日本化学療法学会雑誌
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43 巻 , Supplement6 号
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  • 三橋 進, 井上 邦雄
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 1-7
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規マクロライド系抗生物質azithromycin (AZM) のin vitro抗菌作用について, erythromycin (EM), oleandomycin (OL), clarithromycin (CAM), josamycin (JM) およびrokitamycin (RKM) と比較検討を行った。
    AZMはグラム陽性菌に対して幅広い抗菌スペクトルと強い抗菌力を示した。またAZMはEscherichia coli, Shigella spp., Salmonella spp.およびAcinetobacter calcoaceticcus等のグラム陰性菌に対してEM, OL, CAM, JMおよびRKMよりも優れた抗菌活性を示した。更にHaemophilus influenzae, Neisseria gonorrhoeaeおよびMoraxella catarrhalisに対する抗菌活性は際立って高かった。
    Staphylococcus aureusおよびH. influenzaeの増殖曲線に及ぼす影響について検討した。AZMは4MICの薬剤濃度でS. aureusおよびH. influenzaeに対して殺菌的に作用した。
  • 長島 正人, 舘田 一博, 松本 哲哉, 大野 章, 石井 良和, 宮崎 修一, 山口 惠三
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 8-23
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規アザライド系抗菌薬であるazithromycin (AZM) のin vitroおよびin vivo抗菌力をerythromycin (EM), clarithromycin (CAM), josamycin (JM), midecamycin acetate (MDM), kitasamvcin, rokitamycin, ampicillin, cefaclor (CCL) およびofloxacin (OFLX) と比較した。また, AZMに対する試験管内耐性獲得も比較検討した。
    AZMはグラム陽性菌に対して幅広い抗菌スペクトルを有し, さらに被検マクロライド系抗菌薬と比較してグラム陰性菌に対し強い抗菌活性を示した。AZMのmethicillin-susceptible Staphylococcus aureus に対するMIC90はEMの2倍, CAM の4倍であった。また, Streptococcus pneumoniaeに対するAZMのMIC90はEMと同等, CAMの2倍であった。AZMはPenicillinase-producing Neisseria gonorrhoeae, Vibrio choleraeおよびVibrio parahaemolyticus に対して対照のマクロライド系抗菌薬中最も強い抗菌力を示し, そのMIC90はそれぞれ0.20, 1.56および1.56μg/mlであった。さらに, Haemophilus influenzaeに対してAZM (MIC90: 3.13μg/ml) はEMの4倍, CAMの8倍強い抗菌力を示した。増殖曲線に及ぼす影響の検討において, 1MIC添加時のAZM の殺菌力は, S. aureusではEMより強く, CAMと同等であり, S. pneumoniaeに対しては, 試験薬剤中最も優れていた。S. aureusの継代耐性獲得試験において, 21継代後のMIC80はAZMで2倍, CAM, JMおよびOFLXで4倍, EMおよびCCLで8倍上昇し, AZMが最も低い上昇率であった。
    マウス全身感染におけるAZMの治療効果は, S. aureus感染ではCCL, CAMより劣っていたがStreptococcus pyogenesおよびS. pneumoniae感染では比較マクロライド系抗菌薬中最も優れていた。AZMはマウスS. pneumoniae肺炎モデルではCAMおよびOFLXより, H. influenzae肺炎モデルではCAMより有意 (p<0.01) に肺内生菌数を減少させた。
    AZMのマウス血清中灘および肺内灘のT1/2はCAMよりそれぞれ8倍および10倍長く, 良好な体内動態を示すことが本薬の治療効果に大きく反映したものと考えられる。
  • 桑原 京子, 浅田 和美, 吉田 辰巳, 平松 啓一, 横田 健
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 24-30
