日本化学療法学会雑誌
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43 巻 , 1 号
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  • 生方 公子, 杉浦 睦, 長岡 信彦, 蓮見 直彦, 花谷 勇治, 小平 進, 紺野 昌俊
    1995 年 43 巻 1 号 p. 1-11
    発行日: 1995/01/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    40例の消化器系手術患者を対象として, 手術の前後における鼻腔, 咽頭および糞便の細菌検査を行い, 次のような結果を得た。
    1) 症例の内訳は, 直腸癌と結腸癌があわせて20例, 胃癌が11例, 食道癌5例, その他が4例であった。食道癌と胃癌の症例では, 2例の例外を除いて, 術前には抗菌薬は投与されていなかった。腸管系の手術前には, kanamycinとmetronidazoleが投与されていた。
    2) 術後に投与された抗菌薬では, cefazollnが28例ともっとも多く, 次いでHomoxefが8例, cefotiamが2例, cefmetazoleが2例であった。
    3) 術前と術後における鼻腔と咽頭からのMRSAの検出率は, 前者で3例から8例, 後者で2例から13例へと明らかに増加していた。103CFU/ml以上の菌が検出された6例では鼻腔と咽頭の両方からmethicillin-resistant Staphylococcus. aureus (MRSA) が検出されていた。これらのMRSA陽性例では, 胃チューブ抜去後もMRSAは残存したままであった。
    4) 術前に鼻腔や咽頭からMSSAが検出された症例では, 術後に抗菌薬が投与されると, 菌は消失する例が多かった。
    5) 術前に鼻腔や咽頭からグラム陰性桿菌が検出された症例は少なかったが, 抗菌薬が投与された術後になると, これらの細菌は高率に検出された。特に, Klebsiella属, Enterobacter属, Pseudomonas属, Acinetobacter属の検出率が高かった。胃チューブ抜去後もこれらの菌は残存していた。
    6) 術後感染を生じた症例は8例認められた。発症の時期は, 1例を除いて術後5日目以降であった。起炎菌として推定あるいは確定された菌は, MRSAとPseudomonas aeruginosaが主であった。これらの菌は, 術後3日目の咽頭より検出されていることが注目された。
    上述の成績から, 術前・術後に鼻腔や咽頭の細菌検査 (監視培養) を行うことは, 術後感染予防のために有益なことと考えられた。
  • 佐々木 緊, 長野 馨, 木村 美司, 地主 豊, 永田 弘, 魚谷 幸一, 東山 伊佐夫
    1995 年 43 巻 1 号 p. 12-26
    発行日: 1995/01/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    主に1992年に全国18施設において分離された種々の菌株, 16菌種1, 386株に対する各種抗菌薬39種類のMICを寒天平板希釈法で測定し抗歯力の比較等の検討を行った。
    1. Staphylococcus aureus のなかでメチシリン耐性 S. aureus (MRSA) の古める割合は58.1%に達し, これらMRSAに対し抗菌力の強い抗菌薬はvancomycin (VCM), arbekacin (ABK) であり, それぞれのMIC90は0, 78, 1.56μg/mlであった。Streptococcus pneumoniae に対してはβ-ラクタム薬は全般的に抗菌力は強く, なかでも cefuzonam (CZON), cefpirome (CPR) およびカルバペネム薬のMIC90は0.39μg/ml以下であった。またペニシリン耐性S. pneumoniae は37.0%認められた。Enterococcus faecalis に対してはampicillin (ABPC), imipenem (IPM) およびVCMが強い抗菌力を示し, MIC90は3.13μg/ml以下であった。Escherichia coli および Klebsiella pneumoniae に対しセフェム薬, カルバペネム薬, キノロン薬は全般的に強い抗菌力を有し, これら全供試薬のMIC90は3.13μg/ml以下であった。Haemophilus influenzae に対しては大半のセフェム薬, カルバペネム薬, キノロン薬は抗菌力が強く, 特にciprofloxacin (CPFX) はMIC90が0.013μg/mlともっとも強かった。またABPC耐性株は10%認められた。Pseudomonas aeruginosa に対してはカルバペネム薬がもっとも強い抗菌力 (MIC90≦6.25) を示した。またceftazidime (CAZ) 耐性株, IPM耐性株は, それぞれ29.1%, 8.7%認められ, キノロン耐性株も16.5~33.0%みられた。
    2.MRSAを寒天平板希釈法によるMIC値から判定する場合の使用薬剤はoxacillin (MPIPC), flomoxef (FMOX) が適当と判断された。
