日本化学療法学会雑誌
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43 巻 , Supplement2 号
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  • 村谷 哲郎, 三橋 進, 井上 松久
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 1-11
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Pazufloxacin (PZFX) は新しいキノロン系合成抗菌薬である。PZFXのin vitro抗菌力および作用機作を, ofioxacin (OFLX), norfloxacin (NFLX), ciprofloxacin (CPFX) およびlevofloxacin (LVFX) のそれと比較検討した。
    PZFXのmethicillin-susceptible Staphylococcus aureusおよびmethicillin-resistant S.aunusに対するMIC90はそれぞれ0.39および12.5μg/mlであり, 他の薬剤より優れた活性を示した。CPFX耐性 (MIC of CPFX,≧3.13μg/ml) S.aureusのうち45%はPZFXに感受性 (MIC of PZFX, ≦0.39μg/ml) であった。Serratia marcescensを除くEnterobacteriaceaeに対するPZFXのMIC90は0.024~0.39μg/ml, S.marcescensおよびPseudomonas aeruginosaに対するMIC90はそれぞれ6.25および3.13μg/mlであり, これらの値はCPFXとほぼ同等, 他の薬剤より優れていた。PZFXの嫌気性菌に対する抗菌力は, CPFXおよびLVFXとほぼ同等であり, OFLX, NFLXより優れていた。S.aureus, Escherichia coliおよびP.aernginosaに対するPZFXのMBC/MICは2倍以下であったことから本剤の作用は殺菌的であると推定された。また, PZFXの4MICにおけるS.aureus, E.coli, S.marcescensおよびP.aeruginosaに対する自然耐性菌選択頻度は2.3×10-8~<1.2×10-9であり, 他のキノロン薬と同様低かった。PZFXのS.aureus, E.coli, P.aeruginosa由来のDNA gyraseのスーパーコイリング活性に対する50%阻害濃度はそれぞれ32, 0.88および14μg/mlであり, 他のキノロン薬と同様強い阻害活性を示した。以上の結果より, PZFXは幅広い抗菌スペクトルと強い抗菌力を有し, その作用は殺菌的であり, 作用機作はDNA gyrase阻害にあると考えられた。
  • 館田 映子, 浅田 和美, 平松 啓一, 横田 健
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 12-18
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Pazufloxacin(PZFX)の各種臨床分離株に対するMIC90は, methicillin-resistant Staphylococcus aureus(MRSA)(47株), high-resistant MRSA(64株), coagulase-negative staphylococci(CNS)(41株), Streptococcus pneumoniae(18株), Streptococcus pyogenes(48株), Enterococcus faecalis(37株), Enterococcusfaecium(41株), Escherichia coli CS2(R+)(43株), Klebsiella pneumoniae(47株), Proteusmirabilis(48株), Proteus vulgaris(54株), Providencia rettgeri(47株), Morganella morganii(49株), Serratia marcescens(50株), Enterobacter cloacae(50株), Citrobacter freundii(50株), Pseudomonasaeruginosa(50株), Pseudomonas cepacia(33株), Xanthomonas maltoqhilia(47株), Acinetobacter calcoaceticus(41株), Haemophilus influenzae(11株), およびBacteroides fragilis(38株)に対して, それぞれ0.39, 3.13, 0.39, 3.13, 3.13, 3.13, 6.25, 0.2, 0.1, 0.025, 0.025, 6.25, 0.2, 1.56, 0.78, 0.78, 12.5, 3.13, 0.78, 1.56, 被検薬剤中最も優れた抗菌力を示した。グラム陽性菌に対しては, PZFXはofloxacin(OFLX)やnorfloxacinより2~32倍強い抗菌力を示したが, tosufloxacinやsparfloxacinより2~8倍劣る成績だった。PZFXはマウス培養マクロファージと優れた協力的食菌殺菌作用を示し, 本剤1/4MIC以上の存在下でE.coliは良く食菌消化された。PZFXのCHO-K1, HeLa, IMR-32細胞に対する細胞増殖抑制作用はOFLXより弱く, 優れた選択毒性を持ったニューキノロン薬であることが示唆された。
  • 宮崎 修一, 高橋 明宏, 金子 康子, 辻 明良, 山口 惠三, 五島 瑳智子
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 19-33
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Pazufloxacin (PZFX) の in vitro, in vivo抗菌活性をciprofloxacin (CPFX), ofloxacin (OFLX), sparfioxacin (SPFX), tosufloxacin (TFLX) と比較評価し, 以下の成績を得た。
    Methicillin-resistant Staphylococcus aureusを含むStaphylococcus属に対し, PZFXはSPFXおよびTFLXについで強い抗菌活性を示し, Streptococcus属に対してはCPFXやOFLXと同等の抗菌力であった。Providencia rettgeriを除く腸内細菌科に属する菌種に対するPZFXのMIC90は2μg/ml以下であり, CPFXと同等かやや強い抗菌力を示した。ブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌に対する本剤の抗菌力はCPFXと同等であった。
    Pseudomonas aeruginosaの増殖曲線に及ぼす影響ではPZFXは短時間に強い殺菌効果を示した。さらにヒト血中濃度推移を再現したin vitro pharmacokinetic modelではPZFXはOFLXより3時間長く再増殖を抑制した。
    S.aureus 2株およびグラム陰性桿菌4株によるマウス全身感染モデルにおいて, PZFXのED50値は0.01~0.32mg/mouseとなり, 本剤の治療効果はS.aureus2株およびKlebsiella pneumoniae3K-25株感染群ではSPFX, P.aemginosa E7株感染群ではCPFXおよびTFLXに劣るものの, 他の対照抗菌薬より優れていた。K.pneumoniae 3K-25による呼吸器感染およびEscherichia coliTMS3株による尿路感染モデルにおいて, PZFXはSPFXよりやや劣るものの, 他の対照薬剤と同等か優れた治療効果を示した。P.aemginosa KU-1株による尿路感染モデルでは, PZFXが最も優れた治療効果を得た。
    マウスにおける体内動態では, PZFXは血清中, 肺および腎において速やかに (15~30分後) 最高濃度に達し, 最高濃度値は対照薬剤 (CPFX, OFLX, SPFXおよびTFLX) よりも高かった。また血清中, 肺および腎におけるPZFXの半減期はOFLXとほぼ同程度であった。
  • 戸塚 恭一, 清水 喜八郎
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 34-37
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新合成抗菌薬pazufloxacin (PZFX) のin vitroおよびin vivo postantibiotic effect (PAE) をofloxacin (OFLX) を対照として検討した。Staphylococcus aureus Smithを2MIC濃度のPZFXあるいはOFLXにて1時間接触時のin vitro PAEはそれぞれ1.75時間および1.95時間で, ほぼ同程度であった。またKlebsiella pneumoniae BKに対するPZFXあるいはOFLXの2MIC, 1時間接触時のin vitro PAEは1-35時間および0.85時間であったが, 薬剤濃度を4MICとした時のPZFXおよびOFLXのPAEは2.08時間および1.95時間で, 薬剤濃度が高くなる事によりPAEは延長した。
    K.pneumoniae BKマウス大腿感染モデルに対するPZFX 4mg/kg後背部S.C.投与時のin vivoPAEは2.2時間, 最大殺菌力 (ΔLog10 CFU/Thigh) は2.24で, OFLXの1.2時間および1.67に比べてやや優れていた。
  • 中塩 哲士, 岩沢 博子, 金光 敬二, 杜 甫云, 嶋田 甚五郎
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 38-46
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新キノロン薬pazufloxacin(PZFX)のin vitro抗菌力を対照薬norfloxacin, onoxacin(OFLX), levofloxacin, ciprofloxacin, tosufloxacin, neroxacin, sparfloxacinと比較検討した。本薬のStreptococcus属に対するMICrangeは0.39~3.13μg/mlに分布し, OFLXとほぼ同等の抗菌力を示した。Methicillin耐性(MIC≧25μg/ml)Staphylococcus aureusに対するPZFXのMIC90は12.5μg/mlであった。PZFXは腸内細菌科菌群に対して良好な抗菌力を示し, 特にEscherichia coli, Enterobacteraerogenes, Enterobacter cloacae, Proteus mirabilis, Morganella morganiiおよびSerratia marcescensに対しては, 検討したキノロン薬と同等以上もしくは最も良好な抗菌力を示した。S.aureus, E. coli, Pseudomonas aeruginosa各1株を用い10代にわたり薬剤増量継代培養を行ったが, PZFXのMICの上昇はいずれも4倍以内であり耐性化し難いことが示唆された。E.coli, Klebsiella pneumoniae, P.aeruginosa各3株を用いPZFXのpostantibiotic effectを検討したところ, それぞれ1.3, 1.6, 1.7時間を示した。P.aeruginosaのバイオフィルム形成菌(sessile cells)に対して, PZFXおよびマクロライド薬(erythromycin, clarithromycin) のそれぞれ単独では殺菌作用はなかったが, 両薬をそれぞれ併用することにより相乗的殺菌作用がみられた。
  • 加藤 直樹, 加藤 はる, 田中 香お里, 渡辺 邦友, 上野 一恵
