日本化学療法学会雑誌
Online ISSN : 1884-5886
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ISSN-L : 1340-7007
43 巻 , Supplement3 号
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  • 井上 栄子, 三橋 進
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 1-11
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規経口ペネム剤ritipenem acoxil (RIPM-AC) の活性本体であるritipenem (RIPM) のin vitro抗菌力, 殺菌力およびβ-lactamaseに対する安定性についてcefaclor (CCL), cefixime (CFIX) およびcefteram (CFTM) を対照薬剤として比較検酎した。
    1. RIPM.t, methicillin-susceptible Staphylococcus aureus (MSSA), Staphylococcusepidermidis, Enterococcus faecalis, Citrobacter freundii, Enterobacter cloacae, Morganellamorganii, Acinetobacter calcoaceticus, Clostridium spp. およびBacteroides fragilis に対して対照薬剤よりも強い抗菌力を示した。Serratia marcescens, Pseudomonas aeruginosa およびstenotrophomonas (Xanthomonas) maltophilia に対するRIPMの抗菌力は, 対照薬剤同様弱かった。
    2. RIPM It, MSSA, Escherichia coli および Klebsiella pneumoniae 等の臨床分離株に対して強力な殺菌作用 (MIC/MBC) を示した。S.aureusFDA209PJC-1およびE.coli K12 C600の増殖曲線におよぼすRIPMの影響について検討したところ, 本剤は1MIC以上の濃度で強い殺菌作用が認められた。
    3.RIPMは, P. aeruginosaおよびS (X) anthomonas・rnallophiliaを除くβ-lactamase産生菌に対してCCLよりも強い抗菌力を示した。特に, C.frenndiiおよびE.cloacaeの中でCFIxおよびCFTMに高度耐性を示す株に対して, RIPMは優れた抗菌力を示した。
    4.RIPMは, S.(X.) malophilia産生oxyiminocephalosporinase (L-1β-lactamase) 以外の各種β-lactamaseに対して対照薬剤と比較し, 極めて安定であった。RIPMはC.fremdiiGN7391およびE.cloacae GN7471産生cephalosporinaseに対して, 高い親和性ならびに低いVmax値を示した。
  • 宮崎 修一, 金子 康子, 辻 明良, 五島 瑳智子
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 12-20
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Ritipenem (RIPM)(in vivo ではritipenemacoxil (RIPM-AC)) のin vitroおよびin vivo抗菌力をcefixime (CFIX), cefpodoxime (CPDX)(in vivo ではcefpodoxime proxetil (CPDX-PR)), cefteram (CFTM)(in vivo では cefteram pivoxil (CFTM-PI)) およびcefaclor (CCL) と比較検討した。
    Methicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA) を含むStaphylococcus属およびEnterococcus faecalis に対するRIPMの抗菌活性は, 比較薬剤に比べ明らかに強い抗菌活性を示した。また, 他のグラム陽性球菌であるStreptococcus属に対してもRIPMは強い抗菌活性を示した。陽内細菌科に属する菌種, Haemophilus influenzaeおよびPPNGを含むNeisseria gonorrhoeaeに対し, 本剤はCFIX, CPDXおよびCFTMと同等で, CCLより強い抗菌活性を示した。しかし, Pseudomonas aeruginosaに対して, 本剤は比較薬剤同様に抗菌活性は弱かった。
    マウス全身感染モデルでの治療効果におい, methicillin-susceptibleStaphylococcus aureus (MSSA) 株さらにImipenem耐性またはQuinolone耐性MRSA株感染マウスの場合, RIPM-ACの治療効果が最も優れていた。また, Escherichia coli C 11株またはSerratia mrcescens No.2株感染においても, 本剤は優れた治療効果を示した。
    以上の本剤の優れた治療効果には, in vitro抗菌力やβ-ラクタマーゼに対する安定性を反映していると考えられた。
  • 舘田 映子, 浅田 和美, 平松 啓一, 横田 健
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 21-32
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Ritipenem (RIPM) の試験管内抗菌力は, Staphylococcus aureus, methicillin-resistantStaphylococcus aureus, coagulase-negative staphylococci, Streptococcus pneumoniae, Streptococcus pyogenes, Enterococcus faecalis, Enterococcus faecium, Escherichia coil CS2 (R+), Klebsiella pneumoniae, Proteus mirabilis, Proteus vulgaris, Providencia rettgeri, Serratia marcescens, Enterobacter cloacae, Citrobacter freundii, Acinetobacter calcoaceticus, Pseudomonas aeruginosa, Burkholderia cepacia, Xanthomonas maltophilia, ampicillin (ABPC)-resistant Haemophilus influenzae, およびBacteroides fragilis の24~51臨床分離株に対するMIC90として, それぞれ0.39, >100, 50, 0.39, 0.05, 6.25, >100, 1.56, 0.39, 1.56, 1.56, 50,100, 12.5, 25, 3.13, >100, 25, >100, 0.78および0.39μg/mlであった。RIPMはS.aareus 209PのPBP 2, 3に対してimipenem (IPM) より強い結合親和性を示し, S.marcescens 13全てのペニシリン結合蛋白 (PBPs) 画分に対してもIPMより強い結合親和性を示した。E.coli NIHJ JC-2の各PBPs画分に対する結合親和性は, IPMのそれより若干弱い結合親和性を示した。本剤はIa, Ic, V型β-lactamaseに対して強い一時阻害作用及び永久不活化作用を示した。
    RIPMは, E.coli生細胞に対し補体との協力的殺菌作用は顕著ではないが, マウス培養マクロファージ (Mφ) との協力的殺菌作用は, 1/4MIC以上の本剤存在下で明らかに認められた。RIPMのヒト腎dehydropeptidase-I (DHP-I) に対する安定性はIPMより良好であった。
  • 渡辺 邦友, 加藤 直樹, 田中 香お里, 加藤 はる, 上野 一恵
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 33-41
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    経口化学療法剤であるritipenem acoxil (RIPM-AC) の活性体であるritipenem (RIPM) の嫌気性菌に対するin vitro抗菌力を参考菌株59菌種66株および臨床分離株294株を用いて検討した。
    RIPMはβ-lactamase産生株を多く含むBacteroides fragilisおよびPrevotella biviaなど臨床細菌学的に重要な嫌気性グラム陰性桿菌に優れた抗菌力を示した。また, Peptostreptococcus spp.に対しても強い活性を有し, 特にPeptostreptococcus anaerobiusに対して優れていた。
    本剤のB. fragilis GAI 5562に対する抗菌作用は1/2MIC以上の濃度で殺菌的であった。この濃度でB. fraglilsはフィラメント形成をきたした。本剤はB. fragilis GAI 10150由来のβ-lactamaseに極めて安定であった。しかし, arbapenemに耐性を示すB. fragilis GAI 30144のβ-lactamaseには容易に加水分解された。教室で全国レベルで収集したimipenem耐性菌 (MIC; 6.25μg/ml以上) に対する抗菌作用は弱かった。
    RIPMのClostridium difficils GAI 10029に対するMICは6.25μg/mlであった。またRIPM-ACの1日1回100mg/kgの5日間の経口投与により, 投与終了翌日の検査で, 100%のマウスの盲腸内にC. difficileの増殖 (105~107CFU/g) が観察され, 終了後7日目の観察でも100%のマウスでC.difficileが102~103CFU/g程度に分離された。
  • 西野 武志, 田中 真由美, 長辻 祥子, 大槻 雅子
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 42-54
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく合成された経口用ペネム系抗生物質ritipenem acoxil (RIPM-AC)[活性体ritipenem (RIPM)] のin vitro及びin vivo抗菌力について, cefaclor (CCL), cefixime (CFIX). cefotiam (CTM)[in vivo実験ではcefotiam hexetil (CTM-HE)], cefteram pivoxil (CFTM-PI) を比較薬としてin vitroは抗菌活性体であるRIPM, in vivoはRIPM-ACを用いて行った。
    RIPMは, グラム陽性菌及びグラム陰性菌に対して幅広い抗菌スペクトラムを有しており, グラム陽性菌のStaphylococcus spp.やStreptococcus spp, に対してはCCL, CTM, CFIXより優れていた._方, グラム陰性菌に対してはCCLより優れていたが, CFIXに比べ劣っていた。臨床分離のグラム陽性菌に対してRIPMはメチシリン耐性Staphylococcus aureus (MRSA) に抗菌力を示さなかったが, Staphylococcus spp., Enterococcus spp.に対してはCCLCTM, CFIXより明らかに優れていた。またグラム陰性菌に対してはCCLが抗菌力を示さないProteus vulgaris, Morganellamorganii, Providencia rettgeri, Enterobacter spp., Serratia marcescensに対してもRIPMは良好な抗菌力を示した。抗菌力に及ぼす諸因子の影響は馬血清添加, 接種菌量の影響は受けにくく, 培地pHの影響ではStaphylococcus aureusにおいて酸性側で抗菌力が強くなる傾向を示した。S.aureus, Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae, S.marcescens, Acinetobacter calcoaceticus及びMoramlla catarrhalisに対してRIPMは濃度依存的に殺菌作用を示した。
