CHEMOTHERAPY
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33 巻, 6 号
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  • Susumu MITSUHASHI, MICHIHIKO OCHIAI
    1985 年 33 巻 6 号 p. 519-527
    発行日: 1985/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
  • 金坂 明美
    1985 年 33 巻 6 号 p. 528-536
    発行日: 1985/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Piperacillin (PIPC), cefsulodin (CFS), cefoperazone (CPZ), ceftazidime (CAZ) およびazthreonamは, 新開発の抗緑膿菌性β-lactam剤であるが, これらの臨床応用とともに, 耐性菌が増加しつつあるので, 耐性緑膿菌のβ-lactamase産生と, 耐性の関連について検討した。
    1. 144株の臨床分離緑膿菌のうち, CAZに8株 (5.6%), CFSに23株 (16%). azthreonamに33株 (22.9%), PIPCに38株 (26.4%) およびCPZに51株 (35.4%) が, 12.5μg/ml以上の耐性を示した。
    2. CFSに12.5μg/ml以上耐性の37株の臨床分離緑膿菌では, CAZに17株 (45.9%), azthreonamに24株 (64.9%), PIPCに27株 (73%) およびCPZに35株 (94.5%) が12.5μg/ml以上耐性で.14株 (37.8%) はすべての抗生物質に耐性であった。
    3. 染色体性cephalosporinase (CEPase) は.β-lactamaseを検討した20株中18株に認められ, 1μ/mg prot.以上の酵素を産生する菌株の大部分は, すべての抗生物質に耐性であった。
    4. Plasmid性penicillinase (PCase) は, 20株中4株に認められ, TEM-1 (2株), PSE-4およびOXA-2と考えられ, CFS, PIPCおよびCPZに耐性であった。
    5.TEM-1を産生する1株と, OXA-2を産生する菌株は, 高活性の染色体性CEPaseも産生しており, すべての抗生物質に耐性であった。
  • 日本化学療法学会標準法によるMIC測定との比較
    角井 徹, 中野 博, 世古 昭三, 桝 知果夫, 畑地 康助, 仁平 寛巳
    1985 年 33 巻 6 号 p. 537-543
    発行日: 1985/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    S. marcescensP. aeruginosaの臨床分離株を各50株使用してampicillin (ABPC), carbenicillin (CBPC), piperacillin (PIPC), cefazolin (CEZ), ceftizoxime (CZX), latamoxef (LMOX), gentamicin (GM), amikacin (AMK), fradiomycin (FRM). polymixin-B (PLB), nalidixicacid (NA), pipemidic acid (PPA), minocycline (MINO) に対する最小発育阻止濃度 (MIC) をMIC2000システムによるMueller Hinton bnothを培地とした微量液体培地希釈法 (最終接種菌量104CFU/ml) と, 日本化学療法学会標準法によるMueller Hinton agarを培地とした寒天平板培地希釈法とで測定し, MICの差が1管以内を両測定方法の一致として一致率を検討したところ, 以下の結果を得た。
    1.S. marcescensではLMOXの62%. MINOの56%を除き, 他は90%近くかそれ以上の一致率であった。液体培地の最終接種菌量を105CFU/mlと増量することによりLMOX, MINOにおける一致率は著明に改善されたが, 液体培地中のCa2+, Mg2+濃度の影響は認めなかった。
    2.P. aeruginosaでは, pemcimin系, cephem系の薬剤においては約90%かそれ以上の一致率であったが, 他の一致率はGM34%, AMK12%, FRM12%, PLB12%, MINO12%, PPA56%と不良であった。最終接種菌量を105CFU/mlと増量することにより一致率の改善が認められたのはPPAおよびMINOのみであった。aminoglycoside剤およびPLBでは液体培地中のCa2+, Mg2+濃度を寒天培地中のそれに近い濃度に増量することにより, はじめて一致率の著明な改善が得られた。
  • 三好 進, 本多 正人, 梶川 博司, 亀岡 健, 岩尾 典夫, 水谷 修太郎, 柴 紘次
    1985 年 33 巻 6 号 p. 544-547
    発行日: 1985/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    10例の腎摘除術に際して, 手術開始と同時にCefmenoximeの1.0gをone-shotで静脈内に投与し, 腎血流遮断時点の末梢静脈血を採取して以下の結果を得た。
    1. 24分から145分までの末梢静脈血清CMX濃度は, 21.2から92.1μg/mlであった。
    2. 排泄性腎孟造影にて無機能状態を呈した6例の腎内CMX濃度は5.56から59.9μg/gであった。血清濃度との比は0.249から1.53までであった。
    3. 4例の悪性腎腫瘍における正常腎部分の濃度は79.6から197μg/gであった。血清濃度との比は1.43から4.79までであった。腎細胞癌内濃度は低値を示した。
    4. 固有の腎機能に応じて, 腎内CMX濃度に著しい差異を認めた。
  • 赤沢 信幸, 古川 正隆, 水野 全裕, 沖宗 正明, 宮田 和豊, 公文 裕己, 大森 弘之, 難波 克一
