日本化学療法学会雑誌
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43 巻 , 5 号
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  • 高橋 洋, 庄司 聡, 菊地 宏明, 渡辺 彰, 貫和 敏博, 本田 芳宏, 徳江 豊
    1995 年 43 巻 5 号 p. 515-519
    発行日: 1995/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    黄色ブドウ球菌のニューキノロン薬耐性機構の重要な一つであるGyrA蛋白変異について臨床分離株における分布を検討した。1992年度の東北地方における黄色ブドウ球菌臨床分離株110株に関してpolymerase chain reaction (PCR) および制限酵素Hinf I処理を用いて, GyrA蛋白のserine-84部位 (Ser-84) におけるpointmutationの有無を間接的に検討した。その結果,(1) ofloxacin (OFLX) のMICが2μg/ml以下の感受性株にはSer-84変異は存在せず, 逆に16μg/ml以上の中等度~高度耐性株は全株がSer-84変異株であった。MICが4μg/mlから8μg/mlの範囲には変異株と少数の変異のない株が混在しており境界領域と考えられた。(2) OFLX以外の8種類のニューキノロン薬での変異株と変異のない株との分布はいずれもOFLXの場合と類似したが, その境界領域の値はそれぞれの薬剤で異なっていた。(3) メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) とメチシリン感受性黄色ブドウ球菌 (MSSA) およびmecA遺伝子保有MSSAの3群に分けてこの変異の有無を比較しても特別な分布差は認められず, Ser-84変異の有無とメチシリン耐性度, あるいはmecA遺伝子の有無との間には本質的に関連はないものと考えられた。
  • 窪田 好史, 二木 芳人, 中島 正光, 副島 林造, 中田 勝久
    1995 年 43 巻 5 号 p. 520-524
    発行日: 1995/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規ニューキノロン薬の各種クラミジアに対するin vitro抗菌活性とin vivo治療効果について検討した。標準菌株Chlamydia pneumoniae (TW-183), Chlamydia tmchomtis (D/UW-3/Cx), Chlamydia psittaci (Budgerigar) に対する各種ニューキノロン薬, sparfloxacin (SPFX), tosunoxacin (TFLX), onoxacin (OFLX), cipronoxacin (CPFX), DU-6859 a, AM-1155ならびにminocyline (MINO), clarithromycin (CAM) のMICを測定した。SPFX, DU-6859 a, AM-1155の各種クラミジアに対するMICはいずれも0.063μg/mlで既存のOFLX (0.5μg/ml), CPFX (0.5~1μg/ml) などに比べ明らかに優るものであった。マウスにC. psittaciを105 inclusion-fomingunits点鼻接種し肺炎を惹起させ, 菌接種24時間後よりSPFX, TFLX, OFLX, CPFX, MINO, CAMならびにDU-6859 a, AM-1155の各薬剤を1回1.25, 2.5および5mg/kgのいずれかあるいは全濃度で1日2回7日間投与し各々の治療効果を検討した。SPFXは1.25, 2.5mg/kg投与で21日目の生存率が各々75%, 100%を示しMINOと同等の治療効果であり, クラミジア感染に対しての臨床的効果が期待できる薬剤の1つであると考えられた。
  • 抗緑膿菌用β-lactam系薬剤のMIC測定
    中埜 茂子, 福田 さえ子, 田沢 節子, 丸茂 健治, 中村 良子
    1995 年 43 巻 5 号 p. 525-530
    発行日: 1995/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    昭和大学藤が丘病院における臨床分離株 (1992年4月~1993年11月, 188株) に対する0抗原血清型別と抗緑膿菌β-lactam系薬剤のMIC分布を疫学的に解析し, 以下の成績を得た。
    1. 全分離株中79株 (42%) は呼吸器由来検体, 55株 (29%) は尿由来検体, 38株 (20%) は膿由来検体であった。これらのほとんどは, 救命救急センター, 泌尿器, 外科, 消化器および呼吸器内科の病棟で分離された。
    2. 全分離株中55株 (29%) はE型で, 34株 (18%) はG型, 19株 (10%) はA型であった。これらの値は, 分離された他の血清型よりも高かった。なお, 血清型JとLはまったく分離されなかった。
