CHEMOTHERAPY
Online ISSN : 1884-5894
Print ISSN : 0009-3165
ISSN-L : 0009-3165
40 巻 , Supplement3 号
選択された号の論文の28件中1~28を表示しています
  • 藤元 輝男, 三橋 進
    1992 年 40 巻 Supplement3 号 p. 1-13
    発行日: 1992/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規キノロン系抗菌剤levofloxacin [(S)-(-)-ofloxacin, LvFx, DR-3355] は, ofloxacin (OFLX) と同じ抗菌スペクトラムおよびOFLXの2倍の抗菌活性を有し, その作用は殺菌的であった。この抗菌活性の差は, これら薬剤のDNAジャイレース阻害活性の差を反映していた。LVFXのグラム陽性菌および偏性嫌気性菌の臨床分離株に対する活性は, ciprofloxacin (CPFX) のそれと同等以上であった。一方, LVFXの腸内細菌およびPseudmoms aemginosaに対する活性はCPFXのそれよりもやや劣っていた。LVFXの抗菌活性は, 外膜porinタンパク欠損およびLPS欠損の影響をうけにくかったが, 他のニューキノロン剤と同様にDNAジャイレースsubunitAの変異により低下した。Staphylococcus aureusの臨床分離株のうち, norfloxacin中等度耐性株はLVFXに感受性であったが, CPFXにはやや耐性を示した。
  • 五島 瑳智子, 宮崎 修一, 石田 佳久
    1992 年 40 巻 Supplement3 号 p. 14-26
    発行日: 1992/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Levofloxacin (LVFX, DR-3355) のin vitro, in vivo抗菌力を対照薬剤 (ofioxacin (OFLX), ciprofioxacin, enoxacin, norfioxacin.iomefloxacin, tosufioxacin, cefpodoxime. proxetii, DR-3354) と比較検討した。LVFXの試験管内抗菌活性はグラム陽性菌からグラム陰性菌にわたり幅広い抗菌力を有することを確認した。また, OFLXとの比較では, すべての菌株において同等かそれ以上の優れた抗菌力を示した。マウス全身感染モデルにおける治療効果においても対照薬剤とほぼ同等か, それ以上の成績を示し, 特にmethiciiiin耐性Staphylococcus aureus (MRSA) に対しても被験薬剤中最も優れた治療効果を示した。この治療効果は, LVFXの優れた抗菌力と良好な血中移行性によるものと考えられる。
  • 横田 健, 鈴木 映子, 新井 京子, 神田 佳代子
    1992 年 40 巻 Supplement3 号 p. 27-35
    発行日: 1992/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Ofioxacin (OFLX) のS型光学異性体, levofloxacin (LVFX, DR-3355) のStaphylococms aureus, methicillin-resistantS. aureus (MRSA), coagulase-negative staphylococci, Streptococcus pyogenes, Streptococcus pneumoniae, Enterococcus faecalis, Enterococcus faecium, Escherichia coliCS2 (R+), Klebsiella pneumoniae, Proteus mirabilis, Proteus vulgaris, Morganella morganii, Providencia rettgeri, Citrobacter freundii, Enterobacter cloacae, Serratia marcescens, Pseudomonas aeruginosa, Pseudomonas cepacia, Acinetobacter calcoaceticus, Xmthmmsmltophiha, ampiciliin耐性Haemophilus influenzaeおよびBactermesfragmsの20~51臨床分離株に対するMIC90は, それぞれ0.39, 0.78, 0.78, 0.78, 1.56, 1.56, 3.13, 0.39, 0-39, 0.2, 0.2, 0.025, 3-13, 1-56, 3.13, 3.13, 6.25, 3.13, 6.25, 1.56, 0.025および3.13μg/miであった。この値は, OFLXの約2倍, R型光学異性体DR-3354の10倍以上の抗菌力であった。
    5μg/mlのDR-3354, ciprofloxacin, norfioxacinおよびpefloxacinは再分化したヒトneuroblastoma細胞IMR32の神経突起を薬剤添加後3時間以内で短縮したが, S型光学異性体LVFXは神経突起にほとんど影響を与えなかった。しかし動物細胞増殖抑制作用はLVFXの方がDR-3354より強く, 抗菌力と動物細胞増殖抑制作用は, 分けることができなかった。4-quinoloneの動物細胞増殖抑制作用と神経突起短縮作用とは異なる仕組みで起こることが強く示唆された。
  • 西野 武志, 田中 真由美, 青野 優子, 岩井 隆也, 大槻 雅子
    1992 年 40 巻 Supplement3 号 p. 36-50
    発行日: 1992/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    合成化学療法剤levofloxacin (LVFX [S-(-)-ofloxacin], DR-3355) のin vitroおよびin vivo抗菌力について, ofioxacin (OFLX), ciprofloxacin (CPFX) およびDR-3354 [R-(+)-OFLX] を比較薬として検討し, 以下の成績を得た。
    1. LVFXは, グラみ陽性菌群, グラム陰性菌群に対し広範囲な抗菌スペクトルを有しており, その抗菌力はOFLXのほぼ2倍良好であった。
    2. 臨床分離株に対する感受性分布では, グラム陽性菌およびAcinetobacter属に対して, LVFXは最も優れた抗菌力を示した。グラム陰性菌においては, Citrobacter freundiiに対してCPFXとほぼ同等の抗菌力を示したが, 他の菌種に対してはCPFXよりやや劣り, OFLXおよびDR-3354より優れていた。