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 47-53
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規ニューキノロン系抗菌薬pazufloxacin (PZFX) の嫌気性菌と一部の通性嫌気性菌に対する抗菌力を既存のニューキノロン薬であるtosufloxacin (TFLX), ciprofloxacin (CPFX), ofloxacin (OFLX) およびnorfloxacin (NFLX) と比較検討した。参考菌株を用いた検討においてPZFXはグラム陰性菌, グラム陽性菌に対し幅広い抗菌スペクトルを示し, 多くの菌種に対してMICは3.13μg/ml以下であったが, Peptostreptoceccus属の一部, Clostridium属の一部, Lactobacillus属の多く, およびBacteroides fragilis groupには抗菌力が弱かった。接種菌量の増加に伴うMICの上昇は認められなかった。新鮮臨床分離株を用いた検討においては, 全般にPZFXはTFLXより劣るものの, CPFX, OFLXとほぼ同程度で, NFLXより優れた抗菌力を示した。PZFXはimipenem (IPM) 耐性B.fragilis group株にはIPM感受性株と同程度の抗菌力を示したが, OFLX高度耐性B.fragilisには抗菌力を示さなかった。以上の成績をまとめると, PZFXはPeptostnptococcus属の多くの菌種, Clostridium属の一部, Prevotella属とPorphyromouas 属の多くの菌種に対し臨床効果が期待できる抗菌力を有していたものの, B. fragilis groupやPrevotella biviaなどには臨床効果があまり期待できない抗菌力であった。
  • 西野 武志, 池田 靖, 大槻 雅子, 林 広成, 今西 律子
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 54-65
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新合成抗菌薬Pazufloxacin (PZFX) のin vitroおよびin vivoにおける抗菌力を既存の合成抗菌薬のofloxacin (OFLX), ciprfloxacin (CPFX), tosufloxacin (TFLX) およびsparfloxacin (SPFX) と比較検討した。その結果, PZFXはin vitroにおいてグラム陰性菌およびグラム陽性菌の各菌株に対して幅広い抗菌スペクトルを有し, その程度はOFLXより2~4倍強く, CPFXと同等かやや強い抗菌力を示した.また, PZFXの抗菌力は接種菌量, 培地pHの影響を受けず, また, 殺菌作用も対照薬と同様に用量依存的であった。
    実験的マウス全身感染症において, PZFXは methicillin感受性Staphylococcus aureus, Streptococcus pneumoniae, Streptococcus pyogenesに対してTFLXおよびSPFXに比べて劣るもの, OFLXおよびCPFXに比べて優れた治療効果を示した, また, methicillin耐性 S.aureusEscherichia coli Klebsiella pneumoniae, Serratia marcescens, Pseudomonas aeruginosaなどのグラム陰性菌に対しては比較薬剤中最も優れた治療効果を示した。
    各薬剤の10mg/kgをマウスに経口投与したときの血中濃度を検討した.その結果, PZFXの最高血中濃度 (Cmax) は276μg/mlと比較薬剤中最も高かったが, 血中半減期 (T12) は 29.8minと最も短かった。
  • 三宅 洋一郎, 杉中 秀壽, 藤原 政治, 碓井 亞
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 66-71
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    バイオフでルムを形成した細菌が多くの抗菌薬に対し著しく抵抗性になることはよく知られている。また, バイオフギルムを形成する以前の単に固相に付着した細菌も抗菌薬の殺菌作用に抵抗性を示す, 従って, 抗菌薬の評価を行う場合付着した細菌に対する抗菌力をも測定する必要がある。そこで, 新しく開発されたキノロン系抗菌薬pazufloxacin/PZFX) の固相に付着した細菌に対する抗菌力の測定をofloxacin (OFL.X), ciprofloxacin (CPFx) およびtosunomcin (TFLX) を対照に用いて行った。
    PZFXはStaphylococcus aureusに対し極めて低いMICAD (付着した状態での最小発育阻止濃度 (MIC)) およびMBCAD (付着した状態での最小殺菌濃度 (MBC)) を示し, Staphylococcus epidermidtsに対してはTFLXより劣るもののCPFX, OFLXと同等あるいは優れたMIUおよびMBCやを示した。
    Pseitdomonas aeruginosuに対しPZFXはMICADではCPFXに劣るもののMBCADではCPFX, OFLXより低い値を示した。Escherithia coliに対してはTFLXと同等で, CPFXおよびOFLXより低いNIBCADを示した。
    以上の結果はPZFXが付着した細菌にも有効なキノロン薬であることを強く示唆している。
  • 高畑 まさひろ, 山城 芳子, 藤巻 一雄, 岡本 世紀, 満山 順一, 池田 靖, 南 新三郎, 福岡 義和, 保田 隆, 渡辺 泰雄, ...
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 72-89
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    ニューキノロン系合成抗菌薬pazufloxacin(PZFX)の細菌学的評価をofloxacin(OFLX), ciprofloxacin(CPFX), norfloxacin(NFLX)およびtosufloxacin(TFLX)を対照薬剤として比較検討し, 下記の結果を得た。
    1)PZFXはグラム陽性菌, Pseudomonas aeruginosaを含むグラム陰性菌及び嫌気性菌に対して幅広い抗菌スペクトルを示した。
    2)PZFXは臨床分離のキノロン薬感受性methicillin-resistant Staphylococcus aureus(MRSA)を含むS.aureusに対し, OFLX, CPFXより優れ, TFLXに次ぐ強い抗菌力を示した。Escherichiacoli, Salmonella enteritidis, Proteus mirabilis, Proteus vulgaris, Morganella morganii, Haemophilus influenzae, Legionella sp.に対するPZFXのMIC90は≦0.05μg/mlであり, P.aeruginosaを含むほとんどの菌種でOFLXより優れた抗菌力を示した。
    3)PZFXの抗菌力は他のキノロン薬と同様, 培地の種類, 接種菌量, ヒト血清添加の影響をほとんど受けなかった。PZFXの抗菌力はアルカリ側より酸性側でやや強くなる傾向がみられた。またMg2+, Ca2+添加時の抗菌力はOFLX, CPFXと同様に若干低下した。
    4)PZFXのMICとMBCは一致し, その抗菌作用は殺菌的であった。また増殖曲線に及ぼす影響では, 濃度依存的な作用が認められ, MIC以上では短時間で殺菌的に作用した。
    5)PZFX作用時, E.coli KL-16は1/4MICで菌体の伸長化, 1MICで異常分裂像, 殺菌像が認められた。
    6)PZFXによる耐性菌の選択頻度は低かった。
    7)PZFXのDNA gyrase supercoiling活性に対する阻害作用はMIC値とほぼ相関しており, 強い阻害作用を示した。一方, 本剤の子牛胸腺由来topoisomeraseIIに対する阻害作用はOFLX, CPFXより弱かった。
    8)PZFXはマウス全身感染症に対し, OFLXの約2~8倍強い治療効果を示した。また呼吸器感染, 尿路感染, 皮下膿瘍に対してもPZFXは強い治療効果を示した。
  • 山城 芳子, 高畑 正裕, 島倉 雅子, 黒瀬 朱美子, 福岡 義和, 保田 隆, 渡辺 泰雄, 成田 弘和
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 90-96
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Pazufloxacin (PZFX) のPsozudomonas aeruginosa, Escherichia coliおよびmethicillin-resistant Staphylococcus aureus (NIRSA) に対する短時間殺菌力とPostantibiotic effect (PAE) を, ofloxacin (OFLX) およびciprofloxacin (CPFX) と比較した。
    1) 200mg経口投与時に得られるヒト血清中濃度の薬剤を作用させ, 4時間までの生菌数の変化から短時間殺菌力を比較した。いずれの薬剤においてもP.aeruginosaE.coliでは0.25時間後にすでに菌数の減少が確認されたが, P.aeruginosaにおいてより強い短時間殺菌効果が認められた, P.aeruginosaE.coliに比べMRSAに対する短時間殺菌効果は, いずれの薬剤でも若干劣っていた。同じ薬剤濃度での殺菌効果を比較すると, PZFXはP.aeruginosa, E.coliに対してはOFLXより優れており, CPFXとはほぼ同程度であり, MRSAに対しては最も優れていた。
    2) 8MICの薬剤を0.5時間作用させた時のPZFX, OFLXおよびCPFXのPAEは, P. aeruginosaに対して42h, 3.1h, 2.8h, E. coliに対して22h, 1.9h, 1.5h, NIRSAに対して1.7h, 2.0h, 12hであった。また, 2NIICの薬剤を2時間作用させた時のPZFX, OFLX, CPFXのPAEは, P. aeruginosaに対して1.1h, 0.3h, 0.3h, E.coliに対して1.5h, 1.4h, 1.3h, MRSAに対して1.5h, 1.6h, 1.2hであった。このように, P.aeruginsaおよびE.coliでは薬剤濃度下面積 (濃度×接触時間) が同じ場合には, 高濃度を短時間に作用させた方が本剤のPAEは長くなる傾向が認められ, P. aentginosaでは特に顕著であった。
  • 山城 芳子, 中田 光人, 高畑 正裕, 福岡 義和, 保田 隆, 渡辺 泰雄, 成田 弘和
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 97-105
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Pazufloxacin (PZFX) 200mgをヒトに経口投与したときの血中濃度推移を再現したsimulation modelを用い, Pseudomouas aeruginosaに対する殺菌効果をofloxacin (OFLX, 200mg経口投与) およびsparfloxacin (SPFX, 300mg経口投与) と比較した。
    短時間での殺菌効果はPZFXが最も強く認められ, 薬剤添加後0.5時間で生菌数は2 log以上減少したが, OFLXでは薬剤添加後0.5時間では殺菌効果は認められず, 1時間後から生菌数の減少が観察された。最大殺菌効果もPZFXが最も強く, 4 log以上の菌数の減少が認められたが, OFLXでは2.1 log~3 logの減少に留まった。また, SPFXでは薬剤添加後10時間まで生菌数の減少がほとんど認められず, 静菌的な効果しか見られなかった。
