新規の経口セフェム系抗菌薬であるcefditoren pivoxilの浅在性化膿性疾患に対する有効性および安全性を検討した。対象患者は第1群の毛のう炎42例, 尋常性毛瘡1例, 第ln群の伝染性膿痂疹10例, 第V群の皮下膿瘍12例, 化膿性汗腺炎3例, 感染性粉瘤30例, 慢性膿皮症2例, 第VI群の二次感染48例であった。薬剤は原則として1回100または200 を1日3回, 3~10日間投与した (原則として第1群, 第III群および第VI群は7日間, 第V群は10日間投与とした)。疾患群別の臨床効果は第1群では著効17例, 有効18例, やや有効3例, 無効5例で, 有効率 (有効以上) 81.4%, 第III群では著効7例, 有効2例, やや有効1例で, 有効率90.0%, 第V群では著効22例, 有効17例, やや有効5例, 無効3例で有効率83.0%, および第VI群では著効17例, 有効19例, やや有効7例, 無効5例で有効率75.0%であった。つの疾患群をあわせた有効率は80.4%(119/148) であった。細菌学的効果は108株中93株が消失し, 消失率は86.1%であった。副作用は解析対象症例159例中9例 (5.7%) に認められたが, 主に消化器症状であった。臨床検査値異常変動の発現は127例中13例 (10.2%) に認められたが, 臨床上特に問題となるものはなかった。
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