    マウス実験的腹腔内感染症に対する治療効果は, Saureus SmithではRIPM-ACはCFIXより優れており,. CTM-HEとほぼ同等で, CCLより劣っていた。Streptococcus pneumoniae typeIIIに対しては, RIPM-ACはCTM-HEと同等であったがCFIXやCCLよりも優れていた。Streptococcuspyogenes C203, E.coli KC-14, K.pneumnoniae KC-1に対しては, RIPM-ACはCCL, CTMHE, CFIXに比べ劣っていたが, A.calcoaceticus Ac-54に対してはRIPM-ACはCCLCTMHE, CFIXに比べ優れていた。K.pneumoniae B-54を用いたマウス実験的呼吸器感染症に対するRIPM-ACの治療効果は, CFIX, CFTM-PIに比べ劣っていたが, CCLと同等の効果を示した。
  • 西野 武志, 田中 真由美, 長辻 祥子, 大槻 雅子
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 55-61
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しい経口用ペネム系抗生物質ritipenem (RIPM) のEscherichia coli, Klebsiella pneumoniae, Serratia marcescensおよびAcinetobacter calcoaceticusに対する抗菌作用を位相差顕微鏡走査型電子顕微鏡および透過型電子顕微鏡を用いて, 形態変化の面から検討した。さらにE.coliのペニシリン結合蛋白質 (PBPs) に対する親和性についても検討を行った。
    E.coliおよびS.marcescensにRIPMを作用させたところbulge状の細胞および球形細胞そして溶菌像が観察された。一方, K.pneumoniaeおよびA.calcoaceticusではRIPMの作用により球形細胞と溶菌像を認めた。また, bulge状になったE.coliでは内膜の切断像が, そして球形化したA.calcoacetocusでは隔壁形成部位に膨隆像が観察された。E.coliのPBPに対してはRIPMはPBP2に対して最も良好な親和性を示した。この結果は形態変化の観察結果と良く一致していた。
  • 永山 在明, 野村 秀一
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 62-66
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しい経口ペネム系抗菌剤ritipenem acoxil (RIPM-AC) の活性本体ritipenem (RIPM) の臨床分離株に対するin vitro抗菌力を検討し, またRIPMを作用させたメチシリン耐性ぶどう球菌 (MRSA) の形態的変化を電子顕微鏡で観察し次のような成績を得た。
    1. RIPMはStaphylococcus aureus, Staphylococcus epidermidis, Enterococcus faecslisのグラム陽性菌に対し, 比較したcefaclor (CCL), cefixime (CFIX) およびcefpodoxime (CPDX) より優れた抗菌力を示した。
    2. グラム陰性菌のEscherichia coli, Enterobacter aerogenes, Enterobacter cloacae, Citrobacter freundii, Serratia marcescens, Acinetobacter calcoaceticus, Proteus mirabilis, Proteus vulgaris, Providencia rettgeri に対しても良好な抗菌力を示した。
    3. RIPMに感受性があるMRSAはRIPM処理によつて, 隔壁形成が阻害され分裂が阻止され, 時間の経過とともに溶菌した。
    RIPMはPseudomonas属を除くグラム陰性菌に対して幅広い抗菌スペクトルを有し, しかもグラム陽性菌に対しても従来の経口セフェム系抗生物質よりすぐれた抗菌力を示した。またMRSAの感受性株に対しても有効であることが形態学的にも確認された。
  • 出口 浩一, 横田 のぞみ, 古口 昌美, 鈴木 由美子, 深山 成美, 石原 理加, 小田 滴次
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 67-73
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    1993年1月~9月に検出した新鮮臨床分離多剤耐性菌を主たる対象として, ritipenem acoxil (RIPM-AC) の活性本体である ritipenem (RIPM) の抗菌活性の検討を行い, 以下の結果を得た。
    1. Methicillin (DMPPC)-resistant Staphylococcus spp. に対するRIPMのminimuminhibitory concentrations (MICs) は, ほぼ2峰性に分布していた。すなわち, DMPPCのMIC値≦50μg/mlを示す中程度のDMPPC耐性株に対するRIPMのMICは低い方に分布し, DMPPCのMIC値≧100μg/mlを示すDMPPC高度耐性株に対するRIPMのMICは高い方に分布する結果であった。
    2. Benzylpenicillin (PCG)-resistant Streptococcus pneumoniae に対するRIPMの強い抗菌活性が示唆された。
    3.いわゆる第三世代セフェム系経口薬剤にも耐性を示す Enterob acteriaceae としてのEscherichiacoli, Klebsiella spp., Proteus group, さらに Moraxella subgenus Branhamella catarrhalis, Bacteroides fragilis group などに対するRIPMの強い抗菌活性が認められた。
    4. Citrobacter freundii K-AltZ RIPM ODMIC90値は高く, Acinetobacter spp. と BurkholderiacepaciaにはRIPMの高度耐性株も存在していた。
    5. Haemophilus influenzae に対するRIPMのMIC値はいわゆる第三世代セフェム系薬剤には劣ることから, 臨床の場においてはRIPMの菌種ごとの抗菌力を十分に考慮して投与することが大切である。
  • 佐藤 田鶴子, 阿部 葵, 石垣 佳希, 宮坂 孝弘
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 74-76
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Ritipenem acoxil (RIPM-AC) は新しいエステル型ペネム系経口薬で, 経口投与後・腸管で速やかに, 加水分解され, 活性本体であるritipenem (RIPM) として抗菌力を示すプロドラッグタイプの抗生物質である。本剤の体内動態を動物を用いて, 薄周平板ディスク法にて行った。New Zealandwhite種 (NZW種) ウサギを用い, ritipenem acoxilを20mg/kg経口投与させ, 口腔感染症に関連ある組織への移行を確認するとともに, 歯性感染症の主座になるウサギ下顎骨に佐藤一Heimdahl法にて感染を惹起させ, そのモデルについても本剤の移行に関する比較検討を行った。試料は血清をはじめ, 舌, 歯肉, 顎下リンパ節, 顎下腺耳下腺上顎骨, 下顎骨, 膿汁を対象とした。
    血清中のRIPMのTmax (最高濃度到達時間) は感染群0.24時間で, 健常群はやや遅く, Cmax (最高血中濃度) は12.05μg/ml, 11.33μg/mlとかなり高い移行であった。組織については, 感染群ではTmaxは0.19~0.26時間で, Cmaxは0.74~7.15μg/gであった。舌や歯肉などの軟組織への移行は高く, 顎下腺, 耳下腺などの腺組織への移行がそれに次いでいた。
    感染巣の形成された顎骨はそれに次いでいた。とくに下顎骨については, Cmaxは血中移行の約12%, AUCでは約3%の移行が見られた。しかし顎骨内に存在する本剤の膿汁中移行は血中移行より低いものの, 顎骨への移行を越えるものであった。
    移行パターンとしては全体に血清移行も組織移行もほぼ類似しており, 感染群と健常群では, Tmaxは感染群の方が健常群に比較して早く, かっCmaxについては, 1.0~2.5倍移行が高かった。
  • 戸塚 恭一, 柴田 雄介, 長谷川 裕美, 菊池 賢, 清水 喜八郎
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 77-80
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新たに開発された経口ペネム系抗菌薬ritipenem acoxil (RIPM-AC) の活性本体であるritipenem (RIPM) の白面球減少マウス大腿感染モデルにおけるin vivoの殺菌作用, およびeffective regrowthtime (ERT) をcefaclor (CCL) を対照としてStaphylococcus aureus Smith, Klebsiellapneuznoniae BKについて検討した。また, 同感染モデルにてRIPMの25mg/kg, 50mg/kg投与時の血漿中濃度も併せて検討した。
    両薬剤25mg/kgを背部皮下投与した際のS.aureus Smithに対する最大殺菌値 (ΔLog10CFU/thigh) は, RIPMで投与後2時間に-1.31, CCLで投与後3時間に-0.32であった。ERTはそれぞれ3.5時間, 2.9時間であった。K. pneumoniae BKに対する最大殺菌値 (ΔLog10 CFU/thigh) は, RIPMは0であり, CCLでは投与後2時間に-0.66であった。ERTはそれぞれ1時間, 2.8時間であった。また, RIPM25mg/kgを背部皮下投与した際のT1/2は8.3分, AUCは180.6μg/ml・minであり, 50mg/kg投与ではT1/2が9.0分, AUCが314.0μg/ml・minであった。
  • 堀 誠治, 嶋田 甚五郎
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 81-84
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    β-Lactam薬が痙攣誘発作用を有することは良く知られている。新しく開発された経口penem薬, ritipenem acoxil (RIPM-AC) の活性本体であるritipenem (RIPM) の痙攣誘発作用とγ-aminobutyric acid (GABA) 受容体結合に及ぼす影縛を検討した。Cefazolin (CEZ), imipenem (IPM), cephaloridine (CER) は脳室内投与により投与量依存的にマウスに痙攣を誘発したが, RIPMは200nmol/brainまで痙攣は見られなかった。さらに, CEZ, IPM, CER及びRIPMは濃度依存的にGABA受容体結合を阻害した。その阻害の強さはCEZ>IPM>CER≧RIPMであった。以上の成績より, RIPMは痙攣誘発作用の低い薬物であろうことが示唆された。
  • 中塩 哲士, 岩沢 博子, 金光 敬二, 杜 甫云, 嶋田 甚五郎
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 85-90
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規の経口ペネム系抗菌薬ritipenem acoxil (RIPM-AC) の活性本体ritipenem (RIPM) のStreptococcus pneumoniaeおよびその他の臨床分離菌に対するin vitro抗菌力を検討した。対照薬としてpenicillin G, ampicillin, cefazolin, cefotiam, cefotaxime, imipenem, panipenemおよび経口抗菌薬cephalexin, cefaclor, cefadroxil, cefpodoxime, cefdinir, cefditorenを用いた。
    S. pneumoniaeに対するRIPMのMICrangeは≦0.025~0.2μg/mlの範囲にあり, MIC90は0.1μg/mlであった。RIPMはmethicillin耐性Staphylococciを除くグラム陽性球菌, Serratia marcescensを除く腸内細菌科菌群, Haemophilus influenzaeおよび嫌気性菌 (Bacteroides属, Fusobacterium属) にも良好な抗菌力を示した。