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Azithromycin (AZM) のmethicillin-susceptible Stapyloooccus mureus (MSSA), methicillin-resistant S. aureus (MRSA), coagulase-negative staphylococci, Streptococcus pyogenes, Streptococcus Pnemmniae, Streptococcus agalaotiae, Enterocoocus faecalis, Enterococcus faecium, ampicillin-resistant Haemophilus influenzae, Escherichia coli CS2 (R+), Acinetobacter calcoaceticus, Campylobacter coliおよびCampylobacter jejuniに対するMIC80は, それぞれ>100,>100,>100, 0.20, 3.13, 0.10,>100,>100, 0.78, 6.25, 25,>100および0.20μg/mlであり, グラム陽性菌に対してはerythromycin (EM) と類似した抗菌活性をグラム陰性菌に対しては, EMより2~4管優れ, 比較薬剤中最も強い抗菌活性を示した。
    MSSA臨床分離株の約32%はEMに>12.5μg/mlの耐性株であり, AZMもそれらに>100μg/mlの高度耐性を示し, 両者には交差耐性が認められた。
    AZMには, EMおよびclarithromycin同様S. aureusに対する全血及びリゾチームとの協力的殺菌作用が認められた。
    本薬の特徴はS. aureusに対する血清補体との協力的殺菌作用が顕著な点であり, マウス培養Mφとの協力的食菌作用は, 1/4 MIC存在下まで認められた。
  • 加藤 直樹, 加藤 はる, 田中 香お里, 渡辺 邦友, 上野 一恵, 多田 晃司, 河田 幸道
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 31-39
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    マクロライド系抗菌薬azithromycin (AZM) の嫌気性菌, 一部の通性嫌気性菌およびUreaplasma urealyticumに対する抗菌力を検討した。参考菌株を用いた検討ではAZMのスペクトラムは嫌気性グラム陽性菌からグラム陰性菌まで幅広く, 多くの菌種に対してMICは3.13μg/mlであった。しかし, clarithromycin (CAM) やerythromycin (EM) とほぼ同様に, Peptostreptococcus spp.やBaoteroides fragilis groupの一部には抗菌力がやや弱かった。臨床分離株を用いた検討ではAZMはPeptostreptococous spp.に対してEMと同等かやや劣る成績であった。グラム陽性桿菌に対してもほぼ同様の傾向であったが, Mobiluncus spp.には強い抗菌力が認められた。B. fragilis groupに対して抗菌力はやや弱かったが, Prevotella biviaおよびPrevotella intermediaに対してはcefaclorとampicillinlこ優る抗菌力を示した。AZMはCAMやEMと同様に, 培地pHが7から6に下がることにより, MICは4倍以上高くなった。一方, B. fragilisEscherichia coliの混合感染によるマウス腹腔内感染治療実験ではAZMはCAMとほぼ同等の効果を示した。AZMはU. urealyticumに対してCAMよりは劣るものの, minocyclineとほぼ同等で, EMよりやや優れた抗菌力を示した。以上の結果から, 本薬は嫌気性菌感染症およびUreaplasma感染症に対しEMに優る治療効果を発揮する可能性が示唆された。
  • 西野 武志, 香本 晃良, 大槻 雅子
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 40-54
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規マクロライド系抗生物質azithromycin (AZM) のin vitroおよびin vivo抗菌作用について, erythromycin (EM), clarithromycin (CAM), josamycin (JM), rokitamycin (RKM), amoxicillin, cefaclor (CCL), cefixime (CFIX) および一部の試験ではofloxacin (OFLX) を比較薬として検討を行った。
    AZMはグラム陽性菌およびグラム陰性菌のHaemophilus influenzae, Neisseria gonorrhoeae, Moraxella catarrhalis, Escherichia coli, Shigella spp., Salmonella spp.ならびにAcinetobacter calcoaceticusに対して良好な抗菌活性を有していた。また, AZMは, Staphylococcus aureus, およびStaphylococcus epiaermidisに対しては静菌作用を示し, Stmptococous pneumoniae, E. coli, Klebsiella pneumoniaeおよびH. influenzaeに対して濃度依存的な殺菌作用を示した。形態学的変化について走査型および透過型電子顕微鏡で観察したところ, AZMはS. aureusに対し細胞壁の肥厚を, E. coli, K. pneumoniaeおよびH. influenzaeに対しては伸長化を引き起こすことが判った。実験的マウス感染モデルに対する治療効果について検討した結果, S. aureus, S. pneumoniaeおよびStreptococcus pyogenesに対してAZMは, EM, JMおよびRKMより優れた効果を示した。また, CAMのそれと比較すると, S. aureusに対してはほぼ同等の効果を示したが, S. pneumoniaeおよびS. pyogenesに対しては約3倍の優れた効果を示した。実験的皮下膿瘍に対する治療効果は, CAMと同等でCCLより若干勝っており, EMおよびOFLXより明らかに優れていた。