    3. LVFXの抗菌力に及ぼす諸因子の影響では, Staphylococmsmeus, Escherichiacoli, Klebsiella pneumoniae, Pseudomonas aeruginosaともに, 培地, ヒト血清添加および接種菌量の影響はみられず, 培地pHがアルカリ性側の時に抗菌力が良好となった。
    4. S. aureus, E. coli, K. pneumoniae, P. aeruginosaを用いて増殖曲線に及ぼす影響を検討したところ, 濃度に対応した作用がみられ, すべて殺菌的に作用した。
    5. Bacmmsubtilis, E. coli, P. aeruginosaにLVFXを作用させた時の形態変化を観察した。B. subtilisおよびE. coliでは菌体の伸長化が認められたが, その度合いはB. subtilisで著しかった。また, B. subtilisでは溶菌像が, P. aeruginosaではスフェロプラスト, 菌体内密度の偏った細胞および溶菌像が観察された。
    6. マウス実験的感染症に対する治療効果をS. aureus, E. coli, K. pneumoniae, Serratia marcescens, P. aeruginosaおよびAcinetobacter calcoaceticusを用いて検討したところ, LVFXが最も優れた治療効果を示した。
  • 田中 真由美, 大槻 雅子, 西野 武志
    1992 年 40 巻 Supplement3 号 p. 51-56
    発行日: 1992/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    合成化学療法剤levofloxacin (LVFX) のStaphylococcus aureus, Bacillus subtilisおよびBacteroides fragilisに対する抗菌作用を透過型電子顕微鏡を用いて, 形態変化の面から検討した。
    S. aureusにLVFXを作用させると, 低濃度では分裂異常が認められ, MIC以上の濃度では細胞壁の肥厚および溶菌がみられた。B. subtilisでは, 菌体の伸長化, 球形化, 溶菌像が観察され, 細胞壁の切断像も認められた。B. fragilisでは, 菌体の伸長化およびブレッブ様構造, 外膜の切断像, そしてそれに次ぐ溶菌像が認められ, キノロン系抗菌剤の強い殺菌力が形態変化の面からも認められた。
  • 渡辺 邦友, 加藤 直樹, 武藤 吉徳, 板東 香お里, 上野 一恵
    1992 年 40 巻 Supplement3 号 p. 57-63
    発行日: 1992/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Levofloxacin (LVFX, DR-3355: S-ofloxacin) の各種嫌気性菌に対する抗菌活性を, DR-3354 (LVFXの光学異性体, R-ofloxacin), ofloxacin (OFLX: S, R混合物), tosufloxacin (TFLX) およびnorfloxacin (NFLX) のそれと比較した。LVFXのグラム陽性および陰性の嫌気性菌に対する抗菌スペクトラムは, OFLXと同様に広かった。LVFXは一般にOFLXおよびNFLXよりもそれぞれ2倍および8倍高活性であったが, TFLXよりもやや活性が低かった。DR-3354は嫌気性菌に対してほとんど活性を示さなかった。
    LVFXはBacteroides thetaiotaomicron, Bacteroides ovatusおよびPrevotella biviaを除くグラム陰性桿菌に対して良好な活性を有し, そのMIC50は1.56μg/ml以下であった。Peptostreptococcus asaccharolyticusを除く嫌気性球菌に対して, LVFXは高い活性を有し, そのMIC90は0.39μg/ml以下であった。Bacteroides fragilis GAI5562に対し, LVFXおよびOFLXのいずれについてもほぼ同様の殺菌曲線が得られた。マウスモデルにおいて, LVFXは投与終了1日後および7日後に盲腸内のCiostridium difficileの異常増殖をもたらさなかった。
  • 我謝 道弘, 比嘉 太, 山城 哲, 仲本 敦, 宮良 高維, 新里 敬, 普久原 浩, 橘川 桂三, 伊良部 勇栄, 重野 芳輝, 斎藤 ...
    1992 年 40 巻 Supplement3 号 p. 64-67
    発行日: 1992/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    キノロン系抗菌剤levofloxacin (LVFX, DR有3355) は, ofloxacin (OFLX) の一方の光学活性S-(-) 体であり, その抗菌力はOFLXのほぼ2倍である。LVFXおよびその他方の光学活性R-(+) 体であるDR-3354ならびにOFLXのヒト好中球細胞内移行性につき比較検討した。
    好中球をLVFX, DR-3354, 0FLXを含む培養液中にてそれぞれ培養後, 好中球を採取し, これら薬剤の好中球細胞内濃度および培養後の細胞外濃度を高速液体クロマトグラフィー (HPLC) を用いて測定し, 細胞内濃度の細胞外培養濃度に対する比率を算出した。
    培養濃度50μg/ml, 培養時間30分の条件下でのLVFX, DR-3354およびOFLXの細胞内濃度/細胞外培養濃度比は, それぞれLVFX8.83±1.27, DR-33549.97±0.75, 0FLX 9.07±0.72であり, これら薬剤の好中球細胞内移行性に差は認められなかった。
    また, 培養濃度と好中球内移行率との相関につき, LVFXおよびDR-3354を用い検討したが, 培養濃度10, 25, 50, 100μg/mlの範囲内では2薬剤の移行率に大きな変化は認められなかった。
    ラセミ体であるOFLXを2つの光学異性体に分割しても, ヒト好中球内移行性に関しては光学異性体間に差異はみられず, いずれもOFLXに近似した移行性を示すことが明らかとなった。
  • 沖本 二郎, 二木 芳人, 副島 林造
    1992 年 40 巻 Supplement3 号 p. 68-74
