当院微生物検査室において, 1992年1月から1993年6月までの18か月間に分離した緑膿菌に対し血清型別を実施し, 材料, 診療科について血清型別の分離頻度を検討した。さらに, 分離頻度の高かった血清型の緑膿菌100株について, piperacillin (PIPC), cefsulodin (CFS), ceftazidime (CAZ), cefoperazone (CPZ), cefclidin (CFCL), aztreonam (AZT), carumonam (CRMN), imipenem (IPM), tobramycin (TOB), amikacin (AMK), gentamicin (GM), minocycline (MINO), onoxacin (OFLX), cipronoxacin (CPFX), fosfomycin (FOM) の15剤について微量液体希釈法より薬剤感受性測定を実施し, これらのMIC値を, MIC
80, 材料別, 診療科別, および血清型別に比較検討した。
1. 血清型別分離頻度はG型, E型, B型, I型, A型, 型別不能株, M型, F型, H型, D型, C型, K型の順に高かった。材料別においては, 入院患者では喀痰・咽頭材料から, 外来患者では膿・分泌物・創部材料からの分離頻度が高く, また診療科別においては, 入院では腹腔外科病棟から, 外来では耳鼻咽喉科からの分離頻度が高かった。
2. 全100株のMIC
80は, CPFX>CFCL, IPM, TOB>GM, OFLX, CAZ>CFS>CRMN, MINO, AZT, PIPC, AMK>CPZ>FOMの順に優れていた。CPFXのMIC
80値は2μg/ml, CFCL, IPM, TOBのMIC
80値は4μg/mlと低値を示した。
3. NCCLSの判定基準による各薬剤の感受性率は, CFCLで97.0%, IPMで91.0%, TOBで90.0%が感受性を示し, 以下PIPC, CAZ, CPFX, GM, AMK, CPZ, CRMN, AZT, OFLX, CFS, MINO, FOMの順に優れた結果が得られた。
抄録全体を表示