CHEMOTHERAPY
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39 巻, 2 号
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  • 四方田 幸恵, 高橋 綾予, 田波 洋, 小林 功, 代居 敬子, 井上 松久
    1991 年 39 巻 2 号 p. 117-123
    発行日: 1991/02/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    臨床分離Serratia marcescens 107株のうち31株 (29%) はウレアーゼ陽性であり, そのうち22株 (71%) は尿由来, 4株 (13%) は呼吸器由来であった。ウレアーゼ陽性株と陰性株について薬剤耐性菌の分離頻度を比較検討した結果, nalidixic acid (NA), norfloxacin (NFLX), tetracycline (TC) 耐性菌はそれぞれウレアーゼ陽性菌ては59%, 41%, 97%, 陰性菌では30%, 20%, 53%であり, ウレアーゼ陽性菌から有意に高く分離された。ウレアーゼ陽性菌の任意の5株について, エチジウムプロミド法にてウレアーゼ陰性菌の出現を試みたところ, 約10-3頻度で3株から陰性菌が得られた。また, 陰性菌の得られた3株の元株についてリファンピシン処理を行ったところ, 10-1~10-2頻度でウレアーゼ陰性菌が得られた。ウレアーゼ陰性変異株の得られた1株は, ウレアーゼ陰性化に伴い, V-P反応, ゼラチン液化能の微弱化, あるいは陰性化した変異株が含まれていた。
  • 藤原 政治, 碓井 亞, 瀬尾 一史, 西本 憲治
    1991 年 39 巻 2 号 p. 124-128
    発行日: 1991/02/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    1981年より1988年までの8年間に広烏大学医学部附属病院泌尿器科において尿路感染症患者より分離された5菌種, 534株を対象として, ofloxacin (OFLX) に対する感受性の変遷を検討した。対象分離株の感受性は微量液体培地希釈法 (MIC 2000システム) により測定した。対象とした5菌種中, Pseudomomas aemginosa, Serratia marcescensの2菌種において耐性菌の増加が認められた。これらOFLX耐性菌に対しては, アミノ配糖体系ならびにモノパクタム系抗菌剤が良好な抗菌力を示し, OFLXとの併用効果も優れていた。
  • (I) 呼吸器感染症分離菌について
    小林 寅詰, 長谷川 美幸, 西田 実, 五島 瑳智子
    1991 年 39 巻 2 号 p. 129-137
    発行日: 1991/02/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    呼吸器感染症の患者から分離され起炎菌と疑われたHaemophilus influenzae, Streptococcus Pneumoniae, Bzabamella catarrhalisおよびStaphylococcus aureusの多数株を試験菌として, それらの初代分離コロニーの生物学的性状を検討した。まず呼吸器感染症由来のHaemophilus influenzae 33株のうち, 7株はβ-lactamase産生コロニーと非産生コロニーが共存し, 両種コロニーの混合比は一定ではなかった。これらの混合株から分離したβ-lactamase産生コロニーによって構成される7株に対するampicillinのMICは12.5~25μg/ml, 非産生コロニーによって構成される7株に対するampicillinのMICは0.2~0.39μg/mlであった。また同様な結果は, Staphylococcus aureusについても認められた。Stzeptococcus pneumoniaeでは, 少ない頻度でオプトヒン耐性および感性コロニーが共存し, オプトヒン耐性株の大部分はampicillin, cefazolin, cefmetazoleおよびcefotaximeに耐性を示した。Branhamella catarbalisについては, 生物学的性状の異なるコロニーの存在は認められなかった。以上の結果から, 呼吸器感染症由来菌の分離後, 薬剤感受性を測定する場合, コロニーによってβ-lactamase産生能が異なり, 薬剤感受性がまったく異なることがあるので慎重な対応が必要である。また, このような事実が薬剤感受性と臨床結果との不一致の一因となる可能性がある。
  • ラットでの気管支肺胞洗浄法による
    多代 友紀, 加藤 政仁, 吉友 和夫, 山田 保夫, 伊藤 剛, 山本 和英, 林 嘉光, 武内 俊彦
    1991 年 39 巻 2 号 p. 138-143
    発行日: 1991/02/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    1. 肺炎ラットとIF常ラットにcfazolin (CEZ) を投与し10回の気管支肺胞洗浄 (BAL) により回収されるCEZを測定した。同時にBAL液中の総蛋白 (TP), 尿素室素 (BUN), を測定し, 三者の気管支肺胞腔内移行を比較検討した。