    発行日: 1992/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    ニューキノロン系抗菌剤levofloxacin (LVFX, DR-3355) のtheophylline血中濃度に及ぼす影響を7名の健康成人男子ボランティアを用いて検討した。
    徐放性経口theophylline製剤1日400mgを9日間連続投与し, 投与開始5日目よりLVFX1日300mgを5日間併用投与した。4日目のtheophylline血中濃度をコントロールとし, 7日目 (併用3日目), 9日目 (併用5日目) のtheophylline血中濃度をコントロールと比較した。
    併用3日目のtheophylline血中濃度はコントロールに比し最高血中濃度で1.09倍, 濃度曲線下面積で1.11倍であり, 併用5日目ではそれぞれ1.03倍, 1.02倍であった。
    以上, 我々の成績からLVFXのtheophylline血中1農度に及ぼす影響は軽微であると考えられ, 臨床的にtheophyllineとの併用は問題ないものと考えられる。
  • 斎藤 厚他
    1992 年 40 巻 Supplement3 号 p. 75-96
    発行日: 1992/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    ニューキノロン系抗菌剤levofioxacin (LVFX, DR-3355) の慢性下気道感染症に対する至適投与量を検討する目的で, ofioxacin (OFLX) を対照として封筒法による比較試験を実施した。投与量は1日量LVFX600mg分3 (LV600群), 300mg分3 (LV300群), およびOFLX600mg分3 (OF600群) の3群とした。投与期間は14日間を原則とした。
    1) 小委員会判定による臨床効果においてその有効率はLV600群71.4%(20/28), LV300群76.0%(19/25), OF600群82.6%(19/23) であり, 各群間に有意差は認められなかった。また, 主治医判定においては, LV600群84.6%(22/26), LV300群72.0%(18/25), OF600群68.2%(15/22) の有効率であり, 各群間に有意差は認められなかった。
    2) 小委員会判定による細菌学的効果において陰性化率は, LV600群73.7%(14/19), LV300群72.2%(13/18), OF600群76.9%(10/13) であり, 各群間に有意差は認められなかった。
    3) 小委員会で採用された副作用の発現率は, LV600群10.7%(3/28), LV300群3.8%(1/26), OF600群7.7%(2/26) であり, また, 臨床検査値異常変動発現率はLV600群14.8%(4/27), LV300群0%(0/25), OF600群13.0%(3/23) であった。各群間に有意差は認められなかった。
    4) 小委員会による有用性判定では, その有用率はLV600群60.0%(15/25), LV300群73.9%(17/23), OF600群71.4%(15/21) であり, また, 主治医判定においてはLV600群76.0%(19/25), LV300群72.7%(16/22), OF600群57.1%(12/21) であり, いずれも各群間に有意差は認められなかった。
    以上の成績から, 慢性下気道感染症に対するLVFXの臨床用量は300mg分3が週当と考えられた。
  • 副島 林造他
    1992 年 40 巻 Supplement3 号 p. 97-120
    発行日: 1992/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Levofloxacin (LVFX, DR-3355) の慢性下気道感染症に対する有効性, 安全性および有用性を客観的に評価する目的でofloxacin (OFLX) を対照薬とした二重盲検比較試験を実施した。
    用法用量はLVFXが1日300mg分3 (LVFX群), OFLXが1日600mg分3 (OFLX群) とし, 原則として14日間連続経口投与とした。
    1) 総投与症例数は165例 (LVFX群83例, OFLX群82例) であり, 小委員会による臨床効果評価対象症例は148例 (LVFX群72例, OFLX群76例), 副作用評価対象症例は159例 (LVFX群78例, OFLX群81例), 臨床検査値異常評価対象症例は150例 (LVFX群73例, OFLX群77例), 有用性評価対象症例は149例 (LVFX群73例, OFLX群76例) であった。臨床効果評価対象症例の患者背景因子については, 基礎疾患・合併症を有する症例がLVFX群に有意に多かったほかは, 両薬剤群間に有意な偏りは認められなかった。
    2) 小委員会判定による臨床効果はLVFX群で87.5%(63/72), OFLX群で78.7%(59/75) の有効率であり, 主治医判定ではそれぞれ86.1%(62/72) と82.2%(60/73) の有効率であり, いずれにおいても両薬剤群の臨床効果に有意差は認められなかった。
    3) 細菌学的効果はLVFX群で86.4%(38/44), OFLX群で79.2%(38/48) の陰性化率であり, 両薬剤群の細菌学的効果に有意差は認められなかった。
    4) 副作用発現率はLVFX群で6.4%(5/78), OFLX群で11.1%(9/81) と両薬剤群間に有意差は認められなかった。一方, 臨床検査値異常変動発現率はそれぞれ6.9%(5/73), 18.2%(14/77) であり, LVFX群で有意に低かった (Fisherの直接確率計算法: P=0.049)。
    5) 小委員会判定による有用性はLVFX群で86.1%(62/72), OFLX群で73.3%(55/75), また主治医判定ではそれぞれ84.7%(61/72) と79.5%(58/73) の有用率であり, いずれにおいても両薬剤群の有用性に有意差は認められなかった。
    以上の成績より, 慢性下気道感染症に対しLVFX1日300mg分3投与はOFLX1日600mg分3投与と同等の有効性を示すとともに安全性面で優れており, 有用な治療法であることが確認された。
  • 副島 林造他
    1992 年 40 巻 Supplement3 号 p. 121-146
