CHEMOTHERAPY
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39 巻, 7 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 山田 俊彦, 横田 好子, 池田 文昭, 峯 靖弘, 北田 孝秀
    1991 年 39 巻 7 号 p. 643-650
    発行日: 1991/07/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    呼吸器感染症起因菌であるStreptococcus pneumoniaeおよびStreptococeus pyogenesに対するcefixime (CFIX) の抗菌活性がβ-ラクタマーゼ産生Moraxella (Branhamella) catarrhalisが共存した場合, どのような影響をうけるかをamoxicillin (AMPC) およびcafaclor (CCL) と比較検討した。AMPCのS. pneumoniaeおよびS. pyogenesに対する抗菌活性はCFIXおよびCCLに比べ約10倍強いが, 寒天重層平板法を用いたβ-ラクタマーゼ産生M.(B.) catarrhalisの共存時ではこれらの菌に対するディスク阻止円は著しく縮小した。またCCLもディスク阻止円が著しく縮小したのに対しCFIXはほとんど影響を受けなかった。さらにM.(B.) catarrhalisの107cfu/mlレベル共存時においてS. pneumoniaeに対するAMPCおよびCCLの殺菌作用が著しく低下したが, CFIXはほとんど変動しなかった。すなわち, β-ラクタマーゼ産生M.(B.) catarrhalisの共存はAMPCおよびCCLを失活させ, 起因菌であるS. pneumoniaeおよびS. pyogenesに対する殺菌作用の低下をもたらす可能性を明らかにした。CFIXはM.(B.) catarrhalisの産生するβ-ラクタマーゼに極めて安定でかつ, 強い抗菌活性を有することからM.(B.) catarrhalisが混在する呼吸器感染症に対する有用な治療薬と考えられる。
  • Enterococcus faecalisを中心とした解析
    山崎 浩, 荒川 創一, 守殿 貞夫
    1991 年 39 巻 7 号 p. 651-662
    発行日: 1991/07/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    ヒト尿路感染症より分離されたEnterococcus faecalis (以下E. faccalis) およびProteusmirabilis (以下P. mirabilis) を用いマウス行性腎盂腎炎モデルを作製し, これら複数菌感染における両菌種の病原性および抗菌薬の治療効果を検討した。その結果以下のような成績を得た。
    (1) 複数菌接種した場合の経日的腎内生菌数はE. faecalisは単独接種時より少なく, P. mirabilisは単独接種時より多かった。この成績より両菌による複数菌感染においてはP. mirabilisの病原性が優位であることが示された。
    (2) 複数菌接種後, enoxacin, ofloxacin, lomefloxacin, pipemidic acid, ampicillinのいずれかを投薬しその腎内生菌数の推移から治療効果を判定した。P. mirabilisの除菌効果をみると, 本菌単独接種時と同等の効果を得るのに約2倍の投薬量を要し, 複数菌感染での治療抵抗性が示された。
    (3) 複数菌接種モデルにおいてE. faecalisは, P. mirabilisに比し全般に薬剤による除菌効果が悪く, 感染防御能低下宿主等における日和見感染の原因菌としての重要性が示唆された。
    (4) 両菌混合接種時の腎病理組織学的所見は一般にみられる非特異性炎症像を示すが, その生菌数に比例して炎症像は増強していた。
  • 菊池 典雄, 川島 辰雄, 小野崎 郁史, 猪狩 英俊
    1991 年 39 巻 7 号 p. 663-672
    発行日: 1991/07/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    嫌気性菌肺膿瘍10症例に対するclindamycin (CLDM) 全身投与と主にlincomycin (LCM) による局所1回投与による併用治療の臨床効果について検討した。対象症例の病巣径は, 2.0~13.0cm, 平均5.8cmであり, 6例は胸部X線写真で空洞が認められ, 1例はCTのみで気泡が認められたが, 他の3例では空洞も気泡も認められなかった。空洞を伴わない小型の症例からも膿が採取され, 嫌気性菌が検出された。局所投与は, 膿の採取を目的とした経皮的肺吸引を施行した直後に病巣内に注入した。局所投与に用いた抗生剤は, 9例にLCM600mg, 1例にCLDM1,200mgを投与した。CLDMの全身投与は5例に1,200mg/日の経静脈内, 他の5例に900mg/日の経口にて治療を開始した。10例中9例が再燃なく治癒し, これらの症例におけるCLDMの投与期間は12~30日, 平均19.5日であった。他の1例は, 途中からCLDMにimipenem/cilastatin sodiumを併用して治癒した。最も重症の巨大肺膿瘍においても, 併用治療により悪臭痰, 発熱などの臨床症状のみならず, 胸部X線所見にも急速な改善がみられた。本研究により, この併用治療は, 嫌気性菌肺膿瘍の罹病期間を短縮させるのに有用であろうと考えられた。
  • 宮井 正博, 坪田 輝彦, 浅野 健夫
    1991 年 39 巻 7 号 p. 673-677
    発行日: 1991/07/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    各種呼吸器疾患を有する24症例に気管支肺胞洗浄を行いモノバクタム系抗生物質aztreonam (AZT) の気管支肺胞系移行性につき検討した。AZT1g静注1時間後の血清中AZT濃度は62.01±21.32μg/ml, 気管支肺胞洗浄液中濃度は0.26±0.19μg/ml, AZT2g静注1時間後の血清中AZT濃度は106.47±27.20μg/ml, 気管支肺胞洗浄液中濃度は0.58±0.52μg/mlであった。AZT静注1時間後の血清中濃度および気管支肺胞洗浄液中濃度は, 投与量にほぼ比例した。AZTの気管支肺胞系移行性はすでに検討したcefmenoxime, astromicinとほぼ同等であった。また炎症性疾患であっても炎症の安定期であればAZTの気管支肺胞系移行性は基磯疾患によらず一定であった。
  • 第2報ヒト末梢血単球への作用
    片平 潤一, 菊池 賢, 柴田 雄介, 長谷川 裕美, 戸塚 恭一, 清水 喜八郎
    1991 年 39 巻 7 号 p. 678-686
    発行日: 1991/07/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    我々はすでに, エリスロマイシンを経口投与すると末梢血中単核細胞と肺胞マクロファージからのインターロィキン-1 (IL-1) や腫瘍壊死因子 (TNF) の産生を刺激することを見いだした。そこで, エリスロマイシンや他のマクロライド剤のin vitroにおける免疫賦活作用のカイネティクスを検討した。健康成人の末梢血中単核細胞をエリスロマイシン, クラリスロマイシン, ジョサマイシンと共に培養すると, 容量依存的にIL-1とTNFの産生を刺激した。この作用は培養細胞数に依存しており, 培養後8~12時間でピークになった。マクロライド剤は同様にリポポリサッカライドによるIL-1の産生をプライムする作用も持っていた。これらの作用はNa+, K+-ATPaseの選択的阻害剤のouabain, protein kinase Cの選択的阻害剤のH-7, calmodulinの選択的阻害剤のW-7によって部分的に抑制された。したがって, マクロライド剤のサイトカイン産生作用にはNa+, K+-ATPase, protein kinase C, calmodulinが関与していることが示唆された。
  • 国井 乙彦
    1991 年 39 巻 7 号 p. 687-689
    発行日: 1991/07/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
  • 1991 年 39 巻 7 号 p. 690-738
    発行日: 1991/07/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
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