    3. Staphylococcus epidermidis の中でmecA遺伝子をつ株は73.4%含まれており, このmecA遺伝子の有無とMPIPC感受性とは良く一致していた。
  • 全国規模におけるprospective study
    島田 馨, 鈴木 修二, 砂川 慶介, 安田 正俊, 小原 賢治, 西川 隆, 伊藤 昌男
    1995 年 43 巻 1 号 p. 27-40
    発行日: 1995/01/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Cefaclor (CCL) 使用例におけるアナフィラキシー・ショック, 発疹などの過敏症状およびその他重篤な副作用の発現頻度を正確に把握する目的で, 全国規模においてprospective studyを実施した。目標調査対象症例数は, 統計学的に算出した標本サイズ106, 447とし, CCLの販売実績を反映するように, 地域, 施設の規模, 診療科などを考慮して分配した。調査期間は各施設毎にあらかじめ固定し, その間に来院した患者のうちCCLの投与が意図された全症例を調査の対象とした。その結果, 次の成績を得た。
    1. 収集症例は, 全国904施設においてCCLの投与が意図された108, 549例であり, アレルギー歴などについて十分な問診の結果CCLが投与された症例は108, 276例であった。
    2. 副作用発現率は, 全体で0.211%(228例/108, 276例) であり, 種類別には, アナフィラキシー・ショックが0.001%(1件), 発疹などの過敏症状が0.103%(112件), 消化器症状が0.095%(103件), 肝機能異常が0.007%(8件), その他が0.011%(12件) であった。発現した副作用症状の程度はほとんどが軽度または中等度であり, 1例のアナフィラキシー・ショック以外に重篤な副作用は認められなかった。
    3. 副作用発現率は, 小児より成人で, 男性より女性で高く, 特に30歳代の女性で高かった。また, 基礎疾患・合併症「ありまの症例, 本人にアレルギー既往歴「あり」の症例で高く, 特に本人に薬物アレルギーの既往歴「あり」の症例で高かった。さらに, 細粒剤よりカプセル剤使用例で, また併用薬「あり」の症例で高かった。
    4. 改善率 (有効性) は85.3%であり, 有用率は89.8%であった。剤形別改善率および有用率は, ほぼ同程度であった。
    以上より, CCLなど抗生物質の投与に際しては, 本人および家族のアレルギー既往等に関する問診の重要性が改めて認識された。また今回のようなprospective studyは, 副作用発現頻度を適正に把握するのに有用な方法であると考えられた。
  • 松本 文夫他
    1995 年 43 巻 1 号 p. 41-62
    発行日: 1995/01/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいカルバペネム系注射用抗菌薬biapenem (BIPM) の細菌性肺炎に対する有効性, 安全性および有用性を検討するため, imipenem/cilastatin (IPMICS) を対照薬として, 比較試験を実施した。投与量はBIPMは1回300mg (力価) を1日2回, IPM/CSは1回500mg (力価)/500mgを1日2回いずれも点滴静注にて原則として14日間投与し, 以下の成績を得た。
    1. 総投与症例183例中, 臨床効果判定可能な症例146例の有効率は, BIPM群94, 8%(73/77), IPMのCS群92.8%(64/69) であった。
    2. 細菌学的効果 (菌消失率) は, BIPM群90.9%(20/22), IPM/CS群93.1%(27/29) であった。
    3. 副作用の発現率は, BIPM群3.4%(3の89), IPMのCS群3.6%(3/83) であった。臨床検査値異常変動の発現率は, BIPM群29.5%(26の88), IPM/CS群25.6%(20の78) であった。
    4. 有用性 (有用率) は, BIPM群94.8%(73の77), IPMのCS群88.6%(62/70) であった。
    以上の検討項目のすべてにおいて, BIPMは300mg (力価) ×2の日の投与量で, IPMのCSの500mg (力価) の500mg×2/日と有意差がみられない成績が得られた。したがって, BIPMは細菌性肺炎に対して臨床的有用性の高い薬剤であることが示唆された。
  • 松本 文夫他
    1995 年 43 巻 1 号 p. 63-84
    発行日: 1995/01/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいカルバペネム系注射用抗菌薬biapenem (BIPM) の慢性気道感染症に対する有効性, 安全性および有用性を検討するため, imipenem/cilastatin (IPM/CS) を対照薬として, 比較試験を実施した。投与量はBIPMは1回300mg (力価) を1日2回, IPM/CSは11回500mg (力価)/500mgを1日2回いずれも点滴静注にて原則として14日間投与し, 以下の成績を得た。
