CHEMOTHERAPY
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35 巻, Supplement2 号
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  • 井上 邦雄, 中根 たみ子, 松田 耕二, 井上 松久, 三橋 進
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 1-16
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    1. Carumonam (CRMN) は, グラム陰性桿菌に対し, 対照薬剤aztreonam (AZT), cefotaxime (CTX) と同等かそれ以上の抗菌力を示した。
    2. CRMNは, グラム陽性菌に対する抗菌力は弱い。
    3. CRMNは, プラスミド性および染色体性支配のβ-lactamaseに対し安定であった。
    4. 殺菌力について, CRMNは, AZTおよびCTXと同様に強い殺菌効果を示した。
    5. マウス感染実験系におけるCRMNの防御効果は, AZT, CTXと同程度ないしは, より優れた治療効果を示した。
  • 五島 瑳智子, 小川 正俊, 宮崎 修一, 辻 明良, 金子 康子, 桑原 章吾
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 17-30
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しい単環性β-lactam系抗菌剤carumonamのin vitro, in vivo抗菌作用を検討した結果, グラム陽性菌には抗菌作用を示さないが, 多くのグラム陰性菌, とくにEscherichia coli, Proteus mirabilis, Morganella morganii, Providencia rettgeri, Providencia stuartii, Enterobacter cloacae, Serratia marcescens, Pseudomonas aeruginosaに対し強い抗菌作用を示すことを確認した。
    β-Lactamaseに対してはaztreonamと同様安定であった。
    各種グラム陰性桿菌によるマウス実験感染に対する治療効果はED50で表わしたが, in vitro MICをよく反映した結果が得られた。
  • 横田 健, 新井 京子, 鈴木 映子
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 31-45
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Carumonam (CRMN) のStaphylococcus aureus, MRSA, R因子保有Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae, Proteus mirabilis, Proteus vulgaris, Morganella morganii, Providencia rettgeri, Citrobacter freundii, Enterobacter cloacae, Serratia marcescens, Acinetobacter calcoaceticus, Pseudomonas aeruginosa, Xanthomonas maltophilia, ampicillin 耐性Haemophilus influenzae およびBacteroides fragilis 24~52臨床分離株に対するMIC80は, >100, >100, 0.1, 0.1, 0.025, 01025, 0.39, 0.025, 0.39, 3.13, 0.39, 0.39, 6.25, 100, 0.39, >100であった。CRMNは, E. coliではPBP3, 1A, 1Bの順に, S. marcescensでは3, 1B, 1Cの順に, P. aeruginosaでは3, 1A, 1Bの順に, A. calcoaceticusでは3, 1Aの順に結合親和性が高かったが, S. aureusのPBPには高濃度でも全く結合しなかった。
    ID50のCRMNと0.75units/mlの血清補体 (被検菌の増殖に影響しない最高濃度) を共存させると, E. coli NIHJ JC-2に対し, 著明な協力的殺菌作用を示した。またsubMICのCRMN存在下でマウス培養MφにE. coliNIHJ JC-2の細胞を食菌させると, 1/8MICまで食菌された細胞がよく消化された。
  • 小栗 豊子, 林 康之
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 46-59
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    最近の臨床分離株1289株を用いてcarumonam (CRMNと記す) の抗菌力をaztreonam (AZT) ならびに他のセファロスポリン剤, ampicillin (ABPC), minocycline (MINO) と比較検討し, 次の結果が得られた。
    1. Staphylococcus aureus, Enterococcus faecalis, Enterococcus faecium, Enterococcns aviumではCRMN, AZTともに200μg/ml以上のMIC値であり, 耐性であった。
    2. A群, C群, G群のβ-streptococciではCRMNの抗菌力はAZTと同等であり, セファロスポリン剤に比べ劣っていた。
    3. CRMNはHaemophilus influenzae (β-lactamase産生株を含む) に強い抗菌力を示した。CRMNの抗菌力はcefotiam (CTM), ABPCよりも優れていたが, cefotaxime (CTX), latamoxef (LMOX), AZTに比べ劣っていた。NeisseriagonorrhoeaeではCRMNのMICは0-78~50μg/mlに分布し, 他の対照薬剤に比べ劣っていた。
    4. Enterobacter cloacaeEnterobacter aerogenesではCRMNのMIC分布域は広く, 対照薬剤とほぼ同様の傾向であった。
    5. Pseudomonas aeruginosaに対してはCRMNの抗菌力はAZT, cefoperazone (CPZ) に比べると同等であるかまたは優れていた。しかし, cefsulodin (CFS), ceftazidime (CAZ) に比べると劣っていた。
    6. P. aeruginosaを除くブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌ではCRMNの抗菌力は弱く, MIC値は6.25μg/ml以上であった。
    7. Bacteroides melaninogenicus, Bacteroides fragilis, Bacteroides distasonis, Bacteroides vulgatusではCRMNの抗菌力はやや優れていたが, Bacteroides ovatus, Bacteroides thetaiotaomicronでは劣っていた。
  • 渡辺 邦友, 沢 赫代, 青木 誠, 山岡 一清, 沢村 治樹, 小林 とよ子, 上野 一恵
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 60-78
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいモノバクタム系の化学療法剤であるcarumonamの嫌気性菌に対する抗菌作用を, 同系統のaztreonamとその他のβ-lactam剤 (cefmenoxime, latamoxef, cefoxitin, ceftazidimeなど) と比較した。
    Carumonamは, aztreonamと非常に類似の抗菌スペクトルおよび抗菌力を示した。すなわち, carumonamは嫌気性菌の多くの菌種の中で, Bacteroides ureolyticus, B. melaninogenicus group, Fusobacterium nucleatum, F. gonidiaformansなどいずれも20%胆汁に感受性を示すグラム陰性桿菌には, ある程度の抗菌力を発揮したが, B. fragilisなどその他の嫌気性菌には, 抗菌作用を示さなかった。Carumonamは, aztreonam, cefoxitin, latamoxefなどと同様にB. fragilis由来のβ-lactamaseには安定であった。B. fragilis GAI-6221に2倍MICの濃度を作用させた時, carumonamは, aztreonamと同様の殺菌作用を示した。また, carumonamは, B. fragilisに対し, cefoxitinとは協力作用を示したが, clindamycinとは協力作用を示さなかった。
    Carumonam (1mg/mouse, 1日2回7日間) を投与されたマウス5匹中1匹の盲腸内容物から, 薬剤投与終了時に, Clostridium difficileが検出された。一方対照としたcefoxitin (2mg/mouse, 1日2回7日間) 投与群では5匹中5匹からCdifflcileが検出された。
  • 西野 武志, 大槻 雅子, 小泉 恭子, 富永 博子, 谷野 輝雄
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 79-97
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたmonobactam系抗生物質であるcarumonam (CRMN, AMA-1080) のin vitroおよびin vivo抗菌力を既知抗生物質aztreonam (AZT), ceftazidime (CAZ), cefmenoxime (CMX) を比較薬として検討し, 以下の成績を得た。
    CRMNの抗菌スペクトルはAZTと同様, グラム陰性菌に分布し, グラム陽性菌に対してはほとんど抗菌力を示さなかった。CRMNのグラム陰性菌に対する抗菌力はAZT, CAZ, CMXとほぼ同等であった。
