CHEMOTHERAPY
Online ISSN : 1884-5894
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ISSN-L : 0009-3165
28 巻, Supplement5 号
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  • 三橋 進
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 1-6
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Ceftizoxime (CZX, FK 749) のin vitro抗菌力を, 臨床分離のグラム陰性菌について検討した。CZXは使用したすべての菌種, Eschersichia coli, Klebsiella pneumoniae, Serratia marcesceits, citrobacter freundii, Proteus mirabitis, Proteus vulgaris, Proteus morganii, Proteus rettgeriに対し, 低いMICを示し, Cefoxitin (CFX), Cefazolin (CEZ) よりすぐれていた。また, E, coliにおいて本剤は, 108, 106 cells/ml接種時のMICの変動がCFX, CEZより大きかった。
    β-Lactamaseに対する安定性についてO'CALLAGHAMらによるphetometric assayによって検討した結果, CZXはPseudomonas cepacia, Bacteroides fragilisのβ-lactamaseに対し, CFXよりはやや安定性は劣るが, 概してβ-lactamaseに対して強い抵抗性を有していた。
    In vivo抗菌力をE.coli, K.pneumoniae, S.marcescensを用いて検討した。CZXは, E.coliではCEZ, CFXの約1/30量, K.pneumoniaeではCEZの約1/20量, CFXの約1/200量, S.marcescensではCFX, Carbenicillin (CBPC) の約1/12量で, 同等の治療効果を示した。
  • 五島 瑳智子, 辻 明良, 小川 正俊, 金子 康子, 宮崎 修一, 桑原 章吾
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 7-23
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新cephalesporin剤Ceftizoxime (CZX, FK 749) のin vitro. in vivo抗菌作用をCefazolin, Cefamandole, Cefurqxime, Cefoxitin, Cefmetazole, Cetotiam, Cefotaximeと比較検討し, 次の結果を得た.
    Ceftizoximeはグラム陽性菌, グラム陰性菌に有効で, とくにグラム陰性桿菌に強い抗菌力を示し, 従来のcephalosporin剤に感受性の弱かったインドール陽性のProteusおよびSerratiaに対する抗菌力は他の7剤より強かった。ブドウ糖非醗酵菌のP.cepacia, A.caleaaceticus, F.meningasepticumにも抗菌力を示したが, P.aeruginesaにはCefotaximeよりやや弱かった。S.aureusに対する抗菌力はCefazelin, Cefamandole, Cefuroximeより弱い。
    E.coli, K.pneumoniae, P.mirabilis, P.vulgaris, C.freundiiの産生する不活化酵素 (Penicillinase型, cephalosporinase型) に対し, CeftizoximeはCefotaxime, Cefuroxime, Cefmetazole, Cetoxitinと同様, きわめて安定であったが, E.coliのうち, RICHMONDのclass Vに相当すると思われる酵素に対してはCefotaximeと同様やや不安定であった。
    マウス実験感染ではin vitroの抗菌力とほぼ平行した成績が得られた。すなわち, E.coli, Serratia, KlebsiellaなどにおいてはCefazolin, Cefoxitin, Cefotiamより感染防御効果は強かったが, Citrebacter freundiiではCefoxitinとほぼ同等でCefotaxime, Cefotiamより大きなED50を示した。
  • 小酒井 望, 小栗 豊子
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 24-37
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    私どもは1978, 1979年に各種臨床材料から分離されたStreptococcus, Haemophilus, Escherichia, Enterobacter, Citrobacter, Serratia, Proteus, Pseudomonas, Achromobacter, Flavobacterium, Acinetobacter, Alcaligenes, Comamonas, Peptococcus, Peptostreptococcus, Clostridium, Baderoides, Fusobacteriumの各菌種1,191株について, Ceftizoxime (CZX) の抗菌力を各種cephalosporins (CEPs), その他抗菌剤と比較した。
    CZXはグラム陰性桿菌に強い抗菌力を示し, 多くの菌種においてCcfazolin (CEZ) よりも着しく強い抗菌力が認められた。H.influenzaeに対してはABPCよりも強い抗菌力を示し, Ampicillia (ABPC) 耐性株もCZXに感性であった。E.coli, C.diversusおよびP.morganiiを除くProteus 4菌種に特に強い抗菌力を示した。Serratiaに対する抗菌力も他のβ-lactamase抵抗性CEPs, Cefmetazole, Cefoxitin, Cefuroximeよりもかなり強く, Pseudomonas cepacia, P.putrefacieusにも強い抗菌力を示した。P.aeruginosaに対しては, Carbenicillin, Subenicillinよりも本剤は抗菌力が強いが, Cefoperazoneよりもやや劣り, Cefsulodinよりはかなり劣っている。
    CZXはStreptococcus属, とくにS.pyogenes, group G Streptococci, S. pneumoniasに強い抗菌力を示し, 嫌気性グラム陽性菌にもかなり強い抗菌力を持つが, 嫌気性グラム陰性桿菌に対する抗菌力は比較的弱かった。
  • 横田 健, 東 映子
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 38-43
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Ceftizoxime (CZX, FK749) の各種β-lactamaseに対する安定性と結合親和性を他のセファロスポリン (CEP) 新誘導体のそれと比較した。CZXはV型β-laetamaseにわずかに水解される以外は, 他のいかなる型の酵素でも加水分解されなかった。酸測定法 (指示薬法) によりKi値として示されたβ-lactamaseとの結合親和性から見ると, CZXは各種β-lactamaseに安定性が高いだけでなく, Ic, II, IIIおよびIV β-lactamaseに親和性が低く, つまり結合しないことが明らかになった。とくにII, III, IV型に対する親和性が低く, これらのβ-lactamaseを産生する菌にはCZXは感受性菌に対するのと同程度の強い抗菌力を示した。その結果, 大腸菌標準株に51種須のR (bla-TEM) プラスミッドを伝達してもCZXに対する感受性は変化がないが, 6059-S, CMZおよびCFXに対しては, それぞれ平均10, 2, 4倍のMIC値の上昇が見られた。
  • 横田 健, 関口 玲子
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 44-49
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    ペニシリン結合蛋白 (PBP) は細菌細胞壁生合成の最終段階に必要な酵素で。β-ラクタム薬の作用点であることが知られている。7-Z (2) 位にメトキシイミノ基を持ち, 3位側鎖の無い新らしいセファロスポリン誘導体 (CEP), Ceftizoxime (CZX) は大腸菌およびコレラ菌のPBPのうち, 1a, 1bおよび3に強い親和性を示した。PBP, 1bは菌細胞伸長時に必要なムレイン架橋酵素であり, CZXはこの1bに最も強い親和性を示したので, この薬は強い殺菌作用を示すことが期待された。事実CZXの殺菌作用はCEZやCefotaximeより強い。
    さらに, MIC以下のCZX存在下で増殖した大腸菌はヒト血清と補体に殺菌され易くなり, またマクスの培養マクロファージに容易に食菌された。この現象は7-Z (2) 位にメトキシイミノ基をもつCEPに共通な性質であるが, CZXはこの点でCefuroximeやCefotaximeより強い。
  • 渡辺 邦友, 上野 一恵, 甲畑 俊郎, 村田 加寿美, 二宮 敬宇, 鈴木 祥一郎
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 50-57
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Ceftizoxime (CZX) の嫌気性菌に対する抗菌力について検討した。本剤は, 嫌気性グラム陰性桿菌に対して強い抗菌力を示した。とくに臨床材料からもっともよく分離され, β-lactamaseを能生するBacteroides fragilisに対しては, CEZの4~16倍強い抗歯力を示し, CFXのそれと匹敵した。そしてその作用は殺菌的であった。また本剤は, B.distasonisに対してCFXより強い抗菌力を示した。
    いっぼう, 本剤は嫌気性グラム陽性菌に対してはCEZと同等あるいはそれ以下の抗菌力しか示さなかった。
    本剤は, B.fragilis由来のβ-lactamaseに対し安定で, CFXと同様ほとんど分解を受けなかった。またB.fragilisによるマウス実験的皮下膿瘍に対しては, 著明な治療効果を示さなかった。
  • 西野 武志, 横田 好子, 谷野 輝雄
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 58-82
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく合成されたセファロスポリン系抗生物質Ceftizexime (CZX) に関する細菌学的評価をCefazelin (CEZ), Cefmetazole (CMZ), Cefotiam (CTM) を比較薬として検討し, 以下の成績を得た。