    これらの実験で24時間培養液から得られたコロニーを無作為に抽出し, MICを測定したところ, PZFXの実験で得られたコロニーではMICの変化は見られなかったが, OFLXおよびSPFXの実験では6~8割のコロニーでキノロン系抗菌薬に対するMICが上昇しており, 菌の耐性化が認められた。
    また, PZFXの薬動力学的特徴が殺菌効果や耐性化にどのように影響するかを調べるため, PZFXに比べ最高血中濃度が低く半減期の長いOFLX投与時のmodelを用いてPZFXを作用させたところ, 菌の増殖抑制効果は持続したが, 8割のコロニーで菌の耐性化が認められた。
    以上のように, PZFXの初期の強い殺菌効果と耐性菌の出現抑制は, その薬動力学的特徴を反映した結果と考えられた。
  • 北山 理恵子, 藤巻 一雄, 堀井 妙子, 前花 淳子, 松本 由紀, 南 新三郎, 渡辺 泰雄, 成田 弘和
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 106-112
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Pazufloxacin (PZFX) のレンサ球菌に対するin vitroならびにin vivo抗菌活性を, 他のキノロン系およびセフェム系抗菌薬と比較検討した。
    臨床分離の肺炎球菌に対するPZFXの抗菌活性はtosufloxacin (TFLX) およびciprofloxacin (CPFX) より劣るものの, ofloxacin (OFLX) とほぼ同等で, norfloxacin (NFLX) およびfleroxacin (FLRX) より優れていた。またペニシリン感受性肺炎球菌に対するPZFXの抗菌活性はcefaclor (CCL) より劣っていたが, ペニシリン低感受性あるいは耐性肪炎球菌に対してはCCLより優れていた。A群およびB群レンサ球菌ではPZFXの抗菌活性はTFLX, CPFXおよびOFLXより劣るものの, NFLXおよびFLRXより優れていた。
    ペニシリン感受性および附性肺炎球菌に対するPZFXの殺菌作用は他のキノロン系抗菌薬と同様に, 濃度に依存して殺菌的であった。
    ペニシリン感受性および耐性肺炎球菌によるマウス全身感染および実験的肺炎モデルに対するPZFXの治療効果はTFLXより劣っていたが, OFLXと同等であった。またペニシリン耐性肺炎球菌に対してはcefiximeより優れていた。この結果は各薬剤のMICをほぼ反映したものであった。
  • 高畑 正裕, 山城 芳子, 島倉 雅子, 黒瀬 朱美子, 福岡 義和, 保田 隆, 渡辺 泰雄, 成田 弘和
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 113-119
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    ニューキノロン系合成抗菌薬pazufloxacin (PZFX) の炎症巣内移行と治療効果を検討した。PZFXはラットで作成した背部皮下埋め込みディスク内, tissue cage内, CMCポーチ内に速やかに移行し, ofloxacin (OFLX), ciprofloxacin (CPFX) に比べ高い炎症巣内濃度を示した。さらに炎症巣内に菌を感染させ, 薬剤による治療効果を検討した結果, PZFXは高い炎症巣内濃度と強い抗菌力を反映し, OFLX, CPFXに比して良好な成績を示した。
  • 三上 秀忠, 恒田 礼子, 堀 富美子, 南 新三郎, 保田 隆, 渡辺 泰雄, 成田 弘和
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 120-125
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Pazufloxacin (PZFX) の細胞内移行性についてヒト好中球およびヒト由来培養細胞 (ヒト胎児小腸細胞Intestine 407, ヒト胎児肺正常2倍体細胞MRG5およびヒト成人肝細胞Chang Liver) で検討し, ofloxacin (OFLX), ciprofloxacin (CPFX), tosufloxacin (TFLX) と比較した。さらに, 細胞内に感染させたPseudomonas aernginosa S-1299およびSalmonella enteritiais C-32に対するPZFXの細胞内殺菌効果も併せて検討した。
    PZFXの細胞外液濃度に対する細胞内濃度比 (C/E ratio) は, ヒト好中球ではOFLXとほぼ同程度であったが, CPFXやTFLXより低かった。また, ヒト由来培養細胞においてもPZFXは他剤より低値を示した。
    ヒト好中球に貪食されたP.aeruginosaに対するPZFXの細胞内殺菌効果はOFLXより若干優れ, CPFX, TFLXと同程度であった。またIntestine 407細胞に感染したS. enteritidisに対し, PZFXはTFLXより劣るものの, OFLX, CPFXと同等の殺菌効果を示した。
    以上, PZFXは他のキノロン薬に比べ細胞内移行性は若干劣るものの, 細胞内細菌に対しては他のキノロン薬と同程度の殺菌効果を示した。
  • 秋山 尚範, 鳥越 利加子, 神崎 寛子, 荒田 次郎
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 126-127
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発された経口ニューキノロン系抗菌薬pazufloxacin (PZFX) の抗菌力, ラットにおける皮膚組織内移行を検討した。
    1. 皮膚感染病巣より分離したStaphylococcus aureus62株に対するPZFX, ofloxacin (OFLX), tosufloxacin (TFLX) のMICを測定した。PZFXのMIC分布のピークは1μg/ml (34株), OFLXは1μg/ml (28株), TFLXは0.06μg/ml (32株) であった。
    2.ラットにPZFXを20mg/kg内服投与した場合の0.5, 1, 2, 4時間後の血清中および皮膚組織内濃度は, 平均で各々2.34, 3.76, 2.29, 0.74μg/mlおよび1.20, 2.84, 1.92, 0.90μg/gであった。
  • 堀 誠治, 金光 敬二, 嶋田 甚五郎
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 128-131
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    キノロン薬が痙攣誘発作用を有する可能性が指摘されている。我々はキノロン薬が中枢神経系において抑制性伝達物質と考えられているγ-アミノ酪酸 (GABA) の受容体結合を阻害することを示し, キノロン薬による痙攣誘発にGABA受容体結合阻害の関与している可能性を示してきた。また, 非ステロイド系消炎薬の共存下ではキノロン薬によるGABA受容体結合隙害効果が増強されることを示してきた。本稿では新キノロン薬であるpazufloxacin (PZFX) のGABA受容体結合に及ぼす影響を検討した。PZFXは, 10-3MまでGABA受容体結合を阻害しなかった。また, ビフェニル酢酸共存下でもそのGABA受容体阻害効果は増強されなかった。さらに, マウス脳室内投与により痙攣誘発作用を検討した。PZFXの痙攣誘発作用は弱く, またビフェニル酢酸同時投与によってもその痙攣誘発作用は増強されなかった。以上よりPZFXは痙攣誘発作用の極めて弱いキノロン薬である可能性が示された。
  • 木村 和幸, 岩井 正和, 田口 政広, 林 仁理, 花田 秀一, 小柴 博, 川畑 好之康, 堀 誠治, 嶋田 甚五郎
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 132-142
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    ニューキノロン系合成抗菌薬であるpazufloxacin (PZFX) をラットに単回および反復 (1日1回, 28日間) 経口投与し, 血糖値ならびに血糖調節ホルモン (インスリン, グルカゴン) および糖代謝に影響を及ぼすと考えられる甲状腺ホルモンのトリヨードサイロニン (T3), サイロキシン (T4) への影響を検討した。
    なお, ラットにおける評価モデル系の確立のため, ラットの経口糖負荷試験を行い, 既報告と一致するか検討した。また, 血糖値ならびに血糖調節ホルモンの日内変動を調べ, 絶食条件の検討を行った。その結果,
    (1) ヒト用インスリン測定キットを用い, ラットインスリンも測定できる (ラットインスリン1ng/mlはヒトインスリン10μg/mlに相当する) ことが判明した。また, トリヨードサイロニン, サイロキシンおよびグルカゴンの測定もヒト用測定キットで測定可能であり, 経口糖負荷試験でその測定系の有用性が実証された。
    日内変動の検討より, 絶食は検査前日21時より実施するのが血糖値の変動も少なく良好な実験条件となることが判明した。
    (2) PZFXの推定臨床用量の100倍に相当する1200mg/kgをラットに単回経口投与し, 投与後の血糖値および血糖調節ホルモンへの影響を検討したが, 薬剤投与による影響は認められなかった。また, 膵臓ランゲルハンス氏島の病理組織学的検査においても異常または特異的な変化は認められなかった。
    (3) PZFXの推定臨床用量の50倍に相当する600mg/kgをラットに1日1回, 28日間反復経口投与したところ, 最終投与日のインスリン値に増加傾向が認められたが, 血糖値に変化は認められず, PZFX投与に起因した変化ではないと考えられた。その他, 血液生化学パラメーターおよび膵臓ランゲルハンス氏島の病理組織学的検査に何ら異常または特異的な変化は認められなかった。
    以上の結果より, PZFXが血糖値ならびに血糖値に影響を及ぼす諸因子に損傷を与える可能性はないと判断された。
  • 中島 光好, 小菅 和仁, 植松 俊彦
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 143-163
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    健康成人男子28名を対象に, pazunoxacin (PZFX) の臨床第1相試験を行った。空腹時単回投与試験では, 20mgより開始し50, 100, 200, 400mgまで経口投与した。食事の影響については, 同一被験者で200mg単回投与試験で検討した。連続投与試験では, 1回300mg1日3回, 7日間にわたり計19回食後経口投与した。これらの試験から以下の成績を得た。
    連続投与試験の1例に, 7日目両上腕および大腿部内側に発疹がみられた。この症例の臨床検査値に異常はみられず, 発疹は投与終了後1週間で消失した。この症例以外に, 自他覚所見, 理学所見, 心電図, 臨床検査値などに異常はみられなかった。
    PZFX100, 200, 400mg空腹時単回投与試験の血中濃度は用量依存的に推移し, Tmaxは0.58-0.94時間, T1/2は2.01-2.48時間, Cmaxはそれぞれ, 0.944, 2.98, 4.51μg/mlであった。CmaxおよびAUCと用量間には比例関係がみられた。尿中排泄率には用量による差はほとんどなく, 投与24時間までに81.2-85.8%排泄された。食事の影響の検討試験では, 食後投与のCmax2.02μg/mlは空腹時のCmax2.98μg/mlに比べると低かった。しかし, Tmaxは1.21時間 (空腹時0.576時間) と延長した。T1/2は1.88時間と空腹時の2.28時間より短いが, AUCはほぼ同じであった。1日3回, 7日間連続投与試験で, 血中濃度の推移は1日目よりプラトーに達し, 尿中排泄率からも蓄積性は認められなかった。