    臨床分離株に対する感受性分布では, CRMNはPseudomonas aeruginosaを含むグラム陰性菌に対してAZTとほぼ同等の抗菌力を示した。
    抗菌力に及ぼす培地pH, 馬血清添加, 接種菌量の影響では, 馬血清添加および接種菌量による影響はほとんど認められなかった。また培地pHの影響では, 比較薬と同様アルカリ性側で抗菌力が良好となった。
    CRMNはEscherichia coli, Klebsiella pneumoniae, P. aeruginosaに対してAZTと同様作用濃度に応じた殺菌作用を示した。
    E. coli, P. aeruginosaを用いた位相差顕微鏡観察の結果, CRMNはAZTと同様フィラメント形成濃度域が広く, 両菌種のペニシリン結合蛋白質 (PBPs) に対してCRMNはPBP-3に良好な親和性を示した。
    E.coli, K. pneumoniae, Serratia marcescens, P. aeruginosaを用いたマウス実験的腹腔内感染症に対する治療効果では, CRMNはAZTとほぼ同様の治療効果を示した。S. marcescensを用いたマウス実験的尿路感染症に対するCRMNの治療効果もAZTとほぼ同様であった。
  • 杉中 秀寿, 三井 一史, 三宅 洋一郎
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 98-103
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Carumonamは新しく開発された合成モノバクタム系抗生剤の一つで, 広範囲のグラム陰性菌に対して, 他のβ-ラクタム系抗生剤よりも強い抗菌力を有している。
    この抗生剤の抗菌機序について, Pseudomonas aerugiuosa KM338, Esoherichia coli K12およびSerratia marcescensIFO12648を用いて, sulfazecinの作用と比較し, 検討を加えた。
    それぞれの被検菌株に対するcarumonamの最小発育阻止濃度 (MIC) は, 12.5, 0.05 および0.1μg/mlで, 一方sulfazecinのMICはそれぞれ3, 200, 12.5および100μg/mlであった。
    Carumonamがsulfazecinに比べて, いずれの被検菌株に対しても優れた抗菌力を示すのは, 外膜透過性に優れ, β-lactamaseに安定で, しかも標的酵素に対して高い感受性を示すためであろうと考えられる。
  • 近藤 正煕, 西 武, 中尾 雅文, 深沢 一郎, 野路 弓子, 今田 哲
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 104-145
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    CarumonamはPseudomonas aeruginosaおよびHaemophilus influenzaeを含む多くのグラム陰性菌に強い抗菌力を示した。グラム陽性菌および嫌気性菌に対する抗菌力は弱く, Streptococcus pneumoniaeには弱い抗菌力を示したが, Staphylococcus aureusに対しては抗菌力を示さなかった。Carumonamの臨床分離腸内細菌11菌種, 1, 156株の80%の発育を阻止するのに必要な最小発育阻止濃度 (MIC80) は0.013~6.25μg/mlの範囲に含まれ, Citrobacter freundii以外では0.78μg/ml以下と低値で, ほとんどの場合対照薬剤のそれよりも小さい値であった。とくにKlebsiella oxytocaに対するcarumonamのMIC80は0.1μg/mlであったのに反し, aztreonamのそれは25μg/mlであった。P. aernginosaに対するcarumonamのMIC80はsulbenicillin感性株に対して3.13μg/ml, 耐性株に対しては12.5μg/mlであり, aztreonamとほぼ同等の抗菌力を示した。また, carumonamの殺菌作用は強く, 最小殺菌濃度 (MBC) はMICとほぼ同じ値であった。
    Carumonamの抗菌力は培地pH, ウマ血清の添加, 測定用培地種によっては変化しなかったが, 接種菌量により僅かに変化した。
    Carumonamは種々のグラム陰性菌腹腔内感染マウスにおいてin vitroの抗菌力に対応した強い防御効果を示した。K. oxytoca TN 1711感染マウスにおいてcarumonamの防御効果は, aztreonamより著しく強く, その他の菌株を感染したマウスではaztreonamおよびcefmenoximeと同程度であったが, cefoperazoneより優れていた。
  • 中尾 雅文, 幸重 浩一, 長谷 暁子, 近藤 正煕, 今田 哲
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 146-156
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Carumonamの各種細菌のペニシリン結合蛋白 (PBP) への親和性, 殺菌・溶菌作用ならびに形態変化誘発作用を, 同じ単環性N-sulfoβ-lactam剤のaztreonamおよび第三世代cephem剤のそれらと比較検討した。
    Carumonamはaztreonamと同様, 腸内細菌のPBP3に対して高い親和性を示し, そのI50値はEnterobacter cloacaeを除く大部分の菌でMIC値に近似した。Pseudomonas aeruginosaのPBP3にも高い親和性を示したが, 抗菌力とは相関しなかった。一方, 抗菌力を示さないStaphylococcus aureusBacteroides fragilisのPBPへの親和性は低かった。
    Carumonamはaztreonamと同様, 腸内細菌に対してはMICないしそれ以下の濃度で強い殺菌作用を, P.aeruginosaに対してはMIC以上で弱い殺菌作用を示した。Carumonamおよびaztreonamは, Escherichia coliなど一部の菌に溶菌作用を示した。
    Carumonam処理菌の形態変化は伸長化が主体であり, スフェロプラスト形成能はcephem剤よりも弱かったが, E. coliSermtia marcescensでは薬剤との接触時間が長びくにつれて細胞の扁平化や細胞質の希薄化が認められた。
  • 有沢 幹雄, 関根 譲, 丸山 博巳
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 157-162
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Escherichia coli 1U591はcarumonam (CRMN) およびaztreonam (AZT) に感性で, それぞれの薬剤のMICは, 0.1および0.78μg/mlであった。しかし, この時の各々の薬剤のsub-MICで生育している菌液を用い, 更にそのMICを測定するという同様の操作を繰り返していくと, CRMNの場合, 5回継代でMICは0.1から3.13μg/mlへの上昇にとどまったのに対し, AZTの場合, 同じ5回継代でMICは0.78から3, 200μg/mlへと急上昇し, 高度耐性となった。そこで, このMIC上昇とβ-ラクタマーゼ比活性の相関を調べたところ, CRMNではβ-ラクタマーゼの比活性に全く変化が認められなかったのに対し, AZTでは5回継代でその比活性は75倍の上昇が認められた。その比活性の上昇の経時的変化はMIC上昇のそれと平行していた。このAZT耐性および酵素比活性は, 薬剤非添加培地中で7回継代培養しても変化せず, β-ラクタマーゼが構成的に産生されていることを示唆した。次に, 精製β-ラクタマーゼで基質特異性を調べたところ, 100μMでの2薬剤の加水分解速度はAZTがcephaloridineの2.4%, CRMNは測定限界以下 (<0.01%) であり, 本酵素がAZTをCRMNの数十倍以上の速度で分解することが分かった。これらの結果は, E. coli 1U591のAZTに対する急速な耐性獲得が, AZT分解β-ラクタマーゼ産生の上昇により起こることを示している。
  • 小此木 研二, 久野 光造
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 163-171
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Carumonam (CRMN) はaztreonam (AZT) および種々の第3世代セフェム剤を加水分解するKlebsiella oxytoca, Proteus vulgarisおよびBacteroides fragilisの酵素を含む7種の染色体性β-lactamaseおよび12種のプラスミド性β-lactamaseのいずれに対してもきわめて安定であった。この安定性を反映して, CRMNはほとんどのβ-lactamase産生菌に対して強い抗菌力を示し, とくにK. oxytocaのβ-lactamase高活性株に対してはAZTより16~512倍強い抗菌力を示した。一方, CRMNはpenicillinaseおよびP. vulgarisのoxyimino-cephalosporinaseに対して低親和性であったが, cephalosporinaseに対しては比較的高親和性であった。また, CRMNのβ-lactamase誘導活性は弱く, 大部分の菌の生育を阻止する10μg/mlではほとんど誘導活性を示さなかった。
  • 岩日 朋幸, 西 武, 中尾 雅文, 飯沢 祐史, 近藤 正煕, 今田 哲
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 172-177
