CHEMOTHERAPY
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32 巻, 5 号
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  • 藤川 正直, 朝長 昭光, 平谷 一人, 門田 淳一, 中島 学, 福島 喜代康, 植田 保子, 山口 恵三, 泉川 欣一, 広田 正毅, ...
    1984 年 32 巻 5 号 p. 267-271
    発行日: 1984/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    抗生剤の好中球機能に及ぼす影響を, 新しく開発されたPolarization assayを用いて, 21種類の薬剤において検討を行なった。
    その結果, 高濃度 (500μg/ml) でもその機能に抑制を示さなかったものは, ABPC, SBPC, CEZ, GM, AMK, LCM, CTX, CZX, CPZ, LMOX, CTRX, CAZの12薬剤で, 500μg/mlでのみ軽い抑制を示したものは, CP, PL, AC-1370の3薬剤, 100μg/mlで軽い抑制かまたはほとんど抑制はなく, 500μg/mlで強い抑制を示したものは, TC, EM, RFP, FAの4薬剤, 50μg/ml以上で強い抑制を示したものはDOXY, 低濃度 (5.0μg/ml) から抑制を示したものはAMPHであった。
    以上の成績から, AMPHを除けば, 好中球機能に抑制を示したほとんどの薬剤は, 500μg/mlの高濃度すなわち生体内では到達し得ないかなりの高濃度でのみ著明な抑制を示し, 臨床的副作用という点からみて, 抗生剤はこれら好中球機能にほとんど影響を及ぼさないものと考えられた。
  • Penilcillin系薬剤の抗菌活性とβ-lactamase誘導
    南 新三郎, 四辻 彰, 瀧木 春美, 中島 博美, 渡辺 泰雄, 保田 隆, 才川 勇, 三橋 進
    1984 年 32 巻 5 号 p. 272-278
    発行日: 1984/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    E.cloacaeに対するPenicillin系薬剤の抗菌活性, Cephalosporinase (CSase) 誘導活性のCSaseに対する安定性および親和性について検討を加えた。
    Piperacillin (P: PC), Meslocillin (MZPC), Apalcillin (APPC) は低いCSase勝導活性を者し, かつ, 他剤に比べ高い抗菌活性を示した。一方, Ampicillin (ABBPC), Carbenicillin (CBPC), Sulbenicillin (SBPC) やPenicillin G (PCG) は比鮫的よくCSaseを誘導し, 抗菌活性は前紀薬鋼に比べ劣っていた。
    ABPC, PIPC, APPC, MZPCの4薬剤はE. cloacae産生のCSaseに対して類似した安定性および親和性を示した。一方, CBPC, SBPC, Methicillin (DMPPC) はこれら4剤に比べより安定で比較的高い親和性を示した。
    CSaseを誘導的に産生する株の培養液中ではCSase誘導活性の低いPIFC, APPC, MZPC, DMPPCが安定に存在し, 次いでCSaseに加水分解されにくいが誘導活性の高いCBBPC, SBPCが安定であった。誘導活性も高くCSaseに比較的不安定なPCGやABPCは速やかに不活化された。この不活化はCSaseによる加水分解に基づくと考えられた。またこの培養液中での安定性とMIC値とは比較的良く相関していた。
    以上の結果から, PIPC, MZPC, APPCのE. cloacaeに対する高い抗菌活性の一因としてその低いCSase誘導活性が考えられた。
  • 1) 経口投与と静脈投与の比較検討
    宮坂 圭一
    1984 年 32 巻 5 号 p. 279-286
    発行日: 1984/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    進行胃癌に抗癌剤を投与する場合, 経口投与, 静脈投与がある。そこで, この薬剤の生体内動態をみるため, 5-FUを用い検討した。
    i) ヒトおよび正常犬の末梢静脈血中濃度は, 経口投与をした場合, ピークは静脈投与より低値であるが, 長時間血中に維持されている。
    ii) ヒトおよび正常犬の胃に5-FUが胃液中より排泄されることが証明された。
    iii) 正常犬の胃粘膜内5-FU濃度は, 長時間にわたり残存しており. 組織への吸着, 滞留がよいことを認めた。
    iv) 正常犬の噴門, 幽門部を結紮して漿膜側から胃内へ投与すると, 門脈内へ速やかに5-FUが移行することも確認し, 胃壁から吸収されることを証明した。
    v) 正常犬の門脈内5-FU血中濃度は, 経口投与で末梢静脈血より高濃度をとって持続するが, 静脈投与では, 門脈血, 末梢血とも殆ど同じ濃度パターンを示した。
    以上のことから, 経口投与は, 直接胃癌に吸着し, 吸収するため, 静脈投与と異なる生体内動態をとることがわかった。
  • 2) 経口3剤の比較検討
    宮坂 圭一
    1984 年 32 巻 5 号 p. 287-293
    発行日: 1984/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    5-FUドライシロップ, 錠剤, エマルジョンの3剤型について, 悪性腫瘍患者, 正常犬における生体内動態を検討した結果, 次の結論を得た。
    i) ヒトの末梢静脈血中濃度は, ドライシロップ, 錠剤では投与後15分にピークを有し, 急激に減少するパターンを示すが, エマルジョンの場合は, 30分後に前2剤の約1/4のピーク値を示した後, 漸減する傾向を示した。
    ii) 正常犬の胃粘膜内5-FU濃度は, ドライシロップでは20分後, 錠剤では40ないし90分後, エマルジョンでは40分後に各々ピークを示したが, いずれも測定6時間にわたって漸減し, 組織への吸着性, 滞留がよいことを認めた。
    iii) 正常犬の門脈内5-FU濃度は, 検討した3剤とも末梢静脈血より高値をとって推移した。
    iv) エマルジョンでは, 正常犬の胸管リンパ液の5-FU濃度が, 投与後3時間 (ピークは30分後) にわたって, 各採液時間に認めたが, ドライシロップ, 錠剤は, 測定限界外値に終始し, エマルジョンのリンパ指向性を証明できた。
  • 藤田 信一, 吉田 知孝, 尾角 信男, 松原 藤維
    1984 年 32 巻 5 号 p. 294-300
    発行日: 1984/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    日常検査に使用されるべき感受性ディスクを選択するために, 419株の腸内細菌を対象に12種類のセフニム系薬剤 (cephalothin, cephaloridine, cephalexin, cefazolin, cefoxitin, cefmetamde, cefuroxime, cefotiam, ceioperasone, latamaxef, cefotaxime, ceftiaoxime) の感受性をディスク法および寒天平板希釈法により検討した。抗菌活性の違いから, ディスク感受性試験のためにセフェム系薬剤は5種類に分類された。第1はcephalothin, cephaloridine, cephalexin, cefazodin, 第2はcefoxltin, cefmetazole, 第3はcefuroxime, cefotiamのグループである。第4 (cefoperazone, latamoxef) と第5 (cefotaxime, ceftizoxime) は腸内細菌に対してより広い抗菌スペクトルを有するグループである。
    それぞれのグループのなかで最も抗菌活性の弱い薬剤が代表ディスクとして選択された。すなわちcephalothin, cefoxitin, cefuroxime, cefoperazoneである。これらのディスクで感性と判定された菌株は同一のグループに属する他の抗生剤にも感性と判定された。第5のグループではcefotaximeとceftizoximeの感受性結果に差は認められなかったことから, 両者のいずれかのディスクが選択されればよいと思われた。
  • 1984 年 32 巻 5 号 p. 301-328
    発行日: 1984/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
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