    以上の成績より, PZFXは服薬に起因すると考えられる重篤な副作用は認められず, 体内動態および各種細菌に対する抗菌力を考えると, PZFXは臨床評価を行うに値するものと考えられる。
  • 渡辺 邦友, 上野 一恵, 和田 光一, 渡部 恂子, 中島 光好
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 164-174
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいピリドンカルボン酸系の抗菌薬であるpazufloxacin (PZFX) の1日900mgの7日間連続投与がヒト糞便内細菌叢に及ぼす影響を検討した。
    本薬剤投与は, 検査期間中常に嫌気性菌優位の細菌叢を呈し, 総菌数に大きな影響を及ぼすことはなかった。しかし, 細菌叢の変動を見ると, 好気性菌の細菌叢の変化が嫌気性菌のそれらより顕著であった。嫌気性菌では, PZFX投与によるBacteroides fragilisの変動はほとんどなく, Megasphaera, Veillcmella, Fusobacterium, Clostridium Perfringensの菌数の減少が見られた。好気性菌では, Enterobacteriaceaeに対する抑制が強かったが, 投薬中止後速やかに回復した。PZFXは嫌気性菌叢より好気性菌叢に対する影響が強かった。薬剤投与前, 投与中および投与後の糞便中には散発的にClostridium difficileが分離された。
  • 田井 賢, 藤巻 久美, 清水 祐子
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 175-179
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Pazufloxacin (PZFX) の臨床第I相試験で得られた血漿および尿を用いてヒトにおける代謝について検討し以下の知見を得た。
    1) 血漿中には未変化のPZFX以外に微量のPZFXMIが認められた。
    2) 尿中には未変化のPZFX, PZFXM2, PZFXM3およびPZFXのグルクロン酸抱合体が認められた。
    3) 生体内でのラセミ化は認められなかった。
  • 齋藤 玲
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 180-189
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいピリドンカルボン酸系抗菌薬であるpazufloxacin (PZFX) の体内動態における食事の影響およびofloxaicin (OFLX) との比較を検討した。
    PZFXでは空腹時および食後に, OFLXでは空腹時にそれぞれ200mgを単回経口投与し, three way cross-over法にて検討を行った。
    PZFXの空腹時のCmaxは2.96μg/ml, 食後で1.67μg/mlと低値を示し, Tmaxは0.85時間から1.61時間と延長を認めた。T1/2は1.91時間, 1.79時間と同等であった。AUC0~∞は865μg・h/ml, 7.15μg・h/mlとほぼ同等であった。また, 尿中排泄率も24時間まででPZFXは空腹時で78.8%, 食後で80.7%と差を認めなかった。これらのことより, 食事は本剤の吸収にほとんと影響を与えないものと考えた。
    空腹時でのPZFXとOFLXの比較では, PZFXのCmaxがOFLXの2.25μg/mlに比べ高値を示した。OFLXのTmaxは0.83時間でPZFXとほぼ同等であった。T1/2はPZFXが1.91時間に対しOFLXでは5.35時間と長かった。AUC0~∞はOFLXが13.73μg・h/mlとPZFXに比べ高値であった。
    24時間までのOFLXの尿中排泄率は72.0%で, PZFXがよりよい尿中移行を示した。
    PZFXの唾液中濃度は血中の約1/4の濃度で推移した。OFLXの唾液中濃度は血中濃度とほぼ同じであった。いずれも血中と唾液は良い相関を示し, 唾液中濃度が血中濃度の指標となることが示唆された。
  • 齋藤 玲, 富澤 磨須美, 中山 一朗, 佐藤 清
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 190-194
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいピリドンカルボン酸系抗菌薬であるpazufloxacin (PZFX) の抗菌力および臨床的効果について検討した。
    抗菌力については, 臨床分離株7菌種239株について106cells/mlで本剤および比較薬のMICを測定した。本剤のMIC90はmethicillin sensitive Staphylococcus aureus (MSSA) 0.2μg/ml, methicillinresistant S.aunus (MRSA) 12, 5μg/ml, Escherichia coli0.1μg/ml, Serratia marcescens 3.13μg/ml, Klebsiella pneumontae0.1ptg/ml, Proteus mirabilis0.1μg/ml, Morganella mornii 0.1μg/ml, Pseudomonas aeraginosa0.78μg/mlであり, norfloxacin (NFLX), ofloxacin (OFLX), tosufioxacin (TFLX), lomefloxacin (LFLX) との比較においてはMSSA, E.coli, K.pneumoniaeで本剤が最も優れたMIC値を示した。またMRSA, S.marcescensでの本剤のMICはTFLXより若干劣るものの, それ以外の比較薬とは同等もしくは優れた成績であった。P.mirabilis, M.morganii, P.aeraginosaに対してはTFLXと同等であり, それ以外の比較薬より優れた成績であった。
    臨床成績については14例の呼吸器感染症患者に対して1H200mg~300mgを7~21日間投与し臨床効果の検討を行った。有効12例, やや有効1例, 無効1例であり, 有効率は85.7%であった。副作用および臨床検査値の異常変動は, 全例において認められなかった。
  • 大道 光秀, 平賀 洋明
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 195-201
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたフルオロキノロン系抗菌薬pazufloxacin (PZFX) を呼吸器感染症患者に使用し, 経時的な血清中, 喀痰中, 唾液中移行および臨床的有用性について検討した。急性肺炎1例, 慢性気管支炎7例, 気管支拡張症 (感染時) 3例, および気管支瑞息の二次感染2例の計13例に対し, 1回100mgまたは200mgを1日3回, 7~23日間経口使用した。
    血清, 喀痰および唾液への移行検討は気管支拡張症 (感染時) の患者2例に対して行い.1回200mgを1日3回, 7日間以上使用し, 開始日, 4日目, 7日目の血清中, 喀痰中および唾液中の濃度を測定した。
    その結果連続使用にて, 血清中濃度はそれぞれ3-19, 4.84μg/ml, 喀痰中濃度はそれぞれ0.98, 2.20μg/gに達し, 臨床成績に反映するものと考えられた。また, 唾液中濃度は血清中濃度の約30%を示し高い相関がみられたことから, 唾液中濃度により, 血清中濃度の予測が出来うる可能性が示唆された。
    臨床効果は有効12例, やや有効1例で, 有効率は92.3%であった。細菌学的効果は, 分離されたSerratia marcescens, Haemphilus influenzae, Staphylococcus aureusおよびStreptococcus pneumoniaeそれぞれ1株ずつ計4株全てが消失した。副作用および臨床検査値の異常はいずれも認められなかった。
  • 丹野 恭夫, 西岡 きよ, 白土 邦男
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 202-207
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新たに開発された経口用ピリドンカルボン酸系抗菌薬pazufloxacin (PZFX) について基礎的・臨床的検討を行った。
    15名の呼吸器感染症患者 (慢性気管支炎6例, 気管支拡張症4例, 急性気管支炎3例, びまん性汎細気管支炎二次感染, 肺気腫二次感染各々1例) に, 本剤1回100mgあるいは200mgを1日2~3回, 6~15日間投与した。その結果, 著効2例, 有効8例, やや有効3例, 無効2例で, 有効率は66.7%であった。
    細菌学的効果判定可能な分離菌は, Streptococcus pneumeniae, Mcraxella catarrhalis各々3株・, Pasteurella multocida 1株で, そのうち消失したものはS.pneumoniae 2株, M. catarrhalis 3株, P.multocida 1株で, 消失率は6/7であった。
    副作用および臨床検査値異常変動は全例において認められなかった。
    さらに, 近年当科において呼吸器感染症患者の喀痰より分離されたS.pneumoniae, M. catarrhalis, Haemophilus influeneaeおよびPseudomonas aernginosaに対する本剤の抗菌力を, tosufloxacin (TFLX), ciprofloxacin (CPFX), ofloxacin (OFLX)(OFLXは S, pneumniaeを除く3菌種) と比較した。本剤はS.pneumoniaeを除くM.catarrhalis, H.influeneae, P.aernginosaに対して対照薬と同等あるいはそれ以上の抗菌力を示した。
  • 渡辺 彰, 庄司 聡, 高橋 洋, 菊地 宏明, 貫和 敏博, 佐藤 和男, 武内 健一, 平野 春人, 中村 俊夫
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 208-219
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Pazufloxacin (PZFX) の抗酸菌を含む呼吸器由来10菌種計220株に対するin vitro抗菌力をofloxacin (OFLX) その他の薬剤と比較検討すると共に, 呼吸器感染症28例に対する臨床効果, 細菌学的効果並びに安全性を検討し, 臨床的位置付けを考察した。Staphylococcus aureus, Haemaphilus influenzae, 腸内細菌科 (Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae, Enterobacter cloacae, Serratia marcescens) に対する本剤の抗菌力はOFLXとほぼ同等であった。本剤はPseudomonasaeruginosaに対してOFLXの2倍, 抗酸菌 (Mycobacterium tuberculosis, Mycobacterium avium, Mycobacteriumintracellulare) に対してOFLXの1/2~1/4の抗菌力を示した。気管支炎1, 肺炎10, 気管支拡張症+感染11, 肺気腫+感染4, 気管支喘息+感染と陳旧性肺結核+感染各1の計28例に本剤を1日300mg (11例, 内1例は600mgへ中途増量), 400mg (1例) あるいは600mg (16例) で3~14日間投与した効果判定が可能な25例中著効が3例, 有効16例, 無効6例であり, 有効率は76%てあった。本剤投与前にS.aureus 3, Streptococcus pneumoniae 2, Streptococcuspyogenes 1. H.influenzae 3.Klebsiella oxytoca 1.P.aeruginosa2の計12株を分離し, 投与後には消失が6株, 減少1株, 不変5株であった, めまい.発疹, GPT上昇, WBC低下, 好酸球増加を各1, 計5例に認めたが, 投与終了時にいずれも改善していた。各種病原細菌に強い抗菌力を有するPZFXは, 種々の呼吸器感染症に対する第一次選択薬剤の一つと考えられる。