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Carumonam (CRMN) の実験的呼吸器感染症並びに尿路感染症に対する治療効果をaztreonam (AZT) のそれと比較検討した。Klebsiella pneumoniae DT-Sによる呼吸器感染症, Proteus mirabilis IFO 3849による尿路感染症及びPseudomonas aeruginosa P9による尿路感染性において, carumonamはaztreonamとほぼ同程度の治療効果を示した。これら3菌株に対する両剤のin vitro抗菌力はほぼ同程度であるので, CRMNは呼吸器系あるいは尿路系の病巣内移行性においてもAZTと類似した動態を示すものと考えられる。
  • 畚野 剛, 前田 憲一
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 178-186
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Carumonamの体内動態研究のための諸測定法を検討設定した。微生物学的定量法ではEscherichia coli NIHJを試験菌, 抗生物質用培地「ダイゴ」No.4を測定培地とするアガーウェル法によりcarumonam約0.1μg (力価)/ml (下限) まで測定可能であった。またProvidencia rettgeriATCC9250を試験菌, 0.15%胆汁酸塩, 0.2mg%クリスタルバイオレット添加DST寒天培地を用いたアガーウェル法によりcarumonam約0.02μg (力価)/mlまで測定できた。さらに活性代謝物検索のため, 同菌を用いるバイオオートグラフ法も設定した。
    Carumonamとそのβ-ラクタム開環体の分離定量のため, Nucleosil 5C18カラムを用い, 0.005M硫酸水素テトラブチルアンモニウム (pH3.0)-アセトニトリル (85:15) を移動相とする高速液体クロマトグラフ法を設定した。
  • 喜多 八洲男, 畚野 剛, 今田 哲
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 187-197
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Carumonamのマウス, ラット, ウサギ, イヌおよびカニクイザルにおける体内動態について, aztreonamを対照に用いて比較検討した。
    Carumonamをマウスでは皮下に, その他の動物では筋肉内にそれぞれ20mg/kg投与すると, 速やかに吸収され, 血漿中および臓器内濃度は投与後10~20分に最高値を示した。Carumonamの最高血中濃度 (μg/ml) はマウス41, ラット38, ウサギ45, イヌ36およびサル67, 血中濃度曲線下面積 (μg・h/ml) はマウス20, ラット24, ウサギ67, イヌ61およびサル80, 血中半減期 (h) はマウス0.24, ラット0.28, ウサギ0.73, イヌ1.10およびサル0.89でいずれもaztreonamのそれらと類似していた。Carumonamの臓器内濃度はいずれの動物種においても, 血中濃度に比して腎で高く, マウス, ラット. イヌでは肝へもよく移行し, 血中濃度とほぼ同程度であったが, その他の臓器内濃度はいずれも血中濃度より低かった。Carumonamの腎濃度はaztreonamのそれより高いが, 肝濃度はaztreonamより低かった。
    Carumonamは主として尿中に排泄され (イヌ51%~ウサギ73%), 胆汁中への排泄率は低かった (ラット4.1%, ウサギおよびイヌ0.1~0.2%)。Carumonamの尿中排泄率はaztreonamのそれに比べて, マウス, ラットおよびサルではより高く, ウサギおよびイヌでは若干低かった。一方, Carumonamの胆汁中排泄率はaztreonamのそれ (ラット19.1%, ウサギおよびイヌ約1%) に比べて低かった。
    Carumonamの血清蛋白結合率は11% (イヌ)~36% (ラット) で, aztreonamのそれ (ウサギ55%~ラット85%) に比して低かった。
  • 喜多 八洲男, 今田 哲
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 198-202
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Carumonamのイヌおよびウサギにおける腎排泄機序について, Stop-flow法により検討した。イヌではcarumonamの近位および遠位尿細管部位からの分泌および再吸収は認められず, probenecid併用の影響もみられなかった。一方, ウサギではcarumonamの近位尿細管部位からの分泌が認められた。この尿細管分泌はprobenecidの併用により完全に抑制された。
    したがって, carumonamはイヌでは主として糸球体濾過により, ウサギでは糸球体濾過 (約60%) と近位尿細管分泌 (約40%) によって排泄される。
  • 鬼頭 剛, 北吉 正人, 奥田 裕子, 佐治 美昭, 菊地 健三
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 203-215
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Carumonam sodium (CRMN) の一般薬理作用を各種動物を用いて検討した。
    CRMNは高用量 (300~1,000mg/kg) の静脈内投与でも, マウスの一般症状, 協調運動およびラットの正常体温に無影響であり, マウスにおいて睡眠増強あるいは鎮痛作用も示さなかった。また, ネコの自発脳波 (300mg/kg, i. v.) および脊髄反射 (300mg/kg, i. v.), ラットの摘出神経・筋接合部 (10-3g/ml) に対して無影響であり, 局所麻酔作用 (10%溶液) も示さなかった。
    モルモットの摘出灌流心に対して, 0.3~10mg/分 (最終濃度: 約3×10-5~10-3g/ml) の2分間持続注入では, 心収縮力および心拍数に対し無影響であった。冠流量は, 3および10mg/分の用量でごく軽度増加した。
    ラットの尿量および電解質排泄量に対してCRMN (30~300mg/kg, i. v.) は有意な影響を及ぼさなかった。マウスの炭末輸送および幽門結紮ラットの胃液分泌に対しても無影響であった。さらに, 各種摘出平滑筋に対し, 高濃度 (10-5g/ml) でも影響を及ぼさなかった。
  • 山本 俊夫, 足立 幸彦, 諏訪 雅男, 長峯 保郎, 榎本 雅一, 井上 博司, 南野 達夫, 大場 康寛, 中村 允人
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 216-233
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    健康成人男子志願者27名を対象に, carumonam (CRMN) の臨床第一相試験を行った。
    試験は500mg点滴静注の単回投与から開始し, 1,000mgの点滴静注, 筋注, 静注, 2,000mgの点滴静注の各単回投与を行った後, 2,000mgの1日2回宛, 2回 (1日) ~11回 (6日) の静注投与を行った。
    1) 2,000mgの5回静注試験で, 3例中1例が初回投与時のみ嘔気を訴えた以外は自・他覚症状, 理学的検査に本剤に起因すると思われる変化は認められなかった。
    2) 2,000mgの11回静注試験において6例中1例で血清GPTの軽度上昇が認められた以外は, 臨床検査に本剤に起因すると思われる変化は認められなかった。
    3) 11回静注試験において腸内細菌叢に及ぼす影響を検討した。好気性菌では腸内細菌科に属する細菌の減少と腸球菌の増加が認められたが, 嫌気性菌では特記すべき変化は認められなかった。また, Clostridium difficileも検出されなかった。
    4) 単回静脈内投与時の血中濃度半減期は1.4~1.6時間であり, 筋注後は0.7時間で最高血中濃度に達し, その後2.0時間の半減期で血中から消失した。単回投与後の24時間尿中排泄率は63~76%で, その大部分が投与後7.5時間以内に主として未変化体として排泄された。11回静注試験における初回および最終投与時の血中濃度半減期は各々1.5および1.4時間であり, 連続投与による影響は認められなかった。
    5) 尿中に抗菌活性陽性の代謝物は検出されなかったが, 抗菌活性陰性のβ-ラクタム環開環代謝物が少量検出された。
    以上の安全性および薬物動態についての検討成績からcarumonamは今後さらに, 臨床評価を行うに値するものと考えられた。
  • 熊田 徹平, 清水 喜八郎, 深田 智子
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 234-236
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Carumonamについて1g静注時の体内動態を検討し, 単独投与時およびprobenecid併用時について比較検討した。
    Probenecid併用により, 静注後2min. の血中濃度に差はなかったが, β相半減期は約15%延長し, 尿中回収率では0~1hで6%前後の減少を認めた。
    本剤は腎排泄型であり, その主体は糸球体濾過であると考えられた。
    本剤の代謝産物であるAMA-1294の血中濃度は静注直後のピーク時で3μg/mlであった。
  • 水野 全裕, 那須 良次, 岸 幹雄, 公文 裕巳, 大森 弘之, 難波 克一
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 237-246
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発された注射用monobactam系抗生物質carumonam (CRMN, AMA-1080) 1.0gを健康成人3例および種々の程度の腎機能障害を有する患者9例の計12例にone shot静注し, 経時的に血中濃度ならびに尿中濃度を測定, 薬動力学的検討を加えた。
    濃度測定はEscherichia coli NIHJを検定菌とするagar-well法にて行い, 腎機能の指標として24時間内因性クレアチニン・クリアランス (Ccr) を用い, 薬動力学的解析は原則としてtwo-compartmentmodelに従った。
