CHEMOTHERAPY
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36 巻, Supplement4 号
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  • 坪井 靖, 井上 松久, 三橋 進
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 1-17
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しい経口用マクロライド系抗生物質RU28965の細菌学的検討を行い, 以下のような成績を得た。
    本剤の抗菌スペクトラムは従来のマクロライド系抗生物質と同様で, 化療標準株のグラム陽性菌に対するMICは0.05~0.39μg/mlを示し, グラム陰性菌に対しては抗菌力を示さなかった。
    臨床分離各菌種に対する抗菌活性はS. aureus, S. epidermidis, S. pneumoniae, S. pyogenes, H. influenzae, N. gonorrhoeaeにおいてJosamycin, Midecamycin acetateより優れていたが, Erythromycinに比べて同等かやや劣るようであった。S. aureus, S. pyogenesの増殖曲線に及ぼす影響を検討したところ, 本剤は2ないし4MIC濃度で静菌的に作用した。またS. aureusマクロライド誘導型耐性菌に対する誘導能はErythromycinと同様に認められた。
    しかし, S. aureusを感染菌としたマウス全身感染症に対する本剤の治療効果はED50値で比較するとErythromycinの5倍, Josamycin, Rokitamycinの9倍優れていた。さらにS. pneummoniaeによるマウス実験的肺感染症においてもErythromycinより有意に優れた肺内除菌効果を示した。
  • 村岡 宏昭, 小川 正俊, 宮崎 修一, 辻 明良, 金子 康子, 五島 瑳智子
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 18-34
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新マクロライド系抗生物質RU 28965のin vitro, in vivo抗菌力をErythromycin (EM), josamycin (JM), Acetyl midecamycin (MOM) およびRokitamycin (RKM) と比較検討した。
    RU 28965の抗菌スベクトラムは他マクロライド剤とほぼ同様で, 抗菌力も同等であった。臨床分離株に対しては, EMより若干抗菌力は弱いが, JM, MOM, RKMとほぼ同等かやや優れていた。
    Staphylococcus aureus, Streptococcus pyogenes, Streptococus pneumoniaeを用いたマウス全身感染でのRU 28965の治療効果はin vitroの成績から予想される以上に優れた治療効果を示し, ED50値は全ての感染菌株で他剤より小さい値を示した。またS. penumoninaeを用いたマウス呼吸器感染でのRU28965の治療効果は, EMと比較して優れていた。
    RU 28965は血清および組織移行性に優れ, 各組織においてEMの5~10倍の濃度を示した。
  • 横田 健, I. BHATACHARYYA, 鈴木 映子, 新井 京子
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 35-52
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    RU 28965は, フランス, ルセル・ユクラフ社において開発された半合成マクロライド系抗生物質である。本剤の抗菌力はEMとほぼ同様であるが, in vivo効果に優れるという特徴を有している。
    RU 28965のS. auneus, MRSA, S. epidermidis, S. pneumoniae, S. pyogenes, β-Streptococci (S. pyogenesは除く), E. faecium, E. faecalis, H. influenzae, C. coli, C. jejuniおよびヒト口腔由来Streptococciの13~58臨床分離株に対する感受性株のピークはそれぞれ0.39~6.25,>100, 0.39, 0.10, 0.10~0.39, 0.20, 12, 5, 3.13, 6.25, 6.25, 0.78~6.25および0, 20μg/mlであった。
    S. aureusに対するリゾチームとの協力作用を検討した結果, 1/2~1/4 MIC濃度において殺菌的に作用するのに必要なリゾチーム濃度は本剤の場合, EM, JMの場合の1/2~1/4であった。また本剤は血清, 補体の抗菌作用に影響をおよぼさなかった。
    S. aureusに対する白血球との協力作用は1/2 MIC濃度において, EM, JMと比較して多数食菌した細胞数が数倍から十数倍以上多く観察され, 著明な協力作用が認められた。
    RU 28965の抗菌力はEMとほぼ同様であるが, 良好な生体内効果が予測されるので有用価値の高いマクロライド系抗生物質であると考えられる。
  • 小栗 豊子, 林 康之
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 53-64
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    1986年1月より1987年5月までに各種臨床材料より分離した好気性菌および嫌気性菌737株を用いてRU 28965の抗菌力を測定し, Erythromycin (EM), Lincomycin (LCM), Clindamycin (CLDM) と比較し, 次の結果が得られた。
    1. RU 28965はS. pyogems, S. agalactiae, C群・G群streptococci, S. pneumoniaeに対し, 優れた抗菌力を示した。RU 28965のMIC値はEM, CLDMのそれよりも2倍又はそれ以上大きい値であった。RU 28965耐性株はEMにも耐性であったが, LCMおよびCLDMには必ずしも耐性とは限らなかった。RU 28965はC. jejuniに対し中等度の抗菌力を示し, そのMIC値はEMに比べ2~8倍大きい値であった。
    2. RU 28965とEMはB. catarrhalisに対し, LCM, CLDMよりも優れた抗菌力を示した。殆どの株はRU 28965, EMとも≦0.10μg/mlで発育が阻止された。
    3. RU 28965はC. perfringensに対し, 優れた抗菌力を示した。しかしその抗菌力はEM, CLDMに比べ劣っていた。RU 28965とEM耐性株はPeptostreptococcus spp., Veillonella spp., B. fragilisおよびB. fragilisグループの菌においてかなりの頻度で認められた。これらの菌種ではRU 28965の抗菌力はEMに比べると劣っていた。すべての嫌気性菌ではCLDMが最も強い抗菌作用を発揮した。
  • 加藤 直樹, 宮内 正幸, 沢村 治樹, 渡辺 邦友, 上野 一恵
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 65-75
