E.cloacaeに対するPenicillin系薬剤の抗菌活性, Cephalosporinase (CSase) 誘導活性のCSaseに対する安定性および親和性について検討を加えた。
Piperacillin (P: PC), Meslocillin (MZPC), Apalcillin (APPC) は低いCSase勝導活性を者し, かつ, 他剤に比べ高い抗菌活性を示した。一方, Ampicillin (ABBPC), Carbenicillin (CBPC), Sulbenicillin (SBPC) やPenicillin G (PCG) は比鮫的よくCSaseを誘導し, 抗菌活性は前紀薬鋼に比べ劣っていた。
ABPC, PIPC, APPC, MZPCの4薬剤は
E. cloacae産生のCSaseに対して類似した安定性および親和性を示した。一方, CBPC, SBPC, Methicillin (DMPPC) はこれら4剤に比べより安定で比較的高い親和性を示した。
CSaseを誘導的に産生する株の培養液中ではCSase誘導活性の低いPIFC, APPC, MZPC, DMPPCが安定に存在し, 次いでCSaseに加水分解されにくいが誘導活性の高いCBBPC, SBPCが安定であった。誘導活性も高くCSaseに比較的不安定なPCGやABPCは速やかに不活化された。この不活化はCSaseによる加水分解に基づくと考えられた。またこの培養液中での安定性とMIC値とは比較的良く相関していた。
以上の結果から, PIPC, MZPC, APPCの
E. cloacaeに対する高い抗菌活性の一因としてその低いCSase誘導活性が考えられた。
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