    本剤の血中濃度はCcrの低下に伴って消失が遷延する傾向がみられた。健康成人における尿中回収率は平均98%と非常に高率であり, Ccrが低下するに従って減少し, かつ尿中排泄が遅延する傾向が認められたが, Ccrが30ml/min未満の3例においても尿中回収率は平均66%と比較的高値を示していた。
    薬動力学的解析では, 健康成人の血中半減期 (t1/2β) は平均1.20時間であり, t1/2βとCcrの間にゆるやかな双曲線的相関が認められ, 特にCcrが約30ml/min以下ではt1/2βが著明に延長する傾向がみられ, Plasma clearance (P.C.) とCcrの間にP.C.=1.61725・Ccr-6.29945 (r=0.82892) の相関関係が認められた。
  • 鈴木 泉, 千種 一郎, 栃木 宏水, 山崎 義久, 川村 寿一
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 247-250
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    我々は, carumonam (CRMN) を臨床例に使用し, 血中濃度および腎, 膀胱, 前立腺の組織内濃度を測定した。対象症例は上部尿路結石症5例, 前立腺肥大症6例の計11例であった。CRMN1gを生食20mlに溶解し, one shot静注を行い, 血中濃度は60分, 120分, 180分および組織採取時に測定した。CRMNの血中濃度は60分平均値62.0μg/ml, 120分値43.1μg/ml, 180分値30.2μg/mlであった。腎組織内濃度は5例で測定し, 最高値は23分後の51.7μg/gで, 120分後にはほとんど消失していた。膀胱壁組織内濃度は5症例8検体で測定し, 最高値は20分後の131μg/gで, 相関係数は低いが血中濃度とほぼ直線的な関係が認められた。前立腺組織内濃度は5症例で測定し, 最高値は36分後の70.0μg/gで, 他の組織同様すみやかに消失した。血中濃度は既存のセフェム剤と比較し, 同等もしくはそれ以上と思われる。組織内濃度はさまざまな因子が関与し, 評価は難しいが, 今回我々の検索した腎組織内濃度は結石症に伴うsevereなdamagedkidneyのそれであったが, 60分後に50μg/g程度の組織内濃度が得られた。前立腺組織内濃度は他の2組織に比較し低値であったが, 前立腺炎の起炎菌の発育阻止濃度をかなり長時間にわたって越えていた。CRMNは十分な血中および組織内移行を示し, 泌尿器感染症において有用性が高いと考えられる。
  • 斎藤 玲, 加藤 康道, 石川 清文, 小田柿 栄之輔, 篠原 正英, 福原 育夫, 富沢 磨須美, 中山 一朗, 佐藤 清
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 251-262
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Carumonamはmonobactam系の新しい抗菌剤である。臨床分離株に対する抗菌力は, MICのピークをみるとEschenchia coli, Proteus mirabilis, Sermtia mrcescensは0.025μg/ml, Klebsiella pneumoniaeは0.013μg/ml, Morganella morganiiは0.05μg/mlでありPseudomonas aeruginosaは1.56~3.13μg/mlの間と, いずれも良好な成績であった。
    6名の健康成人男子に本剤1gを静注し, 体内動態をみた。血中濃度は6例平均で5分後118.2μg/mlのピーク値を示した。血中半減時間は1.1時間, AUCは122μg・hr/mlであった。尿中排泄は6時間までで72.8%と良好な排泄率であった。本剤投与による被検者の血液生化学的検査に異常は認められなかった。
    内科的感染症12例に本剤を1日1g 2回の点滴静注で, 3~13日間投与し, 臨床効果をみた。著効7例, 有効5例で全例有効以上であった。病巣分離菌はいずれも菌消失しだ。副作用は認めなかった。
  • 平賀 洋明, 菊地 弘毅, 山本 朝子
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 263-267
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    単環性β-lactam抗生物質sulfazecinの基本骨格を種々化学修飾することによって得られたmonobactam系の新抗生物質carumonam (CRMN, AMA-1080) は大部分のグラム陰性桿菌に強い抗菌力を示すとともに各種β-lactamaseに対して極めて安定で, β-lactamase誘導も極めて低い。
    本剤を慢性気管支炎に投与し, 臨床効果および安全性, 有用性を検討した。
    慢性気管支炎7例では有効6例, 無効1例で有効以上の有効率は85.7%であった。
    Carumonam 1g点滴静注時の血清・喀痰中濃度を経時的に測定した。本剤の喀痰中への移行性の高いことが証明された。
    副作用は1例も認められなかった。
    投与前後に検査した臨床検査値で, 1例にGOTの一過性上昇をみたが, 無処置で1週間後正常値にもどった。
    以上より, 本剤は特徴をもった抗生物質で安心して使用できる薬剤といえる。
  • 青沼 清一, 本田 芳宏, 小野 玲子, 大谷 紀子, 大沼 菊夫, 渡辺 彰, 佐々木 昌子, 大泉 耕太郎, 今野 淳
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 268-275
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいmonobactam系抗生物質carumonamについて, 臨床分離の9菌種160株に対する抗菌力をMIC2,000 systemを用いた液体培地希釈法により検討するとともに, 本剤を呼吸器感染症患者3名に投与して, その体内動態, 臨床効果, 細菌学的効果, 副作用を検討した。
    各菌種に対する本剤のMIC50およびMIC80は, それぞれStaphylococcus aureusが<200, <200μg/ml, Escherichia coliが≦0.1, 200μg/ml, Klebsiella pneumoniaeが≦0.1, ≦0.1μg/ml, Sermtia marcescensが≦0.1, 0.39μg/ml, Entembacter cloacaeが12.5, 50μg/ml, Proteus mirabihsが≦0.1, 0.2μg/ml. Proteus vulgarisが≦0.1, ≦0.1μg/ml, Morganella morganiiが0.2, 0.2μg/ml, Pseudomonas aeragosaが6.25, 50μg/mlであった。同時に検討したaztreonamとほぼ同等の成績であった。
    びまん性汎細気管支炎患者に, 本剤1gを1時間かけて点滴静注した際の最高血清中濃度は67.0μg/mlで, 最高喀痰中濃度は1.52μg/mlであった。
    呼吸器感染症患者3名に, 本剤を1回1g点滴静注で1日2回, 12~22日間投与した。臨床効果は, びまん性汎細気管支炎のHaemopmus influenzaeによる急性増悪には著効, 慢性肺気腫のH.influenzaeによる急性増悪の1例と肺結核混合感染の1例には有効であった。細菌学的効果は, H.influenzae2株とも消失した。発疹・消化器症状などの副作用は見られず, また臨床検査値の異常化も見られなかった。
  • 勝 正孝, 福井 俊夫, 河合 美枝子, 横瀬 節, 村山 由美子, 滝塚 久志, 荻原 宏治
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 276-287
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Carumonam (CRMN, AMA-1080) の各種臨床分離菌 (Escherichia coli, Klebsielkz pneumoniae, Klebsiella oxytoca, Haemophilus influenzae, Enterobacter cloacae, Citrobacter freundii, Pseudomonas aeruginosa, Proteus mirabilis, Proteus vulgaris, Serratia marcescens) 各20株についてその抗菌力をaztreonam (AZT), cefotetan, cefoperazone, ceftazidime, cefsulodin, piperacillin, mezlocillinを対照として測定した。CRMNの各種グラム陰性菌に対するMIC80E.coli0.05μg/ml, K. pneumoniae<0.025μg/ml, K.oxytoca<0.025μg/ml, H influenzae<0.1μg/ml, E. cloacae 0.1μg/ml, C. freundii <25μg/ml, P. aeruginosa 3. 12μg/ml, P. mirabilis<0.025μg/ml, P. vulgaris <0.025μg/ml, S. marcescens <0.1μg/ml 25μg/mg C. freundii を除く各菌種に強い抗菌力を示した。特にK. oxytoca, E. cloacae, S. marcescens に対しては試験薬剤中最も強い抗菌力であった。またEcoli, K. pneumoniae, P. mirabilis, P. vulgarisに対しては, AZTとほぼ同等の抗菌力であり, 他のセフェム剤より強い抗菌力を示した。
    臨床成績では呼吸器感染症1例, 尿路感染症6例の7例に1日1-2gを2回に分けて6-15日間静注または点滴静注で投与した。
    その結果慢性気管支炎1例には有効, 膀胱炎5例中有効2例, やや有効2例, 無効1例, 腎盂腎炎1例はやや有効の成績であった。本剤に起因すると考えられる副作用および臨床検査の異常は認められなかった。
  • 斎藤 篤, 嶋田 甚五郎, 大森 雅久, 柴 孝也, 山路 武久, 北條 敏夫, 加地 正伸, 奥田 新一郎, 堀 誠治, 宮原 正, 上田 ...