  • 香本 晃良, 大槻 雅子, 西野 武志
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 55-63
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    マクロライド系抗生物質azithromycin (AZM) のグラム陰性菌に対するin vitro抗菌作用について, Escherichia coli, Klebsiella pneumoniaeおよびHaemophilus influenzaeを試験菌種として, erythromycin (EM), clarithromycin (CAM), cefoperazone (CPZ) およびciprofloxacin (CPFX) と比較検討した。
    AZMはE. coli, K. pneumoniaeおよびH. influenzaeに対して濃度依存的な殺菌作用を示した。形態学的変化について位相差顕微鏡で観察したところ, AZMはE. coli, K. pneumoniaeおよびH. influenzaeに対し, MIC付近では伸長化および膨化を, 高濃度では溶菌を引き起こすことが分かった。AZMはE. coli, K. pneumoniaeおよびH. influenzaeに対し, CPFXと同様にpostantibiotic effectを有していた。そして, E. coliのATP量に及ぼす影響について検討した結果, AZM IMICの作用でATP量は減少した。また, その効果はEM 4MICおよびCAM 4MICと同程度で, CPFX 4MICおよびCPZ 4MICより明らかに強かった。
  • 永山 在明
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 64-67
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Chlamydia trachomatisの標準株および臨床分離株20株に対するazithromycin (AZM) のin vitro抗菌力を2種類のマクロライド剤と3種類のニューキノロン薬, ならびにminocycline (MINO) と比較した。
    臨床分離株20株に対するMIC値 (minimal inhibitory concentration;μg/ml) は次のとおりであった。AZMでは0.063~0.125, erythromycin (EM) では0.125~0.25, clarithromycin (CAM) では0.008~0.016, sparfloxacin (SPFX) では0.031~0.063, tosufloxacin (TFLX) では0.125~0.25, ofloxacin (OFLX) では0.5~1.0, MINOでは0.031~0.063であった。
    標準株Dに対するMIC値も臨床分離株に対するそれと全く同じ範囲内にあった。標準株Dに対するAZMのMLC値 (minimal lethal concentration;μg/ml) はMIC値のわずか2倍の値を示したのに反し, 他のマクロライド, ニューキノロン, テトラサイクリン剤はいずれもMIC値の8~16倍の高値を示した。又, 各種薬剤の存在下においてMLCに対する影響についても検討を行った。
  • 松永 敏幸, 下平 博仕, 大石 佐奈美, 小川 正俊, 五島 瑳智子
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 68-83
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Azithromycin (AZM) のin vitroおよびin vivo抗菌作用をerythromycin (EM), clarithromycin (CAM), josamycin (JM), midecamycin acetate (MDM), rokitamycinおよびcefaclor等と比較した。
    Staphylococcus aureus, Streptococcus pyogenesおよびStreptococcus pneumoniaeの臨床分離株に対するAZMのMICは, 概してEMおよびCAMより2~8倍高かった。一方, Neisseria gonorrhoeae, Moraxella catarrhalisおよびHaemophilus influenzaeの臨床分離株に対してAZMは, EMおよびCAMより2~8倍強い抗菌力を示した。
    抗菌力に及ぼす諸因子の影響の検討で, AZMおよびEMの抗菌力は, 培地種ならびに接種菌量によってほとんど変動しなかったが, 馬血清の添加によりMICの減少が認められた。培地pHの影響で入ZMの抗菌力は, EMと同様にアルカリ性側で増強され, 酸性側では低下した。
    殺菌曲線の検討において, AZMはS. aureusに2MICで, H. influenzaeに1MICで明らかな殺菌作用を示した。AZMのS. aureusおよびS. pyogenesに対するMBC90は, 薬剤の作用時間が24時間の場合, MIC90より64~256倍高かったが, 作用時間を48あるいは72時間にした場合, MBC90は減少してMIC90と一致した。
    S. aureus, S. pyogenesおよびH. influenzaeのAZMに対する試験管内耐性獲得度は, EMおよびCAMの場合と同等であった。