  • 松岡 正之, 細見 律子, 真木 照雄, 伴野 清, 佐藤 忠司
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 91-96
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    高速液体クロマトグラフィーによるヒト血漿および尿試料中のritipenem (RIPM) の定量法について検討し, 臨床試験における体液内濃度測定法を設定した。
    試料は限外ろ過による前処理後グラジエントモードの逆相カラムに注入した。注入法として, 血漿試料はサンドイッチ法を, 尿試料は直接法を用いた。本法は血漿および尿成分から目的成分を良好に分離でき, かっ, ブランク血漿あるいはブランク尿に添加して作成した検量線は原点を通る良好な直線性を示した。本法により血漿試料中0.05~5.0μg/mlの濃度範囲のRIPMを日内精度4.8%, 日間精度3.2%以下でそれぞれ測定することができた。同様に尿試料についても, 2.5~1000μg/mlの濃度範囲で日内精度11.9%, 日間精度7.5%以下でそれぞれ測定することができた。検出限界は, 血漿中が約0.01μg/ml, 尿中では約1.0μg/mlであった。
    血漿中のRIPMは安定化剤を添加することにより,-20℃および-80℃保存で少なくとも約1ケ月間は安定であった。
    Ritipenem acoxil (RIPM-AC) を投与した臨床検体中のRIPMを本法で測定した結果は, 血漿および尿ともに生物学的測定法による測定結果と良好な相関性を示した。
  • 武田 勝男, 矢野 茂, 平野 直光, 松下 忠弘, 大橋 元明, 山口 東太郎
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 97-102
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Ritipenem acoxil (RIPM-AC) の活性体であるritipenem (RIPM) の体液内濃度測定法および体液中での安定性について検討し, 以下の結果を得た。
    1) Bacillus subtilis ATCC 12432を被験菌とし, 0.5%クエン酸三ナトリウム・2水和物添加普通寒天培地を用いたRIPMの高感度測定法を設定した。
    2) 本法では生体試料に等量の安定化剤 [1M Morpholino-propane sulfonate (pH5.0)/Ethylene glycol (1: 1, v/v)] を加える。また, 本法のペーパーディスク法による測定下限は血漿, 血清, 尿試料で0.04μg/mlであった。
    3) 安定化剤を加えた試料 (血漿, 血清, 尿) は-80℃で保存すれば, 少なくとも28日間は安定であった。
  • 齋藤 玲, 富澤 磨須美, 中山 一朗, 佐藤 清
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 103-110
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Ritipenem acoxil (RIPM-AC) はエステル型の新規経口ペネム系抗生物質で, 投与後エステラーゼにより加水分解され, 抗菌活性を有するritipenem (RIPM) になる。
    臨床分離の7菌種209株に対するRIPMの抗菌力を測定し, ampicillin (ABPC), cefaclor (CCL), cefixime (CFIX), cefteram (CFTM), cefpodoxime (CPDX) と比較した。Staphylococcus aureasおよびKlebsiella pneumoniaeに対しては, 対照の5剤より優れた抗菌力を示した。Escherichia coliおよびProteus mirabilisに対してはCCL, Morganella morganiiに対してはCFIX, CPDX, Serratia marcescensに対してはCFTM, CPDXとほぼ同等の抗菌力であった。Pseudomonas aeruginosaには他剤同様十分な抗菌力ではなかった。
    呼吸器感染症30例に対して, RIPM-ACを1日450~1500mg分3で, 4~14日間投与し, 臨床的検討を行った。解析対象29例の臨床効果は著効5例, 有効19例, やや有効5例であった。細菌学的には19例から菌が検出され, 効果判定可能な17例では消失13例, 減少または部分消失3例, 菌交代1例であった。副作用は, 食欲不振および胃部不快感1例, 食欲不振1例が認められ, 臨床検査値異常は, GOTの上昇が1例に認められた。
  • 大道 光秀, 山田 玄, 平賀 洋明, 平川 美智子
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 111-114
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新たに開発されたペネム系抗生物質ritiponem acoxilを呼吸器感染症患者に投与し, 臨床的有用性について検討した。急性肺炎4例, 慢性気管支炎2例, 気管支拡張症, 気管支喘息の二次感染各2例および肺気腫の二次感染1例の計11例に対し, 1回200~300mgを1日3回, 7~15日間食後経口投与した。
    臨床効果は, 著効2例, 有効7例, やや有効2例で, 有効率は81.8%であった。
    細菌学的効果は, 略痰より原因菌が分離された8例中7例で菌が消失し, 1例は投与後も存続した。
    副作用, 臨床検査値異常は特に認められなかった。
  • 丹野 恭夫, 西岡 きよ, 荻原 央子, 大野 勲, 前田 貴美人, 佐藤 裕子, 白土 邦男
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 115-120
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しい経口用ペネム系抗生物質ritipenem acoxilを呼吸器感染症17例に投与し臨床効果を検討した。また, 臨床分離菌Haemophilus influenzae (52株), Moraxella (Branhamella) catarrhalis (52株) およびStreptococcus pneumoniae (83株) に 対する本剤を含むβ-ラクタム剤7種のMICを測定した。
    急性気管支炎4例, 慢性気管支炎7例, 気管支拡張症の二次感染3例, 陳旧性肺結核の二次感染2例および慢性肺気腫の二次感染1例に本剤1回200mgまたは300mgを1日3回投与した。投与期間は7~16日間であった。その結果, 有効12例, やや有効3例, 無効2例で, 有効率は70.6%であった。
    分離された起炎菌, S.pneumoniae 6株, M.(B.) catarrhalis 2株H.inlzuenzae 1株およびStaphylococcus aureus 1株のうち消失したものはSpneumoniae 3株とM.(B.) catarrhali 82株H.influenzaeおよびS.aureus各々1株で, 消失率は70.0%であった。S.pneumoniae 6株中3株は除菌されなかった。無効の2例は, 共にS.pneumoniae感染の慢性気管支炎の症例であった。
    自覚的副作用は1例に嘔気が認められ, 臨床検査値異常では, 1例に尿蛋白陽性化, 1例に総ビリルビンの軽度上昇が認められた。主要3菌種H.influenzae, M.(B.) B, ccatarrhalis, S.pneumoniaeに対する本剤のMIC50・MIC90は各々0.39・0.78, 0.2・0.39, 0.025・0.05でIPMやAMPC/CVAに同等かそれに次ぐ抗菌力を示した。
    以上より本剤は呼吸器感染症とくにM.(B.) catarrhalisH.inflmnzaeによる感染症に有用であることが示唆された。
  • 渡辺 彰, 庄司 聡, 菊地 宏明, 高橋 洋, 本宮 雅, 貫和 敏博, 佐藤 和男, 長井 弘策, 中村 俊夫, 滝沢 茂夫
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 121-133
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    経口用ペネム系抗生物質ritipenem acoxil (RIPM-AC) の呼吸器由来7菌種に対する抗菌力をcefaclor (CCL), cefteram (CFTM) と比較検討し, 呼吸器感染症37例に対する臨床効果, 細菌学的効果並びに安全性を検討した。methicillin-susceptible Staphylococcus aureus (MSSA) とmethicillin-resistant S.aureus (MRSA) に対する本剤の抗菌力は対照2剤の8~512倍であった。Haemophilus influenzae, Escherichia colt, Enterobacter cloacae 及びSerratia marcescensに対してはCFTMより弱いがCCLの8~256倍強かった。Kleebsiella pneumoniaeに対してはCFTMより弱いがCCLと同等であった。Pseudomonas aeruginosaに対する抗菌力は他剤同様弱かった。急性気管支炎5例, 慢性気管支炎4例, 気管支拡張症+感染14例, 肺気腫+感染1例, 肺線維症+感染1例, 肺炎11例, 肺結核 (投与開始後判明) 1例の計37例に本剤を1回150~400mg, 1日3回, 2~18日間投与した。効果判定可能の35例中著効5例, 有効22例, やや有効6例, 無効2例 (有効率77.1%) であった。治療前にはS.aureus (MSSA) 1, S.aureus (MRSA) 1, Streptococcus pneumoniae 3, P.aeruginosa 1, Strewanella putrefaciens 1, H.influenzae 8, Moraxella ctarrhalis 3の計18株が分離され, 治療後に8株が消失した。食思不振, 発疹と好酸球上昇及びGOT・GPT上昇, GOT上昇を各1例に認めたが投与終了後に改善した。RIPM-ACは呼吸器感染症に対して有用な薬剤と考えられた。
  • 柴 孝也, 坂本 光男, 中沢 靖, 前沢 浩美, 吉川 晃司, 吉田 正樹, 酒井 紀, 齋藤 篤
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 134-139
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しい経口ペネム剤ritipenem acoxil (RIPM-AC) の体内薬物動態および臨床的有用性の検討を行い, 以下の成績を得た。
    1. 薬物動態
    本剤の体内動態検討のため, 健康成人男子志願者6名 (年齢20~22歳, 平均体重69.3kg) を対象としてRIPM-AC 200mg単回投与時の体内動態に及ぼすprobenecid併用による影響をcross-over法にて比較検討した。probenecid併用時の薬動力学的パラメーターは非併用時に比べT1/2が0.61時間から0.91時間に延長, Cmaxが1.88μg/mlから2.87μg/ml, AUCが2.55μg・h/mlから4.53μg・h/mlに増大しており, 一方, 腎クリアランスは139.7ml/minから32.6ml/mlnに減少した・以上の成績により, 本剤の腎排泄機序として, 糸球体濾過のほか尿細管分泌の関与が示唆された。
    2. 臨床的検討
    扁桃炎1例, 急性気管支炎2例, 肺炎4例の計7例にRIPM-ACを1回150~500mg1日3回4~14日間投与した。臨床効果は著効1例, 有効4例, やや有効1例, 無効1例であった。細菌学的効果は, 起炎菌が分離されず不明であった。副作用は認められなかった。臨床検査では1例にGOT, GPTの軽度上昇が認められた。
  • 岡 慎一, 後藤 美江子, 真貝 美香, 島田 馨, 佐野 靖之, 宮本 康文, 荒井 康男, 稲松 孝思
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 140-145
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規経口ペネム系抗生物質ritipenem acoxil (RIPM-AC) の抗菌力および内科領域の感染症に対する臨床的有用性を検討し, 以下の成績を得た。
