CHEMOTHERAPY
Online ISSN : 1884-5894
Print ISSN : 0009-3165
ISSN-L : 0009-3165
28 巻, 9 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 由良 二郎, 品川 長夫, 石川 周, 松垣 啓司, 花井 拓美, 安藤 正英
    1980 年 28 巻 9 号 p. 1163-1170
    発行日: 1980/11/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Silver sulfadiazineの細菌学的検討を行ない, 次の結果を得た。
    (1) 緑膿菌, 大腸菌, Klebsiellaに対して本剤は全て200μg/ml以下のMICを示し, そのピークは50μg/mlないし100μg/mlであった。また, Staphylococcusに対しては, これより1~2管高いMICのピークを示したが, いずれも200μg/ml以下のMICであった。
    (2) 本剤は緑膿菌, 大腸菌に対して1時間ないし2時間で殺菌作用を示した。
    (3) 緑膿菌を用いた耐性獲得試験において, 本剤に対する耐性獲得は認めなかった。
    (4) 位相差顕微鏡において本剤による緑膿菌の形態変化を観察したが, 2時間で全く分裂増殖は認めず, 4時間で細胞内に斑状の濃淡を認めたが, フィラメント化や溶菌像は全く認めなかった。
  • 尾花 芳樹, 真屋 幸弘, 西野 武志
    1980 年 28 巻 9 号 p. 1171-1178
    発行日: 1980/11/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    合成化学療法剤Nalidixic acid, Pipemidic acidおよびMiloxacinを肺炎桿菌に高濃度作用させた時の抗菌作用について検討を加え, 次のような結果が得られた。
    1) 殺菌作用について検討したところ, 各薬剤の16 MIC作用で殺菌性が最大となり, これよりも高濃度作用では殺菌性の低下 (殺菌性の逆転) が認められた。また高濃度作用でも6時間以上作用させるとdose responseが認められた。
    2) EDTA処理によりosmotic shockをかけた菌では高濃度作用でも殺菌性の逆転は認められなかった。
    3) 殺菌性の逆転に及ぼすChloramphenicol, Mitomycin CおよびRifampicin添加の影響ではこれらの薬剤添加により殺菌性の逆転が認められなくなった。
    4) 菌体高分子合成に及ぼす影響では, RNA含量, Protein含量ではdose responseのある合成阻害が認められた。DNA含量では他の成分より強い阻害が認められたが, あまりdose responseがなかった。
  • 1濃度ディスク法の検討 (2)
    渡辺 邦友, 上野 一恵, 甲畑 俊郎, 渡辺 泉, 江崎 孝行, 今村 博務, 二宮 敬宇, 鈴木 祥一郎, 沢 赫代, 沢村 治樹, 川 ...
    1980 年 28 巻 9 号 p. 1179-1183
    発行日: 1980/11/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Bacteroides groupの50株のLCM, CLDM, CP, TP, MINO, CEZの6薬剤に対する感受性をGAM寒天培地 (ニッスイ) を用いた寒天希釈法および1濃度ディスク法で測定し, B. fiagtilis groupに対し1濃度ディスク法が成立するか否かを検討した。その結果, 寒天希釈法によって得られた最小発育阻止濃度 (MIC) と1濃度ディスク法によるディスク周囲に生じた阻止円の直径とは, よく相関した。同時に検討した3濃度ディスク法では, TCを除きかなりよく相関した。TCでは, 12.5~25μg/mlと比較的高いMICを示した15株中9株が卅と判定された。
  • 重栖 幹夫, 富樫 修, 藤本 和巳
    1980 年 28 巻 9 号 p. 1184-1193
    発行日: 1980/11/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Cefotaxi me (CTX) をラットに静脈内投与 (20mg/kg) し, CEC, CEZ, CBTと比較したがらその薬動力学的検討を行った。CTXは2分画モデルに従う血漿中濃度推移を示し, その半減期 (β相) は14, 8分であった。血漿中からの消失速度をCEZ, CECと比較するとCEC>CTX>CEZの順であった。CTX投与後の血漿中にはdesacetyl-CTXが投与5分後から検出され, その濃度はCTXとほぼ同濃度であった。
    CTXの組織への移行は速やかでほとんどの組織で投与15分後の濃度が最高値であった。
    腎臓で最も高濃度に, 肺臓, 心臓でも比較的高濃度に検出された。
    CTXの排泄は主として腎臓を介して速やかになされ, 投与量の85.7%がCTXおよびdeaacetyl-CTXとして, 投与後6時間以内に尿中に排泄された。尿中へ排泄されたCTXとdesacetyl-CTXの量的比率は約1: 2.6であった。CTXのラットにおける脱アセチル化の程度はCETに比べ小さかった。
    CTXおよびCEZの正常ラットでのPharmacokineticsは, CCl4急性肝障害, またはBEA急性腎障害ラットでともに影響を受けたが. 血漿中からの消失半減期の遅延からみたとき, 腎障害ヲットでCTXが, 肝障害ラットでCEZがより強く影響を受けた。