    発行日: 1992/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    ニューキノロン系抗菌剤levofloxacin (LVFX, DR-3355) の細菌性肺炎に対する有効性, 安全性および有用性を客観的に評価する目的でofloxacin (OFLX) を対照薬とする二重盲検比較試験を全国35施設の共同研究により実施した。用法用量は, LVFXは1日300mg分3 (LVFX群), OFLXは1日600mg分3 (OFLX群) とし, 原則として14日間経口投与した。
    1) 総投与症例数159例 (LVFX群77例, OFLX群82例) 中, 小委員会による評価対象症例は, 臨床効果: 140例 (LVFX群68例, OFLX群72例), 副作用: 158例 (LVFX群76例, OFLX群82例), 臨床検査値異常: 150例 (LVFX群71例, OFLX群79例), 有用性: 141例 (LVFX群65例, OFLX群76例) であった。これらの症例の背景因子に関し, 両群間に有意な偏りを認めなかった。
    2) 小委員会判定による臨床効果はLVFX群85.3%(58/68), OFLX群93.1%(67/72), また主治医判定ではそれぞれ85.3%(58/68) と91.7%(66/72) の有効率であり, いずれにおいても両群の臨床効果に有意差は認められなかった。
    3) 細菌学的効果はLVFX群100%(21/21), OFLX群100%(33/33) の陰性化率であり, 両群の細菌学的効果に有意差は認められなかった。
    4) 副作用はLVFX群3.9%(3/76), OFLX群14.6%(12/82) に認められ, LVFX群の副作用発現率はOFLX群よりも有意に低かった (X2: P=0.029)。臨床検査値異常発現率はLVFX群15.5%(11/71), OFLX群13.9%(11/79) であり, 両群間に有意差は認められなかった。
    5) 小委員会判定による有用性はLVFX群86.2%(56/65), OFLX群87.8%(65/74) の有用率, また主治医判定ではそれぞれ87.7%(57/65), 88.2%(67/76) の有用率であり, いずれにおいても両群の有用性に有意差は認められなかった。
    以上の成績より, LVFX1日300mg分3投与は, OFLX1日600mg分3投与と同様に細菌性肺炎に対して有用な治療法であることが確認された。
  • 斎藤 厚他
    1992 年 40 巻 Supplement3 号 p. 147-169
    発行日: 1992/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Levofloxacin (LVFX, DR-3355) は新しく開発されたニューキノロン系抗菌剤であり, ofloxacin (OFLX) の一方の光学異性体S-(-) 体である。本剤の抗菌活性はOFLXの概ね2倍であり, その体内動態はOFLXの体内動態に近似する。
    今回LVFXの内科領域における臨床的有用性を全国69施設の共同研究により検討した。
    対象疾患は呼吸器感染症を中心とし, 投与方法は1日200mg (分2) ~600mg (分3), 3~14日間連続投与を原則とした。総投与症例463例のうち, 423例を臨床効果判定の解析対象とした。疾患別の有効率は, 呼吸器感染症84.9%(321/378), 尿路感染症78-8%(26/33), 感染性腸炎100%(9/9), その他100%(3/3) であり, 全症例に対する有効率は84.9%であった。呼吸器感染症の内訳は, 咽喉頭炎・扁桃炎・急性気管支炎90.6%(77/85), 慢性気道感染症80.2%(174/217), 肺炎・肺化膿症・膿胸91.8%(67/73) であった。投与量別の有効率は200mg (分2) 79.2%(38/48), 300mg (分3) 85.5%(253/296), 600mg (分3) 87.7%(50/57), その他81.8%(18/22) であった。呼吸器感染症における細菌学的効果は179例で判定され, 単独菌感染例では77.4%(123/159), 複数菌感染例では40.0%(8/20) の陰性化率であった。MICが測定された起炎菌78株の消失率は, MIC1.56μg/ml以下の菌株では78.9%(56/71), MIC3.13μg/ml以上の菌株では0.0%(0/7) であった。
    副作用は454例中17例 (3.7%) に認められ, その症状の内訳は消化器症状9例, 神経症状7例, その他1例であった。臨床検査値異常変動は, 409例中41例 (10.0%) に認められ, その主たる変動は, 好酸球の増多とトランスアミナーゼの上昇であった。いずれの症状, 変動とも重篤なものではなかった。
    以上の成績より, LVFXは呼吸器感染症を中心とした内科領域感染症に対し有用な薬剤であると考えられた。
  • 村田 三紗子他
    1992 年 40 巻 Supplement3 号 p. 170-187
    発行日: 1992/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    感染性腸炎 (細菌性赤痢, サルモネラ腸炎, カンピロバクター腸炎, コレラなど) に対するlevofloxacin (LVFX, DR-3355) の臨床的有効性, 安全性および有用性を評価する目的で, 同患者・保菌者266例に本剤を投与した。
    投与方法は1日量200mgあるいは300mg (分2朝夕, 分3毎食後) を5日間 (サルモネラ腸炎には7日間) 経口投与した。
    臨床効果判定は114例について行い, その有効率は細菌性赤痢100%(41/41), サルモネラ腸炎100%(9/9), カンピロバクター腸炎89.5%(17/19), コレラ100%(3/3) であった。細菌学的効果判定は131例, 146株について行い, その有効率はShigella spp.98.8%(82/83), Salmmella spp.71.4%(15/21), Campylobacter jeiuni70.6%(12/17), Vibrio cholerae100%(6/6) であった。副作用は259例中, 心窩部不快感, 不眠, 発疹等計5例 (1.9%) にみられ, 臨床検査値異常は216例中, GPT上昇5例, GOT上昇2例, GOT・GPT上昇2例等の11例 (5.1%) に認められたが, いずれも軽度であった。
    また, 感染性腸炎患者3例を対象としてLVFX300mg分3投与時における糞便中薬剤濃度と腸内細菌叢に及ぼす影響についても検討を行ったが, 健常人とほぼ同等の成績であった。
  • 斉藤 昭弘, 小口 健一, 原田 吉将, 篠田 育男, 米田 尚生, 岡野 学, 伊藤 康久, 藤広 茂, 兼松 稔, 坂 義人, 河田 幸 ...