  • 柴 孝也, 吉田 正樹, 前澤 浩美, 酒井 紀
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 220-225
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Paznfloxacin (PZFX) の胃腸管吸収に及ぼす制酸剤 (乾燥水酸化アルミニウムゲル) および消化性潰瘍剤 (ヒスケミンH2拮抗剤: シメチジン) の影響を, 6名の健常成人男子志願者において検討した。PZFX200mgを空腹時に単独服用した際の最高血中濃度は4.28μg/ml, 最高血中濃度到達時間は0.88時間, 血中消失半減期は2.15時間, 血中濃度曲線下面積は8.85μg・h/ml, 24時間までの尿中回収率は87.2%であり, 制酸剤1.0g同時直用時では各中1.77μg/ml, 1.17時間, 1.98時間, 6.24μg・h/ml, 69.7%, シメチジン200mg併用時では各々2.75μg/ml, 0.76時間, 2.00時間, 8.93μg・h/ml, 84.8%であった。制酸剤併用時においてPZFX1吸収阻害が認められたが, その程度は, 最高血中濃度で58.6%, 血中濃度曲線下面積で29.5%の低下がみられ, 既存のキノロン系抗菌薬と比較して軽度であった。またシメチジン併用時における吸収阻害は最高血中濃度で35.7%の低下がみられたが血中濃度曲線下面績では認められなかつた。
  • 島田 馨, 岡 慎一, 佐野 靖之, 宮本 康文, 荒井 康男, 稲松 孝思, 深山 牧子, 増田 義重, 畠山 勤, 石濱 裕美子
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 226-232
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    経口キノロン系抗菌薬Pazufloxacin (PZFX) のStreptuoccus pneumniaeに対する最小発育阻止濃度川10を測定した, また, 内科領域感染症20例について臨床的検討を行った。
    1.PZFXの血液および喀痰・咽頭・耳漏等由来のS.pneumoniaeに対するMICを寒天平板希釈法により測定し, 他剤と比較検討した。
    PZFXはPenicillin-sensitive S.pneumoniae (PSSP) に対してMIC50, MIC90が各々3, 13μg/ml, 6.25μg/mlであり, Penlcillin-insensitive S.pneumniae (PISP) に対しても同様であった。tosufloxacin (TFLX) のMIC50, MIC90はPSSPで0.2μg/ml, 0.39μg/ml, PISPで0.2μg/ml, 02μg/mlと, TFLXがPZFxに比べ4管ほど優れていた。Benzylpenicillin (PCG) の高度耐性株に対するPZFxのMICは3.13~6.25μg/mlであり, PCG耐性株においてPZFXとPCGとの問には交叉耐性は認められなかった。
    2.呼吸器感染症18例, 尿路感染症2例の計20例にPZFXを1日300~600) mg投与し, その有効性, 安全性について検討した、臨床効果の評価町能症例は19例でその疾患別臨床効果は肺炎2/2, 慢性気管支炎10/11, 気管支喘息+感染4/4, 肺気腫+感染1/1, 腎盂腎炎1/1が有効以上で, 有効率は94, 7%(18/19) であった.起炎菌が同定されたのは3例でErwinia agglomerans1株, Pseudomonas aeruginosa2株, およびMorganella morganii, Enterococcus faecalis, Proteusmirabilis, Klebsiella pneumoniaeが各々1株検川された。このうち, 投与後検査を行えなかったP.aeruginosa 1株と存続したE.agglomerans1株を除き全て消失した。副作用は20例全例が検討可能であり, 1例において投与開始4日後に皮疹が認められ, 本剤の投与を中止した。同症例にて臨床検査値異常として好酸球の上昇が認められた。
  • 徳村 保昌, 斧 康雄, 杉山 肇, 青木 ますみ, 大谷津 功, 西谷 肇, 国井 乙彦
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 233-235
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しい経口用ニューキノロン薬pazufloxacin (PZFX) の臨床分離株に対する抗菌力をnorfloxacin (NFLX), ofioxacin (OFLX) およびciprofioxacin (CPFX) と比較し, さらに内科領域感染症に対する臨床的有用性について検討した。抗菌力の検討では, 臨床分離株のmethicillin-resistantStaphylococcus aureus8株に対する本剤のMIC50は≦0.1μg/ml, MIC90は≧100μg/mlであり, 対照薬剤と同等であった。Escherichia coli9株に対するMIC90は3.13μg/mlでNFLXより優れていた。Klebsiella pneumoniae 13株に対するMIC90は0.78μg/mlで他剤よりも優れていた。Pseudomonasaemginosa17株に対してはNFLX, OFLXよりもやや優れた抗菌力を示した。
    臨床的には, 急性扁桃炎2例, 急性咽喉頭炎1例, 肺炎1例の計4例に本剤100mgを1日2~3回, 5日間経口投与した。臨床効果は4例すべてが有効であった。細菌学的に効果を判定し得たのは扁桃炎の2例でともにHaemophilus influenzaeが検出され本剤投与によりともに除菌された。副作用は1例に投与終了時に軽度の胃部不快が認められた。臨床検査値の異常変動は初診後来院しなかった1例を除いて認められなかった。
  • 大石 明, 中村 守男, 青崎 登, 勝 正孝
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 236-243
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Pazufloxacin (PZFX) は新しく開発されたニューキノロン系合成抗菌薬であり, 本剤について基礎的・臨床的検討を行った。
    14菌種340株に対する本剤および対照薬8種のMICを測定した。
    グラム陽性菌のうち, methicillin-susceptible Staphylococcus aureus, methicillin-resistant S.aureus, Staphylococcus eptdermidisに対する本剤のMIC90は, それぞれ0.20μg/ml, 12.5μg/ml, 0.39μg/mlとtosufloxacin (TFLX), sparfloxacin (SPFX) に次ぐ抗菌力であった。その他のグラム陽性菌では対照薬に比して抗菌力はやや弱かった。
    グラム陰性菌では, Haemophilus influenzae, Escherichia coliに対する本剤のMIC90は≦0.025μg/mlと優れた抗菌力を示し, その他のグラム陰性菌ではTFLXと同等の抗菌力であった。また, imipenem (IPM) およびgentamicin (GM) にそれぞれ6.25μg/ml, 25μg/ml以上のMICを示したPseudomonas aernginosaに対し本剤のMIC90はそれぞれ3.13μg/mlで対照薬より優れた抗菌力であった。
    臨床検討では, 呼吸器感染症11例, 尿路感染症2例を対象とし, 臨床効果は著効3例, 有効10例であり有効率は100%であった。菌が検出された3例は全て除菌された。副作用は1例に頭痛, 嘔気が認められた。臨床検査値の変動はGOT, GPT, ALP, γ-GTP, LAPの上昇が1例に認められた。
  • 松本 文夫, 桜井 磐, 今井 健郎, 石田 裕一郎, 高橋 孝行, 森田 雅之, 佐藤 康信, 堀 誠治, 嶋田 甚五郎
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 244-255
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたキノロン系合成抗菌薬pazufloxacin (PZFX) の抗菌力, 吸収・排泄・臨床効果を検討したところ, 以下のごとき成績を得た。
    1) 抗菌力
    PZFXの臨床分離6菌種, 150株に対する抗菌力を測定した。本剤のMIC90値はmethicillinsusceptibleStaphylococcus aureus (MSSA), 0.78μg/ml, methicillin-resistant S.aureus (MRSA), 3.13μg/ml, Escherichia coli, 0.10μg/ml, Klebsiella pneumoniae, 0.78μg/ml, Proteus mirabilis, 0.20μg/ml, Pseudomonas aeruginosa, 6.25μg/mlであった。
    2) 吸収・排泄
    健常成人3例にPZFXの200mgを食後, 単回使用時の最高血中濃度は服用0.5~3時間後に2.0~2.5μg/mlで, 1日3回7日間連続使用時の2.1~2.7μg/mlと差はなかった。唾液中には血中濃度にほぼ相応した移行性が認められたが, 汗液中への移行は血中濃度推移に比べてやや遅れる傾向にあった。
    PZFX単回使用時の8時間までの尿中回収率は76.6~87.7%で高く, 連続使用においても蓄積性はなかった。
    PZFXの血中濃度は緑茶またはミルクとともに服用するとCmaxがやや下がる傾向がみられたが, AUCおよび尿中排泄率には影響がみられなかった。
    3) 臨床成績
    対象は細菌性肺炎5例, 慢性気管支炎3例, 急性咽頭炎1例, 陳旧性肺結核の二次感染1例, 伝染性単核球症1例の計11例で臨床効果は判定不能の伝染性単核球症を除き, 9例が有効, 陳旧性肺結核の1例が無効で, 有効率は90%であった。細菌学的効果は細菌性肺炎2例よりS. aureus, 急性咽頭炎1例からStreptococcus pyogenesが分離されたがすべて除菌された。自他覚的副作用はなく, 本剤による臨床検査値異常値としてGOTの上昇が1例に認められた。
  • 青木 信樹, 薄田 芳丸, 甲田 豊, 高沢 哲也, 若林 伸人, 林 静一, 小浦方 洋一, 新田 功, 本間 康夫, 北村 亘子
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 256-265
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    腎機能障害者を含む高齢の患者4例にpazufloxacin (PZFX) 200mgを朝食後30分に経口投与した際のPZFXの血中濃度と尿中回収率を測定した。腎機能障害の程度 (Ccr: 81.6, 63.9, 16.8および7.0ml/min) が高度になるに従い血中濃度半減期T1/2はそれぞれ4.21, 8.13, 7.05および10.81時間と延長し, 血中濃度曲線下面積 (AUC0~∞) もそれぞれ12.42, 33.51, 61.42および53.03μg・h/mlと増大した。24時間までの尿中回収率はそれぞれ65.1, 73.2, 71および12.1%であり, 特に高度な障害例で明らかな低下を認めた。呼吸器感染症36例, 尿路感染症1例に使用し有効34例, 無効3例, 有効率91.9%の結果を得た。副作用は臨床的には特にみられず, 検査成績上GPTの上昇, 好酸球の上昇および網状赤血球の上昇を各々1例認めたのみであった。