    1) Ceftizoximeはグラム陽性菌, 陰性菌群に幅広い抗菌スペクトラムを有し, そのグラム陰性菌群に対する抗菌力はCEZ, CMZ, CTMに比べ明らかに優れていた。とくにEnterobectsr sp., indole陽性のProteus, Serratia marcescens, Pseudomonas cepacia, Acinetobactor calcoaceticusおよびHaemophilus influenzaeに対しても他薬に比べ良好な感受性を示した。
    2) Escherichia coli, Klebsiella PneumoniaeおよびPseudomonas aeruginesaに対する殺菌作用を検討した結果, Ceftizoximeの作用ではいずれの菌株においても1/2 MICあるいは1MIC以上の濃度で, 濃度に応じた殺菌効果が認められた。
    3) マクス実験的感染症に対する治療効果をStreptecoccus Pyegenes, E. coli, K, pmumoniae, P.mirabilis, P.vulgaris, S.marcescens およびP.aeruginesaを用いて検討した結果, CeftizoximeはCEZ, CMZ, CTMに比べ非常に優れた治療効果を示した。またP.aeruginosaの場合, 頻回投与により治療効果が良好となった。
  • 西田 実, 上村 利明, 岡田 直彦, 松本 佳巳, 峯 靖弘, 村川 武雄
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 83-97
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Ceftizexime (CZX, FK 749) は広い抗菌スペクトルを有し, またEnterobacter spp.およびS.marcesceensなどのoppartunistic pathegens を含む好気性のグラム陰性桿菌およびB. fragilisに対し, Cefotiam, CefoperazoneおよびCefmetazoleなどの既知のcephalosporin類よりも優れた抗菌力をもつ新しいcephalosperinである.この物質のE. coli, K. Pneasmoniae, indole positiveおよびnegative Proteus spp., H. influenzaeならびにS. pyogenes に対する抗菌力は, 比較した他剤より格段に強く, 耐性株は全くみられなかった。またP. aeruginosa に対するCZXのin vitro活性はTicarcillinと同程度であった。またR-plaamidおよびchromosomal由来のAmpicillin高度耐性E. coii およびK.pneumoniaeに対し高いin vitro 活性を示した。一方, CZXの抗菌活性は培地の種類, pHの変動および血清の添加などによる影響をうけないが、グラム陰性桿菌に対する抗菌活性は接種菌量によって影響をうけた。CZXのE. coli および, K. pneumoniaeに対するin vitro殺菌効果は比較薬剤よりも強力で, MIC濃度付近で殺菌的に作用した。
    Cephalosporinaseおよびpenicillinasetypeのβ-lactamaseによる分解作用に対してCZXは安定であった。以上のin vitro実験成績と対応して, 各種の細菌によるマウス感染に対し, 良好な治療効果を示した。
  • 高乗 仁, 西田 実
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 98-103
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Escherichia coliのAmpicillin (ABPC) 耐性臨床分離株に対するCeftizoxime (CZX, FK 749) の抗菌活性を最近開発された他のcephalosporin誘導体と比較した。R-plasmid保有ABPC耐性株および染色体由来ABPC耐性株の両群に対してCZXは最も強い活性を示した。ABPC感受性E.coliに対するCZXの抗菌活性はABPC耐性R-plasmidの導入によって低下しなかった。しかしながらR-plasmidの導入によって多くの試験菌株が, CefeperazoneおよびCefamandoleに對しては高度耐性を, Cefotiamに対しては中等度耐性を獲得した。
    CZXはR-plasmid由来のβ-lactamaseを含むpenicillinaseおよびcephalosperinaseの両タイプのβ-lactamaseに非常に安定であった。β-Lactamaseに対するCZXの安定性は Cefoxitin, CefmetazoleおよびCefotaximeと同程度で, Cefuroximeよりやや優れ, Cefotiam, CefamandoleおよびCefoperazoneより優れることが明らかになった。
  • 浅野 英夫, 村川 武雄, 西田 実
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 104-110
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    CeftizoximeをE.coliにsub-inhibitory concentrationで作用させた際の形態変化をCefotiamおよびCefmetazoleと比較した。Ceftizoximeの1/8MIC濃度の作用により, E.coli NIHJ JC-2および臨床分離株, E.coli No.5はともに薬剤作用後1時間目から著しく生菌数が減少した。一方, CefotiamおよびCefmetazoleはE.coli NIHJ JC-2, E.coli No.5のいずれの菌株とも, 薬剤添加後4~5時間においても生菌数の減少はほとんど認めなかった。菌の形態変化については, CeftizoximeをMIC値の1/8濃度作用させた場合にも, 薬剤添加後, 比較的短時間で菌をfilament化し, spheroplast様構造を形成し溶菌した。一方, 同一条件でCefotiamおよびCefmetazoleを作用させると菌株はある程度elongationして, 菌体表面に少数のspheroplast様構造が形成されるが, その程度はCeftizoximeと比較すると軽度であった。
  • 村川 武雄, 坂本 博, 深田 志計実, 中本 昭治, 広瀬 俊治, 伊藤 位一, 西田 実
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 111-118
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Ceftizexime (CZX, FK 749) をマウス, ラット, イヌおよびサルに非経口的に投与したときの薬動力学的特性について, Cefotiam, Cefmetazole, Cefotaxime, CefamandoleおよびCefazolinの場合と比較検討した。CZXの血清中濃度は大動物 (イヌおよびサル) では全般に他剤より高値を示したが, 小動物 (マウスおよびラット) では低値を示した。検討した実験動物において, 投与したCZXの約80%が未変化体で24時間尿中に排泄された。またCZXのラットにおける胆汁中排泄率は低く, 24時間内で3.7%であった。またイヌにおける24時間胆汁中排泄率は0.45%と低かったが, 胆汁中濃度は1時間で179μg/ml, 2時間で148μg/mlと比較的高値を示した。1回静注投与後の血清中濃度のデータを用いて, two compartment open modelにより薬動力学的解析を行なった。
    各種動物の尿中の抗菌活性物質はCZXたけであったが, ラット胆汁中にだけCZXとは具なる活性代謝物が検出された。CZXは血清, 尿および組織ホモジネート中で安定であったが, Cefotaximeはラット組織ホモジネート中で不安定であった。CZXの血清タンパク結合率は検討したすべての血清種で他剤より低値を示し, ヒト, イヌおよびラットでそれぞれ31%, 17%および32%となった。
  • 野々山 重男, 峯 靖弘, 西田 実
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 119-127
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Ceftizoxime (CZX, FK 749) の免疫学的性状をCEZ, CETおよびPCGを対照として比較した。CZXと血清タンパクとの結合体, あるいはCZXハプデン溶液をFREUND'S complete adjuvantによる乳化液としてウサギを免疫, またはCZXと血清タンパクとめ精合体を水酸化アルミニウムゲルと共にマウスを免疫すると, 本物質に特異的な抗体 (IgG, IgMおよびIgE型) を産生する。CZXによるこれらの抗体の産生はCEZと同程度で, CETおよびPCGより軽度であった。CZXとCEZ, CETおよびPCGとの免疫学的交差性は弱かった。CZXのヒト血清アルブミンとの共有結合分子数は, タンバク1モル当り3.4モルで, CEZと同程度であった。CZXのin vitroクームス陽性化能はCEZと同程度で, CETおよびPCGより弱かった。
  • 村尾 誠他
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 128-140
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    肺炎24例を含む呼吸器感染症41症例を中心に, 尿路・胆道感染症を加えた49症例につき, 新しいセファロスポリン系薬剤Ceftizoximeの臨床効果を検討した。投与量は主として1回1gとし, 1日2回静注または点滴静注により投与した。その結果, 尿路感染症の7例はすべて有効で, このうち著効が5例 (71.4%) にみられた。呼吸器感染症では肺炎24例中20例 (83.3%) に有効で, このうち著効は9例 (37.5%), 有効は11例 (45.8%) であった。肺炎以外の気道感染では17例中著効2例, 有効11例の13例 (76.5%) に有効で, 効果のないものはほとんど肺癌などの合併症や基礎疾患のあるものであったことを考えると, この有効率は高く評価できる。
    分離菌のうち, H.influenzae, K.pneumoniae, E.coliについて測定したMICは, これまでの報告における結果と同様, 低い値であり, これらの菌には強い抗菌力を示すことがわかった。副作用として発疹が2例, トランスアミナーゼの異常が3例に出現した。これらは他のセファロスポリン系薬剤にもみられるものであり, 頻度の上で出現率が著しく多いとか, 程度が重いというものではなかった。
    以上のことから, Ceftizoximeは呼吸器感染症の治療上有効な薬剤として, これまでのセファロスポリンに優るものとして検討されるべき薬剤と考えた。
  • 斉藤 玲, 加藤 康道, 石川 清文, 上村 裕樹, 小田柿 栄之輔, 篠原 正英, 富沢 磨須美, 中山 一朗, 松井 克彦, 木下 与四 ...