    1. In vitro pharmacokinetic systemを用いてRIPM-AC 200mg, cefotiam hexetil (CTMHE) 200 mgの内服時の体内動態をシミ誌レートさせ, Staphylococcus aureus 209 P JC 1, Streptococcus pneumoniae IID 553, Escherichia coli NIHJ JC 2 およびHaemophilus influenzae IID 984の生の推移を検討した。Ritipenem (RIPM) のS. aureusおよびS. pneumoniaeに対する抗菌力は, CTMより優れた成績であったが, E. coliに対してはやや劣り, H. influenzaeに対してまほぼ等の成績であった。
    2. 呼吸器感染症20例にRIPM-ACを1日450~1200 mg, 1~14日間症状により投与し, その効果および安全性を検討した。解析対象の17例における臨床効果は, 著効2例, 有効15例で, 全例有効以上であった。起炎菌として7例から5菌種7株が分離され, S. pneumoniae1株, Acinetobacter calcoaceticus 1株, H. influenzae 2株, Pseudomonas aeruginosa 1株が各々消失し, S. aureus1株P.aeruginosa 1株が存続した。本剤投与に起因する副作用および臨床検査値の異常変動は認められなかった。
  • 大石 明, 福田 潔, 坂内 通宏, 青崎 登, 勝 正孝, 濱本 龍生, 鳥飼 勝隆
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 146-153
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しい経口ペネム系抗生物質として開発されたritipenem acoxilの基礎的および臨床的検討を行い以下の知見を得た。
    基礎的検討ではグラム陽性菌 {methicillin-susceptible Staphylococcus aureus (MSSA), methicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA), Staphylococcus epidermidis, Enterococcus faecalis, Streptococcus pyogenes, Streptococcus pneumoniae} およびグラム陰性菌 (Haemophilus influenzae, Moraxella catarrhalis, Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae, Proteus mirabilis, Proteus vulgaris, Enterobacter cloacae, Serratia rnarcescens, Citrobacter freundii, Acinetobacter calcoaceticus) の計16菌種についてのMICをclavulanic acid/amoxicillin (CVA/AMPC), sultamicillin (SBTPC), cefotiam (CTM), cefpodoxime (CPDX), cefteram (CFTM), cefixime (CFIX), minocycline (MINO) の7種の対照薬と比較検討した。その結果グラム陽性菌に対しては非常に優れた抗菌力を示し, グラム陰性菌に対してもほぼ中等度に良好なMIC値を示した。
    臨床的検討では, 効果判定可能な呼吸器感染症17例に, 本剤を主として1日600 mg分3 (1日300 mg分2, 1日450 mg分3を各1例含む) で3日から14日間投与し, 著効3例, 有効11例, やや有効1例, 無効2例 (有効率は82.4%) であった。副作用, 臨床検査値の異常変動は認められず, 本剤は呼吸器感染症に対して, 有用で, かっ安全に使用できる薬剤であることが示唆された。
  • 高木 健三, 山木 健市, 渡辺 好明, 田中 斉
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 154-159
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規経口ペネム系抗生物質であるritipenem acoxil (RIPM-AC) の高齢患者における薬動力学的検討および呼吸器感染症患者に対する臨床的検討を行った。
    高齢患者における薬動力学的検討では, 60~81歳の高齢患者7例にRIPM-AC 200 mgを投与した。血中濃度は投与0.96 hr後最高血中濃度 (Cmax) 2.42μg/mlに達し, 以後血中濃度半減期 (T1/2) 0.79 hrで漸減した。血中濃度・時間曲線下面積は投与後4時間まで (AUC0-4h) で3.83μg・hr/ml, 尿中回収率は17.4%であった。特に加齢がRIPMの体内動態に大きく影響することはないものと考えられた。
    また, 呼吸器感染症患者12例に投与し, 本剤の有用性を検討した。投与は1回200~300 mgを1日3回食後経口投与とした。対象疾患は急性気管支炎3例, 急性扁桃炎1例, 慢性気管支炎4例, その他慢性呼吸器疾患 (気管支拡張症1例, 気管支喘息2例, 慢性肺気腫1例) の2次感染4例で, 有効率は90.9%(10/11) であった。細菌学的効果の検討は, 起炎菌の推移を評価できた単独菌感染4例において行われ, その起炎菌の内訳は, Streptococcus pneumoniae 1株Klebsiella pneumoniae1株, Pseudomonas aeruginosa 1株, Moraxella catarrhalis1株であり, P. aeruginosa1株を除く起炎菌3株については全て消失した。
    本剤に起因する副作用または臨床検査値異常変動は認められなかった。
    以上より, RIPM-ACは, 体内動態において加齢が大きく影響することはないものと考えられ, また, 臨床的有用性の高い薬剤であると考えられた。
  • 沖本 二郎, 吉田 耕一郎, 中島 正光, 二木 芳人, 副島 林造
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 160-164
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しい経口ペネム系抗生物質ritipenem acoxil (RIPM-AC) について, 呼吸器感染症に対する効果を細菌学的および臨床的に検討し, 以下の成績を得た。
    1) 臨床分離Staphylococcus aureusに対するMICは, imipenem/cilastatin Na (IPM/CS) に次ぐもので, cefotiam (CTM), cefixime (CFIX), cefpodoxime (CPDX) およびampicillin (ABPC) より優れた抗菌力を有していた。Streptococcus pneumoniae, Klebsiella pneumoniae, Haemophilus influenzae, Moraxella catarrhallsに対しても優れた抗菌力を示したが, methicillin-resistant Staphylococcus aureus, Pseudomonas aeruginosaに対するMICは他剤と同様に高値を示した。
    2) 呼吸器感染症12例を対象にRIPM-ACを使用した結果, 対象外疾患であった1例を除き, 臨床効果は著効1例, 有効8例, やや有効1例, 無効1例で有効率は81.8%であった。随伴症状を認めた症例はなかったが, 2例にS-GOTの軽度上昇を認めた。
  • 澤江 義郎, 岡田 薫, 下野 信行, 三角 博康, 江口 克彦, 仁保 喜之, 高木 宏治
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 165-170
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたペネム系抗生物質のritipenem acoxil (RIPM-AC) について基礎的,臨床的検討を行った。
    RIPM-ACの活性体であるritipenem (RIPM) の臨床分離株に対する抗菌力をampicillin (ABPC), cefaclor (CCL), cephalexin (CEX) およびcefpodoxime (CPDX) を対照薬として, 九州大学第一内科入院患者由来の臨床分離株11菌種223株について測定した。グラム陽性菌に対してはABPCとほぼ同等で, セフユム系薬より優れていた。グラム陰性菌に対してはCPDXとほぼ同等で, その他の薬剤より優れていた。肺炎6例, 気管支肺炎1例, 気管支炎3例, 気管支拡張症1例, 肺化膿症1例の計12例にRIPM-ACを450~600mg/日, 7~28日間経口投与したところ, その臨床効果は著効2例, 有効8例, やや有効1例, 無効1例で, 有効率は83%であった。起炎菌として同定できた6株については, 1株消失, 4株減少, 1株不変であった。副作用として, 食欲不振・嘔気・嘔吐が1例にみられ, 臨床検査値異常として, 好酸球増加, GPT上昇が各1例にみられた。
  • 小川 和彦他
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 171-177
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Ritipenem acoxil (RIPM-AC) についての基礎的ならびに臨床的検討を行い, 以下の結果を得たので報告する。
    RIPM-ACはプロドラッグであり, 経口投与後腸管より吸収され, エステラーゼにより分解されて活性本体であるritipenem (RIPM) となる。
    1) 抗菌力: 臨床分離株17菌種515株に対するRIPMの最小発育阻止濃度を測定し, 他の薬剤 (IPM, CCL, CFIX, CFTM, CTM) と比較検討した。その結果本荊は, グラム陽性菌, グラム陰性菌に対し, 良好な抗菌活性が認められた。
    2) 臨床的検討: 呼吸器感染症患者15例に本剤を投与し, 臨床効果および副作用について検討した。総合臨床効果は15例中, 著効2例, 有効9例, やや有効1例, 無効2例, 判定不能1例で, 有効率は78.6%であった。副作用としては下痢が1例に認められ, 臨床検査値異常としては好酸球増多が1例, 血小板増多が1例に認められた。しかしこれらの異常はいずれも軽度であり, 本剤投与終了後速やかに改善し, 本剤の安全性が確認された。
  • 山下 広志, 田尾 操, 渡辺 貴和雄, 大石 和徳, 力富 直人, 永武 毅, 隆杉 正和, 秋山 盛登司, 田中 宏史, 松本 慶蔵
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 178-185
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発された経口エステル型ペネム系抗生物質ritipenem acoxil (RIPM-AC) の呼吸器感染症における基礎的・臨床的検討を行った。
    呼吸器病原性明確な菌株に対する抗菌力をMIC50およびMIC90で示すと, Streptococcus pneumoniae 50株に対しては0.05μg/ml, 1.56μg/ml, Haemophilus influenzae 42株に対しては1.56μg/ml, 3.13μg/ml, Moraxella catarrhalis 41株に対しては0.2μg/ml, 0.78μg/ml, Staphylococcus aureusではmethicillin-sensitive S.aureus 28株に対しては0.2μg/ml, 0.78μg/ml, methicillin-resistant S. aureus 25株に対しては100μg/ml, >100μg/mlであったが, 3.13μg/ml以下の株が11株あった。
    400mg単回経口投与後の最高血中濃度は1.41μg/ml, 最高喀痰中濃度は0.12μg/mlであった。
    11症例の細菌性呼吸器感染症患者に本剤を1回200mgから500mgを1日3回投与し, 細菌学的効果および臨床的効果を検討した。分離された14菌株に対する細菌学的効果はS. pneumonlae 3株中2株, H. influenzae 3株中1株, M. catarrhalis 5株中3株, S. aureus 1株中1株除菌されたがPseudomonas aeruginosa 2株は除菌されなかった。臨床効果は著効1例, 有効6例, やや有効1例, 無効3例で有効率は63.6%であった。副作用および臨床検査値異常は認めなかった。
    以上より本剤は急性呼吸器感染症の症例では1回300mg, 慢性呼吸器感染症の症例では1回500mgの投薬量を勧めたい。
  • 那須 勝, 山崎 透, 後藤 陽一郎, 平松 和史, 一宮 朋来, 時松 一成, 永井 寛之, 田代 隆良, 菅原 弘一, 伊東 盛夫, 長 ...