  • 沖本 二郎, 中島 正光, 二木 芳人, 副島 林造
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 266-269
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいキノロンカルボン酸系抗菌薬であるpazufloxacin (PZFX) について, 抗菌力ならびに呼吸器感染症に対する臨床的検討を行い以下の成績を得た。
    1. Stapdylococcus aureus, Meraxella catarrhalis, Haemophilus influeuzae, Klebsiella pneumoniae, Pseudomonas aeruginosaに対するMIC90は0.03~4μg/mlとsparfloxacin (SPFX), levofloxacin (LVFX) とほぼ同等の優れた抗菌力を有していた。Streptoceccus pneumoniaeやmethicillinresistant S. aureusに対しては, SPFX, LVFXよりやや劣った抗菌力であった。
    2. 呼吸器感染症10例を対象にPZFXを使用した結果, 判定不能とした肺結核の1例を除いて全例有効であった。随伴症状を認めた症例はなく, 臨床検査値の異常として軽度の肝機能障害を2例に認めた。
  • 橋口 浩二, 宮下 修行, 窪田 好史, 玉田 貞雄, 中林 美枝子, 中島 正光, 沖本 二郎, 二木 芳人, 副島 林造
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 270-275
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しい経口new quinolone系合成抗菌薬pazufloxacin (PZFX) のtheophylline (TP) 血中濃度に及ぼす影響を5人の健康成人男子ボランティアを用いて検討した。
    あらかじめ4日間1日400mgの徐放性経口TP製剤を投与して, 4日目にコントロールの採血を行った。その後5日間PZFX1日600mgを併用し, 併用3日目, 5日目に採血し, コントロールのTP血中濃度と比較検討した。
    併用3日目では最高血中濃度 (Cmax) は不変, 濃度曲線下面積 (AUC0~10) では1.3%(各5人平均) の減少がみられ, 5HBでは各々3.0%, 3, 9%の減少であったが各々統計学的有意差は認められなかった。Total body clearanceは3日目, 5日目でそれぞれ14.8%, 32%の増加を示した。
    臨床的副作用は認められず二木らの分類1, 2) ではPZFXは第III群に属し, TPへの影響は殆どないものと考えられた。
  • 澤江 義郎, 岡田 薫, 隅田 郁男, 井上 孝利, 久保井 礼, 石丸 敏之, 下野 信行, 三角 博康, 江口 克彦, 仁保 喜之
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 276-282
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規経口用ニューキノロン系抗菌薬pazufloxacin (PZFX) について基礎的, 臨床的検討を行った。九州大学第一内科入院患者由来の各種臨床分離株238株に対するPZFXの抗菌力を sparfloxacin (SPFX), levofloxacin (LVFX), tosufloxacin (TFLX), ciprofloxacin (CPFX) を対照薬として測定した。PZFXの抗菌力はグラム陽性菌のmethicillin-sensitive Staphylococcus aureusに対してCPFXより優れていた。しかし, methicillin-resistant S. anreusおよびEnterococcus faecalisに対しては他剤と同様耐性化がみられた。グラム陰性菌のPseudomonas aeruginosaに対するMIC値は他剤と同様にやや高かったが他の菌種に対してはCPFXと同等の強い抗菌力を示した。
    臨床応用として肺炎5例, 急性気管支炎3例, 慢性気管支炎2例, 急性扁桃炎1例, 急性咽喉頭炎2例, 急性膀胱炎2例, 急性腎盂腎炎1例, 感染性粉=瘤1例の計17例にPZFXを使用した。症例は24~82歳の男子9例, 女子8例で, 基礎疾患を有するものが多かった。PZFXを1回100mgまたは200mg, 1日2回または3回, 2~21日間食後に経口投与した。その結果, 著効3例, 有効7例, やや有効4例, 無効1例, 判定不能1例で, 有効率は69%(11/16) の結果であった。細菌学的効果では, 判定が可能であった7株全てが消失した。副作用は嘔気・嘔吐, 気分不良, 胃部不快感食欲不振・上腹部痛, 全身倦怠感が1例ずつ計5例に認められたほか, 臨床検査値異常変動として軽度のGOT・GPTの上昇および好酸球の増加が各々1例ずつ認められた。
  • 高本 正祇, 北原 義也, 加治木 章, 原田 泰子, 原田 進, 石橋 凡雄
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 283-287
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規経口用ニューキノロン系合成抗菌薬pazufloxacin (PZFX) について呼吸器感染症8例に対し臨床的検討を行い, また基礎的には49歳の患者および高齢者10例における本剤の血清中濃度推移の検討を併せて行った。
    1. 臨床的検討呼吸器感染症8例 (肺炎5例, 慢性気道感染症3例) に本剤を1日600mg (分3) で投与し, 投与期間は7~15日間, 総投与量は4.29~8.69であった。重症度別では, 軽症7例, 中等症1例であった。
    臨床効果は著効3例, 有効4例, やや有効1例であり, 細菌学的効果は1例にPseudomonasaerugiosa, Serratia marcescensが検出されたが, 本剤投与後消失した。全例に副作用および臨床検査値の異常変動は認められなかった。
    2. 高齢者における血清中濃度の推移慢性呼吸器感染症11例 (肺結核症5例, 気管支喘息2例, 慢性気管支炎, 気管支拡張症, 肺気腫, 非定型抗酸菌症各1例) の49歳の患者および高齢者 (平均年齢75.1歳) に対し, 本剤200mg単回投与時の血清中濃度をHPLC法に準じて経時的に測定し, 薬物動力学的に検討した。49歳の患者の血清中濃度は投与1時間後は2.00μg/ml, 2時間後は2.59μg/ml, 4時間後は1.19μg/ml, 6時間後は0.46μg/mlで, 高齢者10例全体の平均血清中濃度は, 投与1時間後は0.966±0.657μg/ml, 2時間後は2.263±1.064μg/ml, 4時間後は2.782±1.041μg/ml, 6時間後は1.489±0.534μg/mlでTmaxは3.2時間後に見られた。Cmaxは3.122±1.002μg/ml, T1/2は2.740±0.841hr, AUC0~∞は16.75±4.32μg・hr/mlであった。なお, 軽度の腎機能障害を示す患者の2例にAUCの増加, およびT1/2の延長・AUCの増加が認められた。
  • 川村 純生他
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 288-294
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規ニューキノロン系経口抗菌薬pazufloxacin (PZFX) について, 基礎的ならびに臨床的検討を行い, 次の結果を得た。1. 抗菌力: 臨床分離株16菌種515株について最小発育阻止濃度 (MIC) を測定し, ofloxacin (OFLX), norfloxacin (NFLX), ciprofloxacin (CPFX) と比較検討した。その結果, 本剤はグラム陽性菌およびグラム陰性菌に対し, 良好な抗菌活性が認められた。
    2. 体液内濃度: 4例において本剤200mgを, 1例において100mgを食後に1回経口投与した時の血中および喀痰中濃度を高速液体クロマトグラフィー (HPLC) にて測定した。200mg投与の4例においては, 最高血中濃度は2~4時間後に1.80~3.20μg/mlを示し, 最高喀痰中濃度は2~5時間後に0.57~1.09μg/gに達し, 100mg投与の1例においては2時間後に血中濃度は2.23μg/ml, 喀痰中濃度は0.24μg/gを示し, 良好な喀痰中移行性が示唆された。
    3. 臨床的検討: 呼吸器感染症患者14例および尿路感染症患者1例に対して本剤を投与し, 臨床効果および副作用について検討した。呼吸器感染症14例中, 著効2例, 有効10例, 無効2例で, 有効率は85.7%であった。尿路感染症の1例は著効であった。臨床検査値異常としては, GOT, GPTの上昇と, およびBUN, s-Crの上昇が各1例に認められたが, いずれも軽度であり, 本剤投与終了後速やかに改善し, 本剤の安全性が確認された。また, 副作用は全例で認められなかった。
  • 川上 健司, 秋山 盛登司, 田尾 操, 宇都宮 嘉明, 大石 和徳, 力富 直人, 永武 毅, 真崎 宏則, 吉嶺 裕之, 壽賀 晶子, ...
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 295-303
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    ニューキノロン系経口抗菌薬pazufloxacin (PZFX) について, 呼吸器感染症を場とした基礎的ならびに臨床的研究を行った。呼吸器病原性が明確であったStaphylococcus aureus53株,(methicillin-sensitive S. aureus (MSSA) 26株, methicillin-resistant S. aureus (MRSA) 27株), Streptococcus pneumoniae 47株, Haemophilus influenzae32株Mcraxella catarrhalis 46株, Pseudomonas aerugimosa47株に対して, 化学療法学会標準法によるMICを測定した。本剤の各菌種に対するMIC50S. aureus 1.56μg/ml (MSSA0.39μg/ml, MRSA12.5μg/ml), S. pneumoniae 3.13μg/ml, H. influenzae 0.013μg/ml, M. catarrhalis 0.025μg/ml, P. aeruginosa 1.56μg/mlであった。本剤200mg投与時の肺気腫症例での血中および喀痰中濃度のピーク値はそれぞれ3.75μg/ml, 0.70μg/gであり, 急性気管支炎症例での200mg投与時の喀痰中濃度のピーク値は2.27μg/gであった。
    呼吸器感染症患者12症例に本剤100mgまたは200mgを1日2または3回, 3~7日間投与して, その臨床効果, 細菌学的効果, 安全性について検討した。
    臨床効果は, 評価可能であった11症例に対して検討を行い, 著効2例, 有効7例, やや有効1例, 無効1例 (有効率81.8%) であった。細菌学的効果では効果判定可能であった7症例において消失2例, 菌交代1例, 減少または部分消失2例, 不変2例であった。1例に投与翌日から下痢が認められ, 投与中止後消失した。臨床検査値異常としてGOT, GPT, 7-GTPの上昇が1例, 好酸球増多が2例認められた。
  • 那須 勝, 山崎 透, 一宮 朋来, 時松 一成, 平松 和史, 永井 寛之, 河野 宏, 後藤 陽一郎, 田代 隆良, 菅原 弘一, 伊東 ...