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新maeroiide系抗生剤であるRU 28965の嫌気性菌に対する抗菌力をin vitroin vivoにおいて検討した。RU 28965はreference strainを用いた検討により, EMと同様に一部のPeptostreptococcus, clostridiaを除く多くのGram陽性菌およびpigmented BacteroidesにMICが≦0.39μg/mlの強い抗菌スベクトラムを示した。臨床分離株においては, Bacteroides fragilisに対する本剤のMICは3.13~12.5μg/mlに分布し, ABPCよりは8倍程低いMXC値であったものの, EM, JM, CLDMよりは劣る成績であった。Fusobacterium nucleatumでは≦0.025μg/ml以下の感性株と12.5μg/ml以上の耐性株の明らかな二峰性分布を示し, RU 28965はEMやJMよりは2~4倍劣る成績であった。Peptostreptococcusのうちでは, Peptostreptococcus anaerobiusが最もRU 28965に対し感受性が高く, 75%の株はMICが≦0.1μg/mlであった。その他のPeptostreptococcusでは, 多くの株はRU 28965に対し1.56~6.25μg/mlのMIC分布を示し, やや高い値であった。他剤との比較ではEMやJMよりはやや劣る成績であった。Killing kinetic studyでは, B. fragilisに対しRU 28965はEMと同様に静菌的な効果しかみられなかった。Rat pouchを用いた実験では, B. fragilis感染に対し, 本剤の1回40mg/kg, 1日2回の5日間連続投与は効果を示さなかった。また, RU 28965の1日100mg/kg, 7日間の投与により, マウス盲腸内にClostridium difficileの異常増殖は認められなかった。
  • 加藤 直樹, 渡辺 邦友, 上野 一恵, 武田 明久, 坂 義人, 河田 幸道
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 76-78
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたmacrolide系抗生剤であるRU 28965のChlamydia trachomatisおよびUreaplasma urealyticumに対する抗菌力を検討した。Ru 28965のC. trachomatis 10株に対するMICは≦0.03μg/ml3株, 0.06μg/ml2株, 0.125μg/ml 5株で, Minocycline (MINO) やRokitamycinよりはやや劣るものの, MidecamycinやSpiramycinよりは明らかに優れていた。U. urealyticum21株に対するRU28965のMICは1~16μg/mlに分布し, Erythromycin (EM) よりはやや優れていたが, MINOよりは劣っていた。しかし, MINOでみられたような>32μg/mlのMICを示す耐性株はKU 28965では認められなかった。RU 28965は性行為感染症の原因微生物として重要なC. trachomatisに対して, MINOにほぼ匹敵する優れた抗菌力を示し, U. urealyticumにはEMよりやや優れたMIC値を示したことから, これらの微生物に対する臨床的有用性が示唆された。
  • 西野 武志, 武田 文彰, 谷野 輝雄
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 79-93
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    RU 28965の in vitro および in vivo 抗菌力について Erythromycin (EM), Josamycin (JM), Rokitamy-cin (RKM) を較薬として検討し, 以下の結果を得た。
    RU 28965は他のマクロライド系抗生物質と同様, グラム陽性菌および一部のグラム陰性菌に対して抗菌スペクトルを有し, その抗菌力は EM や RKM とほぼ同じであった。臨床分離の S. aureus, S. pyogenes, H. influenzae, B. catarrhalis, A. calcoaceticus に対する感受性分布でも RU 28965は EM とほぼ同様の抗菌力を示し, その感受性のピーク値はそれぞれ 0.1-0.2, 0.1, 6.25, 0.1, 25μg/ml であった。抗菌力におよぼす諸因子の影響はアルカリ側のpH, また血清の添加によりそれぞれ抗菌力が良好となった。一方, 培地の影響は認められなかったが, 接種菌畳の増加により抗菌力が若干低下した。
    S. aureus および B. catarrhalis の増殖におよほす影響では, S. aureus に対しては静菌的な作用が, また B. catarrhalis では殺菌的な作用が見られた。透過型電子顕微鏡により形態変化を観察したところ, S. aureus では RU 28965の作用により細胞壁の顕著な膨隆像が観察された。
    S. aureus, S. pneumoniae, S. pyogenes を用いたマウス実験的腹腔内感染症に対する RU 28965の治療効果では, in vitro 抗菌力が同じEMあるいはJM, RKMに比べて3-6倍優れた治療効果を示したまた S. aureus を用いたマウス実験的皮下膿瘍に対しても RU 28965はEM よりも優れた治療効果を示した。
    マウスにおける血清中濃度を検討したところ, RU 28965はEMに比べて, 3倍高くてしかも持続性の良好な血中濃度の推移を示した。このことがRU 28965の優れた in vivo 効果に反映されたものと思われる。
  • 古橋 忠和, 牛田 和夫
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 94-97
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    RU 28965を生後4日目のラットに経口投与し, その急性毒性について検討した。LD50値雄で858 mg/kg, 雌で830 mg/kgであった。体重では投与各群で減少あるいは増加抑制がみられた。一般状態では投与後1日目の午前から吸乳行動の抑制および自発運動の抑制がみられた。死亡例は雌雄ともに投与後1日目の午前から投与後4日目の午前の間にみられた。剖検では死亡例の約半数に肺の暗赤色化が, 生存例では肋骨の結節が投与群でみられた。
  • 渡辺 満利, 小泉 治子, 柳田 知司
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 98-103
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    マクロライド系の抗生物質 RU 28965 (以下, RU) の10および50mg/kgをモルモットに4週間経口投与し, 聴器に対する影響を, 音刺激に対する耳介反射検査と内耳の組織病理学的検査を行い検索した。比較対照群として, 溶媒投与群の他に, 化学構造の類似したerythromycin (以下, EM) の130mg/kg経口投与群および聴器障害性が知られているkanamycin (以下, KM) の160mg/kg筋注群を設けた. 検査の結果, 以下の成績が得られた。
    1. 各投与群で摂餌量が減少し, 体重増加が抑制された。その程度はKM群で最も強く, RU 50mg/kg群とEM群で同程度であり, RU 10mg/kg群では軽度であった。
    2. 耳介反射検査において, RU 10および50mg/kg群ならびにEM群では, 0.5-20KHzの周波数の音刺激に対する反応には, 投与前と投与後の差はみられなかった. KM群では投与後2週に8および10KHz, 3週に8-20KHzおよび4週に2-20KHzの音刺激に対する反応閾値の上昇がみられた。
    3. 内耳の組織病理学的検査において, RU 10および50mg/kg群ならびにEM群では薬物投与に基づく異常はみられなかった。KM群ではラセン器の外有毛細胞および内有毛細胞の脱落ならびにラセン器神経節細胞の壊死脱落が観察された.