    1985 年 33 巻 6 号 p. 548-552
    発行日: 1985/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    前立腺肥大症にて恥骨上式前立腺摘除術を施行した患者11例に, 術前Cefoperazone 1.0 gおよびSulbactam 1.0 gを静注し, 本配合剤の前立腺組織への移行性について検討を行ない, 以下の結果を得た。
    1. 前立腺組織内濃度は, 投与後15分群で最も高く, Cefoperazone 36.7±9.5μg/g, Sulbactam27±16.2μg/gであった。両剤の濃度和は, 63.6±24.9 μg/gであり, 対血清農度比は0.39±0.17であった。
    2. 前立腺組織内におけるCefoperazone対Sulbactam比は1.61±0.43~5.36±3.19であり, 配合剤の併用効果は保たれていると考えられた。
    3. 細菌感受性との関係から, 起炎菌がS. pyogenes, S. aureus, S. epidermidis, E. coli, P. vulgaris, M. morganii, P. mirabilis, Adnetobacterである細菌性前立膿炎に対して, 本配合剤は充分な治療効果が期待できる。また, 投与量を工夫すれば, P. aeruginosa, Klebsiellaに対しても, その効果が期待できる。
  • 成人と新生児
    福地 坦, 突合 阜月, 北浦 照明, 横山 隆, 原田 康夫
    1985 年 33 巻 6 号 p. 553-561
    発行日: 1985/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Tobramycinの安全でより有効な投与量を検討する目的で, 成人および新生児にtobramycinを点滴静注した。
    成人 (16~56歳) への頻回投与: tobramycin 40~120mg を1日2~3回, 30~150分で点滴静注した。16例中7例が有効血清中濃度 (4μg/ml以上) を示し, この7例はいずれも投与量1.2mg/kg 以上のものであった。頻回投与による蓄積は認められなかった。
    成人 (22~63歳) への単回投与: tobramycin 90mg を1時間で点滴静注した。10例中9例示有効血清中濃度を示し, 投与量は全例1.5mg/kg以上であった。
    新生児 (生後4~29日): tobramycin を点滴静注したが2mg/kg 1時間点滴群では7例中1例が, 3mg/kg1時間点滴群では11例中1例が, また3mg/kg 30分点滴群では5例中2例が有効血清中濃度を示したにすぎなかった。
    生物学的半減期は成人よりも延長し, 分布容積, 血清クリアランスは成人の2~3倍大であった。
    新生児におけるtobramycinの点滴静注で, 消失速度定数と分布容積, 消失速度定数と生後日数または体重との間に有意の相関性が認められた。
    生後4~7日での生物学的半減期は生後9~29日のそれに比ベて有意に延長していた。
  • 大沼 菊夫, 大泉 耕太郎, 佐々木 昌子, 渡辺 彰, 青沼 清一, 今野 淳
    1985 年 33 巻 6 号 p. 562-569
    発行日: 1985/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    1週間以上注射用抗生物質を使用した原発性肺癌を中心とする悪性腫瘍患者193例と肺炎・肺化膿症を中心とする良性疾患患者197例において, 抗生物質による薬熱の発生状況とその臨床所見について検討し, 以下の結果を得た。
    1. 51例 (13.1%) の患者に, 延ベ56エピソードの注射用抗生物質による薬熱がみられた。薬剤ごとの薬熱発生率をみると, PIPCでは108例中18例 (17%), CTXで11/72 (15%), CZXで7/49 (14%), CPZで6/74 (8%) と高く, 以前からあるABPCの1/39 (3%), CEZの0/44と比ベると対照的であった。β-lactam系以外による薬熱はきわめてまれであった。
    2. 抗生物質を使用中に新たに出現した38℃以上の発熱の原因としては, 悪性腫瘍患者群では呼吸器感染症が最も多かったのに対し, 良性疾患患者群では抗生物質による薬熱が第1位であった。
    3. 薬熱の熱型では, 薬剤投与1週目以降にまず微熱で始まり1日の最高体温は日々上昇して間歇熱となり, 薬剤中止とともに速やかに平熱化するという型が最も多く70%を占めた。
    4. 薬熱例では, LDHの一過性上昇 (異常化または異常値の悪化) がその51%に, 好中球教の740/mm3 (健康者における分布の1SD) 以上の一過性減少が52%に, 血小板数の52,000/mm3 (同上) 以上の一過性減少が44%にそれぞれ合併しており, これらの所見は抗生物質による薬熱の診断上価値があると思われた。
  • 中森 祥隆, 吉村 邦彦, 中谷 龍王, 蝶名林 直彦, 中田 紘一郎, 谷本 普一, 杉 裕子
    1985 年 33 巻 6 号 p. 570-576
    発行日: 1985/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいオキサジン系の合成抗菌剤ofloxacinを, 緑膿菌感染15例を含むびまん性汎細気管支炎の気道・中間領域感染症23例に1回200~300mg, 1日2~3回, 平均133日, 平均75.6g経口投与し, その臨床効果および副作用を検討した。
    全例の有効率は57%, 緑膿菌感染例では60%であった。
    細菌学的効果は, インフルエンザ桿菌3例, 肺炎球菌は除菌され, ブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌3例は不変であった。緑膿菌16例 (1例は, 複数菌感染例) では, 3例除菌, 減少2例, 不変11例であり除菌率19%であった。
    4週間以上の長期投与でも重篤な副作用を認めず, 本剤は経口剤であり, 緑膿菌感染びまん性汎細気管支炎における長期治療上有用であると考えられた。
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