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 186-192
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発された経口ペネム系抗菌薬ritipenem acoxiiについて, 基礎的研究ならびに呼吸器感染症に対する臨床的検討を行い以下の結果を得た。
    1. 抗菌力: 臨床材料から分離した19菌種, 761株について, 日本化学療法学会標準法に従い最小発育阻止濃度 (MIC) を測定し, cefteram (CFTM), cefpodoxime (CPDX) の抗菌力と比較した。本剤は, グラム陽性球菌に対しては全般に最も優れた抗菌活性を示した。グラム陰性桿菌に対してもProteus mirabilis, Haemophilus influenzae を除き全般に他剤と同等以上の成績であったが, Pseudomonas aeruginosa, Xanthomonas maltophilia に対しては他剤同様抗菌力を示さなかった。Moraxella catarrhalis, Bacteroides fragilis には最も優れた抗菌力を示した。
    2. 血中および喀痰中移行濃度: 慢性気管支炎1例, びまん性汎細気管支炎1例にそれぞれ本剤200mg, 400mg経口投与後, 経時的に血中および喀痰中濃度を測定した。最高血中濃度は前者では4時間後に1.48μg/ml, 後者では2時間後に0.28μg/mlであったが, 喀痰中濃度はいずれも検出限界以下であった。
    3. 臨床成績: 呼吸器感染症9例を対象とし, 本剤を1回量200~400mg。1日3回, 3~14日間経口投与した。臨床効果は有効5例, やや有効1例, 無効2例, 判定不能1例であった。本剤投与による自他覚的副作用は全例認められなかった。臨床検査値異常変動は, 好酸球増多が1例に認められたが, 臨床上特に問題となる所見は認められなかった。
  • 健山 正男, 普久原 浩, 稲留 潤, 我謝 道弘, 斎藤 厚, 草野 展周, 古堅 興子, 仲宗根 勇, 平良 真幸, 伊良部 勇栄, 宮 ...
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 193-199
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発された経口ペネム系抗菌薬ritipenem acoxil (RIPM-AC) について基礎的・臨床的検討を行ない, 以下の結果を得た。
    1. 基礎的検討: 各種臨床分離菌株13菌種, 296株に対して微量液体希釈法にてritipenem (RIPM) の抗菌力を測定し, 代表的なβ-ラクタム系経口抗菌薬であるcefaclor (CCL), cefotiam (CTM), cefixime (CFIX), cefteram (CFTM), amoxicillin (AMPC) と比較した。RIPMは他のβ-ラクタム系経口抗菌薬5剤と比しmethicillin-susceptible Staphylococcus aureus (MSSA), Streptococcus pneumoiae, Enterococcus faecalis, Moraxella (Branhamella) catarrhalis, Escherichia coli, Enterobacter cloacae, Citrobacter freundii, Acinetobacter calcoaceticusに対して優れた抗菌力を示した。Haemophilus influenzae についてはCTMと, Klebsiella pneumoniae, Proteus mirabilis についてはCCLと, Serratia marcescens についてはCFTMと同等の抗菌力を示した。しかし, methicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA), Pseudomonas aeruginosa に対する抗菌力は不十分であった。
    2. 臨床的検討: 呼吸器感染症8例 (急性気管支炎4例, 肺炎2例, 慢性気管支炎の急性増悪2例) に対し, 本剤1回150~400mgを1日3回経口投与し臨床効果, 細菌学的効果, 副作用, 臨床検査値異常を検討した。臨床効果は, 判定不能の1例を除外した7例中1例が著効, 5例が有効, 1例がやや有効であった。細菌学的効果では, 2例よりH. influenzae, E. cloacae が分離され, 本剤投与後消失した。副作用は全例に認められなかった。臨床検査値異常では, GOT・GPT・s-Crの上昇, 好酸球増多が1例ずつの計2例に認められたが, いずれも軽度で臨床的な処置を必要としなかった。
    以上のことから, 本剤は呼吸器感染症に対し有用な薬剤であると考える。
  • 齋藤 篤他
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 200-217
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたペネム系経口抗生剤, ritipenem acoxil (RIPM-AC) の呼吸器感染症に対する至適臨床用量を客観的に検討する目的で, 細菌性肺炎を対象としてRIPM-ACの2用量間で比較試験を実施した。投与薬剤群はRIPM-ACの1日600mg (分3) 投与群 (L群) と900mg (分3) 投与群 (H群) とし, 2用量群間で二重盲検性を確保した。非盲検下の対照薬としてはcefotiam hexetil 600mg (分3) 投与群 (C群) を設定した。なお, 投与期間は原則として14日間とした。
    総投与症例118例中, 臨床効果解析対象例数は99例 (L群33例, H群31例, C群35例) であった。3群間の症例の背景因子については有意な偏りは認められなかった。
    1) 臨床効果: 有効率 (著効+有効) ではL群で87.9%(29/33), H群で80.6%(25/31) であり, 2用量群間に有意差は認められなかった。なお, C群の有効率は91.4%(32/35) であった。
    2) 細菌学的効果: 臨床効果解析対象例における菌消失率 (消失+菌交代) は, L群で70.0%(7/10), H群で72.7%(8/11) であり, 2用量群間に有意差は認められなかった。なお, C群の菌消失率は75.0%(9/12) であった。
    3) 安全性: 副作用は, L群では認められず, H群で2例 (5.6%) に認められた。また, 臨床検査値の異常変動の発現がみられたのはL群で8例 (21.6%), H群で11例 (32.4%) であった。安全性判定では, L群で37例中29例 (78.4%), H群で36例中23例 (63.9%) が安全であると判定された。いずれについても2用量群間に有意差は認められなかった。なお, C群では副作用は認められず, 臨床検査値異常変動は10例 (26.3%) に認められ, 安全性判定では39例中29例 (74.4%) が安全であると判定された。
    4) 有用性: 有用率 (極めて有用+有用) はL群で87.9%(29/33), H群で78.1%(25/32) であり, 2用量群間に有意差は認められなかった。なお, C群の有用率は91.4%(32/35) であった。
    以上の本試験の結果から, 細菌性肺炎に対するRIPM-ACの有用性が確認され, その臨床用量は1日600mg (分3) 投与が至適用量と考えられた。
  • 南部 明民, 広瀬 崇興, 熊本 悦明, 丸田 浩
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 218-225
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しい経口用ペネム系抗生物質であるritipenem acoxil (RIPM-AC) について基礎的, 臨床的検討を行った。
    1. 抗菌力: 基礎的検討として, 教室保存の臨床分離株 (12菌種, 各30株) に対するritipenem (RIPM) ならびにcefpodoxime (CPDX), cefteram (CFTM), cefaclor (CCL), cefotiam (CTM), imipenem (IPM) 6薬剤のMICをMIC 2000 systemを用いて測定した。methicillin-sensitive Staphylococcus aureus (MSSA), Staphylococcus epidermidis, Enterococcus faecalisに対するRIPMのMIC90値はそれぞれ, 0.5, 0.25, 8.0μg/mlで, 他の薬剤に比して優れた抗菌力を示した。一方, methicillin-resistant S. aureus (MRSA), E. faesium, Serratia marcescens, Pseudomonas aeruginosaに対しては他剤と同様抗菌力は弱かった。
    2. 臨床的検討: 急性単純性膀胱炎3例, 複雑性尿路感染症10例で検討した。急性単純性膀胱炎は1回150mgを, 複雑性尿路感染症には1回200mgを1日3回, 4~7日投与した。UTI薬効評価基準による評価が可能であった症例は, 急性単純性膀胱炎では1例で著効であった。複雑性尿路感染症では7例で著効6例, 無効1例であった。副作用は1例に軽度の下痢を認めたが, 投与中止により症状は速やかに軽快した。臨床検査値異常は1例でGPTの軽度上昇が認められた。
  • 清田 浩, 町田 豊平, 大石 幸彦, 小野寺 昭一, 鈴木 博雄, 後藤 博一, 高見澤 重教, 三谷 比呂志, 川原 元, 五十嵐 宏, ...
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 226-229
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Ritipenem acoxil (RIPM-AC) の尿路感染症に対する有用性を明らかにする目的で, 基礎的には本剤の尿中抗菌力について, また, 臨床的には慢性複雑性尿路感染症に対し本剤を投与し, その有効性と安全性について検討した。
    1.基礎的検討: pHを変化させた健常人の尿を培地として, 本剤の活性体であるritipenem (RIPM) のEscherichia coli NIHJ JC-2および Pseudomonas aeruginosa 18sに対する最小殺菌濃度 (minimum bactericidal concentration; MBC) を測定した。E. coliに対するRIPMのMBCは尿培地のpH, マグネシウムおよびカルシム濃度の影響を受けなかったが, P. aerugimsaに対する本剤のMBCは酸性の尿培地において低値となった。
    2.臨床的検討: 慢性複雑性尿路感染症患者8例 (慢性複雑性腎孟腎炎4例, 慢性複雑性膀胱炎4例) に対し本剤200mgないし300mgを1日3回, 5日から7日間投与し, その有効性をUTI薬効評価基準および主治医により判定した。また, 本剤投与による自他覚的副作用あるいは臨床検査値異常の有無を観察し, 本剤の安全性を検討した。UTI薬効評価基準を満足した7例に対する本剤の臨床効果は, 有効3例, 無効4例であった。また, 主治医判定では, 有効5例, やや有効1例, 無効2例であった。本剤投与による自他覚的副作用および臨床検査値異常は認められなかった。
    以上より, 本剤は複雑性尿路感染症に対する有効性は低かったが, P. aeruginosa感染症に対しては尿を酸性化することによりその有効性が高められる可能性が示唆された。
  • 斎藤 功, 西古 靖
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 230-235
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規ペネム系経口抗生物質ritipenema coxilの淋菌に対する抗菌力および泌尿器科領域感染症に対する臨床的検討を行った。Neisseria gonorrhoeae 40株に対するritipenemのMIC90は1.56μg/mlで, cefaclor (CCL), amoxicillin (AMPC) より優れていたが, cefixime (CFIX) より劣っていた。臨床的検討ではUTI薬効評価基準に合致した急性単純性膀胱炎3例はすべて著効, 複雑性尿路感染症では有効率73.3%(11/15例) であった。臨床検査値異常としてGPT, γ-GTP, ALPおよびT. bi1, LDHの上昇が各1例に認められたが臨床的に問題となるものではなかった。自他覚的副作用は全く認められなかった。
  • 鈴木 恵三, 堀場 優樹, 石川 清仁, 加藤 忍, 名出 頼男, 柳岡 正範, 田中 利幸
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 236-241
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいペネム系経口抗生物質, ritipenem acoxil (RIPM-AC) について以下の知見を得た。
    1.ヒト前立腺液への移行性
    本剤400mg投与後1時間の前立線液内のritipenem (活性本体) 濃度は被験した4検体いずれも0.08μg/ml以下 (検出限界) であった。
    2.尿路感染症の臨床成績
    複雑性尿路感染症のうちUTI基準に合致した17例での効果判定では, 著効11例, 有効4例, 無効2例で総合有効率は88.2%であった。細菌学的効果は除菌率が26株中23株, 88.5%であった。副作用としては胃部不快感が1例で認められた。臨床検査値の異常変動は全例で認められなかった。
  • 斉藤 昭弘, 米田 尚生, 岩田 英樹, 林 秀治, 石原 哲, 岡野 学, 伊藤 康久, 出口 隆, 坂 義人, 河田 幸道, 西野 好則 ...