  • 伊藤 漸, 大村 智
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 104-115
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    RU 28965 (RU) の意識下イヌ消化管収縮運動に対する作用をErythromycin (EM) と比較し, 消化管に対する副作用を検討した。
    RUは静脈内及び十二指腸内に各々0.2, 0.6, 2.0mg/kg及び0.6, 2.0, 6.0mg/kgの3用量を投与し, EMはその反応性を比較し, ほぼ同一効果をうるようRUの半量ずつを用いた。一方, RU及びEM各々3.0mg/kgを十二指腸内に投与し, 血中濃度を測定した。また胃前庭部に対するRUとEMの収縮運動を計測し, RUのEMに対する比活性を求めた。その結果, 空腹期では静脈内投与の場合, RU 0.6mg/kg, EM 0.3mg/kg, 十二指腸投与の場合, RU 2.0mg/kg, EM 1.0mg/kgでほぼ典型的な空腹期収縮が発現し, RUのEMに対する比活性は0.5であった。しかし静脈内投与の場合は, EM1.0mg/kgあるいはRU 2.0mg/kgで, また十二指腸内投与の場合は、EM 3.0mg/kgあるいはRU6.0mg/kgで反応も大きく, 約10~30%に嘔吐がみられた。一方, 食後期では静脈内投与の場合はEM 1.0mg/kgあるいはRU 2.0mg/kgで, また十二指腸投与の場合は, EM 2.0mg/kgあるいはRU6.0mg/kgで各々約10~30%に嘔吐がみられた。いずれの場合も, 1/3量以下では副作用はまったく見られなかった。一方。RUの十二指腸内投与後の血中濃度はRUと同一量のEMを投与して比較した結果, EMに比し約3~5倍高く, 12時間後でも2.54μg/mlとEMの14倍にも達したが。収縮運動は約4時間後に消褪した。
    RUの持続的高血中濃度は臨床用量を低く設定でき, また1回内服量が2~3mg/kgであれば, ヒトはイヌより本剤に対し感受性が低いので消化管収縮運動亢進に基づく嘔気, 嘔吐あるいは下痢のような副作用発現の可能性は殆んどないものと考えられる。
  • 飯塚 宏美, 島田 瞭, 谷本 義文, 金子 次男, 柳田 知司
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 116-130
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Erythromycin誘導体RU 28965の一般薬理作用について検索し, 以下の成績が得られた。本薬の100および300mg/kg胃内投与はマウスの自発運動量に影響を及ぼさず, また100および300mg/kg腹腔内投与でもラットの自発脳波および脊髄反射に影響を及ぼさなかった。本薬の100および300mg/kg胃内投与は無麻酔ラットの血圧および心拍数に影響を及ぼさず, 摘出モルモット心房の自発拍動数および電気刺激収縮に対しても10-5および10-4Mで影響を及ぼさなかった。ラットの胃液分泌および胆汁分泌は本薬の100および300mg/kg胃内あるいは腹腔内投与で影響されなかったが, 胃液pHは上昇した。本薬の10-5および10-4Mは摘出ラット胃, 妊娠および非妊娠子宮, モルモット回腸および輸精管のトーヌスに影響を及ぼさなかった。また, 5-hydroxytryptamiによる胃条片の収縮, oxytocinによる子宮の収縮, acetylcbolineおよびhistamineによる回腸の収縮, noradrenaline硬および下腹神経電気刺激による輸精管の収縮にも影響を及ぼさなかった。本薬の0.1および1%溶液は表面麻酔および浸潤麻酔のいずれの局所麻酔効果も示さなかった。本薬の10oおよび300mg/kg腹腔内投与は麻酔ラットの坐骨神経刺激一腓腹筋収縮を抑制しなかった。ウサギ血液の凝固・線溶系および血小板凝集能に影響を及ぽさず, また0.6ないし12.0μg/mlでも溶血性はみられなかった。
    以上のとおり, 本薬には特記すべき一般薬理作用は認められなかった。
  • 山本 照雄, 城塚 美喜雄, 白石 英幸, 斎藤 健治, 奥井 清
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 131-137
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規マクロライド系抗生物質RU 28965のBioassay法による体液内濃度測定法について検討した。
    検定菌はMicroceccus luteus ATCC 9341が最も高い測定感度を示し, 検定用培地は日抗基力価試験用培地 (ペプトン6g, ブドウ糖1g, 酵母エキス3g, 肉エキス15g, 寒天15g, pH 8.5) が鮮明な阻止像を与えた。
    濃度測定範囲は薄層cup法により, 0.1~10μg/mlであった。
    培養方法は25℃, 1時間の予備拡散が必要であった。
    血漿中濃度測定に際し, 酢酸エチルによる抽出を前処理として必要としたが, 回収率は良好であった。
    尿中濃度測定は血漿中濃度測定と同様な前処理後, Bioassayを行った。
    健常人にRU 28965を経口投与したときの血漿及び尿試料について, Bioassay法とHPLC法とによる測定値を比較したところ良好な相関性が認められた。
  • 城塚 美喜雄, 山本 照雄, 平山 正史, 斎藤 健治, 奥井 清
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 138-147
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    高速液体クロマトグラフィー (HPLC) を用いた体液中RU 28965及び4種の代謝物の分離・定量法を確立した。
    1. 電気化学検出器 (Electrochemical detector: ECD) を用いることにより。血漿又は尿中RU28965, RU 28111及びRU 39001の濃度を定量限界0.1μg/mlで測定することが可能となった。
    2. ECDにより検出困難な2種の代謝物RU 44981及びRU 45179については, ブレカラム誘導体化による螢光検出法により, 定量限界0.1μg/mlで尿中濃度を測定することが可能となった。
  • 江角 凱夫, 神 義容, 塙 真也, 二宮 真一, 林 一志, 横島 徹熹, 山本 照雄, 平山 正史, 斎藤 健治, 奥井 清
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 148-163
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    14C-RU 28965をラットおよびイヌに5mg/kg経口投与し, その吸収, 分布, 代謝および排泄について検討し, 以下の結果を得た。
    1. ラットに経口投与した際, 血液中濃度は投与後4時間に最高濃度602ng/ml (RU 28965換算) を示した後, 12時間まで半減期6.00hr, 24時間から168時間まで半減期91.1hrで消失した。またイヌに経口投与した際, 血液中濃度は投与後3時間に最高濃度3.50μg/ml (RU 28965換算) を示した後, 6時間から48時間まで半減期16.5hr, 72時間から168時間まで半減期83.9hrで消失した。
    2. 肝障害ラットに経口投与した際, 最高血液中濃度は正常ラットの約1.5倍であったが, 血中濃度-時間曲線下面積 (AUC) はほぼ同様であった。
    3. ラットに経口投与した際, 尿中には投与後120時間までに投与量の22.0%, 糞中には67.2%, 呼気中には9.5%が排泄された。またイヌに経口投与した際, 尿中には投与後168時間までに40.1%, 糞中には45.2%, 呼気中には投与後120時間までに5.2%が排泄された。
    4. 肝障害ラットに経口投与した際, 尿, 糞および呼気中排泄率は正常ラットとほぼ同様であった。
    5. ラットに経口投与した際, 胆汁中には投与後48時間までに投与量の21.9%, 尿中には21.1%, 糞中には38.5%が排泄された。
    6. ラットに経口投与して得た胆汁を別のラットの十二指腸内に注入した際, 胆汁中には注入後48時間までに注入量の6, 3%, 尿中には3.5%が排泄された。
    7. ラットに経口投与した際, 全身オートラジオグラムによる組織内分布は消化管内容物, 肝, 消化管壁および包皮腺に高く, 中枢神経系に低かった。
    8. ラットに経口投与した際, 大部分の組織は投与後30分から4時間にかけて最高濃度を示し, 肝, ハ-ダー腺, 副腎, 脾および肺に高く, 中枢神経および眼球に低かった。
    9.妊娠13日目および18日目のラットに経口投与した際, 母体各組織は投与後4時間に, 胎仔は投与後24時間に最高濃度を示した。
    10. 哺育中ラットに経口投与した際, 乳汁中濃度は投与後4時間に最高濃度を示した後, 48時間まで半減期12.1hrで消失した。
    11. 14C-RU 28965濃度0.1μg/ml, 1μg/mlおよび5μg/mlでの血漿蛋白結合率は, ラットではそれぞれ83.2%, 77.6%および67.3%, イヌでは96.7%, 98.8%および82.3%, ヒトでは94.3%, 98.4%および98.3%であった。
    12. ラットに経口投与した際, 投与後24時間までに尿および糞中に排泄された未変化体および3種の代謝物RU 39001, RU 44981, RU 45179の割合は, 尿ではそれぞれ66.7%, 11.4%, 5.2%および1.0%, 糞では22.1%, 17.9%, 20.5%および7.7%であった。
  • 小山 優, 立野 政雄, 城塚 美喜雄, 山本 照雄, 平山 正史, 斎藤 健治, 奥井 清
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 164-183
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    RU 28965錠の体内動態を明らかにするために健康成人男子88名を対象にして, 吸収, 代謝及び排泄に関する試験を実施した。