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 141-152
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいcephalosporin系抗生物質Ceftizoximeの体内動態と臨床成績について検討した。
    健康成人男子6名にCeftizoxime 1gを1時間および2時間点滴静注後の平均血中濃度は, 点滴終了時それぞれ69.0μg/ml, 30.6μg/mlとピークに達し, 点滴終了後4時間でそれぞれ3.4μg/ml, 1.6μg/mlであった。血中半減期は, 1時間点滴1.33時間, 2時間点滴1.06時間であった。本剤の尿中への排泄は, 最初の2時間までに1時間点滴静注で56.2%, 2時間点滴静注で51.0%と良好であり, 6時間までの尿中回収率はそれぞれ82.5%および86.1%であった。内科的感染症24例について臨床効果を検討した。尿路感染症13例では, 有効8例, やや有効・無効各2例, 判定不能1例, 呼吸器感染症7例では著効3例, 有効3例, やや有効1例であった。胆嚢炎3例では有効2例, やや有効1例, 腹膜炎1例は有効であった。全体の有効率は73.9%であった。副作用としては, 軽度の下痢2例, 発熱1例および発疹1例を認めた。
  • 武部 和夫, 熊坂 義裕, 今村 憲市, 小沼 富男, 馬場 恒春, 相楽 衛男, 大平 誠一, 松橋 昭夫, 増田 光男, 貴田岡 正史, ...
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 153-160
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しい注射用cephalosporin系抗生物質Ceftizoxime (CZX) を, 尿路感染症15例, 肺炎1例に使用して臨床効果の検討を試みた。1日量1.0g~4.0g, 5日~17日間使用した。臨床効果は, 著効9例, 有効6例, 判定不能1例で, 全例にすぐれた効果が認められた。
    検討症例から検出されたE.coli. K.pneumoniae, P.mirabilisに対する本剤のMICはCefazolinに比し著明に低く, Cefotiamとほぼ同等であつた。
    副作用としては, 2例に好酸球増多を認めた。
  • 吉田 司, 田村 豊一, 矢追 博美, 川名 林治, 吉田 武志
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 161-168
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    われわれは今回Ceftizoxime (CZX, FK 749) を7名の肺感染症患者に使用した。その内訳は急性肺炎5例, 急性気管支肺炎1例と初診時, 急性肺炎と思われた肺結核症1例である。基礎疾患は陳旧性肺結核症が1例あった。
    Ceftizoximeの投与方法は, 全例で1gを5%キシリット300mlに溶解し1日2回とし, 期間は8~15日であった。胸部X線写真, 血液, 尿などの諸検査に加えて, 起因菌と思われた細菌のMICをも測定した。効果判定は著効, 有効, やや有効, 無効, 評価不能の5段階とし, 胸部X線写真の改善度, 喀痰中細菌の消長を主とし, 臨床検査成績, 自覚症状および副作用の有無などの総合的見地から見た。
    成績は著効1例, 有効5例で, 肺結核症の1例は効果判定を保留した。胸部X線写真はCeftizoxime投与終了後, 肺結核と判明した1例を除いて, すべて陰影の縮小, 消失を見た。喀痰中から検出され, 起因菌と思われた細菌はHaemophilus influenzae, Haemophilus parainfluenzae, Streptococcus pneumoniae, Enterebacter で, Ceftizexime のMICは接種菌量106/mlで0.025~1.56μg/ml, 108/mlで0.05~3.13μg/mlと低い値を示し, 本剤投与後すべて消失した。
    副作用は1例に見られ, Ceftizoxime使用6日目に発熱, 不安感の症状で発症し, その後, 胸部苦悶感, 食思不振, 下痢, 悪心, 嘔吐などを訴えたが, 薬剤中止翌日から, これらの症状はすべて消失した。
  • 伊藤 隆司, 田村 昌士, 光井 庄太郎, 山崎 紀一, 佐山 恒夫, 川名 林治
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 169-175
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新セファロスポリン系抗生物質Ceftizoximeを14例の呼吸器感染症で検討した。1回0.5~2gのCeftizoximeを点滴法により1日2回, 3~35日間投与し, 投与前, 中, 後の臨床症状と各種検査を観察した。喀痰からの投与前分離菌は, K.pneumoniaeおよびH.influenzaeのグラム陰性桿菌が主体であったが, 膿胸の1例ではPeptececcusが分離された。
    本剤投与後の臨床効果は, 肺炎7例中著効2例, 有効1例, やや有効3例, 慢性気管支炎および感染性肺気腫の各3例では全例有効以上, 膿胸の1例はやや有効で, 判定不能1例を除くといずれも無効例はなかった。
    副作用としては, 本剤投与17日目に血管痛を訴え中止した1例, および注射時に下肢のしびれ感が1例に認められた。その他GPTの軽度な一過性上昇とGOT, GPTの上昇が各1例に認められた。
    以上の成績から, グラム陰性桿菌を主体とする呼吸器感染症に対しCeftizoximeは有用なセファロスポリン剤であると思われる。
  • 荒井 澄夫, 西岡 きよ, 本田 一陽, 小西 一樹, 坂本 正寛, 丹野 恭夫, 照喜名 重一, 大場 奈々子, 多田 正一, 会田 博, ...
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 176-185
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいcephalosporin系抗生物質であるCeftizoxime (CZX) についての基礎的および臨床的な検討から次の成績を得た。
    1) 抗菌力
    臨床分離菌277株についての感受性成績では, CZXがE.coli, K. pneumoniae;H. influenzae, S.marcescens, Enterobacterのいずれに対しても対照とした他の抗生物質に比し低いMICを示した。
    2) 臨床成績
    内科領域感染症17例にCZX 1日量1g~4gを投与したところ, 呼吸器感染症14例では著効2例, 有効7例, やや有効3例, 無効1例, 判定不能1例であり, 尿路感染症2例および化膿性腹菌炎1例はともに有効であった。
    副作用として白血球減少症1例, 発熱1例が認められた。
  • 渡辺 彰, 青沼 清一, 大沼 菊夫, 佐々木 昌子, 大泉 耕太郎, 今野 淳, 長井 弘策
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 186-200
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/09/13
    ジャーナル フリー
    新しいセファロスポリン系抗生物質Ceftizoximei (CZX) に関して抗菌力, 血中濃度および呼吸器感染症に対する臨床効果, 細菌学的効果, 副作用を検討した。
    Staphylececcus aureus に対するMICのピークは1.56μg/mlにある。Eschericinia coli, Klebsiella pnescmoniaeに対するMICのピークはともに0.025μg/mlおよびそれ以下にある。Enterobiaeter cloacae に対するMICのピークは0.10μg/mlにある。Pseuakpmonas aeruginesaに対するMICのピークは25~50μg/mlにある。Acinetobacter calceaceticus に対するMICは0.10μg/mlから200μg/mlまで広く分布した。
    臨床例3例 (正常腎機能者) においてCeftizoxime 2gを2時間で点滴静注した時の平均血中濃度は投与終了時139.7μg/ml, 30分後119.3μg/ml, 120分後71.0μg/mlであった。呼吸器感染症16例においてCeftizoximeの臨床効果を検討した。1日量2~4gの投与で著効6例, 有効7例, やや有効2例, 無効1例という成績が得られた。喀痰分離菌13株 (S. pneumanias, 2株, S. aureus 1株, H. influenzae 2株, E.coli 1株, K.pneumoniae 5株, C. freundii 1株, P. maltophilia 1株) のうち12株の菌消失が得られた。効果判定を保留した4例を含めた20例に本剤を投与して, drug fever 3例, GOTとGPTの上昇4例, GPTだけの上昇2例, 好酸球数増多1例がみられ (重複例があり, 症例数としては計7例), いずれも投与終了後には正常化した。
  • 玉木 重
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 201-204
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいセファロスポリン系薬剤Ceftizeximeを呼吸器感染症に使用し, その有用性を検討した。
    10例の入院患者で, 肺炎7例, 慢性気管支炎の急性増悪2例, 気管支拡張症1例であった。
    Ceftizoxime 1日4gを (1回2gずつ) 点滴または静注した。投与期間は7~14日である。
    10例中, 著効4例, 有効4例, やや有効1例, 無効1例であった。H.influenzaeを検出した3例では著効2例, 有効1例の成績であった。
    全例に副作用は認めなかった。
    Ceftizoximeは呼吸器感染症において有用性の高い抗生物質と考えられる。
  • 林 泉
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 205-212
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しい注射用セファロスポリン系抗生物質Ceftizoximeについて臨床的検討を行った.