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 242-249
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規経口ペネム系抗生物質であるritipenem acoxil (RIPM-AC) について, 尿路感染症に対する有用性を基礎的, 臨床的に検討し, 以下の結論を得た。
    1. 抗菌力: 尿路感染症由来の臨床分離株に対する本剤の抗菌力をcefaclor (CCL), cefotiam (CTM), cefixime (CFIX) の3剤を対照として検討した。グラム陽性菌では, methicillin-resistant Staphylococcus aureus に対し対照薬と同等, methicillin-susceptible Staphylococcus aureus, Staphylococcus epidermidis, Enterococcus faecalis に対しMIC50, MIC90のいずれにおいても本剤が最も優れた抗菌力を示した。グラム陰性菌では, MIC90Citrobacter freundii, Klebsiellapneumoniae, Enterobacter cloacae においては本剤が最も優れ, Escherichia coil に対しはCCLに3管勝り, CFIXと同等, CTMには1管劣り, Serratia marcescansに対しては他剤とほぼ同等であった。
    2. 臨床的検討: 17例の複雑性尿路感染症に対し, 本剤を1回200mg, 1日3回, 5-7日間経口投与を行なった 。UTI薬効評価基準 (第3版) により評価可能であった10例の総合臨床効果は, 著効5例, 有効4例, 無効1例で総合有効率は90.0%であった。自他覚的副作用として悪心・嘔吐, 胸やけが各1例認められたが, いずれも軽度であった。臨床検査値の異常変動は1例も認められなかった。
  • 斉川 茂樹, 蟹本 雄右, 村中 幸二, 岡田 謙一郎
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 250-255
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しい経口ペネム剤であるritipenem acoxil (RIPM-AC) について尿路感染症に対する臨床効果の検討, 腎障害例における体内動態の検討を行い以下の結論を得た。
    1) 本剤200mg単回投与後の血中, 尿中濃度の推移を評価可能な腎機能低下患者8名 (I群;60ml/min < Ccr≦90ml/min, n=3, II群: 30ml/min < Ccr≦60ml/min, n=2. III群: Ccr≦30ml/min, n=3) を対象に比較検討した。Tmax (1群: 1.58±0.42時間, II群: 3.50時間, III群2.67±0.33時間), Cmax (I群: 2.25±0.90 μg/ml, II群: 1.32 μg/ml, III群3.20±0.72μg/ml), T1/2 (1群: 0.64±0.02時間, II群: 0.91時間, III群 4.26±156時間) であった。また尿中回収率 (0-12時間) は1群で20.5±9.2%, II群で26.0%, III群で11.8±2.2%であった。
    2) 慢性複雑性尿路感染症10例に1回200mgを, 1日3回, 5日間から14日間内服投与した。主治医判定で著効4例, 有効2例, やや有効1例, 無効3例で, 無効例は何れも緑膿菌感染であった。UTI薬効評価基準に従って判定可能の8例では, 著効4例, 有効1例で, 緑膿菌感染の3例では無効であった。また, 投与症例すべてについて本剤に起因すると思われる自・他覚的副作用は認められず, 臨床検査値の異常も認められなかった。
  • 小野 憲昭他
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 256-263
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規ペネム系経口抗生物質ritipenem acoxil (RIPM-AC) の抗菌力ならびに, 尿路感染症に対する有用性について検討した。
    1) 抗菌力: 尿路感染症由来の教室保存株, 14菌種210株に対する本剤の活性本体であるhtipenem (RIPM) のMICを測定し, cefaclor (CCL), cefixime (CFIX), cefotiam (CTM) と比較検討した。グラム陽性菌, 特にEnterococcus faecalisでは対照薬荊より優れた抗菌力を示した。グラム陰性菌に対してはCFIX, CTMよりやや劣るものの, CCLより優れた抗菌力を示した。
    2) 臨床効果: 34例の尿路感染症患者 (急性単純性膀胱炎4例, 複雑性尿路感染症30例) を対象に, 本劇1日量450mg-1500mgを1日3回, 3-14日間食後投与し, UTI薬効評価基準に基づき甥定した。急性単純性膀胱炎では2例が効果判定可能で, 著効1例, 有効1例であった。また, 複雑性尿路感染症では, 著効6例, 有効18例, 無効4例 (有効率85.7%) であった。細菌学的効果は87.5%(28/32) という高い除菌率であった。副作用は1例も認めず, 臨床検査値の異常変動は, GOT・GPTの上昇, 赤血球数. 血色素・ヘマトクリット値の低下を1例ずつ認めたが, いずれも軽度であった。
  • 後藤 俊弘, 川原 元司, 北川 敏博, 江田 晋一, 川原 和也, 大井 好忠, 山内 大司, 萱島 恒善, 西山 賢龍, 牧之瀬 信一, ...
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 264-270
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発された経口ペネム系抗生剤ritipenem acoxil (RIPM-AC) の尿路感染症 (UTI) 分離菌に対する抗菌力, 前立腺液・前立腺組織移行, ならびに尿路性器感染症に対する有効性・安全性を検討した。
    UTI患者尿由来の11菌種261株に対するRIPMの最小発育阻止濃度 (MIC) を測定し, 対照薬のcefaclor (CCL), cefpodoxime (CPDX), ciprofloxacin (CPFX) と比較した。Staphylococcusaureus, coagulase negative staphylococci (CNS), Enterococcus faecalis のグラム陽性菌に対するRIPMのMIC90 (μg/ml) は, 100, 12.5, 25であり, S. aureus に対してはCPFXとほぼ同等, CNS, E. faecalis に対しては対照薬よりも強い抗菌力を示した。Escherichia coli, Citrobacterfreundii, Klebsiella pneumoniae, Enterobacter cloacae, Serratia marcescens, Proteusmirabilis, Proteus vulgaris, Pseudomonas aeruginosa のグラム陰性菌に対するRIPMのMIC90 (μg/ml) はそれぞれ0.78, 6.25, 3.13, 12.5, >400, 3.13, 25,400であり, S. marcescensP. aeruginosaを除く各菌種に良好な抗菌力を示した。
    RIPM-AC200mg単回投与90分後のRIPMの血漿中, 前立腺液中濃度 (μg/ml) はそれぞれ0.40, 0.06,130分後の血漿中, 前立腺組織内濃度 (μg/g) はそれぞれ0.54, 0.55であった。また, 400mg単回投与90-95分後 (n=3) のRIPMの血漿中濃度は平均で0.56μg/ml, 前立腺液中濃度および前立腺組織内濃度は各1例で測定限界値以上の測定値が得られ, それぞれ0.08μg/mlおよび0.24μg/gであった。
    複雑性UTI 8例, 急性精巣上体炎6例, 急性前立腺炎1例, 慢性前立腺炎1例, 男子尿道炎1例の計17例を対象に, RIPM-ACを1回150-300mg, 1日2-3回経口投与し, 有効性, 安全性を検討した。UTI薬効評価基準に従って判定すると, 複雑性UTI8例では, 著効1例, 有効3例, 無効4例, 急性前立腺炎1例は著効であった。急性精巣上体炎6例に対する効果は, 著効2例, 無効2例であった。全例でRIPM-ACの投与による自他覚的副作用ならびに臨床検査値の異常変動は認められなかった。
  • 大森 弘之, 公文 裕巳, 守殿 貞夫, 荒川 創一, 熊澤 淨一, 松本 哲朗, 出口 浩一, 中島 光好
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 271-285
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    複雑性尿路感染症に対する新規経口ペネム系抗生物質ritipenem acoxil (RIPM-AC) の臨床用量を検討する目的でcefotiam hexetil (CTM-HE) を対照薬とした比較試験を行った。
    対象はUTI薬効評価基準 (第3版) に規定される複雑性尿路感染症のうち, 前立腺術後3ヶ月以内を除くカテーテル非留置症例とした。
    RIPM-ACの投与量は1日450mg分3 (RIPM-AC-L群), および600mg分3 (RIPM-AC-H群), CTM-HEの投与量は600mg分3 (CTM-HE群) とし7日間投与後に, UTI薬効評価基準に準拠して臨床効果を判定した。
    臨床効果の評価対象はRIPM-AC-L群33例, RIPM-AC-H群39例, およびCTM-HE群34例であり, RIPM-ACの2用量群間について背景因子の検討を行ったが, いずれの項目においても有意差は認められなかった。
    総合臨床効果はRIPM-AC-L群で93.9%(31/33), RIPM-AC-H群で84.6%(33/39) の有効率であり, 2用量群間に有意差は認められなかったが, 著効率ではRIPM-AC-L群で48.5%(16/33), RIPM-AC-H群で53.9%(21/39) とRIPM-AC-H群の方がRIPM-AC-L群より良好な成績を示した。なお, CTM-HE群の著効率および有効率はそれぞれ38.2%(13/34), 70.6%(24/34) であった。細菌学的効果はRIPM-AC-L群で89.1%(49/55), RIPM-AC-H群で92.2%(59/64) の細菌消失率であり, 2用量群間に有意差を認めなかったが, グラム陽性菌の消失率は, RIPM-AC-H群がRIPM-AC-L群より優れた成績であった。なお, CTM-HE群の細菌消失率は75.9%(41/54) であった。
    副作用はRIPM-AC-L群で13.5%(7/52) の発現率であったが, RIPM-AC-H群では1例も認められず, RIPM-AC-L群での発現率が有意に高かった。なお, CTM-HE群は6.0%(3/50) であった。臨床検査値異常変動はRIPM-AC-L群で2.3%(1/44), RIPM-AC-H群で2.2%(1/46) の発現率であり, 2用量群間に有意差を認めなかった。なお, CTM-HE群の発現率は2.1%(1/48) であった。
    以上より, 臨床効果ではRIPM-ACの2用量群とも十分な有効率を示し, さらにRIPM-AC-H群が著効率, グラム陽性菌に対する細菌学的効果, 有用性でRIPM-AC-L群を上回っていることより, 複雑性尿路感染症に対するRIPM-ACの至適投与量は1日600mg分3が妥当であると考えられた。
  • Cefotiam hexetilとの比較
    小野 憲昭, 藤田 竜二, 渡辺 豊彦, 竹中 皇, 門田 晃一, 宇埜 智, 櫻本 耕司, 林 俊秀, 畠 和宏, 那須 良次, 津川 昌 ...