    1. 本薬剤は投与後速やかに吸収され, 100, 150, 300 (150mg×2) 及び600 (150mg×4) mg投与いずれにおいても投与後1~2時間で最高血漿中濃度に達し, その平均値はそれぞれ4.06, 5.78, 7.23及び10.22μg/mlで, また, AUC値はそれぞれ49.54, 75.31, 105.19及び155.90μg・hr/mlであった。300,600mg投与群では非線形性がやや認められたものの, 投与量にほぼ比例したdoseresponseが得られた。また, 0~48時間の尿中排泄率はそれぞれ6.76, 7.79, 7.88及び8.21%であった。
    2. 臨床推定1回投与量である150mgとエリスロマイシン (EM), ジョサマイシン (jM) の臨床における1回常用量である400mg投与において, 最高血漿中濃度及びAUC値を比較したところ, それぞれEMの4.3倍及び7.3倍, JMの4.9倍及び19.1倍であった。
    3. 本薬剤150mgを食前30分並びに食直後に投与し, 空腹時投与と比較したところ, 空腹時において高い血漿中濃度を示す傾向がみられた。
    4. 臨床推定1回投与量である150mgを1日2回, 15日間連続投与したところ, 蓄積性は認められなかった。
    5. HPLC法により, 300mg投与時の血漿中及び尿中の代謝物について検索した。その結果, 血漿中には未変化体のみで代謝物は認められなかった。また, 尿中に検出された代謝物はRU 28111, RU39001, RU 44981及びRU45179の4種であり, それぞれの累積排泄率 (48時間後) は投与量の0.92, 1.22, 0.14及び0.06%であった。
  • 稲松 孝思, 深山 牧子, 加藤 明彦
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 184-190
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいマクロライド系抗生物質であるRU 28965の高齢者における体内動態を検討した。明らかな肝障害, 腎障害が無く, 歩行可能な高齢者7名, 平均78.6歳, 平均体重45.6kgに本剤150mgを空腹時投与し, 血中濃度, 尿中濃度を測定し, 薬動力学的解析を行った。血中濃度推移は個体差が大きく二峰性濃度推移を示す例も見られた。one compartment modelに当てはめてシュミレーションすると, Tmaxは1.49時閥, Cmaxは8.05μg/ml, T1/2は10.09時間, AUCは134.7hr・μg/mlであった。投薬後24時間までの尿中回収率は6.0%であった。既報の若年ボランティアの成績と比較すると, 高齢者で高いピーク血中濃度が得られ, 持続も長い成績であった。高齢者において本剤の吸収は良好で, 代謝は遅延しているものと思われる。血中濃度推移からみて高齢者における本剤の投与法は150mg 1日2回が標準と思われる。
  • 渡辺 邦友, 沢 赫代, 沢村 治樹, 山岡 一清, 青木 誠, 加藤 直樹, 上野 一恵
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 191-201
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいマクロライド系化学療法剤RU 28965のヒト糞便内細菌叢に及ぼす影響を, 成人男子6名のボランティアを用いて検討した。
    ボランティアに1回150mg 1日2回の29回投薬を行い, 投薬前, 投薬中および投薬中止後4週目まで計8回にわたり糞便の定量培養を行った。ボランティアにより程度の差は認められたが, 投薬開始後8日, 投薬終了時または投薬終了後1週目をピークとする菌数の減少がみられた。その減少の程度は投薬前の嫌気性菌総菌数と好気性菌総菌数の1/10から1/1000程度にとどまった。細菌叢の質的変化では, 特にBifidobacterium spp. の早期消失と回復の遅れが観察された。本薬剤投薬による偽膜性腸炎の原因菌とされるC. difficileの異常増殖は, 検査期間中は認められなかった。
  • 小山 優, 立野 政雄
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 202-215
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    RU 28965の忍容性について45名を対象とし, 検討を行った。忍容性確認のための試験は100mg単回投与から開始し, 安全性を確認しながら漸次600mgまで増量し, 最終的に150mg 1日2回, 29回連続経口投与試験へと移行した。以上の忍容性確認のための試験において, 自他覚症状では下痢・軟便を訴えた例があった。しかしながら, 連続投与試験においてはプラセボ投与群で2例下痢が認められたが, 実薬投与群では異常は認められなかった。その他, 連続投与群において頭痛1例が認められたほかは, 特に異常は認められなかった。
    臨床検査値異常については, 特に問題となる異常は認められなかった。
  • 斎藤 玲, 加藤 康道, 小田柿 栄之輔, 篠原 正英, 富沢 麿須美, 中山 一朗, 佐藤 清
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 216-223
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    RU 28965は新しいマクロライド系抗生物質である。健康成人男子6名にRU 28965 (RU) 150mgを空腹時経口投与し, 体内動態をみた。また, 対照薬としてジョサマイシン (JM) 400mgを投与し, クロスオーバー法で検討した。薬動力学的パラメーターの成績は, RUでは6名の平均値でTmax 2.06hr, Cmax5.44μg/ml, T1/2 4.26 hr, AUC 48.53μg/ml・hrであった。一方, JMはそれぞれ1.09 hr, 0.66μg/ml, 0.82hr, 1.61μg/ml・hrであった。0~8時間の尿中排泄率はRU7.7%, JM2.5%であった。
    臨床成績は急性気管支炎9例, 慢性気管支炎2例, 急性扁桃炎5例の計16例の呼吸器感染症にRU28965 1日200~300mgを2~3回に分服投与し, 4~8日間でその臨床効果を検討した。著効6例, 有効10例で, 全例に効果が認められた。副作用, 臨床検査値異常はなかった。
  • 平賀 洋明, 菊地 弘毅, 山本 朝子
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 224-227
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいマクロライド系抗生物質RU 28965を呼吸器感染症に投与し, 臨床効果および安全性と有用性を検討した。
    急性気管支炎2例, 慢性気管支炎8例, 気管支拡張症の二次感染症1例に, 1日量200 mgと300mgを朝・夕食前に経口投与した。副作用の1例を除く。10例での有効以上の有効率は90%であった。
    副作用は1例に2日目より発疹をみたが, 抗ヒスタミン剤で改善した。
    投与前後に検査した臨床検査値では1例の異常も認められなかった。
  • 武部 和夫, 相楽 衛男, 岡本 勝博, 尾崎 勇, 宮沢 正, 田村 豊一, 遠藤 勝実, 対馬 史博
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 228-232
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    RU 28965を急性化膿性扁桃炎1例, 急性気管支炎3例, 慢性気管支炎2例, 細菌性肺炎5例, マイコプラズマ肺炎1例の合計12例の呼吸器感染症に使用して臨床効果を検討した。臨床効果は, 著効2例, 有効7例, やや有効2例で, 有効率は81.8%であった。副作用としては1例に発疹がみられた。臨床検査値異常は1例に好酸球増多が認められた。
  • 鶴谷 隆司, 水野 紹夫, 伊藤 隆司, 田村 昌士, 五味 和俊, 宮 一路
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 233-238
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しい経口マクロライド系抗生物質RU 28965の呼吸器感染症に対する臨床的検討を行った。呼吸器感染症22例 (急性咽頭炎5例, 急性気管支炎5例, 急性咽頭炎+急性気管支炎1例, 細菌性肺炎8例, マイコプラズマ肺炎1例, クラミジア肺炎1例, 慢性肺疾患の2次感染1例) に対する本剤の臨床効果は著効2例, 有効17例, やや有効3例であった。22例中10例より起炎菌として H. influenzae が5株, S. pneumoniae 4株, S. pyogenes 1株が分離された。細菌学的効果では H. influenzae は4株が菌消失, 1株が K. pneumoniae に菌交代, S. pneumoniaeは2株が菌消失, 1株は H. influenzae に菌交代し, もう1株は K. oxytoca に菌交代, S. pyogenesの1株は菌消失した。副作用は特に認められなかった。臨床検査値の異常としてGOTの上昇が1例, GPTの上昇が1例, GOT, GPTの上昇が1例認められたが, いずれも軽度のものであった。
  • 大野 勲, 井田 士朗, 滝島 任
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 239-244
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新たに開発された経口マクロライド系抗生剤RU 28965を10名の呼吸器感染症患者に投与し, その臨床的有用性を検討した。
    急性呼吸器感染症3例 (急性気管支炎2例, 気管支肺炎1例) と慢性呼吸器感染症7例 (気管支喘息2例, 慢性気管支炎3例, 肺気腫2例) に, 原則として本剤を1回150mg, 1日2回, 症例により5~14日間投与した。その結果, 自・他覚的症状や臨床検査所見に変化が見られ, 有効以上と判定された症例は10例中5例で, 有効率は50%であった。細菌学的には分離された10株 (S. aureus 2株, S. pneumoniae5株, B. catarrhalis, H. influenzae, P. aemginosa各1株) 中5株 (S. pneumoniae 3株, S. aureus, B. catarrhalis各1株) が消失したが, 残りの5株は不変であった。
  • 青沼 清一, 徳江 豊, 北村 直人, 本田 芳宏, 小野 玲子, 渡辺 彰, 佐々木 昌子, 大泉 耕太郎, 今野 淳, 中井 祐之, 斎 ...
