新しい注射用セフェム系抗生物質cefoselis (FKO37: 以下FK) の細菌性肺炎に対する有効性, 安全性および有用性を, ceftazidime (以下CAZ) を対照薬として比較検討した。FKおよびCAZの投与量はともに1回1.0g (力価) を, 1日2回, 原則として14日間点滴静注し, 以下の成績を得た。
1. 総登録症例186例中臨床効果判定可能例数146例の有効率は, FK群92.3% (72/78), CAZ群91.2% (62/68) であった。
2. 細菌学的効果 (菌消失率) は, FK群100% (21/21), CAZ群96.4% (27/28) であった。
3. 副作用発現率はFK群3.3% (3/90), CAZ群3.4% (3/88) であり, 臨床検査値異常変動の出現率はFK群20.0% (18/90), CAZ群18.3% (15/82) であった。また, 概括安全度 (安全率) はFK群78.9% (71/90), CAZ群81.7% (67/82) であった。
4. 有用性 (有用率) はFK群89.7%(70/78), CAZ群88.1% (59/67) であった。
以上, FK群, CAZ群の両群間に有意差はみられず, cefoselisは細菌性肺炎に対してceftazidimeと同等の臨床的有用性を有することが示唆された。
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