    1992 年 40 巻 Supplement3 号 p. 188-195
    発行日: 1992/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    腎機能障害患者 (I群: 40≦Ccr<70, II群: 20≦Ccr<40およびIII群: Ccr<20) における, ニューキノロン剤levofloxacin (LVFX, DR-3355) の体内動態を検討し, 以下の結果を得た。
    1) LVFX 100mg単回投与後の平均最高血中濃度はI群では投与2時間後で1.463μg/ml, II群では投与2時間後で1.552μg/ml, III群では投与4時間後で1.386μg/mlであった. 24時間後には, I群では0.293μg/ml, II群では0.474μg/ml, III群では0.781μg/mlであり, 腎機能障害の程度に相応して高値を示した。
    2) 48時間までの尿中回収率はI群では66.62%, II群55.70%, III群21.99%であり腎機能障害の程度が強いほど尿中排泄率は低値であった。
    3) 全23例においてLVFX 100mg単回投与後における自他覚的副作用は認めなかった。
    4) 100mg単回投与時の血中濃度より得られた薬動力学的パラメーターを用い, 投与を反復する場合の血中濃度をone-compartmentmodelでシミュレーションし, 定常状態における最高血中濃度およびパターンから判断すると, 健常者の常用量を1日300mg3分割投与とした場合, Ccrが40以上70ml/min未満では1回100mgを1日2回投与, 20以上40ml/min未満では1日1回投与, また20ml/min未満では100mgを48時間以上の間隔で投与すべきと思われた。
  • 神谷 晃, 山下 真寿男, 高木 伸介, 荒川 創一, 守殿 貞夫
    1992 年 40 巻 Supplement3 号 p. 196-202
    発行日: 1992/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    光学異性体の複合体であるofloxacin (OFLX) の抗菌活性本体は, そのl-体のlevofloxacin (LVFX, DR-3355) であることが知られている。しかし, 光学異性体間の体内動態の相違については予測が困難であるため, 実測により明らかにする必要がある。そこで, LVFXの体内動態, 特に腎排泄挙動の詳細を明らかにするため, 健康成人男子を対象とした試験を実施した。
    7名の被験者に対し, LVFX 100mg, OFLX 200mg, LVFX 100mg+OFLX 200mgの順に3回の経口投与試験を行い, 投与後735分まで採血・採尿を繰り返した。l-体であるLVFX単独投与時には, 血中・尿中共にd-体は検出されず, d-, l-体の1:1の複合体であるOFLX単独投与時には, 血中・尿中共にd-体とl-体が同量検出され, LVFXとOFLX同時投与では, 血中・尿中共にl-体がd-体の2倍検出された。従って, 体内での光学異性体間の相互変換, 即ち, d-体=l-体の変換は無視し得るものと推察された。体内動態については, 血中薬物動態, 尿中薬物排泄速度, 尿中薬物排泄量のいずれにおいてもd-体とl-体での差は認められなかった。また, 腎排泄挙動を, 糸球体ろ過, 尿細管分泌, 尿細管再吸収の3方向の輸送に分離した定量的解析の結果もd-体とl-体での差は認められず, その挙動はOFLXでの報告値とほぼ一致した。
    従って, OFLXのl-体のみを含有するLVFXの腎挙動は, OFLXと同様であり, その排泄には尿細管分泌が大きく関与していることが明らかとなった。また, LVFXの体内動態全般もOFLXとほぼ同様であり, 疾患時の投与法については, OFLXでの知見を参照することが可能であると考えられた。
  • 山下 真寿男, 佐和田 浩二, 長久 浩史, 宮崎 茂典, 桑山 雅行, 荒川 創一, 松本 修, 守殿 貞夫, 梅津 敬一, 松井 隆, ...
    1992 年 40 巻 Supplement3 号 p. 203-209
    発行日: 1992/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    前立腺肥大症, 前立腺癌および膀胱腫瘍患者を対象とし, 経尿道的手術前にlevofloxacin (LVFX, DR-3355) 100mgを経口投与し, 手術により得られた前立腺組織内および血清中のLVFXの濃度を高速液体クロマトグラフィーにて測定した。その結果, 内服後1, 2, 3, 4, 6時間の前立腺組織内平均濃度は0.49~1.50μg/gで対血清比は平均0.78~1.86であった。LVFXの前立腺組織への移行は良好であり, 細菌性前立腺炎に対し治療効果が期待できると考えられた。
  • 河田 幸道, 熊本 悦明, 阿曾 佳郎, 町田 豊平, 斎藤 功, 名出 頼男, 岡田 謙一郎, 守殿 貞夫, 大森 弘之, 熊澤 淨一, ...
    1992 年 40 巻 Supplement3 号 p. 210-229
    発行日: 1992/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Ofloxacin (OFLX) の光学活性l体であるlevofloxacin (LVFX) の複雑性尿路感染症に対する臨床用量を検討する目的で, OFLXを対照薬とした用量検討試験を行った。
    対象は尿路に基礎疾患を有する複雑性尿路感染症で, 外来症例, カテーテル非留置症例であることを条件とし, LVFXの100mg 1日2回 (LV-200), 100mg 1日3回 (LV-300), 200mg 1日2回 (LV-400) を, OFLXの200mg1日3回 (OF-600) を対照として, 5日間投薬後の臨床効果をUTI薬効評価基準に従って比較した。
    総投与症例201例中, LV-200群の39例, LV-300群の39例, LV-400群の41例, OF-600群の43例を有効性の評価対象としたが, これらの症例の背景因子は, MIC分布に偏りが認められた以外, 有意差は認められなかった。
    総合有効率はLV-200群で87.2%, LV-300群で84.6%, LV-400群で80.5%, OF-600群で93.0%, 細菌消失率はそれぞれ95.7%, 91.9%, 90.8%, 93.4%といずれも4群間に有意差を認めなかった。LVFX投与3群におけるMICの偏りを補正した場合の有効率はLV-200群で83.7%, LV-300群で86-5%, LV-400群で77.7%, 細菌消失率はそれぞれ90.2%, 95.3%, 88.9%となり, いずれもLV-300群において最も高かった。副作用の発現率はLV-200群で2.0%, OF-600群で5.8%, LV-300群とLV-400群では0%であり, 4群間に有意差を認めず, また臨床検査の異常値発現頻度にも有意差を認めなかった。これらの成績から, 複雑性尿路感染症に対するLVFXの臨床用量は, 1日300mgが適当と考えられた。
  • 河田 幸道, 熊本 悦明, 阿曾 佳郎, 町田 豊平, 斎藤 功, 河村 信夫, 大越 正秋, 名出 頼男, 河邊 香月, 久住 治男, 岡 ...
