Cephalosporin系抗生剤のCGftizoxime (Epocelin
®, CZX) の顎口腔類域における有用性を検討するために, 下顎体一部切除法による顎矯正手術を施行した下頭前突疾患者11症例にCZXを投与し, 血清中濃度とともに顎骨移行濃度をbioassayにより測定し, 次の結果を得た。
1. CZX2.0g静注後の血清中および顎骨内濃度を測定した結果, 血清中濃度はC=120.2e
-0.713tの式で表わされ, 半減期は, 0.97時間であった。また, 顎骨内濃度はC=11.8
e-0.672tの式で表わされ, 半減期は, 1.03時間であった。
2.顎骨内濃度の対血清比は, 30~180分の間で約10%の値を示した。
3.CZXの血清中および顎骨内濃度は, 主要起炎菌に対するMIC80を超えていた。以上のことより, 口腔外科領域における各種感染症の治療ないし, 術後感染予防効果に対してCZXは充分期待できる薬剤であると考える。
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