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 245-250
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいマクロライド系抗生物質RU 28965を呼吸器感染症24例に投与して, その臨床効果, 細菌学的効果, 副作用について検討した。臨床効果は, 急性咽頭炎3例中, 有効2, 無効1, 急性気管支炎5例はすべて有効であった。慢性気道感染症9例中, 著効1, 有効2, やや有効1, 無効5, 肺炎7例中, 有効3, やや有効3, 無効1であった。
    細菌学的効果は, 消失4, 交代4, 不変2で除菌率は80%であった。副作用として1例に発疹がみられ, 臨床検査値の異常化としてGPT上昇, GOTおよびGPT上昇, GPTおよびAl-P上昇がそれぞれ1例ずつみられた。
  • 林 泉, 大沼 菊夫
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 251-255
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    慢性呼吸器感染症の患者にRU28965朝食前300mg単回経口投与し, 血漿中および喀痰中濃度を測定した結果, 本剤の最高血漿中濃度は3時間後に5.05μg/mlの値を示し, 最高喀痰中濃度は6時間後に0.48μg/mlの値を示した (喀痰内移行率=9.5%)。
    次に呼吸器感染症11例 (急性気管支炎5例, 肺炎4例, 慢性気道感染症2例) にRU289651日200~400mgを7-18日間経口投与し, 臨床検討を行った。細菌学的効果は H. influenzae 5株. S. aureus 1株中全菌株が除菌された (除菌率100%)。また, 臨床効果は著効5例, 有効5例, やや有効1例であった (有効率90.9%)。
    本剤投与による副作用はなかったが, 1例に5%(実数525) の好酸球増多を認めた。
  • 青木 信樹, 関根 理, 薄田 芳丸, 湯浅 保子, 山作 房之輔, 鈴木 康稔, 若林 伸人, 林 静一, 新田 功, 本間 千鶴子, 渡 ...
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 256-260
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    呼吸器感染症21例にRU28965を使用した。対象は15歳から76歳まで (平均36.3歳) の男性9例, 女性12例で, 100mgあるいは150mgないし200mg1日2回の内服を行い, 期間は3~19目, 総使用量は0.9~7.6gであった。
    臨床効果は有効18例, やや有効1例, 無効1例, 判定不能1例であった。副作用として一部不快感口渇・下痢がそれぞれ1例にみられ, 検査成績上GPTの上昇を1例に, GOT・GPTの上昇を2例に認めたがいずれも軽度のものであった。
  • 大山 馨
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 261-265
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発された半合成マクロライド系抗生物質RU 28965を1回100mgと150mgを1日2回, 17例の呼吸器感染症に投与して臨床効果と副作用を検討し, 次の様な結果を得た。
    1. 臨床成績
    扁桃炎9例, 急性気管支炎3例, 慢性気管支炎の急性増悪1例, 気管支拡張症2例, マイコプラズマ肺炎2例を含む17例で検討した結果, 有効14例, やや有効3例で有効率は82.4%であった。
    2. 副作用
    臨床検査値異常を含めて副作用はみられなかった。
  • 豊田 丈夫, 栗島 節子, 天貝 理恵子, 隆 孝太郎, 本間 聡起, 湯原 孝典, 藤田 亨宣, 水越 和夫, 東郷 利人, 河合 美枝子 ...
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 266-276
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたマクロライド系抗生物質RU 28965について基磯的, 臨床的検討を行った。当院の臨床分離菌, 8菌種, 121株についてのMICを他の経口抗生剤Erythromycin (EM), Midecamycinacetate (MOM), Josamycin (JM), Ampicillin (ABPC), Cefacbr (CCL) と比較検討した。S.pyogenes, S.agalactfae,ではEM,ABPCと同様に高い感受性を示し。JM,MOMよりすぐれていた。
    臨床的には, 吸器感染症13例に対し本剤を1回150mg, 1日2回, 7-14日間投与した。このうち重症例1例, 発疹のため投与中止例1例を除く結果は, 著効1例, 有効7例, 無効3例で, 有効率は72.7%であった。
    副作用は前述の発疹と軽度の下痢を各1例に認め, 臨床検査値異常は全例にみられなかった。
  • 島田 馨, 後藤 元, 深谷 一太, 稲松 孝思, 深山 牧子, 加藤 明彦, 佐野 靖之, 宮本 康文
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 277-284
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    In vitroの薬動力学的モデルを用い, RU 28965 150mg内服時の血中濃度をsimulateし, S.aureus209Pの生菌数の変動を経時的に追跡した。RU 28965は静菌的で, 10時間後の菌数は約50%減少した程度であった。
    急性気管支炎4例, 急性上気道炎1例, 肺炎17例, 慢性気管支炎10例, びまん性汎細気管支炎1例, 気管支拡張症1例, 計34例の呼吸器感染症にRU 28965を投与し, 臨床効果および安全性について検討した。
    1回量100~200mg, 1日2~3回, 4~22日間投与し, 本剤の臨床効果は著効6例, 有効23例, やや有効3例, 無効2例で, 有効率は85.3%であった。細菌学的にはS.aureus 1例, S.pneumoniae 1例, K.pneumoniae 2例, H.influenzae 2例, Haemophilus sp.1例およびS.pneumoniae+H.influenzae 1例が分離され, 消失率は42.9%とやや低値であった。
    副作用は上腹部痛1例, 腹部膨満感1例がみられ, 臨床検査値異常は好酸球増多1例, GOT・GPTの上昇1例がみられたが, いずれも軽微なものであった。
    以上の臨床成績から, 本剤は呼吸器感染症に対して有用な経口抗生剤と考えられた。
  • 柴 孝也, 斎藤 篤, 嶋田 甚五郎, 加地 正伸, 奥田 新一郎, 堀 誠治, 宮原 正, 松本 文夫, 桜井 磐, 北條 敏夫, 上田 ...