    1992 年 40 巻 Supplement3 号 p. 230-248
    発行日: 1992/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Ofloxacin (OFLX) の活性本体であるlevofloxacin (LVFX) の複雑性尿路感染症に対する有用性を客観的に評価する目的で, OFLXを対照薬とした二重盲検比較試験を全国52施設において実施した。
    対象疾患は複雑性尿路感染症, 患者条件はUTI薬効評価基準により定められた条件とし, 入院・外来別, カテーテル留置の有無は問わないこととした。
    LVFXは1日300mg, OFLXは600mgを, いずれも分3にて5日間投薬した後, UTI薬効評価基準に従って臨床効果を判定した。
    総投与症例327例中, 除外・脱落の66例を除くLVFXの135例, OFLXの126例を有効性の評価対象としたが, これらの症例の背景因子には有意差を認めなかった。
    総合有効率はLVFX群で83.7%, OFLX群で79.4%と両群間に有意差を認めず, 疾患病態群毎の比較でも有意差を認めなかった。
    細菌消失率はLVFX群で200株中87.5%, OFLX群で191株中84.8%とやはり有意差を認めず, 菌種毎の比較でも有意差を認めなかった。
    副作用はLVFX群の162例では1例も認めず, OFLX群の162例では8例 (4.9%) に認められ, この間に有意差が認められた。臨床検査の異常値発現率はLVFX群で2.8%, OFLX群では4.3%と有意差を認めず, 概括安全度における「ほぼ安全である」以上の安全率はLVFX群で100%と, OFLX群の93.6%より有意に高かった。
    有効性と安全性を勘案して判定した有用性は, LVFX群において若干高いものの, 有意差は認めなかった。
    これらの成績からLVFXは, 複雑性尿路感染症に対してOFLXの半量で同等の有効性を示し, 半量にすることにより安全性はより高まるものと考えられた。したがってLVFXは複雑性尿路感染症の治療において有用性の高い薬剤であると結論した。
  • 河田 幸道, 村上 信乃, 阿曾 佳郎, 町田 豊平, 斎藤 功, 石橋 晃, 河村 信夫, 大越 正秋, 鈴木 恵三, 河邊 香月, 久住 ...
    1992 年 40 巻 Supplement3 号 p. 249-269
    発行日: 1992/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Ofloxacinの一方の光学活性体であるlevofloxacin (LVFX, DR-3355) の泌尿器科領域における各種尿路・性器感染症に対する臨床効果および安全性を多施設共同研究により検討した。
    LVFXの1日投薬量は, 100mg~600mgとし, 3~14日間経口投薬したが, 1日300mg (分3) 投薬が最も多かった。
    主治医判定の全疾患に対する有効率は86.7%(448/517) であった。また, UTI薬効評価基準による有効率および原因菌の消失率は, 単純性尿路感染症で100%(61/61) および100%(67/67), 複雑性尿路感染症で85.9%(110/128) および90%(144/160), 淋菌性尿道炎で100%(28/28) および100%(28/28), 非淋菌性クラミジア性尿道炎で100%(59/59) および100%(59/59) であった。
    副作用発現率は530例中2.8%に認められた。また臨床検査値の異常変動は322例中5.6%に認められたが, いずれにおいても臨床上特に問題になるものはなかった。
    以上の成績からLVFXは泌尿器科領域の各種尿路・性器感染症の治療において有用性の高い薬剤であると考えられた。
  • 由良 二郎他
    1992 年 40 巻 Supplement3 号 p. 270-285
    発行日: 1992/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたキノロン系経口抗菌剤levofloxacin (LVFX, DR-3355) の外科領域感染症に対する臨床評価を目的として, 全国12基幹施設とその関連施設による共同研究を実施し, 以下の成績を得た。LVFXは300mg分3, 3~10日間投与を中心に292例に投与された。除外・脱落25例を除いた267例が臨床効果判定対象症例であり, 浅在性化膿性疾患116例, 乳腺炎15例, 肛門周囲膿瘍23例,(表在性) 二次感染99例 (手術創37例, 外傷40例, 熱傷22例), 胆嚢炎・胆管炎6例, 感染性褥瘡2例, その他6例であった。
    臨床効果は, 浅在性化膿性疾患84.5%, 乳腺炎66.7%, 肛門周囲膿瘍95.7%, 二次感染74.7%(手術創62.2%, 外傷85.0%, 熱傷77.3%), 胆嚢炎・胆管炎83.3%の有効率であり, 全体で80.1%であった。投与開始前菌分離症例 (有菌例) 211症例における臨床効果は81.5%の有効率であった。有菌例のうち菌の消長を検討し得た184例中159例, 86.4%で投与前分離菌が消失し, 陰性化率 (「消失」例のみの比率) は83.7%であった。これら有菌例より分離された277株の菌消失率は, Staphylococcus aureus 88.2%(60/68株), coagulasenegative staphylococci 89.1%(49/55株), Streptococcus spp. 88.9%(16/18株), Enterococcus spp. 73.7%(14/19株), Escherichia coli 100%(18/18株), Pseudomonas aeruginosa 40.0%(2/5株), Peptostreptococcus spp. 90.5%(19/21株), Bacteroides spp. 83.3%(5/6株) などであり, 全体で89.2%であった。これら分離菌に対するLVFXの抗菌活性は, 嫌気性菌を含む広域スペクトルを示し, ciprofloxacinとほぼ同等ないしはそれ以上であった。またLVFXの抗菌活性は, ofloxacinのほぼ2倍であった。安全性に関しては, 評価対象275例中6例に消化器症状を主とする軽度で一過性の副作用が認められた。また臨床検査値異常変動が4例でみられ (白血球数増多, 好酸球増多, s-GOT上昇・LDH上昇, s-GPT上昇), いずれも軽度であった。
    以上の成績から, LVFXは外科領域感染症に有用性の高い薬剤であると考えられた。
  • 高橋 久他
    1992 年 40 巻 Supplement3 号 p. 286-305
