CHEMOTHERAPY
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32 巻, 1 号
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  • 吉田 正英, 小枝 武美
    1984 年 32 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 1984/01/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    モルモット摘出胆のうの収縮反応に及ぼすaminobenzyl penicillin (AB-PC), methylchlorophenyl isoxazolyl peniciilin (Mcl-Pc), 及び6-aminopenieillanic acid (6-APA) の影響について検討した。
    経壁電気刺激により誘発される収縮反応に対しAB-PC及びMCI-PCは, 抑制的に作用した。6-APAもまた, それを抑制したが一過性であった。外来性acetyleholineにより誘発される収縮反応に対してAB-PC及び6-APAは, ほとんど影響を与えなかったが, MCI-PCは抑制的に作用した。MCI-PCの抑制作用は, 外来性aeetylcholineにより誘発される収縮反応に対するよりも, 経壁刺激により誘発される収縮反応に対して著しかった。自動運動に対しAB-PCは, 一過性に運動を亢進させた後, tonusの低下と共に自動運動の消失を来たした。MCI-PCを作用させるとtonusの低下を来たした後, 拘縮様の収縮反応に移行し, 自動運動は消失した。さらに6-APAを作用させると, tonusの低下を来たし, 自動運動は消失したが, 一過性であった。上述の自動運動に及ぼす3薬物の影響は, tetrodetoxin存在下でも同様に観察された。これらの成績より, 1) AB-PCは, 筋及び壁内cholinergic nervesの両者に対して作用を及ぼすものと思われる。2) MCIPCは, 筋に対して作用を及ぼすが, 壁内神経に対する作用も無視できないように思われる。3) 6-APAは, 主として筋に対して作用を及ぼすものと思われる。
  • 佐々木 昌子, 大泉 耕太郎, 渡辺 彰, 青沼 清一, 大沼 菊夫, 今野 淳
    1984 年 32 巻 1 号 p. 10-20
    発行日: 1984/01/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    臨床分離S. aureus, S. epidermidis, P. aeruginosa, E. coli, K. pneumoniae, K. oxytoca, S. liquefaciens7菌種の新鮮株と保存株に対する常用抗生物質 (ABPC, SBPC, PIPC, GM, DKB, AMK, CEZ, CMZ, CTM, CZX, CPZ, LMOX, CFS) の最小発育阻止濃度 (MIC) を, 市販Mueller Hiaton (MH) 培地, heart infusion (HI) 培地を用いて, 液体希釈法と寒天平板法 (化療標凖法) で測定し, それぞれの測定値を比較した。なお, 液体希釈法はDynatech MIC 2000systemを, 寒天平板法はmicroplanterを用い, 接種菌量はそれぞれ10倍希釈1夜培養菌の0.0015mlおよび100倍希釈1夜培養菌の0.005mlとした。
    (1) MH培地対HI培地: 新鮮株を用いMHBとHIBでのMIC, および保存株を用いMHAとHIAでのMICを比較した。結果はいずれの菌に対しても, いずれの薬剤に対しても, MHとHI培地でのMICの間に有意差は認められなかった。
    (2) 液体希釈法対寒天平板法: MH培地を用い, 液体希釈法と, 寒天平板法によるMIC値を比較した。緑膿菌を除く6菌種では, 両MIC間に有意差は認められなかった。緑膿菌に対しては, 液体希釈法で測定したAG剤のMICが寒天平板法でのMICに比べ有意に低い値を示した。
    (3) 新鮮株MIC対保存株MIC: 液体希釈法 (MHB) で測定した新鮮株MICと保存株MICを比較した。S. aureusにおいては, ABPC, PIPC, GM, DKB, AMKの保存株MICが, 新鮮株MICより有意に低い値を示した。同じくS. epidermidisにおいてはABPC, PIPC, DKB, CZXが, P. aerugiosaにおいては, GM, AMK, CPZ, LMOXが, E. coliでは, AMKが, K. pneumoiaeでは, LMOXが, S. lliquefaciensは, CZXとCPZが, 保存後有意のMIGの低下を示した。