    S. aureus, S. pyogenes, S. pneumoniaeのマウス全身感染に対するAZMの治療効果は, in vitroではAZMより強い抗菌力を有していたEMおよびMDMより優れていた。白血球減少症マウスのH. influenzae全身感染に対しても, AZMはEMおよびCAMより約4~6倍優れた治療効果を示した。また, H. influenzaeによるマウス呼吸器感染において, AZMは肺内生菌数をCAMより有意に減少させた。
  • 松永 敏幸, 小川 正俊, 小林 寅哲
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 84-94
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Azithromycin (AZM) の新鮮臨床分離株に対する抗菌力をerythromycin (EM), clarithromycin (CAM), rnxithromycin (RXM), josamycin, midecamycin acetateならびにcefaclorと比較した。
    Methicillin-susceptible Staphylococcus aureus (MSSA) に対とるAZMの抗菌力は, EMおよびCAMより2~4倍弱く, RXMとは同等であった。EM感受性MSSAはAZMに良好な感受性を示したが, EM耐性株はAZM, CAMおよびRXMに対しても耐性を示した。Methicillin-resistant S. aureus 18株中6株 (33.3%) は, 0.78μg/mlのAZMで発育阻止された.Staphylococcus epidermidisおよびcoagulase-negative staphylococciもMSSAと同様の感受性パターンを示した。
    Streptococcus pyogenes, Streptococcus agalactiae, Streptococcus sanguis, Streptococcus anginosus, Streptococcus constellatus, Streptococcus MG-intermedius, Streptococcus intermediusに対してAZMは強い抗菌活性を示し, MIC90は0.10~0.39μg/mlであった.Streptococcus pneumoniaeに対するAZMの抗菌力はRXMと同等であった。
    Moraxella catarrhalisに対するAZMの抗菌力は試験薬剤中で最も優れていた。Haemophilus influenzaeに対するAZMの抗菌力はEMおよびCAMより4~8倍優れていた。
    AZMは対照マクロライド剤がほとんど活性を示さない腸内細菌科菌種に対しても, 抗菌活性を有していた。
    AZMのPeptostreptococcus spp., Propionibacterium acnes, Bacteroides spp., Prevotella spp.およびFusobacterium spp.に対する抗菌力は, EMおよびCAMとほぼ同等であった。
  • 松永 敏幸, 下平 博仕, 小川 正俊, 沢田 安房, 武藤 秀弥, 榎垣 一憲, 下岡 釿雄
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 95-99
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Azithromycin (AZM) の各種動物局所感染モデルにおける治療効果をclarithromycin (CAM), tosufloxacin (TFLX) およびcefaclor (CCL) と比較すると共に, 感染組織への薬剤の移行性についても検討した。
    Staphylococcus aureusで作製したラットのポーチ内感染において, AZM (30mg/kgを感染0, 6および24時間後に投与) は, ポーチ内生菌数を治療前の約1/100に減少させ, その効果は感染後4日まで持続した。AZMのMICはCAMより4倍, TFLXより16倍高かったが, 治療効果は同じ投与法のCAMおよびTFLXより優れていた。また, CCLのMICはAZMより高く, その治療効果もAZMより著しく劣っていた。
    Streptococcus pyogenesによるマウス皮下感染において, AZM (25mg/kgを感染後1日および2日目に1日2回, 2日間投与) は, ディスク内の生菌数を無治療対照の約1/100に減少させた。AZMのMICはCAMより8倍高かったが, その治療効果はCAMより有意 (P<0.05) に優れていた。
    Haemophilus influenzaeによるマウス呼吸器感染において, AZM (50mg/kgを感染4時間後に投与) は, 同じ投与法のCAMおよび無治療対照より有意 (p<0.01) に肺内生菌数を減少させた。AZMの肺内濃度は血中濃度の約40倍以上に達し, 薬剤投与後48時間でも感染菌のMIC値を越える濃度が肺に維持されていた。これに対して, CAMでは投与後24時間に薬剤は検出されなかった。AZMの肺内濃度は非感染マウスより感染マウスで有意 (p<0.01) に高く維持されていた。また, 血中濃度も同様の傾向を示した。
    これらの成績から, 感染部位への良好な移行性と持続性を有するAZMは, 臨床的にも各種局所感染に対して優れた治療効果を示すものと思われる。
  • 沢田 安房, 武藤 秀弥, 榎垣 一憲, 下岡 釿雄