    発行日: 1992/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Ofloxacin (OFLX) の一方の光学異性体l体であるlevofloxacin (LVFX, DR-3355) の1) ヒト皮膚組織への移行および2) 皮膚科領域感染症に対する有用性と3) 細菌学的効果について検討した。
    1) 39例について本剤200mg単回経口投与後の皮膚組織および血清中濃度を測定した。皮膚組織中濃度は0.00~8.49μg/g, 血清中濃度は0.14~3.86μg/mlであり, 組織中濃度/血清中濃度比は平均114.1%と良好な移行性を示した。
    2) 最終全般改善度の疾患群別の有効率 (改善以上) は第1群78.9%(56/71), 第II群93.4%(71/76), 第III群100%(17/17), 第IV群96.7%(58/60), 第V群94.0%(94/100), 第VI群88.5%(46/52) であった。
    3) 細菌学的効果判定採用257例の陰性化率は, 全体で83.7%(215/257) であった。また投与前全分離菌380株に対するLVFXおよびOFLXのMICを測定したが, LVFXの全分離菌およびS. aurems (134株) に対するMIC80は0.78, 0.39μg/mlであり, OFLXの1/2であった。
    4) 副作用は消化器症状を中心に422例中9例 (2.1%), 臨床検査値異常変動は301例中15例 (5.0%) において合計21件観察されたが, いずれも一過性のものであった。
    以上の成績より, LVFXは皮膚組織への移行性が非常に良好であり, 皮膚科領域において, OFLXの常用量の半量で有効かつ安全であり, 有用な薬剤であることが示された。
  • 伊藤 邦彦, 三鴨 廣繁, 和泉 孝治, 玉舎 輝彦, 廣瀬 玲子, 山田 新尚
    1992 年 40 巻 Supplement3 号 p. 306-310
    発行日: 1992/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    ラセミ体であるofloxacin (OFLX) の一方の光学異性体, S (-) 体であるlevofloxacin (LVFX, DR-3355) の婦人性器組織への移行性を検討した。LVFX200mg (100mg錠2錠) を腹式単純子宮全摘出術施行42症例 (平均46歳) に服用させ, 術中に肘静脈血, 子宮動脈血, 子宮および子宮付属器組織を採取した。 各組織中の薬物濃度は高速液体クロマトグラフィー (HPLC) 法により測定した。その結果, 血清中濃度は投与3時間後に2.3μg/mlのピーク値を示した。子宮膣部および頸部, 子宮底部筋層, 子宮内膜, 卵巣および卵管の組織中濃度は, 血清中濃度より高く, ピーク値は投与約3時間後に2.5~3.5μg/gの範囲にあった。血清および卵管組織中での濃度半減期 (T1/2) は約3時間であるのに対し, 子宮膣部および頸部, 子宮底部筋層, 子宮内膜, 卵巣のT1/2は, 3.5~4.4時間であった。AUCは, 子宮底部筋層, 子宮内膜, 卵巣でより高かった。以上, LVFXは婦人性器組織に速やかに移行し, 血清中濃度より高い性器組織中濃度が得られた。
  • 松田 静治他
    1992 年 40 巻 Supplement3 号 p. 311-325
    発行日: 1992/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    経口ニューキノロン系抗菌剤levofloxacin (LVFX, DR-3355) の産婦人科領域感染症に対する有効性, 安全性および有用性を全国61施設の共同研究により検討した。
    対象疾患は子宮内感染, 子宮付属器炎, バルトリン腺炎・膿瘍, 子宮頸管炎および乳腺炎とし, 投与は1日標準量として, LVFX200mg (分2)~300mg (分3) 7日間連続投与を原則とし, 以下の成績を得た。
    1) 総投与症例は290例であり, 小委員会により, 有効性解析対象とされた症例は, 除外・脱落例93例を除く, 197例であった。
    2) 臨床効果: 著効, 有効を合わせた有効率は小委員会判定ならびに主治医判定共に93.4%(184/197) であった。
    3) 細菌学的効果: 小委員会による細菌学的効果判定症例は116例であり, その陰性化率は88.8%(103/116) であった。
    4) 安全性: 副作用は278例中6例 (2.2%) に認められ, また, 臨床検査値異常変動は245例中3例 (1.2%) に認められたが, いずれの症状も軽度, 一過性であった。
    5) 有用性: 極めて有用41例, 有用145例, やや有用8例, 有用でない6例であり, 極めて有用と有用を合わせた有用率は93.0%(186/200) であった。
    以上の成績より, LVFXは産婦人科領域感染症のうち, 子宮内感染, 子宮付属器炎, バルトリン腺炎・膿瘍, 子宮頸管炎, 乳腺炎に対して, 臨床的に有用性の高い薬剤であると考えられた。
  • 馬場 駿吉, 宮本 直哉他
    1992 年 40 巻 Supplement3 号 p. 326-333
    発行日: 1992/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいニューキノロン剤levofloxacin (LVFX, DR-3355) の耳鼻咽喉科領域における各種組織内および分泌物中への移行性について検討した。 すなわち, 耳鼻咽喉科疾患患者131例に対して本剤100mgおよび200mgを単回経口投与し, 中耳鼓室粘膜, 上顎洞粘膜, 口蓋扁桃, 唾液腺, その他の耳鼻咽喉組織および耳漏, 膿性貯留液ならびに血清を採取した。薬剤濃度は, 高速液体クロマトグラフィー (HPLC) またはペーパーディスク法により測定した。
    100mgおよび200mg投与後, 血清中濃度は5および3時間後にそれぞれ最高値0.77μg/mlおよび2.86μg/mlに到達し, 8および9時間後までそれぞれ0.42μg/mlおよび0.86μg/ml以上の濃度が持続した。
    耳漏中へは100mg投与2時間後に平均0.54μg/mlの濃度移行が認められた。また100mg投与1および2時間後, 中耳鼓室粘膜内の平均濃度はそれぞれ0.04μg/gおよび0.85μg/gであり, その濃度は血清中濃度の0.24および0.49倍に相当した。
    100mg投与1~8時間後の上顎洞粘膜内平均濃度は血清中濃度の1.11~1.93倍であり, 4時間後に最高値1.06μg/gを示した。