    呼吸器感染症15例 (肺炎7例, 急性気管支炎6例, 汎細気管支炎2例) に対して, 本剤の少量短期間投与による検討を目的に, 1回0.5~1g, 1日2回, 7~14日間 (平均9.7日間) 点滴静注を行った。その結果, 15例中著効14例で, 肺癌2次感染症1例ではやや有効と判定し, 有効率は93.3%であった。本剤投与前, 喀痰から常在菌以外に分離された起炎菌はStaphylececcus aureus 2例, Klebsiella aeregenes+Enterobacter cloacae, Streptececcus pneumoniae, およびProteus vulgarisの各1例, 計5例で, これらはいずれも本剤投与後消失し, 菌交代症はみられなかった。副作用は2例で認められ, 1例は軽度一過性のtransaminase上昇であり, 他の1例はdrug feverであった。
    以上の臨床的成績から, 本剤は呼吸器惑染症に対して充分有用性が認められる新しいセファロスポリン系抗生物質と思われた。
  • 伊藤 亜司, 小山 光紀, 加藤 政男, 荒井 信吾, 滝沢 茂夫
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 213-219
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいセファロスポリン系抗生物質Ceftizoximoを呼吸器感染症15例に投与し, その臨床効果および副作用について検討を行なった。対象疾患は肺炎10例, 慢性気管支炎2例, 肺化膿症, 中葉症候群, およびけい肺2次感染症各1例で, 全例1回1g, 1日2回, 5% glucose 100mlに溶解し, 点滴静注を行なった。
    Ceftizoxime投与による臨床効果は有効9例, やや有効1例, 無効4例, 判定不能1例であった。副作用は1例において投与2日目から薬疹が出現したが, 投与中止により改善をみた。また2例において本剤投与後トランスァミナーゼの上昇が見られたが, 投与中止により正常値に復した。
    以上の成績により, 呼吸器感染症に対するCeftizoximeの有効性が認められた。
  • 今高 國夫, 神崎 玲子, 相馬 隆, 安達 正則, 河合 美枝子, 中野 昌人, 滝塚 久志, 岡山 謙一, 勝 正孝
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 220-231
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Ceftizoximeについて基礎的, 臨床的検討を行った。
    臨床分離したEscherichia coli 34株では100倍希釈MICが0.2μg/ml以内に100%分布し, CMZ, CTM, CEZよりも数段優れた抗菌力を示した。Klsbsiella pneumoniae10株についても同様に他剤より数段優れていた。Pseudomonas aeruginosa 12株については100倍希釈MICのピークは25μg/mlにありSBPCとほぼ同等の感受性であった。
    臨床成績では, 呼吸器感染症10例, 尿路感染症11例, 敗血症その他4例の計25例について本剤を1回0.5~2gを1日2~3回, 点滴静注 (15例), 静注 (8例) および筋注 (2例) により5~33日間投与し, 呼吸器感染症では90%, 尿路感染症では91%, 全症例では79%の有効率であった。細菌学的効果は, E.coli 9例中7例が消失し, 2例に菌交代を見た。またStreptococcus pneumoniaeの2例, Streptococcus faecalis, Staphylococcus epidermids 各1例, Hasmophilus parainfluenzaeの2例中1例が消失した。
    副作用としては, 1例にGPTの一過性上昇が認められた以外はとくに認められなかった.
  • 国井 乙彦, 深谷 一太, 友利 玄一
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 232-238
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいcephalosporin系抗生物質Ceftizoximeについて検討を行なった。臨床材料分離のE.coli, Klebsiella, proteusなどに対し本剤はCefazolinをはるかに上回るすぐれた抗菌力を示した。
    健康成入男子にcross over法にて1gおよび2gを2時間点滴静注した時の血清中濃度・尿中排泄について検討し, さらにCefazolin 2gを2時間点滴静注時の成績と比較検吋した。本剤1gと2g投与の間にはdose responseが認められた。2g投与時の血清中濃度はCefazolinと比較するとやや低く, 血清中からり消失が速やかであった。いっぼう, 尿中排泄率および尿中濃度はCetazolinより高かった。
    正常ジットでは, 本剤筋注後に胆汁中への高濃度の移行を認め, かつ尿中排泄も高いものであった.
    臨床的には, 胆道感染症の1例に使用し有効であり, 副作用を認めなかった。
  • 清水 喜八郎, 熊田 徹平, 奥住 捷子
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 239-246
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいセファロスポリン剤であるCeftiaoximeについて, 基礎的, 臨床的検討をおこなった。抗菌力については, CZXのE.coli, Klebsiella, Enterobacter, Sarratia, Pseudomonas aeruginosaに対するMTCは, Cefotaximeとほぼ同じであり, CEZよりはかなりすぐれていた。その傾向は, 接種菌量を少なくするとはっきりした。
    吸収, 排泄はCeftizoxime血中濃度, 尿中排泄を3例の健康人に1g静脈内投与をおこない, 3例平均で15分29.7μg/ml, 30分26.3μg/ml, 1時間11.8μg/ml, 2時間5.8μg/ml, 4時間1.8μg/ml, 6時間0.9μg/mlであった。
    6時間までの尿中回収率は, 3例平均91.4%頂あつた。臨床成績は, 1例の菌血症, 1例の肺炎, 5例の尿路感染症, 2例の胆道感染症, 1例の腹膜炎に使用し, 9例に有効であり, 副作用は認められなかった。
  • 上田 泰, 松本 文夫, 斉藤 篤, 嶋田 甚五郎, 大森 雅久, 柴 孝也, 山路 武久, 井原 裕宜, 北条 敏夫, 宮原 正
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 247-263
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    CeftizoximeのEscherichia coli, Klebsiella pneumoniae, Proteus mirabilis, indole陽性Proteus, Enterebacter cloncae, およびSerratia marcescensに対する抗菌力はCephaloridine, Cephalothin, Cefotiamよりはるかにすぐれた成績であった。
    健康成人にCeftizoxime 500mg 1回筋注した際の血中濃度のpeakは30分後に12.0~16.0μg/mlに達し, 以後1.42~1.80時間の血中半減時間をもって減少した。この際の8時間までの尿中回収率は64.3~83.2%であった。また本剤筋注30分前にprobehecid 500mg併用した際の血中濃度のpeak値は12.5~23.4μg/mlに上昇し, 8時間までの尿中回収率も52.2~68.0%と低値であった。敗血症, 頸部リンパ節炎各1例, 呼吸器感染症9例, 胆道感染症2例, 尿路感染症10例の計23例にCeftizoximeを使用し, 著効9例, 有効8例, やや有効3例, 無効1例, 判定不能2例の成績を得た。
    副作用として発熱1例, transaminaseの上昇1例を経験したが, 他に重大なものは認められなかった。
  • 小林 芳夫, 小沢 幸雄, 山上 恵一, 内田 博, 安藤 泰彦, 富岡 一