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 285-292
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発されマクロライド系抗生剤RU 28965について吸収・排泄および臨床効果を検討し, 以下の成績を得た。
    1. 吸収・排泄
    健康成人男子志願者に, RU 28965 150mgおよびMOM 600mgをCross over法により1回経口投与し.血中濃度ならびに尿中排泄を比較した。最高血中濃度は, RU 28965が5.15μg/ml (2時間後), MOMが1.34μg/ml (30分後) に達し, 以後経時的に漸減し, その血中半減期はそれぞれ6.83時間, 0.69時間であった。投与後8時間までの尿中回収率は, RU 28965で5.1%, MOMで2.1%であった。
    2. 臨床成績
    急性咽頭炎, 急性扁桃炎, 細菌性肺炎各1例, 急性気管支炎5例, 慢性気管支炎3例などの内科領域における諸感染症の11例にRU 28965を使用し, 有効9例, やや有効1例, 無効1例の成績を得た。全例に自・他覚的な副作用は認められず, また本剤使用によると思われる臨床検査値の異常変動も認められなかった。
  • 片平 潤一, 深田 智子, 熊田 徹平, 清水 喜八郎, 坂本 保巳
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 293-300
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    RU 28965はエリスロマイシンから半合成されたマクロライド系抗生物質であり, 胃酸抵抗性であるために腸管よりの吸収が良いことをその特質とする。エリスロマイシンよりも半減期が長く高い血中濃度が持続するが, 抗菌力は同程度であるといわれる。第1相試験や臨床試験でヘモグロビンが低下する症例がみられたため, コロニー法によるクロナールアッセイを行ってこの原因を検討したところ, RU 28965は赤血球系造血幹細胞を選択的に抑制した。
    呼吸器系疾患について臨床的検討を行った結果, 有効率が65%という良好な結果が得られた。
  • 渡辺 一功, 浜本 恒男, 池本 秀雄
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 301-305
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発された半合成マクロライド系抗生物質であるRU 28965錠を呼吸器感染症17例に使用し, その有用性を検討した.
    対象症例は男性8例, 女性9例, 年齢は22歳から77歳にわたり, 平均45.2歳であった.疾患の内訳は急性気管支炎13例, 急性咽頭炎1例, 肺炎1例, 慢性気管支炎1例, びまん性汎細気管支炎1例であった.投与方法はすべて経口にて行い, 1回100mg1日2回5-7日聞投与が4例, 1回150mg 1日2回7-14日間投与が8例, 1回200mg 1日2回7-14日間投与が5例であった.臨床効果は著効4例, 有効11例, やや有効1例, 無効1例で, 有効率88.2%であった.
    本剤投与による副作用, 臨床検査値異常はともに認められなかった.
  • 工藤 宏一郎, 佐藤 寿伸, 小和田 暁子, 吉本 恵子, 可部 順三郎
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 306-310
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    肺炎4例, 気管支拡張症感染4例, 急性気管支炎2例, および慢性気管支炎急性増悪の計11例の呼吸器感染症にマクロライド系抗生物質RU28965を投与し, 臨床的検討を行った。
    投与量は分2で1日300mgあるいは400mgで, 投与期間は4~24日であった。
    臨床効果は有効5例, やや有効5例, 無効1例で, 有効率は45.5%であった。
    本剤投与による副作用, 臨床検査値異常は認められなかった。
  • 中谷 龍王, 野口 昌幸, 吉村 邦彦, 中森 祥隆, 蝶名林 直彦, 中田 紘一郎, 谷本 普一, 杉 裕子
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 311-315
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいマクロライド系の抗生剤RU 28965を呼吸器感染症9例 (男性7例, 女性2例, 38~71歳, 平均55歳) に1回100mg, 150mg, 200mg各3例に1日2回経口投与し, その臨床効果及び副作用について検討した. 疾患の内訳は肺炎1例, 気道・中間領域感染症8例であった. 臨床効果は有効7例, やや有効1例, 無効1例で有効率は78%であった.
    分離菌別の有効率はS.pneumoniaeによる肺炎1例は有効であった. H.influenzae 4例中2例が有効, やや有効と無効各1例で有効率は50%であった. B.catarrhalis 1例はβ-lactamase陽性であり, 有効であった.
    副作用については一過性の軽度の下痢を1例に認めたが継続投与可能であった. 臨床検査所見では特に異常を認めなかった.
    RU 28965は呼吸器感染症に対して有用かつ安全な薬剤と考えられるが, H.influenzae感染症に対しては限界があると思われた.