    1. 総投与症例203例中, 臨床効果判定可能な症例185例の有効率は, BIPM群90.3%(84/93), IPM/CS群83.7%(77/92) であった。
    2. 細菌学的効果 (菌消失率) は, BIPM群70.9%(39/55), IPM/CS群66.7%(34/51) であった。
    3. 副作用の発現率は, BIPM群2.1%(2/95), IPM/CS群4.1%(4/98) であった。臨床検査値異常変動の発現率は, BIPM群20.9%(19/91), IPM/CS群21.1%(19/90) であった。
    4. 有用性 (有用率) は, BIPM群90, 3%(84/93), IPM/CS群81.7%(76/93) であった。
    以上の検討項目のすべてにおいて, BIPMは300mg (力価) ×2/日群の投与量で, IPM/CSの500mg (力価)/500mg×2/日群と有意差がみられない成績が得られた。したがって, BIPMは慢性気道感染症に対して, 臨床的有用性の高い薬剤であることが示唆された。
  • 横尾 大輔
    1995 年 43 巻 1 号 p. 85-88
    発行日: 1995/01/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    女子急性単純性膀胱炎に対するciprofloxacinの1日療法 (CPFX群) の有用性を検討するため, 経口セフェム薬の3日間療法 (CEPs群) との臨床比較試験を実施した。その結果, UTI薬効評価基準判定における有効率は, CPFX群が85.7%(42/49), CEPs群が93.2%(41/44) で両群に有意な差は認められなかったことより, CPFXの1日療法はセフェム薬による3日間療法と同等の有効性が期待できることが確認された。さらに経済性をも勘案すると, CPFXの1日療法は女子急性単純性膀胱炎の治療薬として有用と考えられる。1~2週間の休薬後の判定で, 両群において少数例ではあるが無効例が認められた。これらの症例はすべて投与終了翌日の膿尿に改善が認められなかった。一方, 投与終了翌日に排尿痛や細菌尿の改善が認められなくとも膿尿に改善傾向が認められた症例では1~2週後にはほぼ治癒していた。以上より投与終了翌日に膿尿の改善が得られない症例では追加投与が必要と考えられた。
  • 渡辺 豊彦他
    1995 年 43 巻 1 号 p. 89-95
    発行日: 1995/01/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Carindacillin (CIPC) はcarbenicillin (CBPC) のエステル型誘導体で経口投与により腸管から吸収され, 体内ではCBPCとなり作用する。今回我々は緑膿菌性尿路感染症に対するCIPCの基礎的・臨床的再評価を行った。1983年-1991年の間に分離された尿路感染症由来緑膿菌235株に対し, MIC測定用broth中および人工尿中でのCBPC, norfloxacin (NFLX), ofloxacin (OFLX) のMICを測定し, 年次的に比較検討した。また, 緑膿菌性尿路感染症に対し, 本剤500mgを1日4回, 7日間経口投与し, 主治医判定ならびにUTI判定にて検討した。また, 分離されたPseudomonas aeruginosaに対する本剤のMICを測定し, OFLXと比較検討した。CBPCの尿路感染症由来緑膿菌235株に対するMIC70は400μg/mlと, NFLX, OFLXの100μg/mlに比しかなりの高値を示したが, 年次的にMICの推移をみると, NFLX, OFLXでは急速な耐性化の傾向がみられるが, CBPCでは耐性化の傾向は認められなかった。NFLX, OFLXでは, 尿中での抗菌力の明らかな低下がみられるのに対し, CBPCでは尿中での抗菌力の低下は軽度であった。臨床的検討における, 解析対象例は21例であり, UTI判定では著効5例, 有効8例, 無効8例, 総合有効率は61.9%であった。細菌学的効果では, 投与前分離緑膿菌21株のうち12株が除菌された。投与前分離緑膿菌に対する本剤のMICは6.25-<1, 600μg/mlの間に分布し, OFLXに比し高値を示した。MIC高値にもかかわらず61.9%と高い有効率が得られたのは, 本剤の投与量1回500mg, 1日4回であり, 高い尿中濃度が維持されること, また, ニューキノロン薬と比較して, 尿中での抗菌力の低下が軽度であることがその理由として考えられた。以上より, 緑膿菌性尿路感染症に対してのCIPCの有用性を再確認するとともにニューキノロン薬との併用の可能性も示唆された。
  • 1995 年 43 巻 1 号 p. 96-139
    発行日: 1995/01/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
  • 1995 年 43 巻 1 号 p. 139-161
    発行日: 1995/01/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
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