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 264-271
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたcephalsoporin系抗生剤であるCeftizoximeに対する基礎的, 臨床的検討を加えた。
    その結果, CeftizoximeのE.coli, K.pnsumoniasに対する抗菌力はCefazolin, CefotiamおよびCefmetazoleのいずれよりも優れていた。またCeftizoximeはS.marcescensに対してもCefotiamあるいはCefmetazoleより抗菌力が優れていた。E.cloacaeに対してもCeftizoximeは優れた抗菌力を示し, しかもSulbenicillinあるいはTicarcillinよりもその抗菌力は強かったが, P.aeruginosaに対するMIC値は高値でこれら2剤より劣っていた.しかし.CeftizoximeはGentamicinあるいはDibekaci雄との間にP.aeruginosa27株中21株に対し相乗作用を示し, 本菌感染症に対する臨床面への期待をつながせた。
    尿路感染症5例にCeftizoximeを臨床使用したが, 4例に有効であり, 特記すべき副作用もなく, 今後期待し得る抗生剤と考えられた。
  • 山岡 澄夫, 山根 至二, 真下 啓明
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 272-276
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Ceftizoxime (CZX) を肺炎6例, 慢性尿路感染症3例に投与し, 臨床的, 細菌学的効果および副作用について検討した。肺炎6例中臨床的に有効だったもの4例, やや有効1例, 無効1例, 細菌学的には, 消失2例, 減少2例, 菌交代1例, 不明1例であった。尿路感染症では臨床的に有効のもの1例, 無効2例。細菌学的効果は不変2例, 菌交代1例であった。検出菌からみると, Klebsiellaは全例消失したが, P. aeruginosaおよびS. faecalisは存続ないし, 交代菌として出現した。副作用は自他覚的にも臨床検査値からも異常を認あなかつた。
  • 中川 圭一, 渡辺 健太郎, 中沢 浩亮, 木原 令夫, 鈴木 達夫, 川口 義明, 十河 真人, 横沢 光博
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 277-289
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Ceftisoxime (CZX) につき基礎的, 臨床的検討を行ない, 次の結果を得た。
    1) 臨床材料から分離したEschericinia coli, Klebsiella pneugnonias, Enterobacter clcacae, Serratia marcescens, Pseudomonas aeruginesaに対するCeftizoximeのMICは, Pseudomonas aeruginosaを除けば従来のCEPsに比しかなりすぐれた感受性を示している。
    2) Ceftizoxime 500mg筋注時の血清中濃度は6例の平均値で1/2hr後16.3μg/ml, 1hr後16.6μg/ml, 2hr後8.93μg/ml, 4hr後4.25μg/ml, 6hr後1.73μg/mlを示し, 尿中排泄率は8時間までに右例の平均で72.6%であった。同時にcross over法で比較したCefntetazole 500mg筋注時の血清中濃度はCeftizoximeに比し若干下廻り, そのhalf lifeはCeftizoximeが1.6hr, Cefmetazoleが1.2hrであった。Cefmetazoleの尿中排泄率は8時間までに77.6%であった。
    3) Ceftizqxime 1.0~2.0g点滴注入時の血清中濃度および喀痰内濃度を9例の慢性気道感染症の患者たおいて測定した。2.0g点滴例では喀痰中濃度のpeakは3.25~10.8μg/ml, 1.0g点滴例では0.96~5.8μg/mlの比較的高濃度が喀痰中に移行した。
    4) 臨床成績は敗血症1例有効, 呼吸器感染症11例中著効1例, 有効8例, 無効2例, 尿路感染症5例中臨床的著効1例.有効2例, 無効2例. 細菌学的には菌消失3例, 菌交代1例, 不変1例, 胆, 道感染症3例中臨床的有効2例, 無効1例, 細菌学的に菌消失1例の結果を得た。55臨床的には副作用を呈したものは1例もなく, GOT, GPT上昇2例, 好酸球増多3例, 貧血1例が認められた。
    以上の結果から, 本剤は有用性のあるCEPsと考えられる。
  • 島田 馨, 稲松 孝思, 佐藤 京子
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 290-296
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    25株のB.fragilisと13株のB.thetalotaomicron, 5株のB.vulgatusのCeftizoximeに対する感受性を測定した。被検菌株の80%の発育を阻止するMIC80B.fragilis:1.56μg/ml, B.thetaiotaomicron: 12.5μg/ml, B.vutgatus:6.25μg/mlであった。
    高令者13名と健康青年男子5名について, Ceftizexime 1g静注時の血中濃度を対比すると, 15分後で高令者80.1μg/ml, 健康青年64.3μg/mlの血中濃度を得, 半減期は高令者が3.68時間, 健康青年1.39時間であった。この成績から, 高令者での1g静注12時間後の血中濃度は5.3μg/mlと推定され, 高令者では中等症の全身性感染症に対してはCeftizoxime 1g, 1日2回の静注が1つの基準になると考えられた。
    敗血症1例を含む12例の臨床例に1日1g~4gを投与し, 著効4, 有効5, 無効2, 判定対象外1の成績であり, 無効例は真菌性肺炎とP.aeruginosa, Enterococcusの混合尿路感染で元来がCeftizoximeの適応外の例であった。尿路感染に対しては0.5g, 1日2回の投与で充分の効果が得られた。敗血症の起炎菌は, ABPC, CEZに耐性のE.coliであり, Ceftizoximeが奏効したが, ペニシリン, セファロスポリン耐性菌が漸増している今日, Ceftizoximeの有用性は高いものがある。
    臨床検討で副作用は認められなかった。
  • 可部 順三郎, 末原 幹久, 石橋 弘義, 渡辺 哲造, 斉藤 吉人, 栗本 義直, 竹本 ふみ
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 297-304
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    藤沢薬品中央研究所で開発された新しいセファロスポリン系抗生物質Ceftizexime (CZX FK 749) を呼吸器感染症9例に投与した。投与量は1日2.0~4.5gで, 2~3回に分割し, 3~17日間使用した。
    対象となった呼吸器感染症の内訳は, 肺炎6例, 気管支拡張症2例, 急性気管支炎1例で, 起炎菌はKlebsiella pneumoniae, Haemophilus influenzae, Serratia, Enterobacter, E. coil, Proteus mirabilis, Pseudomonas aeruginosaであった。本剤投与後P. aeruginosa以外はすべて消失した。同菌は2例で消失せず, 同菌がH.influenzaeのかわりに新しく出現した例もあった。本剤を投与した肺炎例は, 急性肺炎の2例は重症の基礎疾患を有しており, 経過の遷延した4例の肺炎はいずれも他の強力な抗生物質による治療が行なわれていたのに効果が不充分であった難治例であったが, 臨床的にみるべき効果が得られた。高度の気管支拡張症と呼吸不全を伴った慢性気道感染症では有効1例, 無効1例であった。
    慢性気道感染症2例について本剤の血中濃度, 喀痰中濃度の薬動力学的検討を行った。副作用は1例に発疹の出現をみた。