  • 小山 優, 飯島 福生, 渡辺 健太郎, 横沢 光博
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 316-320
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    RU 28965はフランス, ルセル・ユクラフ社研究所にて新しく開発された経口マクロライド系抗生剤である。中尊症以内の14例の呼吸器感染症と1例の尿路感染症の計15例にて臨床的検討を行い, その有用性をみた。臨床効果は著効2例, 有効11例, やや有効2例であった。臨床的副作用・臨床検査値の変動は認められなかった。
  • 富 俊明, 山根 至二, 真下 啓明
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 321-323
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいマクロライド系抗生物質であるRU 28965錠を肺炎2例, 気管支炎2例, 上気道炎1例に投与した。臨床的効果は肺炎有効1例, 不明1例, 気管支炎著効1例, 有効1例, 上気進炎不明1例であり, 効果判定可能であった症例全例が有効以上であった。副作用, 臨床検査値異常は特に認められなかった。
  • 武田 博明, 三浦 洋, 川平 昌秀, 小林 宏行
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 324-328
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいマクロライド系抗生剤であるRU 28965について基礎的ならびに臨床的に検討し, 以下の結果を得た。
    家兎のリンパ液への移行は良好であり, 特に右リンパ液への移行が優れていたことより, 肺組織移行の良好性が示唆された。
    臨床的には, 12例の呼吸器感染症 (急性気管支炎3例, 肺炎1例, 慢性気管支炎4例, 気管支喘息+感染4例) に200mgから400mgの経口投与を行った。
    臨床効果は12例すべてに有効との結果が得られた。
    副作用および臨床検査値の異常変動は認められなかった。
    以上の結果から, 本剤は種々の呼吸器感染症に安全に使用可能であり, かつ効果が期待できる薬剤であると考えられた。
  • 小花 光夫, 小林 芳夫, 藤森 一平
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 329-333
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたマクロライド系抗生剤であるRU 28965を各種呼吸器感染症に使用し, その臨床効果と副作用を検討した。 対象は13例で男性5例, 女性8例, 年齢は23歳から65歳までで, 平均41.9歳であった。 感染症の内訳は急性扁桃炎3例, 急性気管支炎4例, 急性肺炎5例であり, 当初は急性肺炎を疑われたがその後に肺結核と診断された1例においては副作用についてのみ検討した。 薬剤投与方法としてはRU 289651回150mg 1日2回経口投与した。 投与日数は7~14日間, 平均8.6日間であった。
    臨床効果の判定が可能であった12例において, 急性扁桃炎3例では有効2例, 無効1例, 急性気管支炎4例および急性肺炎5例ではいずれも有効であり, 計12例中11例が有効以上で, 有効率は91.7%であった。 起炎菌を同定しえた3例では菌消失2例, 菌不変1例であった。 副作用は13例中1例もみられなかった。 本剤投与前後における臨床検査値では白血球減少, 血小板減少, プロトロンビン時間の延長, 肝機能障害が1例 (WBC 9700→2300/mm3, Plts 15.6→8.5×104/mm3, PT 10.1→12.4秒, GOT39→88IU, GPT23→51 IU), Al-Pの増加が1例 (155→169 IU) で認められた。 しかし, いずれも軽度で一過性であった。
    これらの結果から, 本剤は呼吸器感染症において有用な薬剤と考えられた。
  • 伊藤 章, 池田 大忠, 福田 直人, 大久保 隆男
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 334-341
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    RU 28965 (Roxithromycin) を外来症例の軽・中等症の呼吸器感染症11例に投与し, 以下の成績が得られた。
    1. 対象症例は急性上気道感染症3例, 急性気管支炎2例, 肺炎3例, PAP1例, 慢性気管支炎1例, 肺二次感染気管支炎1例, 計11例である。
    2. 臨床的には著効2例. 有効4例, やや有効1例, 無効4例で, 有効率は54.5%であった。
    3. 急性気道感染症は5例中4例が有効以上で, 有効率は80.0%と全国集計と大差なかったが, 肺炎, 慢性気管支炎, 肺二次感染例の有効率が33.3%と低く, 全体の有効率を下げた原因となっている。
    4. 細菌学的には5例で菌が判明し, 3例で消失, 1例は不変, 1例は不明で. 新たに1例でP.aeruginosaが出現した。
    5. 副作用は腹部膨満感と食欲不振といった軽度の消化器症状がみられた。
    6. 臨床検査値異常は特に認められなかった。
    7. 十分, 症例を選択して本剤を用いれば, 呼吸器感染症に対して有用な抗生剤となり得るであろう。
  • 下方 薫, 酒井 秀造, 野村 史郎, 千田 嘉博, 鳥井 義夫, 西脇 敬祐, 岸本 広次, 岩田 全充, 矢守 貞昭
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 342-344
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    RU 28965錠を呼吸器感染症6例に投与して, その臨床効果, 細菌学的効果, 副作用について検討した。急性気管支炎の1例はやや有効, 気管支肺炎の1例は無効, 肺炎の1例は無効, マイコプラズマ肺炎の1例は著効, 扁桃炎の1例はやや有効, 慢性気管支炎の1例は無効であった。細菌学的検討ではS. aureus 1株, S. pneumoniae 2株はそれぞれ消失したが, H. influenzae 1株は消失しなかった。副作用, 臨床検査値異常は全例に認められなかった。
  • 加藤 政仁, 林 嘉光, 松浦 徹, 伊藤 剛, 多代 友紀, 武内 俊彦, 花木 英和, 宇佐美 郁治, 黒木 秀明
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 345-349
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しい経口用マクロライド系抗生剤であるRU 28965について臨床的に検討した。
    肺炎3例 (マイコプラズマ肺炎1例を含む), 急性気管支炎3例, 慢性気道感染症急性増悪9例の各種呼吸器感染症15例にRU 28965を使用した。男性8例, 女性7例。一日投与量は200 mgが3例, 300 mgが12例, すべて分2で食前空腹時に投与した。投与日数は5~14日 (平均8.3日), 総投与量は1.4~4.2g (平均2.39) であった。臨床効果は肺炎3例では著効1例, 有効2例であり有効率は100%, 急性気管支炎3例では全例有効であり有効率は100%, 慢性気道感染症急性増悪9例では著効1例, 有効6例, やや有効1例, 無効1例であり有効率は77.8%であった。全体の有効率は86.7%であった。細菌学的効果はS. pneumoniae 2株, S. aureus 1株, H. influenzae 1株, B. catarrharis 1株がそれぞれ除菌された。しかし1例normal floraからK. pneumoniaeH. influenzaeに菌交代した。自覚的な副作用は認めなかった。臨床検査値異常としてGOT・GPT上昇1例, 好酸球増多1例がみられたが何れも軽度一過性であった。
    以上の結果より, RU 28965は各種呼吸器感染症治療に有用性が高いと考えた。
  • 山本 和英, 足立 暁, 鈴木 幹三, 山本 俊幸
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 350-355
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発された経口マクロライド系抗生物質RU 28965を高齢者における感染症8例に使用し, その臨床効果および副作用を検討した。疾患の内訳は肺炎3例, 下気道感染症5例である。その結果, 8例中著効1例, 有効5例, 無効2例で, 有効率75%であった。細菌学的効果ではS. aureus 2株, S. pneumoniae 1株は菌消失し, H. influenzae 2株では1株消失し, 1株はS. marcescensに菌交代した。S. marcescens 4株は存続し, P.aeruginosa 4株では1株消失し, 3株は存続した。副作用はみられず, 臨床検査値異常は4例において好酸球増多がみられたが, いずれも本剤投与中止後軽快した。基礎疾患を有した高齢者を対象として以上の臨床成績が得られ, RU 28965の高齢者呼吸器感染症に対する有用性が示唆された。
  • 山本 孝吉, 鈴木 克洋, 村山 尚子, 倉澤 卓也, 久世 文幸, 辻野 博之, 鍵岡 朗, 牛田 伸一
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 356-360