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 286-291
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    健常成人男子ボランティアを対象として, 新規経口ペネム系抗生物質であるritipenem acoxil (RIPM-AC) の体内動態について検討した。なお, クロスオーバー法でcefotiam hexetil (CTMHE) の体内動態についても検討した。
    健常成人男子ボランティアにRIPM-AC, CTM-HEともに200mg錠を単回投与し, クロスオーバー法で各薬剤の血漿中濃度, および尿中排浬を検討した。
    最高血漿中濃度 (Cmax) は, ritipenem (RIPM) では2.09μg/ml, cefotiam (CTM) では2.85μg/mlを示した。また, RIPM, CTMの血漿中濃度半減期 (T1/2) は, それぞれ0.56h, 0.71h, 12時間までの血漿中濃度曲線下面積 (AUC0-12) はそれぞれ2.10μg・h/ml, 4.99μg・h/mlであった。浩性体の累積尿中排泄率は12時間までで, RIPM 11.3%, CTM38.9%であった。
  • 国松 正彦, 岩井 重富, 古畑 久, 大塚 一秀, 中川 良英, 裴 正徳, 佐藤 毅, 加藤 高明, 新井 尚之, 村中 博, 加沢 玉 ...
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 292-298
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    イタリアのファルミタリアカルロエルバ社で創製されたペネム系の新経口抗生物質ritipenem acoxil (RIPM-AC) について外科領域における基礎的・臨床的検討を行なった。
    1) 抗菌力
    臨床分離保存のcoagulase positive Staphylococci (CPS)(27株), methicillin-resistantStaphylococus aureus (MRSA)(27株), coagulase negative Staphylococci (CNS)(27株), Enterococcus faecalis (27株), Escherichia coli (27株), Klevsiella pneumoniae (27株), Enterobacter cloacae (27株) について本剤の活性本体であるritipenem (RIPM) の最小発育阻止濃度 (MIC) を測定し, またcefaclor (CCL), ofloxacin (OFLX), tosufloxacin (TFLX) のMICを同時に測定し比較した。RIPMは検討した全ての菌種に対してCCLより優れた抗菌力を示した。特に従来の経口β-lactam薬に感受性の無いE.cloacaeに対しても優れた抗菌力を示した。同時に検討したキノロン薬のOFLX, TFLXとの比較でも, グラム陽性菌に対して一部の耐性株を除けば両剤とほぼ同等か, CNSではむしろ本剤の方が低いMICを示した。MRSAに対してもRIPMのMIC50は3.13μg/mlで3剤に比して低い値であった。
    2) 臨床例
    本剤の胆汁移行は我々が検討した1例においても不良であった。同意の得られた外科感染症例17例に, RIPM-ACを投与し, その有効性および安全性について検討した。外科感染症17例の内訳は化膿性粉瘤7例, 感染性粉瘤1例, 蜂巣炎2例, 療疸2例, 皮下膿瘍2例, 肛門周囲膿瘍1例, 静脈瘤による下腿潰瘍感染1例, 毛髪洞術後創感染1例である。臨床効果は有効以上が82.4%と高い有効率を示した。2例の無効症例はコントロール不良の糖尿病合併症例と, 術後の創感染で検出菌のうちEnterobacter aerogenesに対するRIPMのMICが3.13μg/mlとやや高い症例であった。投与中, 1例に軽度の心窩部痛が出現したが, 極めて軽度で特別な処置を必要としなかった。これ以外に合併症及び臨床検査値異常の出現を認めなかった。
    このように本剤は優れた臨床効果と, in vitroの広い優れた抗菌力を示した。特に抗菌力はP. aeruginosaなど一部の菌種を除いて, キノロン薬に匹敵するものであり, 経口薬が多用されることが多い, 外来における外科感染症の起炎菌に対して十分な効果が期待できる。本剤が選択毒性の高いβ-lactam薬であることより消炎鎮痛剤の併用など安全面での長所は大きいと思われる。
    以上より本剤は外科系感染症に対しても安全で有用な薬剤と考える。
  • 由良 二郎他
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 299-311
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規に開発された経口ペネム系抗生物質であるritipenem acoxil (RIPM-AC) について, 外科領域における臨床的検討を行ない以下の成績を得た。
    外科領域感染症73例に本剤を使用し, 脱落2例を除いた71例の臨床効果は, 著効34例, 有効24例, やや有効10例, 無効3例で, 有効以上の有効率は81.7%であった。細菌学的効果は53例において消失41例, 部分消失2例, 菌交代2例, 不変8例であった。安全性に関しては72例に於いて評価し, 副作用として軽度の消化器症状を5例に認めた。又, 臨床検査値の異常変動として肝機能異常を5例に, 好酸球増多を1例に認めた。これらはいずれも軽度で, 臨床上特に問題となるものではなかった。
    以上の成績より, 本剤は外科領域感染症の治療に於いて有用性の高い薬剤であると考えられた。
  • 森本 健, 木下 博明, 中谷 守一, 久保 正二, 藤本 幹夫, 平田 早苗, 大森 国雄, 上田 隆美, 山崎 修, 宋 博
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 312-327
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規全合成経口ペネム薬ritipenem acoxil (RIPM-AC) について外科領域の臨床試験を行った。
    RIPM-ACの胆汁中移行の検討では, 総胆管結石術後のT-tubedrainage中の4例および閉塞性黄疸でPTCD施行中の1例において, 本剤200または400mg内服時の血漿中濃度は内服後0.5~4時間で0.22~5.40μg/mlのピークレベルを示した。一方, 胆汁中濃度は, 1~4時間後に0.16~2.61μg/mlのピークレベルとなった。
    外科的感染症58例では著効20例, 有効25例, やや有効11例, 無効2例, 有効率78%の結果であった。分離菌別の細菌学的効果判定が行われた86株では消失83株, 減少1株, 不変2株, 消失率97%の結果であった。分離状態別の細菌学的効果判定が行われた49例では消失43例, 減少2例, 菌交代3例, 不変1例の結果であった。MIC別の消失状況の判定が行われた86株では83株97%の消失状況でMICの高い菌が残存する傾向は認めなかった。安全性を評価した58例のうち, 副作用は全例において認められず, また, 臨床検査値についても37例中, 本剤との関連性が疑われた異常変動は認あられなかった。
    以上, RIPM-ACは外科領域感染症に使用して有用性が期待できる薬剤である。
  • 谷村 弘, 内山 和久, 家田 勝幸, 湯川 裕史, 下間 仲裕, 南 光昭, 小林 康人, 寺下 史朗, 上畑 清文, 中村 昌文, 橋本 ...
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 328-338
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規経口ペネム系抗菌薬ritipenem acoxil (RIPM-AC) の胆嚢組織胆汁中への移行と外科感染症における臨床効果を検討した。
    胆嚢摘出術施行予定患者2例にRIPM-ACを1回200mg, 1日3回, 3日間連続経口投与した際の, 本剤活性体であるritipenem (RIPM) の胆嚢組織内濃度は最終投与2時間および5時間後でいずれも測定限界以下であったが, 胆汁中濃度は0.12μg/mlおよび0.64μg/mlであった。
    胆道ドレナージ施行中の7例に本剤400mgを単回経口投与した際のRIPMの血漿中濃度は, 投与1~2時間後に0.16~8.66μg/mlの濃度を示し, 胆汁中濃度は投与1~4時間後で0.10~17.3μg/mlであった。
    胆嚢炎真例, 胆管炎1例, 創感染4例, 肛門周囲膿瘍18例, 皮下膿瘍4例, 感染性粉瘤2例, 毛巣洞1例, 計31例にRIPM-ACを1回150~400mg, 1日3回, 3~9日間 (平均5.9日) 経口投与して臨床効果を検討した結果, 著効9例, 有効18例, やや有効4例で, 有効率87.1% (27/31) であった。
    分離菌の消失率は, グラム陽性菌で93.8% (15/16株), グラム陰性菌で80.0% (20/25株), 嫌気性菌では100% (18/18株) であった。
    副作用は有効性評価対象より除外した1例で下痢が, また臨床検査値異常は2例で肝機能検査値の上昇を認めたが, いずれも重篤なものではなかった。
  • 横山 隆, 児玉 節, 竹末 芳生, 槍山 英三, 山東 敬弘, 宮本 勝也, 津村 裕昭, 村上 義昭, 松浦 雄一郎, 佐々木 秀, 岸 ...