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 304-309
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたニューキノロン薬pazufloxacin (PZFX) について, 基礎的研究および呼吸器感染症に対する臨床的検討を行い, 以下の結果を得た。
    1. 抗菌力
    臨床材料から分離した18菌種740株 (グラム陽性球菌170株, 腸内細菌319株ブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌125株Moraxelle cetarrhalis 49株 Haemophilus influenzae 52株, Bacteroidesfragilis 25株) について, 日本化学療法学会規定の方法により最小発育阻止濃度 (MIC) を測定し, tosufloxacin (TFLX), ofioxacin (OFLX), lomefloxacin (LFLX) の抗菌力と比較した。本剤は, 全般にOFLX, LFLXよりも優れ, TFLXとほぼ同等かやや劣った抗菌力を示した。
    2. 血中濃度および喀痰中移行濃度
    気管支拡張症の患者 (48歳男性, 50kg) に200mg食後経口投与した場合, 最高1血中濃度は4時間目に3.38μg/ml, 最高喀痰中移行濃度は1.35μg/gが得られ, その最高血中濃度に対する喀痰中移行濃度比率は39.9%であった。
    3. 呼吸器感染症における臨床成績
    呼吸器感染症4例に本剤を1日量200~600mg, 7~14日間投与した。臨床効果は全例有効, 副作用, 投与前後における臨床検査値異常はみられなかった。
  • 我謝 道弘, 健山 正男, 稲留 潤, 普久原 浩, 斎藤 厚, 草野 展周
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 310-315
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新キノロン系抗菌薬pazufloxacin (PZFX) について, 基礎的ならびに臨床的検討を行い, 次の結果を得た。
    1. 抗菌力:
    臨床分離株12菌種272株に対する最小発育阻止濃度 (MIC) を測定し, 他3薬剤 (ofloxacin (OFLX), tosufloxacin (TFLX), ciprofloxacin (CPFX)) と比較検討した。その結果本剤はグラム陽性菌に対してはOFLXとほぼ同等か良好な成績を示し, グラム陰性菌に対してはTFLX, CPFXと同等か良好な成績を示した。
    2. 臨床的検討:
    呼吸器感染症10例に対し本期を投与し, 臨床効果および副作用について検討した。有効9例, 無効1例で有効率は90%と良好な成績が示された。副作用の認められた例はなく臨床検査値異常については2例異常変動を認めたが軽度であったため本剤の安全性が確認された。
  • 鈴木 伸和, 廣瀬 崇興, 熊本 悦明, 門野 雅夫
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 316-323
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発された経口用ニューキノロン系合成抗菌薬であるpazufloxacin (PZFX) について, 基礎的・臨床的検討を行った。
    1) 基礎的検討: 教室保存の尿路感染症分離グラム陽性球菌5菌種 (各32, 35または50株), グラム陰性桿菌7菌種 (各50株) に対する本薬の最小発育阻止濃度 (MIC) をofloxacin (OFLX), tosufloxacin (TFLX) およびciprofloxacin (CPFX) と比較検討した。本薬はグラム陽性球菌及びPsendomonas aerugimosaに対してはOFLXと同程度の抗菌力を示し, P. aeruginosaを除くグラム陰性桿菌に対してはOFLXより優れた抗菌力を示した。
    2) 臨床的検討: 急性単純性腎盂腎炎1例, 女子急性単純性膀胱炎1例, 複雑性尿路感染症16例に本薬を投与し, 臨床効果ならびに副作用の検討を行った。急性単純性腎盂腎炎では1回100mgを1日3回14日間, 女子急性単純性膀胱炎では1回200mgを1日3回4日間投与し, 効果判定を行った。複雑性尿路感染症では1回100-200mgを1日2~3回4~7日間投与し, 効果判定を行った。急性単純性腎盂腎炎および女子急性単純性膀胱炎においてはいずれも著効であった。複雑性尿路感染症においては, UTI薬効評価基準に従って効果判定のできた14例中著効9例, 有効2例で, 総合有効率は78.6%, 著効率は64.3%と高かった。また尿中分離株も21株中18株が消失し, 消失率は85.7%であった。本薬を投与した18例中1例において白血球の減少が認められたが, 自他覚的副作用は認められなかった。
  • 後藤 博一, 小野寺 昭一, 清田 浩, 鈴木 博雄, 川原 元, 遠藤 勝久, 五十嵐 宏, 細部 高英, 斑目 旬, 大石 幸彦, 斎藤 ...
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 324-331
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    尿路感染症に対するpazufloxacin (PZFX) の有用性を明らかにする目的で, 基礎的にはPZFXの抗菌力に及ぼす尿のpH, 二価陽イオンの影響とPZFXの白血球殺菌能に対する影響について検討し, 臨床的には尿路. 性器感染症に対するPZFXの有効性と安全性について検討した。
    1. PZFXの尿中抗菌力と尿のpH, 二価陽イオンの影響PZFXの試験管内抗菌力を尿を培地として測定し, 尿の性状 (pH, マグネシウム濃度, カルシウム濃度) の違いによる影響について検討した。被験菌株はEscherichia coli NIHJ JC2とPseuaomonas aeruginosa 18Sの2株である。その結果, E. coliに対するPZFXの尿中抗菌力に及ぼす尿のpH, 二価陽イオンの影響はあまりみられなかった。P. aemginosaについては, 尿のpHが低いほどPZFXの尿中抗菌力が低下した。
    2. 白血球殺菌能に及ぼすPZFXの影響健常人1名の末梢血から分離した好中球および単球を, PZFX存在下と非存在下にてphorbolmyristate acetateあるいはオプソニン化ザイモザンで刺激し, 白血球殺菌能の指標であるスーパーオキサイド産生能をケミルミネッセンス法により測定した。その結果, 好中球の殺菌能はPZFX存在下で濃度依存的に増強される傾向を認めた。
    3. 尿路性器感染症に対するPZFXの臨床的検討急性単純性膀胱炎1例, 急性単純性腎孟腎炎1例, 急性前立腺炎2例, 複雑性尿路感染症14例の計18例にPZFXを投与し, その有効性と安全性について検討した。UTI薬効評価基準を満たした急性単純性膀胱炎の1例と急性前立腺炎の1例は著効, 急性単純性腎盂腎炎の1例は有効であった。複雑性尿路感染症の13例に対する本剤の臨床効果は, 著効4例, 有効7例, 無効2例で, 総合有効率は84.6%であった。細菌学的には, 複雑性尿路感染症から分離された9菌種23株のうち19株が除菌され, 除菌率は82.6%であった。本剤投与による自他覚的副作用は, 1例に軽度の眩暈が認められた。臨床検査値の異常は全例認められなかった。
    以上より, 本剤は優れた生体内効果が期待され, 尿路性器感染症の治療薬として有用であると考えられた。また, 患者の尿のpHに注意しながら, 本剤の有効性の予測を考慮すべきと考えられた。
  • 押 正也, 吉田 雅彦, 河邉 香月, 阿曾 佳郎, 仁藤 博, 河村 毅
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 332-338
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいニュー・キノロン系抗菌薬pazufloxacin (PZFX) について基礎的・臨床的検討を行った。基礎的検討として教室保存の尿路感染症患者の尿から分離した6菌種147株に対するPZFXのMIC値をofloxacin (OFLX), tosufioxacin (TFLX), fleroxacin (FLRX) との問で比較した。グラム陽性菌であるStaphylococcus aureusおよびEmterococcus faecalisに対して, PZFXはTFLXよりも劣るが他の2剤と同等であった。グラム陰性悍菌であるEscherichia coli, Klebsiella pueumoniae, Serratia marcescensおよびPseudomonas aeruginosaに対してはTFLXと同等あるいはやや優れており他の2剤よりも2~3管あるいはそれ以上優れていた。
    臨床的にはカテーテル非留置の複雑性腎盂腎炎12例, 複雑性膀胱炎22例に対しPZFXを投与し, その臨床効果および副作用について検討した。UTI薬効評価基準に準じた総合臨床効果は著効16例, 有効10例で92.9%の有効率であった。自他覚的副作用ならびに臨床検査値の異常変動は1例も認められなかった。
    以上より本剤は尿路感染症の治療に非常に有用な薬剤と考えられた。
  • 鈴木 恵三, 堀場 優樹, 石川 清仁, 加藤 忍, 田中 利幸, 名出 頼男, 星長 清隆, 柳岡 正範, 藤巻 一雄
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 339-348
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しい経口用ニューキノロン系抗菌薬pazufloxacin (PZFX) について, 基礎的・臨床的検討を行った。
    1) 抗菌活性におよぼす培地とpHの影響
    Pseudomonas aeruginosa数株について, 培地と尿中pHの抗菌力におよぼす影響を他剤と比較検討した。本剤の抗菌力は培地およびpHの影響を受けるが, 対照薬と比べて影響が少なかった。
    2) ヒト前立腺液 (human prostatic fluid, PF) への移行濃度
    本剤200mgを単回投与した時のPF内濃度は1時間後で, 0.18μg/ml (n=4), 2時間後で0.20μg/ml (n=2) であった。血清比はそれぞれ0.12 (1h), 0.26 (2h) であった。
    3) 尿路性器感染症 (urinary tract infection, UTI) に対する臨床効果
    本剤を1回50mg~200mgを1日2~3回食後に3~14日間経口投与した。臨床効果はUTI薬効評価基準で急性単純性UTIには14例中14例, 100%, 複雑性UTIには20例中18例, 90%の有効率であった。この他に前立腺炎3例全て主治医判定で有効であった。
    4) 安全性
    本剤に基づく自他覚的副作用は38例中1例に軽度の軟便が認められた。臨床検査値異常変動については肝機能値の変動が24例中2例に認められた。
  • 伊藤 康久, 米田 尚生, 石原 哲, 斉藤 昭弘, 坂 義人, 河田 幸道, 兼松 稔, 江原 英俊
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 349-355
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しい合成抗菌薬であるpazufloxacin (PZFX) について, 基礎的・臨床的検討を行い以下の結論を得た。
    1. 基礎的検討: norfloxacin (NFLX), ofloxacin (OFLX), ciprofloxacin (CPFX) を対照薬として尿路由来のmethicillin-sensitive Staphylococcus aureus (MSSA), methicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA), Staphylococcus epidermidis, Emterococcus faecalis, Escherichia coli, Citrobacter freundii, Klebsiella pneumoniae, Enterobacter cloacae, Serratia marcescens, Pseudomonas aeruginosaの9菌種, 221株に対するMICを測定した。PZFXは, Staphylococciには他の3剤より優れ, E.faecalisに対してはCPFXよりやや劣り, NFLX, OFLXとほぼ同等であった。
    2. 臨床的検討: 急性単純性膀胱炎3例に本剤50mgもしくは100mgを1日3回3日間経口投与し, UTI薬効評価基準により判定できた2例は, いずれも著効であった。複雑性尿路感染症16例に本剤100mgを1日3回4~6日間経口投与し, UTI薬効評価基準により判定できた12例の有効率は92%であった。
    本剤を投与した19例に自他覚的副作用はみられなかった。また, 臨床検査値の異常としてGOTの上昇が1例に, Kの低下が1例にみられた。
    PZFXは尿路感染症の治療に有効かつ安全な薬剤と考えられた。
  • 宮崎 茂典他
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 356-362
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発された経口ニューキノロン系合成抗菌薬pazufloxacin (PZFX) について基礎的検討および臨床的検討を行い, 以下の結果を得た。
    1. 基礎的検討
    1) 前立腺液移行: 健常成人男子ボランティア6名に本剤200mgを単回投与し, 1および2時間後に前立腺液を採取した。前立腺液中濃度の平均は, 1時間後 (n=4) で0.32μg/ml, 2時間後 (n=6) で0.27μg/mlであり, 対血清比はそれぞれ0.11, 0.13であった。
    2) 前立腺組織移行: 前立腺肥大症患者21例を対象とし, 経尿道的手術前に本剤200mgを経口投与し, 手術により得られた前立腺組織内の濃度を測定した。前立腺組織内濃度の平均は1, 2, 3, 4, 6時間後でそれぞれ2.38, 1.23, 0.98, 1.59, 0.64μg/gであり, 対血清比は0.90, 1.11, 0.85, 0.68, 0.82であった。投与後, 1例に軽度な皮疹が認められた。
    2. 臨床的検討
    急性単純性尿路感染症6例 (膀胱炎4例, 腎孟腎炎2例), 複雑性尿路感染症10例, 精巣上体炎4例および急性細菌性前立腺炎1例を対象に臨床的有用性を検討した。UTI薬効評価基準 (第3版) による臨床効果は単純性尿路感染症では著効2例, 有効1例, 複雑性尿路感染症では著効5例, 無効1例, 急性細菌性前立腺炎では著効1例であった。精巣上体炎の主治医効果判定による臨床効果は著効2例, やや有効1例であった。自他覚的副作用は認めなかったが, s-GPTおよびγ-GTPの軽度上昇が1例に認められた。
  • 渡辺 豊彦, 竹中 皇, 櫻本 耕司, 林 俊秀, 畠 和宏, 小野 憲昭, 津川 昌也, 公文 裕巳, 大森 弘之, 那須 良次, 早田 ...