    以上の結果, 今回検討した7菌種のうち, 緑膿菌に対するAG剤を除き, MH培地とHI培地により測定したMICは, 寒天培地, 液体培地を問わず, 有意の差は認められず, Dynatech MIC 2000 systemでのデータと化療標準法でのデータとの比較は可能と認められる。これに対し, 縁膿菌に対するAG荊MICを, 液体希釈法で測定する際は, 二価陽イオンの調整が必要である。また, 新鮮株MICと保存株MICの間には有意の格差が認められ, 保存株でのデータと新鮮株でのデータは単一に論ずることができず, 明確に区別すべきものと考える。
  • 沢江 義郎, 岡田 薫
    1984 年 32 巻 1 号 p. 21-28
    発行日: 1984/01/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しくSisomicinから合成されたアミノ配糖体系抗生物質であるNetilrnicinについて, 基礎的, 臨床的検討を試みた。臨床分離菌に対するNetilmicinの抗菌力は, 接種菌量が106cells/mlのときのMICが12.5μg/ml以下の占める割合でみると, S. aureus 96%, S. faecalis 0%, E. coli, K. pneumoniae, Enterobacter sp., Preteas sp. はすべて100%, S. marcescens 60%, P. aeraginosa 55%で, その大部分が3.13μg/ml以下のMICであった。GentamicinのMICとの比較では, GM耐性菌に2~3段階の抗菌力の増強がみられた。しかし, S. marcescensP. aerugtinosaのGM感性菌ではGen-tamicinにやや劣る抗菌力であった。
    肺炎4例, 肺化膿症1例, 気管支炎3例, 尿路感染症2例, 全身感染症疑1例の計11例にNe-tilmicin 1日200mg, 5~36日間使用したところ, 有効6例, やや有効4例, 無効1例であった。また, 細菌学的効果は菌消失4例, 菌交代1例, 菌残存3例, 判定不能3例であった。副作用としては, 自覚症状には何ら認められなかったが, 1例にGOT, GPT, ALP, T. Bil. の上昇がみられた。
  • 長谷川 弘一, 宮川 智秀
    1984 年 32 巻 1 号 p. 29-37
    発行日: 1984/01/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    健常人8例, 食餌療法中の慢性腎不全息者7例, 血液透析中の慢性腎不全患者6例を対象としてCefotaxime (CTX) 1gを生理食塩水20mlに溶解して経静脈的に投与し, 経時的に採血した。血液透析中の患者については全例時期をかえて血液透析前および血液透析後に投与するとともに, うち3例については血液透析後および24時間後の2回投与した。
    測定はBacillus subtilis ATCC 6633を検定菌とした薄層disc法および高速液体クロマトグラフィを用いた。
    食餌療法中の慢性腎不全患者は健常人に比べてCTXの血中濃度は高く, 半減期も延長していた。desacetyl CTXの濃度も同様に高く, peakを示す時間が著明に遅延していた。また血中クレアチニン値の上昇とともにCTXの血中濃度半減期は延長する傾向を示した。しかし, 他のcephalesporin系抗生剤に比べて半減期の延長は短かった。血液透析中の慢性腎不全息者でもCTX, desacetyl CTX血中濃度は健常人に比べて高く, 半減期も延長していた。desacetyl CTX濃度もpeakを示す時間が遅延していた。同じ血液透析中の慢性腎不全患者でも血液透析直前に投与した群は, 血液透析後に投与した群に比べて血中濃度, 半減期とも著明に低く, 健常人に近い値を示した。しかしdesacetyl CTXのpeak時間は健常人に比べて遅延していた。これは透析膜よりのCTX, desacetyl CTXの除去がかなり多いことを示している。
    以上の成績より慢性腎不全患者にCTXを投与するにあたっては投与量, 投与間隔を調節する必要があるが, 1.0g経静脈的投与の場合12~24時間ごとの投与が有効血中濃度を得るために必要であり, また血液透析後に投与することが望ましいと考えられた。
  • 1984 年 32 巻 1 号 p. 38-72
    発行日: 1984/01/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
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