複雑性尿路感染症に対するcefpirome (HR810) の至適用量検索を本剤ゐ2用量およびceftazidime (CAZ) の3群間で検討を行った。1) HR810は1日1g (1g群) あるいは2g (2g群) を, また, CAZは1日2g (CAZ群) を2分割点滴静注により5日間投与した。2) 総投与症例145例中すべての条件がプロトコールに合致し有効性評価可能であった症例数は1g群43例, 2g群39例ならびにCAZ群44例で, 合計126例であった。3) 総合臨床効果の有効率は19群69.8%, 2g群69.2%, CAZ群56.8%であり, 3時間に有意差は認められなかった。4) 細菌尿に対する効果 (陰性化+減少) は19群53.5%, 2g群61.59%, CAZ群45.5%であり, 3群間に有意差は認められなかった。5) 膿尿に知する効果田常化十改善) は1g群46.50%, 29群56.4%, CAZ群50, 0%であり, 3郡間に有意差は認め5, れなかった。6) 菌種別にみた細菌消失率はグラム陽性菌で1g群86%, 29群85%, CAZ群71%, 腸内細菌群で19群96%, 29群100%, CAZ群89%, ブドウ糖非発酵菌で1g群86%, 2g群67%, CAZ群68%であり, いずれも3群間に有意差は認められなかった. 7) 副作川では症状・症候 (随伴反応) および臨床検査値異常発現例は, いずれの群においても少数で, いずれも軽度であった。総合的に検討した結果, 1g群, 2g群およびCAZ群の3群間に有効性および安い性の差は認められなかった。
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