    本剤はS. pneunconiae, H. influenzaeのほか, K. pneumoniae, E. coil, Enterobacter, Serratia, Proteusなどに強い抗菌力を有し, Pseudemonasにも感受性を示し, 近年の呼吸器感染症の起炎菌がこれらの菌でしめられている場合が多いことを考えると, 呼吸器感染症全般にわたって優れた効果を期待できる。
  • 谷本 晋一, 立花 昭生, 鈴木 幹三, 中田 紘一郎, 岡野 弘, 滝沢 正子
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 305-310
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいセファロスポリン系抗生物質Ceftizoximeを呼吸器感染症12例に1回1~3g 1日2回点滴静注し, その臨床効果および副作用を検討した。疾患の内訳は, 下気道感染症9例, 急性肺炎2例, 肺化膿症1例であった。その結果, 著効3例, 有効3例, やや有効2例, 無効4例で, やや有効以上の有効率は67%であった。起炎菌別では, CeftizoximeはH. influenzae気道感染症5例全例に奏効したが, ブドウ糖非醗酵グラム陰性桿菌気道感染症4例では, 細菌学的改善が得られなかった。他剤無効のS. marcescems肺炎例ではCeftizoxime 1回3g 1日2回の投与により臨床的改善を認めた。重篤な副作用は認められず, したがってCeftizeximeは呼吸器感染症の治療に有用な抗生物質と考える。
  • 早川 裕, 東 冬彦, 藤森 一平
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 311-316
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    舌蜂窩織炎1例, 気管支炎3例, 肺炎4例, 胆のう炎2例, 急性腎盂腎炎2例, 慢性腎盂腎炎8例の計20例に対し, Ceftizoximeの臨床効果を検討した。
    Ceftizoximeめ投与方法は10例で筋注, 2例で静注, 8例で点滴静注である。1日投与量は10例で1g, 1例で2g, 9例で4gである。投与期間は5日から22日で, 総量は6gから64gにわたった。
    疾患別の治療効果は, 舌蜂窩織炎1例では有効, 気管支炎3例では全例有効, 肺炎4例では有効2例, やや有効1例, 無効1例であった。胆のう炎2例では全例有効であった。急性腎盂腎炎2例では全例著効, 慢性腎盂腎炎8例では著効5例, 無効3例であった。
    起炎菌別の臨床効果は, Streptococcus pneumoniae 1例では有効, Enterececcus 3例では有効1例, 無効2例, Escherichia coli 3例では全例著効, Micrococcus 2例では全例著効, Klebsiella pneumoniae 1例では著効, Proteus mirabilis 1例では著効, Proteus vulgarisEnterobacterの混合感染例では無効であった。
    著効および有効の症例は20例中15例で, 有効率は75%であった。
    皮疹等の副作用は認めなかった。本剤使用前後の臨床検査では, 本剤を1g/日, 7日間投与した急, 性腎盂腎炎の1例で, GOT 16 IU→45 IUへと上昇を認めた。
    以上, Ceftizoximeは各種細菌感染症に対し, 有用な薬剤剤と思われる。
  • 伊藤 章, 進藤 邦彦, 福島 孝吉, 神永 陽一郎, 佐藤 芳美, 崎山 典子
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 317-325
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Ceftizoximeについて臨床的検討を加えた。抗菌力についてはCeftizoximeの臨床分離のE.coli (20株), K. pnexmetesiae (18株), S.marcescens (14株) およびP. cepacia (49株) に対するMICは低く, とくにP.cepaciaに対しては他剤と比較し強い抗菌力を示した。また, いずれの菌種も100μg/ml以上の耐性株は存在しなかった。
    臨床的には, 内科系感染症息者12名に本剤の治療を13回試み, のべ13例中, 著効1例, 有効9例, やや有効1例, 無効1例1判定不能1例,(有効率83.3%) の成積を得た。また. このうち8例は他の抗生剤無効例であり本剤投与により6例に改善を認めた。
    副作用として, 発疹1例, GOT・GPTの軽度上昇1例を認めた。以上の成績から, 本剤はグラム, 陰性桿菌感染症はもちろん他剤無効例に対しても充分用い得る新抗生物質であると言えよう。
  • 武田 元, 田中 容
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 326-328
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    われわれは家兎にcephalosporin系抗生物質であるCeftizoxime, Cefotiam, Cefazolinをそれぞれ500mg/kg/日, 10日間連日静注し, 尿所見, 血清クレァチニン, 腎組織像などにつひで検討し, その腎毒性の比較を試みた。その結果, 3剤ともに薬剤が原因であると断定できる異常を発見できず, この実験条件下では, 3剤の腎毒性の強弱は明らかにすることはできなかった。われわれが過去に行なったCephaleridineについての同様の腎毒性実験では, 500mg/kg/日を連日注射すると, 4, 5日で血滴グレアチニンが急上昇し, 家兎は死亡したので, Ceftizoximeの腎毒性はCephalorldineよりも低いことは確実であった。Ceftizoximeの抗菌力からみて, ヒトにおける一般的な細菌感染症に対して大量投与の必要はないと思われるので, 単独使用の場合はCeftizoximeによる腎障害を考慮する必要はないと思われる。
  • 青木 信樹, 関根 理, 薄田 芳丸, 湯浅 保子, 清水 武昭, 武田 元, 山作 房之輔, 鈴木 康稔, 関 剛
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 329-337
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    呼吸器感染症23例, 尿路感染症8例, 敗血症2例, その他5例の合計38例の感染症例にCeftizoxime (CZX) を使用した。
    対象は20才~87才の男性26人, 女性12人で投与量は腎機能正常者では1日1.0~6.0g, 腎不全例では1日1.0gで, 経静脈または筋肉内投与により, 投与期間は4~70日であった。
    臨床効果は著効3, 有効27, やや有効1, 無効3, 判定除外4であった。
    副作用としては, 臨床的には発熱と発疹1例, 発熱2例, 検査成績ではトランスアミナーゼの上昇2例, アルカリフォスフアターゼの上昇1例, 好酸球増多が2例にみられたが, いずれも投与終了後速やかに改善し, 重篤なものは認められながうた。
  • 山作 房之輔, 鈴木 康稔, 武田 元, 関根 理, 薄田 芳丸
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 338-344
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    種々の程度の腎機能を有ずる19名に対してCeftizoxime 0.5g静注時の血中, 尿中濃度を測定し, 薬動力学的解析を行なった。腎機能正常な健康成人志願者の平均血中濃度半減期は1.3時間, 6時間後までの平均尿中回収率は95, 2%であった。Ceftizoximeの消失速度定数 (Ke) とクレァチニン・クリアランス (Ccr) の間にはKe=0.0285+0.00478・Ccrという1次式を得た。この1次式を利用して1回量を腎機能正常者と等しくした際の腎機能に応じた注射間隔を求ぬまた腎機能正常者と等しい間隔で本剤を用いる際の腎機能に応じた1回量を求める計算図表を作成した.