    3. Carbapenem系薬剤のimipenem, panipenem, meropenem, biapenemのMIC50は0.39から1.56μg/mlであった。cefclidinのMIC50とMIC90はそれぞれ0.39と25μg/ml, ceftazidimeのそれは1.56と12.5μg/mlであった。これらの抗菌剤は, 検討した分離株に対してcefotaxime, latamoxef, cefoperazone, cefsulodin, aztreonam, piperacillin, ticarcillinの値よりもより高い抗菌活性を示していた。
    4. 全分離株中, 10株 (5%) のみがcarbapenem系薬剤耐性で, そのうち6株 (60%) は呼吸器由来検体から分離された。
    5. CefcLidin耐性の28株 (全体の14%) 中18株 (64%) は尿由来検体, 3株 (11%) は呼吸器由来検体から分離された。
    6. Carbapenemまたはcefclidin耐性の37株中, 交差耐性はわずか1株 (3%) であった。
    7. Cefclidin耐性株はE型 (21株, 38%) で, carbapenem系薬剤耐性株はA型 (2株, 11%) でもっとも多く分離された。
    8. 分離頻度が2番目に高いG型では, cefclidin耐性株はまったく分離されなかった。
    9. CefclidinとceftazidimeのMIC相関図でcefclidin耐性群は回帰直線上から解離していた。したがってcefclidin耐性株とceftazidime耐性株では, 緑膿菌の耐性機構が異なることが示唆された。
  • 小栗 豊子, 三澤 成毅, 猪狩 淳
    1995 年 43 巻 5 号 p. 531-538
    発行日: 1995/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    1992年, 1993年の2年間に, 各種臨床材料より分離した肺炎球菌301株を用いて, 経口セフェム系薬を主とする11種の経口抗菌薬の抗菌力を, 微量液体希釈法により測定した。使用薬剤はbenzylpenicillin (PCG), ampicillin (ABPC), cefaclor (CCL), cefixime (CFIX), cefotiam (CTM), cefdinir (CFDN), cefpodoxime (CPDX), cefditoren (CDTR), cefcamate (CCMT), erythromycin (EM), onoxacin (OFLX) である。感性, 耐性のブレイクポイントはNCCLSのものを用いた。301株中, 8株 (2.7%) はペニシリン耐性株 (PCGのMIC:≧2μg/ml), 83株 (27.6%) は中等度耐性株 (PCGのMIC: 0.125~1μg/ml), 210株は感性株 (PCGのMIC:≦0.063μg/ml) であった。ペニシリン感性株と耐性株 (中等度耐性株を含む) のMIC90 (単位はμg/ml) はPCG (≦0.063, 1), ABPC (≦0.063, 2), CCL (1,128), CFIX (2, 16), CTM (0.125, 2), CFDN (0.25, 4), CPDX (0.125, 2), CDTR (0.125, 0.5), CCMT (0.125, 0.5), EM (>128,>128), OFLX (2, 2) であった。経口セフェム系薬7剤ではCCMT, CDTRの抗菌力がもっとも優れていた (MICは≦4μg/ml)。CCLにおいては301株中80.7%が感性 (MIC:≦8μg/ml), 2%が中等度耐性 (MIC: 16μg/ml), 17.3%が耐性 (≧32μg/ml) と判定された。ペニシリン耐性株は他の経口セフェム系薬にも耐性傾向を示したが, 中等度耐性株は40%なしいそれ以上が経口セフェム系薬に感性であると考えられた。EM耐性株 (≧1μg/ml) はペニシリン感性株で33%, ペニシリン耐性株 (中等度耐性株を含む) で67%に認められた。OFLX耐性株 (MICは≧4μg/ml) はペニシリン感性株で6%, 耐性株 (中等度耐性株を含む) で9%に認められた。すべての分離株 (301株) の血清型は23種の型に分布しており, 19群, 23群, 6群, 14型はペニシリン耐性株 (中等度耐性株を含む) が多く認められた。
  • 監視培養の有用性と危険因子解析
    長部 誠志
    1995 年 43 巻 5 号 p. 539-546