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 288-299
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新単環性β-lactam剤carumonam (CRMN, AMA-1080) について, 基礎的・臨床的検討を行い, 以下の成績をえた。
    抗菌力: 臨床分離の) Peudomonas aeruginosa 50株, インドール陽性Proteus属25株に対するCRMNの抗菌力をaztreonam (AZT), latamoxef (LMOX) のそれと比較した。P.aemginosaに対するCRMNのMIC分布は, 100倍希釈液接種では0. 78~25μg/mlにあり, AZTとはほぼ同等, LMOXより2~3段階すぐれた抗菌力を示した。インドール陽性Proteus属に対するCRMNの抗菌力は≦0. 05~1. 56μg/mlにあり, 3剤ほぼ類似の態度を示した。
    吸収・排泄: 健康成人男子志願者5名を対象に, CRMNおよびcefoperazone (CPZ) 各1gを, crossover法にて1回静注した際の血中濃度は, CRMNでは5分後に平均118μg/mlの値をとり, 以後1. 21時間の血中半減期をもって減少した。一方, CPZの5分値は135μg/mlで, 血中半減期は1.50時間であった。8時間累積尿中回収率は, 本剤の61. 3%に対してCPZでは16. 4%にすぎなかった。Probenecid前投与によるCRMNの腎排泄機序についての検討では, CRMNに尿細管分泌のあることを示唆する成績がえられた。
    臨床成績: 内科系諸感染症8例にCRMN1日2gを3~20日間使用し, 4例に有効の成績をえた。副作用は全例にみられず, 臨床検査値異常としてGOT, GPT, ALPおよびBUNの軽度上昇を各1例に認めたが, 本剤との因果関係は不明であった。
  • 斧 康雄, 西谷 肇, 野末 則夫, 上田 雄一郎, 市川 知代子, 小川 隆, 小川 裕, 中込 幸一, 国井 乙彦, 宮下 英夫
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 300-309
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しい単環系のβ-lactam抗生剤であるcarumonam (CRMN) について検討した。
    臨床材料分離の各種細菌に対する抗菌力をaztreonam (AZT), cefoperazone (CPZ) と比較したところ本剤はEscherichiacoli, Klebsiella, Pseudomonas aeruginosaなどのグラム陰性桿菌に対してAZTと同等かやや優れた抗菌力を示し, CPZよりは数段優れた抗菌力を示した。臨床例では5例の尿路感染症に本剤1日1~2gを点滴静注した。臨床効果は有効3例, やや有効1例, 評価不能1例であり, 細菌学的効果では1例で菌消失, 3例でグラム陰性桿菌からグラム陽性球菌への菌交代現象が見られ, 1例は不変であった。
    本剤投与によると考えられる副作用および臨床検査値の異常は認められなかった。
  • 武田 博明, 河野 浩太, 川平 昌秀, 井上 尚志, 小林 宏行
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 310-313
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    モノバクタム系抗生剤であるcarumonam (CRMN, AMA-1080) について臨床的に検討し以下の成績を得た。
    呼吸器感染症9例 (肺炎3例, 気管支拡張症5例, びまん性汎細気管支炎1例) に対しCRMN1回1g, 1日2回の点滴静注による臨床効果を検討した。
    その結果, 有効5例, やや有効2例, 無効1例 (1例は感染症状が明確でなかったので臨床効果判定より除外) であった (有効率62. 5%) 。
    副作用としては, 1例に好酸球増多をみたほかは自覚的・他覚的な症状, 所見上異常はみられなかった。
    以上より, 本抗生剤は呼吸器感染症, とくにグラム陰性菌による下気道感染症に対しその臨床効果が期待されうると考えられる。
  • 浦山 京子, 稲松 孝志, 深谷 一太, 島田 馨
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 314-320
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Urosepsis 3例, 腎盂腎炎4例, 肝膿瘍, 胆道感染症各1例の計9例でcarumonam (CRMN) の臨床評価を試みた。敗血症の3例と腎盂腎炎の2例で起炎菌が判明しているが, いずれもグラム陰性桿菌であった。CRMN0. 5~1. 0g, 1日2回の投与で, 全例に有効ないし著効の臨床効果が得られた。細菌学的効果では, urosepsisの起炎菌は全例消失し, 腎盂腎炎3例とurosepsisの基礎疾患となった腎孟腎炎3例の原因菌は全例消失したが, 3例に腸球菌やブドウ球菌の菌交代現象がみられた。1例にCRMN投与後白血球数が2, 700と低値を示した以外, 副作用, 臨床検査値異常はみられなかった。
  • 中森 祥隆, 中谷 龍王, 吉村 邦彦, 蝶名林 直彦, 中田 紘一郎, 谷本 普一, 杉 裕子
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 321-329
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいモノバクタム系抗生物質carumonam (CRMN, AMA-1080) を呼吸器感染症20例に, 1回0.5~2g, 1日2回点滴静注し, その臨床効果および副作用について検討した。疾患の内訳は急性肺炎2例, 膿胸1例, すでに各種の抗生物質療法を受け難治となっている下気道感染症17例 (びまん性汎細気管支炎8例, 気管支拡張症4例など) であった。
    臨床効果は, 後に非定型抗酸菌症の増悪例と判定した2例を除く18例において, 著効1例, 有効5例, やや有効8例, 無効4例で有効率33%, やや有効以上78%であった。起炎菌別効果では, Hemopnilus influenzae 3例では1例消失, 2例不変, Pseudomonas aeruginosa 3例では2例消失, 1例不変, ブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌3例全例不変, Xanthomonas maltophilia 2例では, 2例減少, Klebsiella pneumoniae2例では1例消失, 1例減少であった。
    副作用は, 発熱, 下痢を各々1例認め, 本剤投与中止で軽快した。臨床検査値異常は好酸球増多, 白血球減少, ALP上昇を各々1例認めた。
    Carumonamは緑膿菌を含むグラム陰性桿菌による難治性呼吸器感染症に有用な薬物である。
  • 加藤 正一, 山根 至二, 真下 啓明
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 330-334
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発された単環性β-ラクタム系抗生剤carumonamを呼吸器感染症12例に投与し, 臨床的検討を行った。対象はいずれも肺炎で, その臨床効果は有効5例, やや有効3例, 無効1例, 効果判定不能3例であった。副作用は1例に軽度の貧血がみられたが, 投与中止後回復した。
  • 渡辺 健太郎, 小山 優, 飯島 福生, 横沢 光博
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 335-344
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Carumonam (以下CRMNと略す) はβ-lactamaseに強い抵抗性を有しPseudomonas aemginosaを含むグラム陰性菌に強い抗菌力を有する単環性β-lactam系抗生物質である。我々は本剤を用い臨床的検討をすると共に若干の基礎的検討を加えたので報告する。
    抗菌力は同剤と若干構造式は異なるが同じ単環性β-lactam系抗生物質であるaztreonam (以下AZTと略す) と臨床分離菌のStaphylococcus aureus, Haemophilus influenzae, Escherichiacoli, Klebsiella pneumoniae, Enterobacter cloacae, Serratia marcescens, Proteus mirabilis, P. aeruginosa各25株について接種菌量106CFU/mlにて比較検討した。S. aureusに対してはAZTと共に全く感受性がなかった。その他のグラム陰性菌に対しては両者間に多少の優劣は認められたが共に優れた抗菌力を有していた。臨床効果は肺炎8例, 気管支拡張症の二次感染4例, DPB1例の呼吸器感染症13例と尿路感染症3例の計16例に使用した。投与量は1日1g×2回を原則とし投与方法は点滴静注法にて施行した。
    臨床効果は呼吸器感染症13例中10例有効, 1例やや有効, 2例無効であり, 尿路感染症は3例中2例が有効, 慢性の尿路感染症1例が無効であった。細菌学的効果は消失2例, 不変4例, 菌交代2例, 不明8例で臨床効果に比しやや劣る成績であった。副作用は臨床的には全く認められなかったが, 1例で一時的にBUN, GOT, GPTの上昇があり, 臨床検査値の異常がみられた。
    以上よりCRMNはグラム陰性菌感染症には副作用も少なく有用な薬剤と考えられる。
  • 小林 芳夫, 北川 泰久, 小花 光夫, 富永 毅彦, 藤森 一平
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 345-350
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    肺炎1例, 慢性腎盂腎炎の増悪4例, 急性腎盂腎炎3例の計8例に新しく開発されたmonobactam系抗生剤であるcarumonam (CRMN) を投与した。投与量は1回1gを静注で1日2回, 肺炎例では12日間, 慢性腎盂腎炎の増悪例4例中3例および急性腎盂腎炎の3例には7日間投与した。1例の慢性腎盂腎炎の増悪例ではCRMN19を1日3回7日間投与した。投与症例は25歳から84歳までの女性7例と, 77歳の男性1例であった。
    これら8例の投与症例中, 肺炎1例および尿路感染症7例の全例が臨床的に有効であった。細菌学的評価では, 原因菌か否か不明であるが, 肺炎例では投与前のHaemophilus influenzaeは投与後消失した。慢性腎盂腎炎の増悪4例では3例においては原因菌の消失をみたが, Pseudomonas属を原因菌とする1例でEnterooccusに菌交代をみた。また3例の急性腎盂腎炎でも2例に菌消失をみたが, 1例でEnlmcoccusに菌交代をみた。臨床的な副作用としては肺炎例で本剤によるものと考えられる発疹をみたが, 投与中止後消失した。他に副作用を認めず, また本剤によると考えられる臨床検査値の異常は認められなかった。
  • 和田 光一, 森本 隆夫, 田崎 和之, 五十嵐 謙一, 荒川 正昭, 関根 理, 薄田 芳丸, 青木 信樹, 武田 元
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 351-356
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいモノバクタム系の抗生剤であるcarumonamを菌血症2例, 呼吸器感染症14例, 尿路感染症2例, 肝, 胆道系感染症2例, 細菌感染を疑われた発熱例1例の21例に使用し, 臨床効果, 細菌学的効果, 副作用, 臨床検査値について検討した。
    Carumonamは, 点滴静注あるいはoneshot静注で使用し, 1日使用量は0.5~6.0g, 使用日数は2~40日であった。臨床効果は, 著効2例, 有効10例, やや有効3例, 無効2例, 判定不能4例で, 有効率は70.6%であった。細菌学的効果は, 原因と思われる細菌を分離した13例について検討し, 菌消失4例, 減少5例, 不変3例, 菌交代1例であった。
    本剤使用による副作用は認めなかった。臨床検査値の異常は, 1例でGOT, GPT上昇, 1例でGOT, GPT上昇, 白血球減少, 好酸球増多を認めた。
  • 山作 房之輔, 鈴木 康稔, 宇野 勝次
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 357-362
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Carumonamを肺炎・肋膜炎1例, 急性腎盂腎炎8例, 慢性腎盂腎炎の急性増悪4例 (うち1例は菌血症を合併), 胆嚢炎2例, 計15例に使用し, 著効3例, 有効10例, やや有効1例, 無効1例の成績を得た。副作用は2例に発熱を認め, Leucocyte migration inhibition testで2例とも本剤に陽性を示した。臨床検査値異常では肝機能異常が3例に見られたが, 本剤を中止するほど高度ではなかった。腎盂腎炎患者の尿, 血液から分離したEscherichia coli5株, Klebsiella pneumoniae 2株, Klebsiella oxytoca, Proteus mirabilis各1株の106/ml菌液接種時の本剤のMICは0.1~0.025μg/ml以下で, 強い抗菌力を示した。
  • 加藤 政仁, 加藤 錠一, 林 嘉光, 都筑 瑞夫, 多代 友紀, 武内 俊彦, 花木 英和, 宇佐美 郁治, 黒木 秀明, 永坂 博彦, ...
