CHEMOTHERAPY
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35 巻, 11 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • Serratiaに対するβ-lactam剤とアミノ配糖体剤の併用
    川原 元司
    1987 年 35 巻 11 号 p. 803-816
    発行日: 1987/11/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    β-lactam剤10種とアミノ配糖体剤 (AGs剤) 4種の計27の組み合わせで, 尿路から分離した Serratia marcescens (S. marcescens) 27株に対するin vitro併用効果をcheckerboard法により minimum fractional inhibitory concentration (FIC) indexを求め検討した。さらに併用効果を認めた株と標準株IFO12648株を用いて, sub-MICレベルのセフェム剤とGentamicin (GM) あういはAmikacin (AMK) の併用効果をtime kill curve法で検討するとともに, 走査電顕を用いて菌の形態変化を観察した。
    minimum FIC indexの検討ではLatamoxef (LMOX) とGMの併用で24株 (89%) が0.5以下の相乗効果を示し平均minimum FIC indexは0.241と最小値を赤した。LMOX, Cefti zoxime (CZX), Cefmenoxirne (CMX), Cefbperazone (CPZ) とGM, AMK, Tobmmycin (TOB), Netilmicin (NTL) の組み合わせでは, CMXとTOBの併用で平均minimum FIC indexが0.565の値を示したが, その他の組み合わせでは, 0.5以下の優れた相乗効果を認めた。殺菌曲線におげる併用効果の検討ではsub-MICレベルの薬剤間の併用で, FIC indexに対応する併用効果と菌の形態変化が認められた。
  • 高本 正祇, 原田 泰子, 川原 正士, 石橋 凡雄, 篠田 厚
    1987 年 35 巻 11 号 p. 817-823
    発行日: 1987/11/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    胸水を認める患者9例にImipenem/Cilastatin sodium 250mg/250mg (2例), もしくは500mg/500mg (7例) を点滴静注し, 経時的に血漿および胸水中の薬剤濃度を測定し, 薬剤の胸水移行を検討した。
    1) Imipenem, Cilastatin sodiumともにその血漿中濃度は点流終了時にピークに達し, 以後漸減するが, 胸水中濃度はImipenemでは点滴終了後1時間でビークに達し, その平均は250mg/250mg投与群で3.8μg/ml, 500mg/500mg投与群で5.5μg/mlであり, Cilastatin sodiumは点滴終了後2時間でピークに達し, その平均は250mg/250mg投与群で3.5μg/ml, 500mg/500mg投与群で4.9μg/mlであった。
    2) 胸水中濃度と血漿中濃度のピーク値の比は, 250mg/250mg投与群ではImipenemが22.1%, Cilastatin sodiumが14.6%, 500mg/500mg投与群ではImipenemが22.4%, Cilastatinsodiumが14.8%であり, ImipenemおよびCilastatin sodiumともに, その胸水中移行は良好であると考えられる。
  • 第1報: 抗菌力に及ぼすpHの影響
    村中 幸二, 鈴木 裕志, 中村 直博, 河原 優, 米田 尚生, 岡野 学, 秋野 裕信, 磯松 幸成, 蠏本 雄右, 清水 保夫, 河田 ...
    1987 年 35 巻 11 号 p. 824-832
    発行日: 1987/11/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    慢性細菌性前立腺炎の原因菌として多い, E.coli, K.pneumoniae, P.mirabilis, E.faecalisに対する抗菌力を, 異なるpHの下で検討した。使用薬剤は経口抗菌剤とし, Sulfamethoxazole-trimethoprim (ST), Minocycline (MINO), Doxycycline (DOXY), Erythromycin (EM), 9-3''-diacetyl-midecamycin (MOM), Cefaclor (CCL), T-2525, Emxacin (ENX), Ciprofloxacin (CPFX) を選んだ。
    アルカリ環境下では, EMは抗菌力が増強しグラム陰性菌に対しても抗菌力を示した。逆に, MINO, CPFXでは抗菌力が低下した。その他の薬剤ではさほど変化を認めなかった。
    慢性前立腺炎患者では前立腺液のpHが高いことを考えると, アルカリ環境下で抗菌力が増強するEM, 優れた抗菌力をもつENX, CPFXは, 前立腺移行の成績によっては, 今後, 細菌性前立腺炎の治療薬剤として臨床的に検討する価値があると考えられた。
  • CefmetazoleとLatamoxofの効果の比較
    品川 長夫, 福井 拓治, 水野 裕支, 石川 雅一, 細野 進, 真下 啓二, 水野 章, 高岡 哲郎, 石川 周, 水野 勇, 由良 二 ...
    1987 年 35 巻 11 号 p. 833-838
    発行日: 1987/11/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    1983年1月より1986年3月までに定期手術を施行した下部消化管手術例を対象とし, 術後感染予防としての抗生物質の効果について比較検討した。選ばれた薬剤はCefmotazole (CMZ) とLatamoxef (LMOX) である。第1回投与は, 無作為に割り付けられた薬剤の2gを手術開始と同時に静注投与した。第2回以後はlgを8時間ごとに点滴静注し, 合計4日間の投与を原則とした。解析対象はCMZおよびLMOXの両投与群でそれぞれ2例の脱落例を除いて, 両群いずれも75例であった。平均年齢, 男女比, 対象疾患, 対象手術および術前の臨床生化学検査では両群に有意差はなかった。術前完全経静脈栄養を施行した症例はLMOX群に多かったが (P<0.05), その他の処置では差はなかった。術後感染症の発症率は全体として両群に差はなかったが, 創感染および腹腔内感染などの手術操作部に関連した術後感染症はCMZ群11例に対し, LMOX群では1例であり有意差がみられた (P<0.05)。薬剤の副作用および臨床検査値の変動については両群に差はみられなかった。以上より下部消化管手術ではLMOXはCMZより優れた感染予防効果があると考えられた。
  • 岡本 公彰, 高尾 亜由子, 藤田 浩
    1987 年 35 巻 11 号 p. 839-846
    発行日: 1987/11/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    AngiotensinII (AT-II) 昇圧化学療法 (IHC) における制癌剤の薬動力学的解析を試みた. Sarcoma 180担癌マウスを用い, AT-II 1~2μg/kg/min 5分間投与後, 5-Fluorouracil (5-FU) 40mg/kg, またはAdriamycin (DXR) 10mg/kgを静注し, さらにAT-II昇圧を10分間追加した。制癌剤投与後経時的に血中, 腫瘍中, 正常組織中の薬剤濃度を5-FUはbioassay法, DXRはHPLC法で測定し, 薬動力学的解析を行なった. その結果以下のことが判明した。
    1. 対照群では腫癌重量と腫瘍組織内制癌剤濃度は負の相関関係がみられ, 大きい腫瘍程制癌剤が到達しにくい.
    2. IHCにより腫瘍組織に遇択的に制癌剤濃度が上昇した.
    3. IHCにより腫瘍深部にまで制癌剤が到達する.
    4. IHC群は対照群に比ぺ腫瘍重量が大きい程, AUC (濃度曲線下面積) の増加の程度も大きい.
    5. IHC群において腫瘍重量が大きい程薬剤のemuxの割合が少ない.
    6. 制癌剤の種類によりIHCの薬物動態が多少具なる.
    以上のことよりIHCは独特の作用機序をもつdrug delivery systemと考えられ, 化学療法の効果改善に役立つものと思われる。
  • 1987 年 35 巻 11 号 p. 847-863
    発行日: 1987/11/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
  • 1987 年 35 巻 11 号 p. 863-881
    発行日: 1987/11/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
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