    発行日: 1995/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    造血器腫瘍の敗血症に対する支持療法としては, 適切な抗菌薬療法と宿主側要因の改善が重要である。本研究において, 敗血症起因菌の動向, 監視培養の有用性および敗血症死の危険因子を検討した。対象症例は1986年から1992年まで抗癌剤化学療法を行った造血器腫瘍348例であり, 年齢は15歳から90歳 (中央値55.5歳) であった。それらに合併した敗血症または敗血症疑いの660感染エピソードを検討した。また, 危険因子の検討は, 348例中初回化学療法後に敗血症を認めた187例を対象に多変量解析法で行った。菌検出率は全体で41.5%であり, 極度の好中球減少例, 基礎疾患治療効果不良例, 中心静脈カテーテル挿入例, 低アルブミン血症例, ショックおよびDIC合併例において菌検出率が高い傾向にあった。敗血症起因菌は, 好気性グラム陽性菌43.7%, 好気性グラム陰性桿菌38.7%, 嫌気性菌9.9%, 真菌7.6%であった。監視培養陽性率は83.8%で, 検体別には咽頭粘液60.3%, 便56.0%, 尿21.9%であった。特に, Pseudomonas aeruginosaでその陽性率は55/57 (96.5%) ともっとも高く, 次いでmethicillin-sensitive Staphylococcus aureusが11/12 (91.7%), Enterococcus faeoalisが28/31 (90.3%), methicillin-resistant Staphylococcus aureusおよびEnterobacter cloacaeがそれぞれ13/15 (86.7%) であった。また, 敗血症死の危険因子として敗血症性ショック合併, 基礎疾患治療効果不良, 低アルブミン血症, 中心静脈カテーテル挿入, 真菌血症, DIC合併の6因子に有意差を認めた (P<0.05)。すなわち, 好中球減少時の感染対策は, 敗血症起因菌の動向と監視培養分離菌を参考にした早期経験主義的抗菌薬療法と, 危険因子の早期発見, 除去が重要であると考えられた。
  • 高橋 洋, 庄司 聡, 菊地 宏明, 渡辺 彰, 貫和 敏博, 本田 芳宏, 徳江 豊
    1995 年 43 巻 5 号 p. 547-550
    発行日: 1995/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    最近8年間に東北地方の6施設で分離された臨床分離黄色ブドウ球菌1,697株のニューキノロン薬感受性の年次推移を検討した。メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) の分離頻度は1986年から1993年の間に, 25.5%から49.1%まで増加を示していた。メチシリン感受性黄色ブドウ球菌 (MRSA) のonoxacin感受性にはこの間ほとんど変化がみられなかったが, MRSAではこの間に急速に耐性化が進行し, MIC90は0.78kμg/mlから64μg/mlへと大きく上昇した。この傾向は, 各施設, 由来検体, 入院および外来患者で比較してもあまり差がなく, 耐性化が広汎であることが推測された。またこのような耐性化は, onoxacin以外のニューキノロン薬でもほぼ同様に認められた。
  • 川原 和也, 川原 元司, 牧之瀬 信一, 中目 康彦, 西田 盛男, 江田 晋一, 北川 敏博, 後藤 俊弘, 大井 好忠
    1995 年 43 巻 5 号 p. 551-554
    発行日: 1995/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    1993年1月から12月の期間で, 鹿児島大学医学部泌尿器科を受診した患者において, 尿路感染症と診断された患者の尿から分離された菌株を対象とし, meropenem, imipenem (IPM), ceftazidime, ciprofloxacinの最小発育阻止濃度を測定した。MeropenemはStaphylococcus aureusに対してもっとも優れた抗菌力を示し, Enterococcus faecalis, CNSに対してはIPMに次いで良好な抗菌力を示した。Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae, Citrobacter freundii, Serratia marcescens, Pseudornonas aeruginosaに対してmeropenemはもっとも優れた抗菌力を示した。Meropenemとimipenemの2剤間での感受性相関, 交叉耐性を検討した結果, C. freundiiでは感受性相関が認められ, S. aureus, CNS, E. faecalis Enterobacter spp, S. marcescens, P. aeruginosaでは感受性相関・交差耐性が認められた。
  • 1995 年 43 巻 5 号 p. 555-558
    発行日: 1995/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
  • 1995 年 43 巻 5 号 p. 558-570
    発行日: 1995/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
  • 1995 年 43 巻 5 号 p. 571-605
    発行日: 1995/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
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