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 363-373
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Monobactam系抗生物質であるcarumonam (CRMN, AMA-1080) について抗菌力ならびに臨床効果を検討し以下の結果を得た。
    1) 抗菌力: 臨床材料から分離したStaphylococcus aureus, Enterococcus faecalis, Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae, Proteus mirabilis, Proteus vulgaris, Morganella morganii, Serratia, Pseudomonas aeruginosaなどの各種細菌239株についてCRMNの抗菌力を測定し, cefotetan (CTT), cefpimizole (CPIZ) ceftizoxime (CZX), cefoperazone (CPZ) の成績と比較した。S. aureusおよびE.faecalisに対しCRMNは抗菌力を示さなかった。E. coli, K. pneumoniae, P. mirabilis, P. vulgaris, M. morganiiに対しCRMNは強い抗菌力を示し, MICのピークはすべて0.05μg/ml以下にあり, CZXと同等ないし3段階程度優れ, CTTより1~4段階程度優れた成績であった。Serratiaに対しCRMNはCZXより1段階程度優れ, P.aeruginosaに対しCRMNはCPZより1段階, CPIZより2段階程度優れた成績であった。
    2) 臨床的検討: 肺炎4例, 肺化膿症2例, 慢性気道感染症急性増悪3例の計9例にCRMNを使用した。臨床効果は著効1例, 有効5例, やや有効1例, 無効2例であり有効率は66.7%であった。細菌学的効果は肺炎例で分離されたXanthomonas maltophilia, 慢性気道感染症急性増悪例で分離されたE. coli, P. aeruginosaがそれぞれ除菌された。CRMN投与中に下痢が1例みられたが軽度で一過性であり, 本剤との因果関係は不明であった。臨床検査値異常は認めなかった。
  • 鈴木 幹三, 足立 暁, 山本 和英, 岸本 明比古, 山本 俊幸
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 374-382
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しい単環性β-ラクタム抗生物質carumonamを高齢者における感染症25例に使用し, その臨床効果および副作用を検討した。疾患の内訳は呼吸器感染症22例 (肺炎16例, 下気道感染症6例), 尿路感染症2例, 不明熱1例であった。その結果, 有効11例, やや有効10例, 無効4例で, 有効率44%, やや有効以上の有効率84%であった。細菌学的効果では, Pseudomonas aeruginosa 4株中消失2株, 減少1株, 不変1株, Klebsiella pneumoniae 2株, Proteus mirabilis, Serratia marcescens, Escherichia coli 各1株は菌消失したが, Pseudomonas cepacia 1株はEnterococcus faecalis に菌交代し, また投与後Staphylococcus aureus 2株が検出された。副作用は発疹1例, 臨床検査値の異常は白血球減少2例, 好酸球増多1例, GPTとALP上昇1例がみられたが, いずれも本剤投与中止後軽快した。したがってcarumonamは菌種を選択して使用すれば高齢者に対しても有用な抗生物質と考える。
  • 岡本 緩子, 前原 敬悟, 米津 精文, 飯田 夕, 榊原 嘉彦, 間瀬 勘史, 安永 幸二郎, 上田 良弘, 大久保 滉
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 383-408
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しい抗生剤であるcarumonamにつき基礎的・臨床的に研究を行った。
    臨床分離の諸種グラム陰性菌に対する本剤のMICを測定し, aztreonam, cefmenoxime, ceftazidime, cefoperazoneおよびceftizoximeのそれと比較検討した。本剤はaztreonamとほぼ同様グラム陰性桿菌に対し幅広い抗菌スペクトルを示し, Klebsiella pneumoniae, Proteus vulgarisに対してはそれよりやや優れ, しかもProteu mirabilisに対しては0.01~0.05μg/mlときわめて鋭い良好な抗菌力分布を示した。胆管癌の1例に本剤1gを1時間で点滴静注した時の血中濃度のピークは, 点滴終了時50μg/mlに達した。内科的感染症の延べ16疾患 (14症例) に本剤の1日0.5~4gを4~16日間点滴静注し, 臨床的効果を検討した。敗血症では2例 (Esclnrichia coli, Serratia marcescens) とも除菌され, 呼吸器感染症4例中3例, 尿路感染症4例の全例, 胆道感染症6例中2例の計11例に有効以上の成績を得た。本剤投与によると思われる副作用および臨床検査値の異常はいずれにも認められなかった。
  • 東田 有智, 杉原 錬三, 岸上 直子, 保川 淳, 南部 泰孝, 長坂 行雄, 中島 重徳
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 409-412
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたmonobactam系抗生物質carumonamを呼吸器感染症患者7例に投与し, その臨床効果および, 副作用について検討した。
    対象患者は, 肺炎3例, 気管支拡張症二次感染3例, 慢性気管支炎1例であった。
    投与方法は, 1回1g, 1日2回の点滴静注である。
    臨床効果は, 著効, 有効, やや有効, 無効の4段階に分類し, 判定は著効1例, 有効3例, 無効3例, 有効率57.1%であった。
    副作用は1例にトランスアミナーゼの軽度上昇を認めた。
  • 二木 芳人, 岸本 寿男, 日野 二郎, 中川 義久, 角 優, 築山 邦規, 副島 林造
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 413-417
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいmonobactam系注射用抗生物質carumonam (CRMN, AMA-1080) につき, 細菌学的・臨床的検討を行い以下の成績を得た。
    1) 各種臨床分離株に対する抗菌力をcefotiam (CTM), ceftizoxime (CZX), aztreonam (AZT) と比較した結果, Staphylococcus aureusに対しては本剤とAZTはほとんど抗菌活性を示さなかったが, Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae, Serratia marcescens, Proteus属についてはMICのピークは, 0.05μg/ml以下と極めて強い抗菌活性を示し, AZTに若干勝る成績であった。P. aeruginosaについては0.39~50μg/mlにMICの分布を示し, やはりAZTにやや勝る成績を得た。
    2) 呼吸器感染症6例を対象として本剤1~291日2回点滴で3~9日間使用して, その臨床効果を検討した。臨床効果は有効2, やや有効1, 無効3の有効率33.3%であった。副作用は全例にみられず, また本剤使用前後の検査成績でも異常を認めたものはなかった。
  • 板阪 和雅, 横崎 恭之, 横田 幸弘, 野村 俊也, 上綱 昭光, 山木戸 道郎
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 418-420
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Carumonamをび漫性汎細気管支炎 (2例), 肺炎 (1例), 肺化膿症 (1例), および慢性気管支炎 (1例) に投与し, 有効性および安全性について検討した。
    難治な呼吸器感染症にも有効で, 有効率は80.0%であった。
    副作用として血小板の中等度減少が1例にみられただけであり, 他の自・他覚的所見には何らの異常を見出せなかった。
    以上の結果より, carumonamは呼吸器感染症に有用5性のある薬剤と判断される。
  • 澤江 義郎, 岡田 薫, 熊谷 幸雄, 石丸 敏之, 仁保 喜之
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 421-431
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発された注射用monobactam系抗生物質であるcarumonam (CRMN, AMA-1080) について, 基礎的, 臨床的検討を行った。
    臨床分離菌に対するCRMNの抗菌力を接種菌量が106cells/mlのときのMICでみると, Escherichia coli, Klebsielhz spp., Proteus spp.ではその多くが0.10μg/ml以下であり, Enterobacter spp., Serratia mrcescens, Morganella morganii, Citrobacter spp.では3.13μg/ml以下が70~80%であった。また, Pseudomonas aeruginosaでは85%が12.5μg/ml以下で, その半数以上は3.13μg/mlで, 非常に優れた抗菌力であった。これらの成績を同時に測定したaztreonam (AZT), cefmenoxime (CMX) のMICと比較すると, ごく僅かにCRMNの優れたものが多かった。しかし, Staphylococcus aureus, Staphylococcus epidermidisには抗菌力が認められなかった。