  • 山本 俊幸, 加藤 政仁, 永坂 博彦, 森 幸三, 武内 俊彦, 北浦 三郎, 南條 邦夫, 加藤 錠一
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 345-349
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    呼吸器感染症5例, 不明熱1例の中等症以上の内科的感染症6例にCeftizoximeを使用した結果, 有効3例, やや有効2例, 判定不能1例の成績を得た。
    副作用としては自覚的なものはみられなかったが, 臨床検査値の異常としては1例に軽度のBUNの上昇をみたが, 本剤によるものか否かは不明であった。
    少数例の検討であり結論を出し得ないが, 中等症ない, し中等症以上の感染症に臨床効果が期待できる薬剤であると考える。
  • 大久保 滉, 岡本 緩子, 右馬 文彦, 上田 良弘, 前原 敬悟, 牧野 純子
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 350-366
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいcephalosporin系抗生物質Ceftizoximeについてその臨床分離菌に対する抗菌力およびラット臓器内濃度を測定するとともに臨床的検討をも実施し, 以下の成績を得た。
    1) S.aureusに対する姉菌力はCefotaximeと同等で, Cefazolin, Cefuroxime, Cefotiam Cefmetazoleよりいくぶん弱いが, E. coli. Klebsilla, P. aeruginosaに対してはCefotaximeとともにこれらの薬剤より強い抗菌力を示した。P. mirabilis. S. mnarcescensに対しては検討薬剤中もっとも強い抗菌力を示した。
    2) ラットに100mg/kg筋肉内投与したときの臓器内分布を検討した結果, 腎>肝>血>肺>筋>脾>脳の順であった。またその濃度はCefazolin, Cephalothin, Cephalorridineより高値であった。
    3) 尿路感染症4例, 呼吸器感染症2例, 胆嚢炎1例, 不明熱1例の計8例にCeftizoximeを1日2~4g, 3, 5~13日間, 点滴静注した。その結果, 有効6例, やや有効1例, 無効1例の成績が得られた。副作用, 臨床検査値の悪化例は1例もみられなかった。
  • 三木 文雄, 高松 健次, 久保 研二, 河野 雅和, 別府 敬三
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 367-379
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Ceftizoximeについて基礎的ならびに臨床的検討を行った。
    臨床分離のS. aureus, E. coil, Kiobsiolla, P. mirabilie, P. vulgaris, P. aeruenosa, H. influbnzaeの本物質に対する感受性分布のピークは, それぞれ1.56, ≦0.1, ≦0.1, ≦0.1, ≦0.1, 25.≦0.1μg/mlに存在し, S.aureus, に対する抗力は, CEZの抗菌力より劣るが, グラム陰性桿菌群に対する抗菌力はCEZよりはるかにすぐれていることが認められた。
    健康成人にCeftizoxime 1gを1時間で点滴静注した場合の血清中濠度の平均値は, 点滴終了直後49.2μg/ml 30分後27.5μg/ml, 1時間後17.7μg/ml, 3時間後6.9μg/ml, 5時間後2.5μg/mlを示し半減期は1.432時間である。なお同一被検者について測定したCefetiam 1g 1時間点滴静注後の血清中濃度の半減潮は0.988時間であった。Cefiizoxime 1g, 1時間点滴静注後24時間以内に86.7%が尿中に回収された。
    呼吸器感染症14例, 尿路感染症7例にCeftizoxime1日1~4gを5~22日間6点滴静注により投与し, 呼吸器惑染症では著効2例, 有効7例, やや有効3例, 無効2例, 尿路感染症では著効3例1有効3例, 無効1例の臨床効果が得られた。細菌学的には呼吸器感染症では有効10例, 無効1例, 不明3例, 尿路感染症では有効2例, 部分的有効1例, 無効2例, 不明2例であった。全症例21例中3例においてGOT, GPTが, 1例においてBUNが一過性に軽度上昇したが, その他副作用はまったく認められなかった。
  • 副島 林造, 田野 吉彦, 二木 芳人, 松島 敏春, 溝口 大輔, 矢木 晋
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 380-388
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しい注射用cephalosporin系抗生物質であるCeftizoximeについて基礎的, 臨床的検討を行なった。患者分離グラム陰性桿菌類に対するCeftizoxixmeのMICのピーク値は, Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae, Proteus mirabilis, Serratia marcescensではいずれも0.1μg/ml以下であり, Proteus vulgaris, Enterobacter clooeae, Pseudomonas cepncia, Acinetobecterでは大部分の株が50μg/ml以下で発育阻止されており, Cefazolinに比し極めて優れた抗菌力を示した。Cefotaximeとの比較ではほほ同等かやや優れた抗菌力を示した。
    本剤1.0gを2時間かけて点滴静注後の最高血中濃度は17.6~33.0μg/ml (平均26.9μg/ml), 6時間後5.2~6.3μg/ml (平均5.6μg/ml) であり, 6時間までの尿中排泄率は75~98%(平均88.7%) であった。
    呼吸器感染症患者11例, 敗血症1例, 計12例に, 本剤1回1~2g, 1日2回点滴静注により9~44日間使用, して本剤の臨床効果を検討した結果, 著効6例, 有効3例, やや有効2例, 無効1例であり, 極めて優れた臨床効果が得られた。全例に副作用と考えられる症状や使用後の臨床検査値に異常を示すものは認められず, 有用性も高い薬剤であると考えちれた。
  • 滝下 佳寛, 後東 俊博, 螺良 英郎
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 389-393
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいセファロスポリン系抗生物質Ceftizoximeを種々の基礎疾患を有する感染症9例に使用した。その結果, 呼吸器感染症4例中3例, 尿路感染症4例中2例に効果が認められた。急性骨髄性白血病に肝膿瘍を合併した1例は無効であった。自覚的副作用みられなかった。1例でGOT, GPTの軽度上昇がみられなが投与終了後主常化した。
    Ceftizoximeは各種感染症に対し有用な抗生物質であると思われる。
  • 高本 正祗, 石橋 凡雄, 原田 進, 原田 泰子
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 394-404
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新抗生物質Ceftizoximeを呼吸器感染症に使用し, また血滴および胸水中濃度を測定し, 以下のような結果を得た。
    1. Ceftizoxime単独使用例17症例の有効率は94.1%であった。
    2. 副作用は2例に認められたが, 投薬中止にて無治療で回復した。
    3. 本剤投与により3例にトランスアミナーゼの軽度上昇がみられ, このうち2例で好酸球の増加1例で, Al-Pの上昇がみられた。
    4. Ceftzoxime 1g点滴静注後の最高血中濃度は点滴直後に約50μg/mlで胸水中濃度は3時間頃ピークに達し, 3.3μg/ml~11.1μg/mlであった。
    5. ピーク時における胸水中濃度と血清中濃度比はCeftizoximeは10.0%~21.0%であり CEZは2.8%~11.9%であっね。以上の結果から, CeftizoximeはCEZより明らかに胸腔内移行がよいと考える。
  • 沢江 義郎, 岡田 薫, 柳瀬 敏幸, 滝井 昌英, 竹森 紘一, 横田 英子, 筒井 俊治, 小森 須美子, 藤井 シヅエ
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 405-419
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発された注射用cephalospdrin系抗生物質であるCeftizoxime (CZX) について, 基礎的・臨床的検討を行なった。
    CZXの臨床分離菌に対する抗菌力 (MIC) を, 接種菌量が106 (108) cells/mlのときた12.5μg/mlml以下のMIC値の占める割合でみると, S. aureus 95.7 (94.9)%, S. epidermidis 0%, S. faecalislis 37.5 (12.5)%, E. coli 100 (98.6)%, K. pneumoniae 99.1 (97.4)%, K. oxyteca 100%, Enterobacter sp.60.0 (8.9)%, S. marcescens 100 (71.4)%, Proteus sp.100 (76.1)%, Citrobacter sp. 100 (50.0)%, P. aeruginesa 0% であった。
    CZX使用中の症例で血中濃度を測定したが, 1g静注の1例では15分値が39.0μg/mlで, 半減期は1.69時間であった。また他の1例では投与6時間後にあたる注射前29.0μg/ml, 注射15分後90.0μg/mlと高値で, 半減期も3.94時間であった。2g2時間点滴静注では, 終了時に62.5μg/mlのピークとなり, 半減期は2.64時間であった。
    肺炎3例, SBE2例, 肺化膿症, 敗血症, 化膿性髄膜炎, 歯肉炎+尿路感染症+肺炎, 反復性尿路感染症の各1例, 計10例にCZXを1日2~6g, 3~31日, 間使用し, 著効2例, 有効5例, やや有効1例, 無効2例であった。細菌学的除菌効果もすぐれていた。副作用として発疹, 下痢が各1例にみられ, GOT, GPTの上昇が1例にみられた。
  • 滝井 昌英, 力武 修, 児玉 武利, 沢江 義郎, 岡田 薫
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 420-424