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 363-376
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規ニューキノロン系抗菌薬pazufloxacin (PZFX) の尿路感染症由来株に対する抗菌力, ならびに尿路性器感染症に対する臨床効果を検討した。
    1) 尿路感染症由来株14菌種207株に対するPZFXのMICを測定し, norfloxacin (NFLX), ofloxacin (OFLX) と比較検討した。また, 1983年~1991年の間に分離された尿路感染症由来Pseudomnas aeruginosa235株に対する本剤および対照薬のMICを測定し, その年次推移をみた。また, MIC測定用broth中, および人工尿中でのP. aeruginosaに対するMICを測定し, 比較検討した。グラム陽性菌に対しては, OFLXとほぼ同等, グラム陰性菌に対しては, ほとんどの菌種に対して対照薬より優れた抗菌力を示した。P. aeruginosaに対する本剤および対照薬の抗菌力は年次的に耐性化傾向が認められた。また, MIC測定用broth中と人工尿中での抗菌力を比較すると, 人工尿中ではNFLX, OFLXのMICが3管程度低下するのに対し, 本剤の人工尿中MICの低下は軽度であり, 尿中においても優れた抗菌力を示すものと考えられた。
    2) 急性単純性膀胱炎2例, 複雑性尿路感染症19例, 急性前立腺炎1例, および慢性前立腺炎3例を対象に, 本剤を1回100mgないし200mg, 1日2ないし3回, 5~22日間経口投与し, その臨床効果を検討した。急性単純性膀胱炎2例では, 主治医判定でともに有効以上であった。複雑性尿路感染症17例では, UTI薬効評価・基準に準じて判定した総合臨床効果 (UTI判定) は, 著効7例, 有効5例, 無効5例で有効率71%であった。また, 急性前立腺炎の1例は著効であり, 慢性前立腺炎では主治医判定で著効1例, 有効2例, そのうちUTI判定で有効1例であった。自・他覚的副作用, および臨床検査値異常は認められなかった。以上より, 本剤は泌尿器科領域感染症に対し有用な薬剤であると考えられた。
  • 藤原 政治, 三谷 信二, 碓井 亞, 西本 憲二, 安川 明広
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 377-382
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいピリドンカルボン酸系抗菌薬であるpazufloxacin (PZFX) の尿路感染症における有用性を基礎的, 臨床的に検討した。教室保存の尿路感染症患者より分離された9菌種, 270株に対するPZFXのMICを測定し, その結果とnorfloxacin, ofloxacin, tosufloxacin, ciprofloxacinの結果を比較検討した。本剤はグラム陽性菌, グラム陰性菌ともに優れた抗菌力を示し, グラム陰性菌においては特に優れた抗菌力を有した。臨床効果の検討では, 複雑性尿路感染症においてはUTI薬効評価基準の判定で著効3例, 有効1例, 無効1例であった。細菌学的には複雑性尿路感染症の5例より合計5株が分離され, うち4株が消失した。存続菌はStaphylococcuse Ptdermidisの1株のみであった。副作用としては1例に皮疹を認めたが軽症で特に処置を必要とせず軽快した。本剤投与前後における臨床検査値の異常変動はGOT, Bil, GPT, LDH, ALP, LAP, γ-GTP上昇の1例を認めた。
    以上より本剤は尿路感染症において, 有効かつ安全な薬剤と考えられた。
  • 北川 敏博, 江田 晋一, 牧之瀬 信一, 西田 盛男, 中目 康彦, 川原 和也, 川原 元司, 後藤 俊弘, 大井 好忠, 西山 賢龍, ...
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 383-393
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新キノロン系抗菌薬pazufloxacin (PZFX)(以下本薬と略す。) の試験管内抗菌力, 体内動態および尿路・性器感染症における臨床的有効性と安全性を検討し, 以下の結果を得た。
    1) 試験管内抗菌力; 尿路感染症患者由来の臨床分離株11菌種 (各30株) に対する本薬のMICを測定し, 対照薬のofloxacin (OFLX) およびtosufioxacin (TFLX) と比較した。Methicillinresistant Staphylococcus aureus, coagulase-negative staphylococci, Enterecoccus faecalisに対する本薬のMIC90 (μg/ml) は各々12.5, 12.5, 25で, OFLX, TFLXと同等以上の抗菌力を示した。グラム陰性桿菌に対しての本薬のMIC90 (μg/ml) はEscherichia coli: ≦0.10, Citrobacter freundii: 1.56, Klebsiella pmeumoniae: ≦0.10, Enterobacter cIOacae: 1.56, Serratia marcescens: 25, Proteus mirabilis: 1.56, Proteus vulgaris: ≦0.10, Pseudomouas aeruginosa: 50で対照薬と同等以上の優れた抗菌力を示した。
    2) 体内動態; 腰椎麻酔下に手術を行った5例で本薬300mg内服0.5~8時間後までの血清中濃度の推移, 3時間後の髄液中濃度と尿中濃度をHPLC法で測定した。最高血清中濃度は1.93~4.99μg/ml (平均3.54μg/ml), 3時間後の平均髄液中濃度は0.11μg/ml, 髄液/血清中濃度比の平均は0.04であった。
    3) 臨床的検討; 単純性膀胱炎3例, 複雑性尿路感染症15例, 前立腺炎1例の計19例の患者に本薬を投与し, 臨床的有効性と安全性を検討した。19例における主治医判定は著効9例, 有効5例, やや有効1例, 無効3例, 判定不能1例であった。UTI薬効評価基準合致例では単純性膀胱炎1例は有効, 複雑性UTI14例では著効7例, 有効3例, 無効4例で総合有効率71.4%, 前立腺炎1例は有効であった。全例で副作用は認めなかったが, 好酸球増多, 尿蛋白の増加, 尿中NAGの上昇が各1例ずつで見られた。
  • 国松 正彦, 岩井 重富, 古畑 久, 大塚 一秀, 中川 良英, 裴 正徳, 佐藤 毅, 加藤 高明, 新井 尚之, 村中 博, 加沢 玉 ...
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 394-401
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたニューキノロン系経口抗菌薬pazufloxacin (PZFX) について外科領域における基礎的・臨床的検討を行った。
    1) 抗菌力
    本薬剤の抗菌力をcefaclor (CCL), ofloxacin (OFLX), tosufloxacin (TFLX) と比較した。本薬剤はcoagulase-positive staphylococci (CPS) およびcoagulase-negative staphylococci (CNS) に対してはTFLXより劣るがOFLXとほぼ同等の抗菌力を示した。Escherichia coliに対しては OFLX, TFLXと同様優れた抗菌力を示した。Klebsiella pneumoniaeに対しては本薬剤が最も優れた抗菌力を示していた。Enterobacter cloacaelこ対しては本薬剤の抗菌力はOFLX, TFLXよりやや劣るものの, 大部分の株に対しMIC値は0.2μg/ml以下であった。Pseudomonas aeruginosaに対しても本薬剤はTFLXと同等の抗菌力を示した。しかし, methicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA) に対しては他のキノロン薬と同様に本薬剤の抗菌力は十分ではなかった。
    2) 臨床的検討
    肛門周囲膿瘍および皮膚軟部組織感染症を主とする外科的感染症19例に本薬剤を使用し, そのうち臨床効果判定が可能な18例の臨床効果は著効4例, 有効11例, やや有効1例, 無効2例で, 有効以上の有効率は83.3%であった。また, 本薬剤服用後の血中濃度を臨床例9例について100mgまたは200mgの食後の経口投与にて検討した結果, 少なくとも100mgの投与でおよそ0.3μg/ml以上の血中濃度が投与後5時間以上は期待されるものと思われた。本薬剤によると思われる自他覚的副作用としては1例に嘔気を認めたのみであり, また, 臨床検査値の異常変動は認められなかった。
    以上より, PZFXは外科領域の感染症にきわめて有用な薬剤と考えられる。
  • 横山 勲, 納賀 克彦
    1995 年 43 巻 Supplement2 号 p. 402-407
    発行日: 1995/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しい経口用ピリドンカルボン酸系抗菌薬, pazufloxacin (PZFX) の外科領域における基礎的 (胆嚢組織中への移行性), 臨床的検討を行い, 以下の成績を得た。
    肝機能正常な胆石症6例に胆嚢摘出の術前にPZFX200mgを空腹時に経口投与し, 2時間後に血清中, 胆嚢組織中濃度を測定した。溶解が不十分と考えられた2例を除く4例の経口投与2時間後の血清中濃度は平均0.20±0.25μg/ml (0.04~0.57μg/ml) であったが, 組織中濃度は平均0.26±0.22μg/g (0.11~0.57μg/g) を示した。胆嚢組織/血清比は平均2.22±1.27 (1.00~3.75) であった。
    外科的感染症14例に対する本薬剤の効果は著効2例, 有効9例, やや有効2例, 判定不能1例で, その有効率は84.6%(11/13) であった。
    細菌学的効果は7例より8株の菌が分離され, 菌の消長を追跡し得た5例より分離された6株の菌は全て消失した。その内訳は, Staphylococcus aureus 2/2, Escherichia coli 1/1, Peptestreptoceccus 2/2, Bacteroides fragilis 1/1であった。
    本薬剤投与中. 自他覚的な副作用は認められなかったが, 臨床検査値異常は1例でリンパ球増多が認められた。
    以上より, 本薬剤は我々の検討では胆嚢組織移行性に関しては再度検討の余地があるが, 外科領域感染症に対して, 有用性のある薬剤であると考えられた。
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