  • 本村 美雄, 坂本 裕, 松川 純一, 牟田 弘
    1980 年 28 巻 9 号 p. 1194-1200
    発行日: 1980/11/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    1979年5月から同年12月までの8ヵ月間に川崎市立川崎病院耳鼻咽喉科において, 耳鼻咽喉科領域感染症である急性中耳炎10例と急性扁桃炎9例の計19例に9, 3'-di-O-acetyl midecamycin (以下, MOMと略す) を投与し, その臨床的効果を検討し, 以下の結果を得た。
    1. MOM投与量は1日量600mgとし, 1日3回に分けて経口投与し, 投与日敬は2日から14日間 (平均こ2日) で, 総投与量は1, 200mgから8, 400mg (平均3, 694.8mg) であった。
    2. 臨床効果の判定は, 著効, 有効, やや有効, 無効の4段階とし, 著効と有効の症例をもって有効率を示した。MOM投与19例のうち, 著効9例, 有効5例, やや有効3例, 無勘2例で, 有効率は73.7%であった。
    3. 病巣からの分離菌は, Staphylococcus aureus, β-hemolytic Streptococcus, Pseudomonas Micrococcusであった。Staphylococcus aureusとβ-homolytic Streptococcusに対しては, MOMは臨床的に有効であったが, Pseudomonasに対しては無効であった。
    4. 各種臨床検査値は, MOM投与が直接原因と思われる病的変動を示さなかった。
    5. 副作用としては, 発疹1例と胃部不快感1例を認めた。
    6. 以上の結果を総合すると, MOMは耳鼻咽喉科領域感染症に臨床的に有用なMacrolde系薬剤の1つと考えられる。
  • 斎藤 厚, 重野 芳輝, 中富 昌夫, 広田 正毅, 那須 勝, 原 耕平, 清水 龍夫
    1980 年 28 巻 9 号 p. 1201-1206
    発行日: 1980/11/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    最近6年間における当大学病院の抗生剤使用の現況と最近10年間における臨床材料からの菌検出頻度を我国の抗生剤使用の動向と比較して述ベた。1973年当院では検出菌の70%以上をグラム陰性桿菌が占め、使用抗生剤ではPenioillin系抗生剤 (PCs), Cephalosporin系抗生剤 (CEPs) が主流を占めてそれぞれ100.9kg, 76.6kgと最も多く, 次いでChloramphenicol (CP1 20.3kg), Lincomycin (LCM), Clindamycin (CLDM) を含めたマクロライド系抗生剤 (MLs, 14.1kg), アミノ配糖体系抗生剤 (AGs, 10.8kg), テトラサイクリン系抗生剤 (TCs, 3.2g) の順であった。
    PCs, CEPsの使用量は年々増加し, 1978年極めて僅か減少したものの上記6系統の主要抗生剤のなかで, これらが占める割合は88.2%であった。我国における成績ではこの比率は74.9%であり, 帝京大学では92% (1976) と報告藤井, 1979のされているので, 当院はこの中間的値をとっていた。
    CP, TCsは我国の動向と同様の曲線を描き, 年々減少の一途をたどりCPでは1973年の20.3kgから1978年0.5kgへ, TCsでは3.2kgから1.5kgへと減少した。MLsとAGsはやや異なった態度をとり, 前者は1973年14.1kgから1975年8.4kgへと減少したのち, 再び増加し1978年は21.1kg使用されていた。主としてLCMとErythromycim (EM) とで形作られるMLsの動きは, 1973年にはじまったLCMによ偽膜性腸炎の報告や1975年の厚生省による抗生剤再評価によるCPの使用制限および嫌気性菌感染症に対する認識の向上などの要因によって変化しているものと考えられる。AGsの動きもMLsと類似したパターンをとり, 1973年10.8kgから1975, 1976年5.9kgと一時減少したが, 以降漸増し, 1978年は7.3kgの使用であった。この変化はKanamnycin (KM), Streptomycin (SM) の使用量の減少と緑膿菌を抗生領域に含むGentamicin (GM), Dibekacin (DKB), Amikacin (AMK) などの使用量の増加により形作られ, KM, SMの1回使用量に比し, GMなどのそれは1/10~1/5程度と少ないためやFlatoridinの使用中止とそれに代るとみられるKM錠剤の使用量の増加が影響しているものと思われた。
    その他, Nalidixic acidをはじめとする抗菌製剤やPenicillin Gの使用量は, 年々減少の一途をたどっていた。
  • 1980 年 28 巻 9 号 p. 1207-1239
    発行日: 1980/11/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
  • 1980 年 28 巻 9 号 p. 1240-1290
    発行日: 1980/11/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
  • 1980 年 28 巻 9 号 p. e1
    発行日: 1980年
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
feedback
Top