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 100-109
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Azithromycin (AZM) の生体試料中濃度測定法および試料中での安定聖生について検討した。
    高速液体クロマトグラフィー (HPLC法) では電気化学検出器を用いることにより血清および尿中AZMならびに主要代謝物の同時糧が可能となった.HPLC法によるAZMの検出限界は血清;0.004μg/mlおよび尿;0.1μg/mlであった。
    微生物学的定量法 (bioassay) ではAZMに高い感受性を示すMicrococcus luteus ATCC9341を検定菌として用い, 検定用培地としてAntibiotic medium No.11を用いたペーパーディスク法により血清, 尿および胆汁中のAZM濃度を測定することが可能であった (検出限界: 血清;0.006μg/ml, 尿;0.04μg/mlおよび胆汁;0.02μg/ml).今回検討したHPLC法およびBioassay法を用いて健常成人にAZMを経口投与した時の血清中濃度を測定した結果, 両測定法による測定値間に高い相関性が認められた (相関係数: 0.998)。
    血清および尿中におけるAZMの安定性を検討した結果, 凍結保存 (-20℃ 以下) 下, 血清および尿いずれの試料中でも少なくとも1ヵ月間は安定であった。
  • 武藤 秀弥, 窪江 有夏, 木村 泰子, 斎藤 享, 関口 金雄, 榎垣 一憲, 下岡 釿雄
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 110-121
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Azithromycin (以下AZM) は米国ファイザー社において開発された新規15員環マクロライド系半合成抗生物質である。今回, AZMおよび [14C] AZMを用いてラットおよびマウスにおける体内動態を検討し, 以下の結果を得た。
    1. ラットにAZM 10, 20および50mg/kgを経口投与した時, 血清中濃度は投与量に対応して増加し, 血清中濃度消失半減期 (T1/2) は20~23時間であった。
    2. 雌雄ラットにAZM 50mg/kgを経口投与した時, 投与初期では雌性ラットの血清宇濃度が高かったものの, 血清中濃度一時間曲線下面積 (AUC) は雌雄間で差は認められなかった。
    3. ラットに [14C] AZM 20mg/kgを経口投与した時, 放射能は全身組織へ速やかに分布し, 特に肝臓, 脾臓, 甲状腺, リンパ節, 骨髄および肺臓の組織内濃度は血漿中濃度の約20~200倍高かった。マウス全身オートラジオグラムにおいてもラットの場合と同様組織への移行は良好であった。
    4. 授乳ラットに [14C] AZM 20mg/kgを投与した時, 放射能の乳汁中への移行が見られた。
    5. ラットに [14C] AZM 20mg/kgを投与した時, 放射能は主に糞中から排泄され, 尿中排泄は少なかった。
    6. ラットに [14C] AZM 20mg/kgを投与した時, 胆汁中には投与後48時間までに投与放射能の8.1%が排泄された。また, 腸肝循環は少なかった。
    7. ラットにAZMを経口投与した時の尿, 糞および胆汁中には代謝物として脱クラジノース体, 3'-N脱メチル体および6-N脱メチル体が認められた。
    8. AZMのin vitroにおけるラット, イヌおよびヒト血清タンパク結合率は約10~23%であり, erythromycinおよびclarithromycinに比べて低かった。
  • オートラジオグラフィーによる検討
    横山 秀一, 三浦 和美, 武藤 秀弥, 立松 洋, 斎藤 享, 榎垣 一憲, 下岡 釿雄, 中山 一誠, 山地 恵美子, 島田 馨
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 122-126
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Azithromycin (AZM) の感染組織への移行性ならびに移行様式を明らかにするため, 局所感染モデルマウスを用い, 感染部位オートラジオグラフィーならびにミクロオートラジオグラフィーにより, 感染巣周辺の本薬の分布および炎症細胞への移行性について検討した。
    [14C] AZM 20mg/kgを経口投与した後24時間の感染部位オートラジオグラフィーでは感染組織の放射能濃度は非感染組織よりはるかに高く, AZMが感染組織に高濃度に局在することが示された。投与後72時間でも感染組織内濃度は周囲の組織内濃度より高かった。
    また [3H] AZM 20mg/kgを経口投与した後24時間の感染部位のミクロオートラジオグラフィーにおいても [3H] AZMの存在を示す銀粒子は好中球等の食細胞が局在する部位に高密度に認められた。
    これらのことから, AZMは感染組織へ選択的に高濃度に分布し, その移行には食細胞による輸送, いわゆるphagocyte deliveryが関与していることが示唆された。
  • 山中 教造, 岡 玉緒, 河合 光久, 佐竹 ゆかり
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 127-138
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規マクロライド系抗菌薬azithromycinの一般薬理作用を検討した。