    2. BAL液中最高濃度はTP, BUN, CEZの順であり血清濃度と相関した, BAL液中移行の程度を示すBAL液中最高濃度と血清濃度との比はBUN, CEZ, TPの順であり分子量の大きさとは逆相関した。
    3. BUN, CEZの3者のBAL液中最高濃度およびBAL液中最高濃度と血清濃度との比は肺炎が正常群より高値を示したが, TPは両者間に有意差を認めなかった.
    4. CEZの肺組織濃度は正常群と肺炎群とに差はみられなかったが, 肺炎群の肺重量は正常群の1.5倍と腫大したため, CEZの肺内絶対量は肺炎群が有意に増加した。
  • 千田 尚人, 鈴木 宗司, 八木田 旭邦, 緒方 幸雄
    1991 年 39 巻 2 号 p. 144-149
    発行日: 1991/02/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    抗腫瘍多糖体sizofiran (SPG) の生体防御能に与・える効果をKlebstella pneumonineによるマウス気道感染モデルを用いて検計した。Cyclophosphamide (CY) 前処置マウス, および非処置マウスの気道感染においてSPG投与群の生存率は上昇した。感染時, および感染3日後の末梢白血球数はSPG前投与群で有意に増加した。さらにCY前処理群においてもSPG前投与により末梢白血球数の増加が示された。非感染マウスの羊赤血球に対する脾抗体産生細胞数は. CY前処理により低下したが, SPG前投与によりその回復が認められた感染4日後の脾抗体産生細胞数についても, CY前処理および非処理, いずれにおいても, SPG前処理によりその回復および増加が認められた。一方, 2×104 cells/lung感染3日後の血清中Klebsiella Pneumoniae菌体凝集抗体価は, 感染対照群のみが高い値を示し, 他群は同程度の低値であった。以上, 総じてKlebsiella pneumoniae気道感染実験におけるSPGの生体防御能賦活作用は, 白血球数の増加と抗体産生能の増強により, 生存率上昇効果が発揮されたものと考えられた。ただし, 血清中凝集抗体価については, 防御能だけによるのではなく, 感染の進展の度合いにも影響されたと考えられた。
  • PTCDによる減黄効果との関係
    藤本 幹夫, 大野 耕一, 佐々木 康之, 李 光春, 木下 博明
    1991 年 39 巻 2 号 p. 150-157
    発行日: 1991/02/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    閉塞性黄疸を主訴として入院した9例 (男5例, 女4例, 平均年齢69.4歳) こPTCDを施存し, その直後および2週後に生食水100mlに溶解したlatamoxef (LMOX) 2gを30分間で投与して血中および胆汁中濃度を測定し, PTCDによる減黄効果と胆汁中移行の関係を検討した。なお, 濃度測定はシオノギ研究所において行った, PTCD直後におけるLMOXの胆~1重移行は不良で, そのピークは4時間後にみられ, ピーク値はも平均16.18μg/mlであった. PTCD2週後ではピークは2時間に現れ, ピーク値は平均49.89μg/mlとなり, 胆汁中移行は改善された。移行率, 移行速度, AUCも2週後には良好となったが, 特に移行率の改善は著しく約10倍の改善がみられた。またPTCD直後の総ピリルピン (TB) 量と胆汁中濃度のピーク値 (Cmax), TB量と胆1十中濃度のAUCにおいて有意の相関が認められた。
  • 名出 頼男他
    1991 年 39 巻 2 号 p. 158-173
    発行日: 1991/02/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    複雑性尿路感染症に対するcefpirome (HR810) の至適用量検索を本剤ゐ2用量およびceftazidime (CAZ) の3群間で検討を行った。1) HR810は1日1g (1g群) あるいは2g (2g群) を, また, CAZは1日2g (CAZ群) を2分割点滴静注により5日間投与した。2) 総投与症例145例中すべての条件がプロトコールに合致し有効性評価可能であった症例数は1g群43例, 2g群39例ならびにCAZ群44例で, 合計126例であった。3) 総合臨床効果の有効率は19群69.8%, 2g群69.2%, CAZ群56.8%であり, 3時間に有意差は認められなかった。4) 細菌尿に対する効果 (陰性化+減少) は19群53.5%, 2g群61.59%, CAZ群45.5%であり, 3群間に有意差は認められなかった。5) 膿尿に知する効果田常化十改善) は1g群46.50%, 29群56.4%, CAZ群50, 0%であり, 3郡間に有意差は認め5, れなかった。6) 菌種別にみた細菌消失率はグラム陽性菌で1g群86%, 29群85%, CAZ群71%, 腸内細菌群で19群96%, 29群100%, CAZ群89%, ブドウ糖非発酵菌で1g群86%, 2g群67%, CAZ群68%であり, いずれも3群間に有意差は認められなかった. 7) 副作川では症状・症候 (随伴反応) および臨床検査値異常発現例は, いずれの群においても少数で, いずれも軽度であった。総合的に検討した結果, 1g群, 2g群およびCAZ群の3群間に有効性および安い性の差は認められなかった。
  • 伊藤 章, 小田切 繁樹, 松本 文夫, 井上 松久
    1991 年 39 巻 2 号 p. 174-184
    発行日: 1991/02/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    1989年4月より, 神奈川県感染症研究会参加15施設において, Methicillin rersistant Staphylococcus aureus (MRSA) 感染症およびそれが疑われる感染症15例 (呼吸器感染症7例, 創感染症7例および敗血症1例) に原則としてcefazolin (CEZ) 4g/imipenem (PM) 1gを併用投与し臨床効果とともに分離MRSAに対する基礎的検討もそった. 本併用による臨床効果は著効2例, 有効9例, やや有効2例, 無効2例で, 73.3%の高い有効率でminocycline (MINO) を始めとする他剤無効例にも有効であった。細菌学的には8例消失, 5例不変, 2例不明で菌消失率は53.3%であった。分離株に対するCEZのMICは625~400μg/ml, IPMのMICは0.2~200μg/mlに分布し, 併用時のFICindexは0.07~0.71であった。In vitroで相乗効果を示した9例の有効率は100%, 菌消失率は77.8%で, 示さなかった6例の有効率は33.3%で, 菌消失率は16.7%でありin vitroの効果と臨床効果, 細菌学的効果の相関性が示唆された。副作用は腎不全患者でのIPMによると思われる嘔気, 食欲不振1例のみであり併用による副作用の増強はないと考えられた。難治性のMRSA感染症に対してCEZ/IPMの併用療法は試みてみる治療法の一つであろう。
  • 1991 年 39 巻 2 号 p. 185-195
    発行日: 1991/02/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
  • 1991 年 39 巻 2 号 p. 195-203
    発行日: 1991/02/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
  • 1991 年 39 巻 2 号 p. 208
    発行日: 1991年
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
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