    口蓋扁桃内へは血清中濃度の2倍近い濃度移行が認められ, 100mgおよび200mg投与後の最高平均濃度はそれぞれ2時間後1.51μg/gおよび3時間後5.91μg/gであった。また投与6時間後までそれぞれ1.09μg/gおよび2.49μg/gの濃度が持続していた。唾液腺内には100mg投与2~8時間後に血清中濃度と同等かやや高い平均濃度が認められた。
    以上より, 本剤は耳鼻咽喉組織に良好な移行性を有しており, 本領域における感染症の治療に有用な薬剤であることが裏付けられた。
  • 石井 哲夫他
    1992 年 40 巻 Supplement3 号 p. 334-351
    発行日: 1992/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    ラセミ体であるofloxacin (OFLX) の一方の光学異性体l体であるlevofloxacin (LVFX, DR-3355) の中耳炎および外耳炎に対する一般臨床試験を多施設共同により実施した。
    LVFXの1日投与量は300mg (分3) を中心に, 200mg (分2) から600mg (分3) とし, 3~14 日間経口投与することとした。
    LVFX投与開始前に中耳あるいは外耳道分泌物より分離された菌株197株に対するLVFXのMICは概ねOFLXに比し1管優れ, LVFXのMIC90は1.56μg/ml, OFLXは3.13μg/mlであった。
    臨床効果は, 中耳炎では著効52例, 有効59例, やや有効26例, 無効13例で, 著効, 有効を合わせた有効率は74.0%, 外耳炎では著効10例, 有効13例, やや有効4例, 無効3例で有効率は76.7%であった。
    細菌学的効果についてみると除菌率は, 中耳炎では80.2%(85/106), 外耳炎では84.6%(22/27) であった。
    副作用は198例中6例 (3.0%) に認められたが, いずれも消化器症状で重篤なものはなかった。また, 臨床検査値異常は, 赤血球数減少・GPT上昇, 白血球数減少およびリンパ球減少が各1例に認められたが, いずれも軽微なもので特に問題とされるものはなかった。
    以上の成績から, LVFXは中耳炎および外耳炎に対し, 有用な薬剤であると考えられた。
  • 大山 勝他
    1992 年 40 巻 Supplement3 号 p. 352-364
    発行日: 1992/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    扁桃炎, 咽喉桃炎, 化膿性唾液腺炎に対するlevofloxacin (LVFX, DR-3355) の臨床的検討を行い, 以下の成績を得た。
    1) 有効率は, 扁桃炎で91.7%(55/60), 扁桃周囲炎 (膿瘍) 100%(3/3), 咽喉頭炎78.6%(11/14), 化膿性唾液腺炎81.8%(9/11) であった。
    2) 分離菌の消失率は, 単独菌感染例で100%(58/58), 複数菌感染例では86.7%(13/15) であった。
    3) 副作用は103例中6例 (5.8%, 主として上部消化器症状) に認められたが, 何れも軽度であった。臨床検査値異常として軽度のGOT上昇1件, GPT上昇2件が認められた。
    以上の成績から, LVFXは扁桃炎, 咽喉頭炎, 化膿性唾液腺炎に対して安全で, かつ有用性の高い薬剤であると考えた。
  • 馬場 駿吉他
    1992 年 40 巻 Supplement3 号 p. 365-378
    発行日: 1992/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    副鼻腔炎患者74例を対象に, levofloxacin (LVFX, DR-3355) 1日300mg分3を中心投与量として一般臨床試験を行い, 以下の成績を得た。
    1. 臨床効果判定をなし得た68例に対する担当医判定による有効率は76.5%(52/68) であった。
    2. X線所見の改善度について検討し得た45例に対する改善率は60.0%(27/45) であった。
    3. 症例別細菌学的効果はグラム陽性菌単独感染例93.3%(14/15), グラム陰性菌単独感染例92.3%(12/13), 嫌気性菌単独感染例100%(4/4) の消失率であった。一方, 複数菌感染例については58.3%(7/12) の消失率であった。
    4. 臨床分離株に対するLVFXのMIC値は≦0.05~12.5μg/mlに分布し, ofloxacin, ciprofloxacinに比し, 概ね1管優れていた。
    5. 副作用は73例中2例 (2.8%) に認められた (下痢1例, 頭重感1例) が, 何れも重篤なものではなかった。臨床検査値異常変動としてはGPT上昇2件, 総ビリルビン上昇1件およびK上昇1件認められたが, 何れも軽度であった。
    以上の成績から, LVFXは副鼻腔炎に対して高い有用性を持つ薬剤であると考えられた。
  • 佐々木 次郎他
    1992 年 40 巻 Supplement3 号 p. 379-391
    発行日: 1992/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    ニューキノロン系抗菌剤levofloxacin (LVFX, DR-3355) はラセミ体であるofloxacin (OFLX) の一方の光学異性体S-(-)-体であり, OFLXの約2倍の抗菌力を有する。歯科・口腔外科領域感染症の歯周組織炎 (72例), 歯冠周囲炎 (48例), 顎炎 (83例) の患者を対象に, LVFXをOFLXの通常用量のほぼ半量に相当する1日200~300mgで3~14日間治療し, 有効性, 安全性を検討した結果, 以下の成績を得た。
    1) 臨床効果については, 担当医による主観的判定では83.3%(169/203例), 「歯科・口腔外科領域における抗生物質の効果判定基準」による3日後点数判定では84.2%(171/203例) の有効率が得られた。
    2) 93例の患者の病巣から162株の細菌が分離され, その内訳は好気性菌79株 (48.8%), 嫌気性菌83株 (51.2%) であった。細菌学的効果については87.1%(81/93例) の消失率が得られた。
    3) 副作用は8例 (3.6%) に認められたが, いずれも重篤なものはなく, また, 臨床検査値悪化も5例 (3.9%) に認められたが, いずれも軽度であった。
    以上の成績より, LVFXは歯科・口腔外科領域感染症に対し1日200~300mg投与で優れた治療効果を示し, 安全性にも問題が認められなかったことから, 本領域の感染症の治療に有用な薬剤であると考えられた。
feedback
Top