体重kg当り50mgのFOMをone shotで静脈内に投与し, 3種類の皮膚滲出液 (吸引水疱液, 熱傷水疱液, 皮膚剥離創滲出液) への移行を調べ, 薬動力学的解析を行なった。FOM濃度の測定は
Proteus sp (MB-837) を測定菌とする生物学的方法によった。
血清中のFOM濃度は投与後15分で246±54.6μg/mlに達し, 8時間後では13.3±10.0μg/mlであった。吸引水疱液, 熱傷水疱液, 皮膚剥離創滲出液内FOM濃度が最高濃度に達するのは大体1時間前後であった。
測定結果をもとに薬動力学的解析を行ない
Tmax,
Cmax, AUC
0-8h,
K1,
K2,
K1/
K2を求めたところ, 吸引水疱液では順に, 1.5hr, 79.8μg/ml, 391.8μg.hr/ml, 0.631hr
-1, 0.839br
-1, 0.752であった。熱傷水疱液では1.3hr, 80.9μg/ml, 358.7μg, hr/ml, 0.612hr
-1, 1.10hr
-1, 0.556であり, 剥離創滲出液ではそれぞれ0.7hr, 73.4μg/ml, 229.2μg, hr/ml, 0.986hr
-1, 2.27hr
-1, 0.434という結果を得た。
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