,茶葉へ揉圧を加える時間の長さがカテキン類およびカフェインの溶出割合へ影響していると考えられる。
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