    肺炎3例, 慢性気管支炎2例, 菌血症2例, 急性膀胱炎と歯肉炎合併例1例, 皮下膿瘍1例の計9例に, CRMNを1日2~6g, 5~16日間使用したところ, 著効1例, 有効6例, 無効2例であり, 有効率は78%であった。起炎菌別にみると, E. coli, Klebsiella pneumoniae, S. marcescens, Streptococcus pneumoniaeには100%, P.aeruginosaには50%が有効で, これらではすべて菌消失をみた。副作用として発疹が1例に認められ, 臨床検査成績の変動としてGOT, GPT上昇が2例に認められ, 同じく2例に好酸球の増多傾向がみられた。
  • 那須 勝, 後藤 純, 後藤 陽一郎, 田代 隆良, 黒田 芳信, 山崎 仁志, 柿川 恵子, 宮子 博, 菅原 弘一, 伊東 盛夫
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 432-449
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたモノバクタム系抗生物質carumonamについて, 臨床分離株に対する抗菌力, ヒトへ投与した場合の血中濃度, 喀痰内移行濃度を測定した。また, 呼吸器感染症へ投与した場合の臨床効果を検討し, 次の結果を得た。
    抗菌力: 最近各種の臨床材料から分離された940株 (グラム陽性菌106株, 腸内細菌614株, 糖非発酵グラム陰性桿菌189株, Bacteroides fragilisグループ31株) について, 日本化学療法学会規定の方法により最小発育阻止濃度 (MIC) を測定し, 対照薬としたlatamoxef, cefmenoxime, cefotetan, cefbuperazone の抗菌力と比較した。本剤は, Klebsiella spp., Proteus spp., Serratia marcescens, Pseudomonas aeruginosa, Acinetobacter calcoaceticus に対して最も強い抗菌力を示し, Staphylococcus aureus, Enterococcus faecalis, B. fragilis グループに対しては, そのほとんどの株はMIC>100μg/mlであった。その他の腸内細菌, 糖非発酵グラム陰性桿菌に対しては, 供試した対照薬とほぼ同等の抗菌力を示した。
    血中濃度および喀痰内濃度: 慢性気管支炎例, 気管支拡張症例の2例に, 本剤1gを1時間かけて点滴静注した場合の血中濃度は, 点滴終了時にピーク値52~58μg/mlの濃度が得られ, 血中濃度半減期は約50分であった。喀痰内移行濃度は, 1.25~2.1μg/ml (最高血中濃度の2.2~4.1%) が得られた。
    呼吸器感染症における臨床成績: 気管支拡張症1例, 慢性気管支炎3例, 肺癌に併発した肺炎2例の計7例に本剤1日2g分2点滴静注を7~13日間行った。細菌の推移, CRP, 白血球数, 血沈値などの炎症所見, 胸部レ線所見などから総合的な臨床効果は, 有効4例, 無効3例と判定された。本剤の投与によって, 1例に投与7日目に発疹, 掻痒感が出現し, 中止後は速やかに改善した。1例にALP, γ-GPT, LAPの軽度上昇例がみられ, 投与終了後1週間目には, もとの値に復した。
  • 河野 茂他
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 450-469
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく化学合成されたモノバクタム系 (単環性β-ラクタム) 抗生物質であるcarumonam (CRMN, AMA-1080) についての基礎的・臨床的検討を行い, 次の結果を得た。
    1) 抗菌力: 標準株29株と臨床分離の14菌種477株の計506株について, MIC2000を用いたミクロブイヨン希釈法にて, aztreonam (AZT), ceftizoxime (CZX), cefoperazone (CPZ), latamoxef (LMOX) を対照薬剤として, 本剤の最小発育阻止濃度 (MIC) を測定した。本剤は緑膿菌を含むグラム陰性桿菌に対してきわめて強い抗菌活性を示し, なかでも, Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae, Proteusmirabilis, Proteusuulgaris, Entembamter cloacae, Enterobamter aerogenes, pseudomonas aeruginosaなどに対しては, 他剤に比べ同等か, より優れた抗菌力が認められた。
    2) 体内動態: 腎機能に著変を見ない慢性気道感染症患者5例を対象に本剤1.0あるいは2.0gを1時間かけて点滴静注した際の血中および喀痰内移行濃度を測定した。最高血中濃度は, 点滴終了時に得られ, 1.0g投与で33.5~64.7μg/ml, 2.0g投与では88.4~146.6μg/mlであった。喀痰内移行濃度の最高値は, 1.0g投与で0.94~3.14μg/ml, 2.0g投与で1.21~6.56μg/mlであった。最高血中濃度に対する最高喀痰濃度の比はそれぞれ平均3.7%, 5.6%であった。
    3) 臨床効果および副作用: 呼吸器感染症13例 (肺炎3, 気管支拡張症1, 慢性気管支炎5, び慢性汎細気管支3, 肺線維症1) に対して本剤を投与した。本剤の総合臨床効果は, 著効2例, 有効6例, やや有効3例, 無効1例, 判定不能1例で, 有効率は66.7%であった。副作用はなく, 臨床検査値ではGPTと尿中ウロビリノーゲンの軽度上昇が1例に認められたが, 投与終了後速やかに正常値に復した。
  • 力富 直人, 松本 慶蔵, 宇塚 良夫, 永武 毅, 渡辺 貴和雄, ムバキ ンシアラ, 林 雅人
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 470-484
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    グラム陰性菌に対して特異的に抗菌力を有し, β-ラクタマーゼに安定な単環性β-ラクタム剤であるcarumonam (CRMN, AMA-1080) の細菌性呼吸器感染症に対する有用性をin vitro抗菌力と臨床使用例において検討した。本剤の呼吸器病原細菌に対するMICは, Streptococcus pneumoniaeで1.56μg/mlから>100μg/mlで, ピーク値は12.5μg/ml, Haemophilus influenzaeはすべて0.1μg/ml以下, Branhamella catarrhalisは1.56~6.25μg/mlで, Eschemhia coliはすべてが0.2μg/ml以下であった。KlebsiellapneumoniaeEnterobacter spp.のMIC90は0.2μg/mlで, Pseudomonas aeruginosaのMICは0.39~25μg/mlの範囲であり, 6.25μg/ml以下に87%が分布した。
    1g点滴投与時の喀痰中濃度を4例で検討し, 喀痰中濃度の最高値は, 1.6μg/ml, 1.91μg/ml, 3.04μg/ml, 5.28μg/mlでそれぞれの血中濃度ピーク値に対する比は2.9%, 3.3%, 9.4%, 6.7%であった。4例中2例に気管支分泌物濃度を測定し得, その範囲は2.5~12.0μg/mlであったが病巣により差がみられ, 測定限界値以下のものがみられた。
    臨床的に判定のできた22例中14例 (64%) に有効以上の成績を得た。Pseudomonas属は10株中4株が菌消失し, 3株が減少した。無効例は宿主条件が重症なものにおこったPseudomonas属による感染とStaphylococcus aureus感染の各1例であり, その他のSpneumoniae 2株, H. influenzae 7株, B. catarrhalis 3株はいずれも菌消失した。Spneumoniae 1株が菌交代現象, Streptococcus hemolyticus 1株が菌交代症を惹起した。2名の患者に薬剤性発熱がみられ, 1例に軽度の白血球減少がみられたが, 投与中止後すみやかに改善した。
    以上より本剤はグラム陰性菌および一部S. pneumoniaeを含めた細菌性呼吸器感染症に有用な薬剤と思われる。
  • 橋本 伊久雄, 澤田 康夫, 中村 孝
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 485-489
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    今回我々は, 武田薬品の開発した新しい単環性β-lactam系抗生物質carumonamを外科的感染症12症例に使用し, その臨床的ならびに細菌学的効果を検討した。症例は急性腹膜炎5例, 急性胆のう炎5例, 腹壁膿瘍2例で, 1日1~2gを点滴静注した結果, 治験成績は著効6例, 有効4例, 無効2例で, 有効率は12例中10例で, 83%であった。細菌を分離し得た10例のうち8例に於て本剤投与後, 細菌の消失を見た。本剤投与による副作用と臨床検査値異常の発現は全例に認められなかった。
  • 大谷 吉秀, 相川 直樹, 石引 久弥
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 490-495
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Carumonamの腹腔内浸出液移行と外科感染症における臨床効果について検討した。
    本剤の投与方法は1回1gを生理食塩水100mlに溶解し, 1日2回点滴静注した。
    臨床的検討の対象は腹膜炎3例, 創感染1例計4例の外科感染症であった。本剤の臨床効果は有効2例, やや有効2例であった。また胃癌術後の6症例に, 感染予防とともに術後腹腔内浸出液中への移行を検討する目的で本剤を1回191日2回, 3~7日間投与したが, 術後感染症は認めなかった。
    術後腹腔内浸出液中濃度の6例の平均値は術後1日目6.55μg/ml, 2日目6.85μg/ml, 3日目4.38μg/mlであった。
    安全性の検討については, 本剤投与に直接関係したと考えられる副作用, 臨床検査値の異常は認められなかった。
  • 岩井 重富, 高井 一光, 佐藤 毅, 松下 兼昭, 国松 正彦, 堀川 明, 古畑 久, 加藤 高明, 佐藤 いづみ, 酒井 弘子, 坂部 ...
