新しく開発されたキノロン系経口抗菌薬balofloxacin (BLFX) について眼科領域細菌感染症26例を対象に臨床的検討を実施した。BLFXは, 1回100mgを1日2回, 4~15日間, 食後に服用させ, 臨床症状, 細菌学的効果, 臨床検査から臨床効果, 安全性を判定した。
眼瞼炎1例, 麦粒腫7例, 瞼板腺炎4例, 眼瞼膿瘍4例, 結膜炎5例, 角膜炎5例の計26例の臨床効果は, 著効6例, 有効17例, やや有効2例, 無効1例で, 全体の有効率は88.5%であった。起炎菌は, 6菌種16菌株 (
Staphylococcus aureus6株,
Staphylococcus epidermidis5株およびその他5株) が検出された。そのうち,
S. epidermidis+
Corynebacteriumの複数菌感染例については, 投与後の菌検査未実施のため判定不能であり, 残る14株中12株が消失し, 消失率は85.7%であった。
副作用および臨床検査値異常変動は全く認められなかった。以上の結果を総合的に判断し, 本剤は有用な薬剤であると考えられた。
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