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    RU 28965を呼吸器感染症10例に使用した。薬剤は1日量200~300 mgを分2にて, 3~16日間経口的に服用した。その結果は著効2例, 有効5例, やや有効1例, 無効2例で, 有効率は70%であった。また, 細菌学的効果は消失2例, 不変3例, 不明4例であり, 判定の困難な例が1例あった。副作用は特になかった。臨床検査値で1例に一過性のごく軽度のS-GOT, S-GPTの上昇がみられたが, 投与終了後速やかに改善した。
  • 上田 良弘, 大久保 滉
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 361-364
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    呼吸器感染症について新しい半合成マクロライド系抗生物質RU 28965の臨床的検討をおこない, 以下の結果を得た。
    肺炎8例, 急性気管支炎6例, 急性扁桃炎6例, 慢性気管支炎の急性増悪1例, 計21例に本剤を1回150 mg, 1日2回, 5日から14日間内服させた。肺炎8例中著効1例, 有効7例。急性気管支炎6例中有効3例, やや有効3例, 急性扁桃炎6例中著効1例, 有効5例で, 慢性気管支炎の急性増悪1例にも有効であった。全体として, 21例中著効2例, 有効16例, やや有効3例で, 無効例はなく, 著効, 有効をあわせて86%の有効率であった。全症例を通じて本剤投与によると考えられた副作用あるいは臨床検査値の異常は認められなかった。
  • 三木 文雄, 生野 善康, 井上 英二, 村田 哲人, 谷澤 伸一, 坂元 一夫, 田原 旭, 河瀬 吉雄
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 365-368
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいマクロライド系抗生物質, RU 28965を呼吸器感染症患者に投与し, 有効性ならびに安全性の検討を行い, 以下の成績を得た。
    急性咽頭炎1例に対しては1回100 mg宛, 肺炎5例に対しては1回150あるいは200 mg宛, いずれも1日2回, 朝夕食前に経口投与した。RU 28965投与期間は7~23.5日である。
    急性咽頭炎1例は無効, 肺炎5例中著効1例, 有効2例, やや有効1例, 無効1例の臨床効果が得られた。細菌学的効果としてS. pneumoniae 2株, H. influenzu 3株中2株はRU 28965投与によって除菌されたが, H. influenza, K. pneumoniaeそれぞれ1株は不変に終わった。
    RU 28965投与全症例において, 自他覚的副作用ならびに本剤投与に起因した臨床検査値の異常化は認められなかった。
  • 小林 敬司, 志水 洋二, 塩田 憲三
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 369-375
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発された経口用マクロライド系抗生剤RU 28965を呼吸器感染症に使用し, その有効性と安全性について検討した。
    対象は14例で, 外来12例, 入院2例, 性別は男性8例, 女性6例, 年齢は20~69歳 (平均41.5歳) に分布, 症例の内訳は急性上気道炎4例, 急性気管支炎5例, 慢性気管支炎2例, 急性肺炎3例である。
    投与方法は全例に本剤1回150 mg, 1日2回投与で, 投与期間は5~14日 (平均7.4日), 1人当たりの総投与量は1.5~4.2g (平均2.2g) であった。
    臨床効果では著効3例 (急性上気道炎1例, 急性気管支炎2例), 有効8例 (急性上気道炎3例, 急性気管支炎3例, 急性肺炎2例), やや有効2例 (慢性気管支炎2例), 除外1例 (肺炎例で高熱のため本剤投与2日目より他剤併用, 本剤は7日間投与) である以上, 解析対象13例中有効以上は11例で, 有効率84.6%であった。
    細菌学的検討では全例常在菌のみの検出にとどまった。
    安全性の検討では肝疾患合併例2例を含めて全例に, 臨床上特に問題となるような副作用や臨床検査値異常の出現はなかった。
    以上, RU 28965はマクロライド系抗生剤では数少ない新規開発剤で, 1回投与量150 mg, 1日2回投与で十分にその効果を発揮し, 1日投与量の低減によって, 従来の同系薬剤で問題となっている副作用の肝障害に対しても高い安全性を示す有用な薬剤であると思われる。
  • 二木 芳人, 中川 義久, 日野 二郎, 中島 正光, 守屋 修, 梅木 茂宣, 渡辺 正俊, 川根 博司, 副島 林造
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 376-381
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しい経口マクロライド剤RU 28965につき, C. trachomatisに対するMICを測定し, さらに呼吸器感染症11例に本剤を使用してその有効性, 安全性を検討した。
    1. C. trachomatis B, E, L2株に対するMICは0.78μg/mlであり, EM, MDMとは同等, RKMには劣る成績であった。
    2. 呼吸器感染症11例 (急性上気道炎2例, 肺炎6例, 慢性気管支炎3例) に対し, 本剤1回100~200 mg1日2回, 4~13日間使用した結果, 著効2例, 有効8例, やや有効1例で, 全体の有効率は90.9%であった。
    3. 副作用は1例に軽度の上腹部痛を認めたのみで, 臨床検査成績では本剤によると思われる異常を認めたものはなかった。
    以上の結果RU 28965は呼吸器感染症に対して有用で安全性も高い薬剤と考えられた。
  • 山木戸 道郎, 前田 裕行, 長谷川 健司, 横田 幸弘, 横崎 恭之, 西本 幸男
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 382-385
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    このたび, 新しく開発されたマクロライド系抗生物質であるRU 28965の有効性と安全性について臨床的検討を行った。
    対象は12症例であり, 内訳は肺炎と急性気管支炎がそれぞれ3例, 慢性気管支炎が5例, 急性上気道感染症が1例であった。これらの症例に対してRU 28965を1日200~450mg, 5~21日間投与した。臨床効果としては著効2例, 有効3例, やや有効5例, 不明と無効がそれぞれ1例であり, 有効率は83%(やや有効以上) であった。原因菌を分離し得た6例のうち3例で菌の消失がみられた。臨床検査成績では, 本剤投与後GOT・GPT軽度上昇が1例にみられた。その他, 自他覚的な副作用は認められなかった。
  • 栗村 統, 佐々木 英夫, 福原 弘文
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 386-390
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Erythromycinを母体とする新しいマクロライド系抗生剤であるRU 28965の呼吸器感染症に対する効県について検討した。
    対象は肺炎5例, 慢性気管支炎4例 (1例は評価不能), 急性気管支炎2例, 急性上気道炎3例である。1日投与量は200mg 5例, 300mg 8例, 400mg 1例で, それぞれ2回に分け経口投与した。臨床効果は著効1例, 有効9例, やや有効2例, 無効1例であった。やや有効, 無効例はすべて肺炎症例である。
    RU 28965投与前に喀痰より分離された菌種はS. pneumoniae 2例, B. catarrhalis 2例, K. pneumoniae又はklebsilla sp. 3例, H. influenzae 1例である。B. caterrhalisS. pneumoniaeは除菌され, Klebsiella sp. とH. influenzaeは存続した。
    副作用はみとめられなかった。
  • 澤江 義郎, 熊谷 幸雄, 石丸 敏之, 高木 宏治, 仁保 喜之
    1988 年 36 巻 Supplement4 号 p. 391-399
    発行日: 1988/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたErythromycin誘導体の経口用抗生物質であるRU 28965について, 基礎的, 臨床的検討を行った。
    RU 28965の臨床分離菌に対する抗菌力を測定したところ, そのMIC80S. aureus, S, pyogenes 0.78, S. pneumoniae, H. influgnzae 12.5μg/mlであり, E. faecalisでは高度耐性株が多く, MIC60が3.13μg/mlであった。これらを同時に測定したErythromycinのMICと比較すると, RU 28965が1~2段階劣っていた。しかし, Midecamycin acetateのMICと比較すると2~4段階優れており, LineomycinとはE. faecalisH. influenzaeに対する抗菌力が優っていた。
    肺炎1例, 肺結核+感染1例, 気管支炎7例, 咽頭炎2例の計11例にRU 28965を1日0.2~0.9g, 4~14日間使用したところ, 著効2例, 有効3例, やや有効5例, 判定不能1例で有効率は50%であった。起炎菌別ではS. pneumoniae, S. aureus, M. pneumoniaeによるものに著効, 有効であった。副作用は軽度の浮腫が1例認められたが, 臨床検査値の異常変動は認められなかった。
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