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 496-503
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新抗生物質carumonam (CRMN) 1こついて臨床分離菌に対する抗菌力および臨床効果につき検討を行った。臨床分離保存菌に対する本剤のMICを日本化学療法学会標準法に準じて測定した。Escherichia coliに対して原液接種でほとんどの株を0.8μg/ml以下で阻止した。100倍希釈液接種でもほとんどが0.2μg/ml以下で阻止された。Klebsielhpneumoniaeに対しても原液接種で3.13μg/ml以下, 希釈液接種で0.1μg/ml以下の抗菌力を示した。Enterobacter cloacaeに対して原液接種で0.1~25μg/mlに分布し, 希釈液接種で0.05μg/ml以下から12.5μg/mlと広い分布を示した。Pseudomonas aeruginosaでは原液接種で1.56~100μg/ml以上に分布しpeak値は625μg/mlであった。希釈液接種では0.8~6.25μg/mlに分布しpeak値は3.13μg/mlであった。Serratiamarcescensでは原液接種で0.1~12.5μg/mlに分布し, 希釈液接種では0.05以下から1.56μg/mlに分布した。外科的感染症11例に本剤を使用し, その臨床効果をみた。感染症の内訳は腹膜炎7例, 胆嚢炎, 縦隔炎, 肺炎・膿胸, 下腿潰瘍, 各1例であった。腹膜炎の7例中5例が有効, 他の症例では基礎疾患に重篤なものが多く有効例はなかった。本剤によると思われる副作用は認められなかった。
  • 中山 一誠, 山地 恵美子, 川村 弘志, 川口 広, 秋枝 洋三, 渡辺 哲弥, 鈴木 俊明, 糸川 冠治
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 504-540
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Carumonam (CRMN) について基礎的, 臨床的検討を行った。
    抗菌スペクトルはaztreonam (AZT) と類似である。。
    病巣分離菌に対するMICはEscherichia coliでは12.5μg/ml以下に, Klebsiellapneumoniaeでは6.25μg/ml以下に, Enterobacter cloacaeでは0.05~>100μg/mlに幅広く分布し, Citrobacter freundiiでは12.5μg/ml以下に, Pesudomonas aeruginosaでは0.8~25μg/mlに分布した。この抗菌力はE.coliではAZTより多少劣るが他の菌種ではAZTとほぼ同程度の抗菌力を示した。
    血清中濃度および尿中濃度については, 健康成人5名に0.5gまたは1.0gを静注し, bioassay (BIA) およびHPLCで測定した。0.5g投与群では投与後5分で平均54.8μg/ml (BIA), 53.5μg/ml (HPLC) の血清中濃度を示し, 投与10時間後では平均0.4μg/ml (BIA), 0.4μg/ml (HPLC) の血清中濃度を示した。10時間までの平均尿中回収率は72.1% (BIA), 77.7% (HPLC) であり, また代謝産物の回収率は4.0%であった。1.0g投与群では投与後5分で平均118る4μg/ml (BIA), 125.6μg/ml (HPLC) の血清中濃度を示し, 投与後10時間では平均1.4μg/ml (BIA), 0.7μg/ml (HPLC) の血清中濃度を示し, 血清中濃度には用量相関関係が認められた。T1/2は1.5時間前後であった。10時間までの平均尿中回収率は74.0% (BIA), 81.0% (HPLC) であり, また代謝産物の回収率は3.3%であった。
    術後患者6例に1.09を静注し, 胆汁中濃度をbioassayで測定した結果, 静注後1時間で10.1μg/ml, 6時間に0.7μg/mlの濃度を示した。血清中, 胆汁中濃度を本剤とAZTをそれぞれ1.0goneshot静注し, cross-over法にて比較したところ, 血清中濃度はAZTの約1/2程度であった。胆汁中濃度はCRMNが投与後2時間でピークを示したのに対し, AZTは投与後5時間にピークを示した。CRMNのピーク値はAZTの約1/4であった。
    臨床成績は外科感染症35例に本剤を使用し, 著効1例, 有効29例, やや有効4例, 無効1例で, 有効率は35例中有効以上30例で85.7%であった。副作用は認められなかった。
  • 由良 二郎, 品川 長夫, 石川 周, 水野 章, 河辺 章夫, 柴田 純孝, 渡辺 晋, 伊藤 忠夫, 吉見 治, 鈴木 一也
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 541-551
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    外科領域において新しい注射用抗生剤であるcarumonam (以下CRMN) について, 基礎的, 臨床的検討を行い以下の成績を得た。
    1) 抗菌力: 外科病巣分離のStaphylococcus aureus, Escherichia coli, Klebsiella, Pseudomonas aeruginosaについてCRMNの抗菌力を検討したが, 本剤はaztreonam (以下AZT) と同様にStaphylococcus aureusには抗菌力は示さなかったが, E. coli, Klebsiella, P. aemginosaに対してAZTと同等ないしそれ以上の強い抗菌力を示した。
    2) 胆汁中移行i臨床例3例において本剤の胆汁中移行を検討したが, 本剤の胆汁中濃度は1g投与において最高16.5μg/mlと血中濃度より低く, 本剤は胆汁中移行低濃度群と考えられた。
    3) 臨床使用成績: 外科領域感染症24例に本剤を使用し, その臨床効果, 安全性, 有用性について検討した。その結果, 臨床効果は著効7例, 有効13例, やや有効2例, 無効1例, 判定不能1例であり有効率は87.0%と良好であった。本剤によると思われる副作用は全例に認めず, また, 臨床検査値の変動に関しては3例にGOTなどの上昇を認めたが, 重篤なものではなく本剤の安全性に関してとくに問題となるべきものは認めなかった。
  • 谷村 弘他
    1987 年 35 巻 Supplement2 号 p. 552-565
    発行日: 1987/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    化膿性腹膜炎20例, 外傷性腹膜炎2例, 胆汁性腹膜炎1例, 計23例の腹膜炎を対象とし, monobactam系新抗生物質carumonamの基礎的・臨床的検討を行った。
    1) Carumonam投与開始1時間後の腹水中濃度は, 1g静注で24.9μg/ml, 1g点滴19.7μg/ml, 2g点滴では33.4μg/mlであった。腹腔ドレーン挿入6例においてcarumonam 1g, 1日2回点滴静注, 5日間連続投与時の腹水中濃度は, 投与開始日には平均腹水中濃度20μg/ml, 3日目4.1 μg/ml, 5日目2.8μg/mlであったが, 2時間後の腹水中濃度は, 投与開始日24.7μg/ml, 3日目13.5μg/ml, 5日目37.0μg/mlであった。T-tube挿入1例においてcarumonamを1gおよび2g投与した際の胆汁中濃度は, ピーク値が1gで17.3μg/ml, 2gで33.3μg/mlであり, 胆汁中移行に用量依存性を認めた。
    2) 臨床的検討は, carumonamを1回1~29, 1日2~4回, 5~11日投与した。平均6.7日, 総投与量7~36g (平均16.59) 静注または点滴静注した際の臨床効果は, 汎発性腹膜炎14例, 限局性腹膜炎8例, 胆汁性腹膜炎1例, 計23例の腹膜炎症例に対して, 著効6例, 有効11例, やや有効3例, 無効3例であり, その有効率は73.9%であった。重篤な副作用は1例も認めなかった。
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