S. marcescensと
P. aeruginosaの臨床分離株を各50株使用してampicillin (ABPC), carbenicillin (CBPC), piperacillin (PIPC), cefazolin (CEZ), ceftizoxime (CZX), latamoxef (LMOX), gentamicin (GM), amikacin (AMK), fradiomycin (FRM). polymixin-B (PLB), nalidixicacid (NA), pipemidic acid (PPA), minocycline (MINO) に対する最小発育阻止濃度 (MIC) をMIC2000システムによるMueller Hinton bnothを培地とした微量液体培地希釈法 (最終接種菌量10
4CFU/ml) と, 日本化学療法学会標準法によるMueller Hinton agarを培地とした寒天平板培地希釈法とで測定し, MICの差が1管以内を両測定方法の一致として一致率を検討したところ, 以下の結果を得た。
1.
S. marcescensではLMOXの62%. MINOの56%を除き, 他は90%近くかそれ以上の一致率であった。液体培地の最終接種菌量を10
5CFU/mlと増量することによりLMOX, MINOにおける一致率は著明に改善されたが, 液体培地中のCa
2+, Mg
2+濃度の影響は認めなかった。
2.
P. aeruginosaでは, pemcimin系, cephem系の薬剤においては約90%かそれ以上の一致率であったが, 他の一致率はGM34%, AMK12%, FRM12%, PLB12%, MINO12%, PPA56%と不良であった。最終接種菌量を10
5CFU/mlと増量することにより一致率の改善が認められたのはPPAおよびMINOのみであった。aminoglycoside剤およびPLBでは液体培地中のCa
2+, Mg
2+濃度を寒天培地中のそれに近い濃度に増量することにより, はじめて一致率の著明な改善が得られた。
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