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 339-344
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規経口ペネム系抗生物質であるritipenem acoxil (RIPM-AC) について外科領域感染症における基礎的・臨床的検討を行い, 次のような結論を得た。
    1. 抗菌力: 臨床材料より分離した各種細菌に対する最小発育阻止濃度 (MIC) は以下の通りであった。
    グラム陽性球菌ではmethicillin-sensitiveStaphylococcus aureus (MSSA) のMIC90は0.10μg/mlと優れた抗菌力を示した。Methicillin-resistantStaphylococcus aureas (MRSA) にはほとんど抗菌力を示さなかった。Coagulase-negative Staphylococci (CNS) のMIC50は0.20μg/mlと低値であったが, MIC90は50μg/mlであり, Enterococcus spp. のMIC50およびMIC90はともに6.25μg/mlであった。グラム陰性桿菌ではEscherichia coli, Klebsiella pneumoniaeのMIC90はともに0.78μg/mlと良好な抗菌力を示した。Klebsiella oxytoca, Enterobacter cloacae, Serratia marcescens, Pseudomonas cepaciaのMIC50はそれぞれ0.78, 3.13, 3.13, 0.39μg/mlとほぼ良好な抗菌力を示したが, MIC90ではそれぞれ6.25, 25, 100, 25と高値であった。Enterobacteraerogenes, Citrobacter freundii, Proteus mirabilisのMIC60はそれぞれ6.25, 3.13, 6.25μg/mlとやや高めであるが, MIC90では全て6.25μg/mlとほとんど変わらなかった。Pseudomonas aeruginosa, Acinetobacter calcoaceticus, Xanthomonas maltophiiiaのMIC50は100または>100μg/mlであった。
    2. 臨床的検討: 本剤を皮下膿瘍5例, 蜂巣炎4例, 感染性粉瘤3例, ひょう疽2例, よう1例, 毛嚢炎1例, 創感染2例, 乳腺炎2例の外科領域感染症20例に使用した。その結果, 著効7例, 有効11例, やや有効2例で, 有効率90.0%と優れた臨床効果を示した。投与中の自他覚的副作用および臨床検査値異常変動は認められなかった。
  • 千村 哲朗, 平山 寿雄, 森崎 伸之, 村山 一彦, 沼崎 政良
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 345-350
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    産婦人科領域の感染症に対し, 新しく開発されたPenem系薬剤であるritipenem acoxil (RIPMAC) の臨床効果と安全性について臨床的検討を行い, 以下の成績を得た。
    1) 産婦人科領域感染症16例を対象とし, RIPM-AC200 mg×3/日の経口投与を7~15日間行った。総投与量は4.2~8.4gであった。
    2) 臨床効果は, 判定対象となった子宮内感染 (n=5), 子宮附属器炎 (n=2), 外性器炎 (n=3), 乳腺炎 (n=1) の計11例で, 有効率は11/11 (100%) であった。
    細菌学的臨床効果では有効率7/8, 細菌学的効果では, 菌消失7/13, 菌交代5/13で菌消失率は12/13 (92.3%) であった。
    3) 本剤投与による自他覚的副作用及び臨床検査値の異常は全例で認められなかった。
    以上の結果よりRIPM-ACの産婦人科領域感染症への有用性が示唆された。
  • 長 南薫, 宮川 善二郎, 清水 篤, 野嶽 幸正, 福永 完吾, 多和田 哲雄, 国井 勝昭, 小林 寅哲
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 351-361
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発された経口ペネム系抗生剤ritipenem acoxil (RIPM-AC) について産婦人科領域で抗菌力, 組織移行性の基礎的検討と産婦人科領域感染症に対する有効性, 安全性等を検討し, 以下の結果を得た。
    1. 抗菌力: 活性本体であるritipenem (RIPM) の臨床分離株 (グラム陽性球菌5菌種100株, グラム陰性菌8菌種160株, 嫌気性菌2菌種40株) 合計15菌種300株に対するMIC分布を測定し, cefaclor, cefixime, cefpodoxime, cefteram, ampicillin, imipenemと比較した。そのMIC50は≦0.025~>100μg/ml, MIC90は0.05~>100μg/mlに分布した。他剤との比較ではグラム陽性菌についてはIPMに次いで優れ, 嫌気性菌に対しては最も優れていた。
    2. 性器組織内濃度: 本剤400mg経口投与し, 2時間~2時間38分後の血漿中および性器組織内濃度を測定した。5例における子宮動脈血漿中濃度は0.26~1.61μg/mlであり, 肘静脈血漿中とほぼ同濃度が認められた。また, 性器組織中には0.12~0.42μg/gが認められた。
    3. 臨床成績: 本剤1日600mgを3~15日間投与し, 評価可能であった子宮内膜炎14例, 卵管炎7例, 卵管溜膿腫1例, 卵巣炎1例, バルトリン腺膿瘍8例, 腹壁膿瘍1例, 乳腺炎1例, 計33例に対し, 97.0% (32/33) に臨床効果が得られた。また, 疾患別細菌学的効果は88.9% (24/27), 起炎菌別細菌学的効果は93.0% (40/43) を認めた。副作用, 臨床検査値異常はなかった。
    4. 以上の諸成績から産婦人科感染症に対する本剤の有用性が示唆された。
  • 山元 貴雄, 保田 仁介, 岩破 一博, 岡田 弘二
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 362-368
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたエステル型経口ペネム系抗生剤であるritipenem acoxil (RIPM-AC) に関する基礎的・臨床的検討を行い, 以下の成績を得た。
    産褥の乳腺炎患者3例にRIPM-AC400mgを食後単回投与した場合の乳汁中濃度は, 投与後1, 2, 4および6時間のいずれにおいても全例検出限界値以下であった。
    臨床例に対する検討では, 子宮内膜炎10例, 感染流産1例, 子宮溜膿腫1例, 卵管炎3例およびバルトリン腺膿瘍6例の計21例の産婦人科性器感染症に対して本剤を投与したところ, 有効20例, 無効1例で, 有効率は95.2%であった。
    細菌学的効果は28株中, 消失25株存続3株 (いずれもEnterococcas faecalis) で, 菌消失率は89.3%を示した。
    本剤投与を行った全例に自他覚的な副作用ならびに臨床検査値異常の発現は認められなかった。
  • 高杉 信義, 坂口 優子, 末広 寛, 村上 明弘, 光野 彩子, 加藤 紘, 長屋 寿雄, 中村 薫, 成松 昭夫, 岡田 理, 平川 修 ...
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 369-373
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    山口大学医学部産婦人科およびその関連病院3施設で, ritipenem acoxil (RIPM-AC) の産婦人科領域における基礎的臨床的検討を行い, 以下の結果を得た。
    基礎的検討として, 腹式子宮全摘術予定患者30例にRIPM-ACを投与した。その結果, 性器組織内への移行を認めたものは7例であった。これら7例の肘静脈血漿中RIPM濃度は子宮動脈血漿中濃度の102%であり, また200mg投与時の性器組織内濃度は0.12~0.56μg/g, 400mg投与時の組織内濃度は0.15~0.27μg/gであり, 性器組織内RIPM濃度は子宮動脈血漿中RIPM濃度の平均36~96%を示しており, 良好な組織移行性が認められた。
    臨床的検討として, 産婦人科領域感染症患者10例にRIPM-ACを投与した。その結果, 卵管炎3例, 子宮内膜炎1例, バルトリン腺膿瘍6例中4例の計8例が有効であり, 残りバルトリン腺膿瘍2例が無効となり, 有効率は80.0% (8/10) となった。
    安全性の検討では, 10例全例に自他覚的副作用は認められなかったが, 臨床検査値異常変動として直接クームス試験の陽性化が1例に認められた。しかし, 特に臨床的には問題となるものではなかった。
    以上より, RIPM-ACは産婦人科領域感染症に対して有用な薬剤であると考えられた。
  • 馬場 駿吉他
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 374-386
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Ritipenem acoxil (RIPM-AC) の臨床的検討として, 中耳炎130例, 外耳炎34例を対象に1日300-1200mgを経口投与し, 以下の結果を得た。
    有効性評価対象として中耳炎112例, 外耳炎31例を採用とし, その臨床効果は, 中耳炎71.4%, 外耳炎90.3%の有効率であった。
    起炎菌の消失率はグラム陽性菌87.0%, グラム陰性菌69.2%, 嫌気性菌100%, 全株では83.3%であった。
    副作用としては154例中下痢が2例に, また臨床検査値異常は62例中4例に認められた。しかし, いずれも臨床上特に問題となるものではなかった。
    有用性は中耳炎68.4%, 外耳炎90.3%の有用率であった。
    以上の結果から, RIPM-ACは中耳炎, 外耳炎に対し有用性の高い薬剤であると考えられた。
  • 大石 正夫, 宮尾 益也, 阿部 達也, 笹川 智幸, 本山 まり子, 今井 晃, 菅野 俊雄, 久保木 淳子, 玉井 信
    1995 年 43 巻 Supplement3 号 p. 387-395
    発行日: 1995/10/05
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Ritipenem acoxil (RIPM-AC) の抗菌スペクトルは, cefaclor (CCL), cefpodoxime (CPDX) およびcefteram (CFTM) と類似して, グラム陽性菌, グラム陰性菌に広く抗菌作用をあらわした。臨床分離のStaphylococcus aureus20株は0.05-02μg/mlに感受性分布を示し, 0.05μg/mlに分布の山がみられた。
    白色成熟家兎に100mg/kg1回経口投与して, 前房水内へは1時間後0.93μg/mlのピ-ク値がえられた。房血比は4.92%であった。以後は漸減して4時間後0.16μg/ml, 6時間後は0.07μg/mlの移行濃度がえられた。1時間後の眼組織内濃度は, 外眼部組織に0.57-8.31μg/g, 眼球内部では0.08-0.95μg/gormlであった。
    臨床治験は, 眼瞼炎 (5), 麦粒腫 (11), 瞼板腺炎 (8), 涙嚢炎 (12), 角膜炎 (14), 角膜潰瘍 (12), テノン嚢炎 (1) の計63例で検討された。本剤1回150mgまたは200mgを1日3回経口投与して, 著効22例, 有効32例, やや有効7例, 無効2例の結果がえられた。有効率は85.7であった。分離菌はS. aureus, Staphylococcus epidermidis, coagulase negative staphylococci, Klebsiella oxytoca, Pseudomonas cepacia, Moraxellasp. 嫌気性菌などで, 細菌学的効は83.1%の菌消失率であった。
    副作用は, 全身掻痒感, 発疹とかゆみが各1例にみられた。前者は投与終了後には消失, 後者は投与終了後には消失, 後者は投与中止して3日後に消失した。
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