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたcephalosporin系抗生物質であるCeftizoxime (FK 749) について, 慢性腎不全のため血液透析療法をうけている患者6例における, 血液透析時の血中濃度を測定し, さらにうち4例について, 非透析時の血中濃度を測定した。同時に4例について, 本剤の尿中排泄量を測定した。
    6例における血液透析時の血中濃度の平均は, 本剤500mg静注後, 15分38.1, 2時間15.7, 6時間8.1μg/mlで, 血中濃度半減時間は3.53時間~7.34時間であり, 平均血中濃度から求めた平均は4.93時間であった。いっほう, 4例における非透析時の血中濃度の平均は, 同量静注後, 15分41.3, 6時間33.2, 24時間212μg/mlであり, その半減時間は22.81時間~36.48時間で, 平均血中濃度から求めた半減時間は28.95時間と著明に延長していた。
    尿中排泄量を測定した4例では, 充分な尿量がえられず, 総合的な評価はできながったが, 測定した各時間尿中の本剤の濃度は, 61がら1, 150μg/mlにあり, 本剤の抗菌力を考えると充分な有効濃度であると考えられた。
  • 中富 昌夫他
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 425-446
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    藤沢薬品工業で開発されたCeftizoxime (FK 749, CZX) は, 従米のセラァロスポリン剤に比較してグラム陽性菌の一部に対しては幾分劣る抗菌力であるが, グラム陰性菌に対しては10~100倍程度に優れると言われる。本剤について. 基礎的・臨床的検討を加えたので報告する, 標準菌株に対するMICはグラム陽性菌ではCEZ, CTM, CMD, CMZに比べて幾分劣り, グラム陰性菌には本剤が数段優れていた。臨床分離株に対するMICは, ブドウ球菌では対照薬より劣ったが, E. coli, Klebsiella, Enterebecter, Citrobaeter, Protets, S. marcescens, Haemophilus属では10~100倍の抗菌力を示した。健康成人に静注した場合の最高血中濃度は, 250mgで14.3μg/ml, 500mgで27.0μg/ml, 尿中回収率は約80%であつた。患者に点滴静注した場合の最高血中濃度は, 1gで84~101μg/ml, 2gで74~210μg/ml, 尿中回収率は68.3-95.6%であつた。專滴律の最高喀痰内移行は1~2g投与で0.29~1.8μg/mlであり, 2g点滴後0.07μg/mlが胆汁内へ移行した。喀痰内ヘモフイルス菌は本剤1g点滴で108 cells/mlから104 cells/mlまで10時間で減少した。肺炎5, 肺化膿症5, 慢性気管支炎13, 胸膜炎1, 腎孟炎2, 胆道炎1, 腹膜炎1に点滴静注した場合の臨床効果は, 有効率77.8%で, 細菌學的には, S. pneumoniae, β-Stieptecectius, H. influenzae, E. coli, K. aerogenes, E. aerogencsが除菌され, 除菌率は83.3%であった。副作用としてはGOT, GPTの軽度の上昇が1例に認あられた。
  • インフルエンザ菌および肺炎球菌性呼吸器感染症を中心として
    松本 慶蔵, 宍戸 春美, 永武 毅, 宇塚 良夫, 田口 幹雄, 渡辺 貴和雄
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 447-462
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Ceftizoximeは, β-laetamaseに比較的安定な新規半合成 (syn) methoxylmino cephalosporin剤である。本剤の呼吸器病原性の明確な臨床分離株に対する106/ml接種時MICの幾何平均値は, Haemnophilus infiuemuae 0.0186μg/ml, Streptococeus pneumoniae 0.0461μg/ml, Klebsiellapneumoniae≦0.05μg/ml, Pseudomonas aeryginsa 15.4μg/ml, E. coli≦0.05μg/ml, Enterobaeter sp. 0.09μg/mlであった。CEZ耐性グラム陰性桿菌に対して本菌の抗菌力が高いことならびにβ-lactamase産生ABPC耐性ヘモフィルス (英国由来) のMICが接種菌量108/ml以下ではABPC感受性菌のそれと同程度であることから, 本剤はβ-lactamasetc比較的安定であると考えられた。
    本剤20mg/kg筋静後のラット臓器内濃度は, 腎<血清<肝<肺の順で, 各ピーク値は15分後にあった。本剤の喀痰中移行率は, 1.35~4.66%(平均2.95%) と他のcephem環剤に比し高率であった。腎機能正常息者の血中半減期は1.39時間, 1.58時間であった.
    Haemophilus influenzaeStreptococcus pneumonsiaeを起炎菌とする呼吸器感染症に対しては本剤0.5g, 1日2回, 点滴静注にて起炎菌の消失が認められ有効であった。Pseudemonas aeruginosaによる呼吸器感染症では. 起炎菌のMICがいずれも≧100μg/mlであったため, 起炎菌は消失せず無効であった。本剤の副作用は, 21例中1例に一過性軽度Al-Pの上昇が認められただけで, 本剤は安全に使用できた。従って, 本剤の主な投与対象としたHaemophilus influenzaeStreptococcus pneumoniaeによる呼吸器感染症に関する限り, 本剤の臨床的有用性は高いと結論される。
  • 徳永 勝正, 志摩 清, 福田 安嗣, 徳臣 晴比古
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 463-470
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発された注射用cephalosporin剤Ceftizoximeについて基礎的・臨床的検討を行ない, 以下の結論を得た。
    1. 抗菌力
    本剤の抗菌力はS. aureusに対しては, CEZより弱い傾向にあるが, グラム陰性菌, とくにE. coli, K. pneumoniae, Proteus, S. marcescensに対しては, CEZより数段強い抗菌力を示した。また P. aeruginosuに対して抗菌力を示した。
    2. 臨床成績
    本剤を各種感染症11例に使用し, 著効2例, 有効7例, 無効2例の成績を得た。
    3. 副作用
    1例に軽度の一過性の嘔気を認めたが, 副作用とするには問題がある。肝機能, 腎機能, 末梢血液検査等の臨床検査成績に異常は認められなかった。
  • 臨床分離株感受性ならびに家兎黄色ブドウ球菌性髄膜炎における髄液中移行
    小林 裕, 森川 嘉郎, 春田 恒和, 藤原 徹
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 471-477
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新注射用cephalesporin系抗生剤Ceftizoximeについて, 基礎的検討を行なった。本剤の抗菌力は, S. aureusではCefazolinよりやや劣っていたが, E. coliをはじめとするグラム陰性桿菌でははるかにすぐれており, E. coli33株では, 接種菌量108cells/mlで, 0.1μg/ml以下で22株, 0.39μg/ml以下では28株が発育を阻止された。B群溶連菌20株に対する本剤のMIC (接種菌量108cells/ml) は, 0.1μg/mlが17株, 0.05, 0.2, 3.13μg/mlそれぞれ1株であった。
    家兎黄色ブドウ菌球性髄膜炎5羽に本剤を100mg/kg静注後の髄液中濃度平均値のピークは30分にあり, 6.42±0.78μg/ml, 以後1, 2.3時間の順に, それぞれ6.06±1, 13, 4.03± 0.8, 2.94±0.75μg/mlであった。AUC髄液血清比百分率は, 15~60分5.7%, 15~120分8.9%, 15~180分 11.4%, 髄液中濃度T1/2は122.3分, T1/2髄液血清比は4.16であった。
    以上の成績を既報のCefotaximeのそれと比較すると, AUC比においてやや劣り, T1/2においてははるかにすぐれている。Cefetaximeの化膿性髄膜炎に対する臨床使用効果と, 上述の E. coli, B群溶連菌, および全国集計において示されたH. influenzae, S. pneumonsiaeに対する本剤の抗菌力をあわせ考えると, 本剤は化膿性髄膜炎に対する臨床試用に充分値する新抗生剤であると判断される。
  • 沖本 雄一郎, 大浦 武彦, 吉田 哲憲, 飯田 和典
    1980 年 28 巻 Supplement5 号 p. 478-486
    発行日: 1980/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Ceftizoximeは新しく開発された注射用cephalosporin系抗生物質である。今回われわれは基礎的検討として成熟家兎19羽に対し同剤の20mg/kgをone shotで静注し, その血中濃度, 皮膚内濃度を経時的に測定した。ControlとしてCefazolin (CEZ) を用いた。Ceftizoximeの血中濃度は投与10分後にピークを示し, その値は41.0μg/mlであり, その後片対数グラフ上をほぼ直線的に下降, 投与後4時間で0.9μg/mlの値をとった。同剤の皮膚内濃度はきわめて早期に上昇し投与10分後にピークを示しその値は35.8μg/gとなり, 投与30分後には25.3μg/gを示し血中濃度の23.0μg/mlを上回った。投与4時間後には0.7μg/gとなった。
    次に, 臨床的検討として各種全身検査の結果がすべて正常範囲内であった全層植皮術施行息者3例に対し, Ceftizoxime 1gをone shot静注で投与しその血中濃度, 全層皮膚内濃度を調べた。基礎的検討と同様に良好な移行を示し, 血中濃度は投与10分後に58.5μg/mlとピークを示し, 1時間後には28.5μg/mlとなった。皮膚内濃度は投与1時間後に21.0μg/gの値を示した。
    臨床的応用として, 各種全身検査結果がすべて正常範囲内であった5例の感染症患者に本剤を1回1g, 1時間の点滴静注または筋注にて投与した。2例に菌の消失, 1例に菌数の減少をみた。本剤に起因すると思われる副作用は経験しなかった。
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