    マウスにazithromycin300mg/kgを経口投与した場合, 群居行動, 耳介反射および痛覚反応の消失が5例中1例にみられたが, 用量依存性はなかった。500mg/kgで小腸輸送能の軽度抑制が認められた。ラットでは300mg/kg (十二指腸内投与) で胃液量および酸分泌量の減少が認められた。また麻酔イヌでは40mg/kg以上の十二指腸内投与により投与直後の一過性の軽度な血圧上昇, 呼吸数, 心拍数の増加等が認められた。両側頸動脈閉塞ならびに各種薬物による血圧反応に対し, azithromycin 10mg/kgの静脈内投与は影響を示さなかった。その他中枢神経系, 末梢神経系, 摘出平滑筋, 腎排泄ならびに血液系に対する作用はみられなかった。
    以上のように, azithromycinは安全性の高いマクロライド系抗菌薬であると示唆された。
  • 単回投与および3日間反復投与試験
    丁 宗鉄, 児玉 和夫, 矢船 明史, 武部 雅人, 高柳 博
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 139-163
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    健常成人男子志願者を対象にazithromycin (AZM) の単回投与試験および3日間反復投与試験を行い, 安全性および体内動態について検討した。
    単回投与試験では, AZM 125mg, 250mg, 500mgまたは1000mgを, また, 反復投与試験ではAZM 250mgまたは500mgを1日1回, 3日間反復経口投与した。
    両試験を通じて体重, 血圧, 脈拍数, 体温, 心電図, 眼科的検査および聴力検査において, 臨床上特に問題となる検査所見は認められなかった。血液学的検査では500mgの反復投与群の6例中1例に末梢血白血球数の低下が, 尿検査において, 1000mgの単回投与群の6例中2例に尿中N-Acetyl-β-D-glucosaminidase (NAG) 活性の上昇が, また, 500mg反復投与群の6例中1例に尿中NAG活性およびβ2-Microglobulin (β2-MG) 値の上昇が認められた以外は血液生化学的検査および他の検査で臨床的に問題となる異常変動は認められなかった。また, 自覚症状として軽度の腹痛が500mg単回投与群に2例, 500mg反復投与群の1例に認められた以外は特に問題となる所見はなかった。
    AZM単回投与した時の各用量 (125mg, 250mg, 500mgおよび1000mg) における血清中濃度は, 投与後2~3時間にそれぞれ0.09, 0.24, 0.58および0.74μg/mlの最高値 (Cmax) を示し, 用量との間にほぼ線形性が認められた。血清中濃度一時間曲線下面積 (AUC0~48) は, それぞれ0.76, 1.73, 3.32および7.29μg・h/mlであり, Cmaxと同様に線形性を示した。また, 血清中濃度は多相性の減衰を示し, 血清中濃度半減期 (T1/2) は経時的に延長する傾向を示した。
    単回投与時の尿中未変化体の排泄率はいずれの用量でも投与後48時間までに6~7%が確認された。また, 高用量の500mgおよび1000mgでは投与後168時間までで約9%であった。
    一方, 本剤250mgまたは500mgを1日1回, 3日間反復投与時のCmaxはそれぞれ0.29μg/mlおよび0.54μg/mlで用量によく対応しており, いずれの投与量においても初回投与時のCmaxとほとんど変わらなかった。
    3日間反復投与時の累積尿中排泄率は250mg投与群で総投与量の6.7%, 500mg投与群で10.4%であり, 単回投与時とほとんど変わらなかった。
    以上の成績より, AZMは単回投与および3日間反復投与試験において, 臨床上安全性に問題ないと判断された。
  • 5日間反復投与試験
    丁 宗鉄, 児玉 和夫, 矢船 明史, 武部 雅人, 高柳 博
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 164-176
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    健常成人男子志願者で本試験参加に同意した12名を対象として, azithromycin (AZM) 500mg1日1回, 5日間反復投与時の安全性および薬物動態について検討を行った。
    1. AZMの5日間反復投与時の血清中濃度推移は初回投与時と大きな差はなかった。また, 尿中への未変化体の排泄においても初回あるいは3日間投与時と変わらなかった。
    2. 自他覚症状については, 軽度から中等度の頭痛, 腹痛, 軟便, 下痢, 上腹部圧迫感などが2例に認められたが, 臨床上特に問題となるほどではないと判断された。
    3. 生理学的検査, 眼科的検査 (視力, 眼底検査) ならびに聴力検査については, 臨床上特に問題となる検査所見は認められなかった。
    4. 臨床検査については, 末梢血白血球数の軽度減少が2例に認められたが, 一過性で, 臨床上問題とならない程度であると判断された。その他, 臨床的に意味のある異常変動は認められなかった。
    5. 腸内細菌叢の検査では, 本剤による特に大きな変動はみられなかった。
    以上より, AZM500mgを5日間反復投与した場合, 臨床使用上, 問題となる臨床所見は認められず, また, 血清中濃度推移ならびに尿中排泄においても異常な蓄積性が認められなかったことから, 臨床上安全性が高い薬剤であることが確認された。
  • 食事の影響の検討
    丁 宗鉄, 児玉 和夫, 矢船 明史, 武部 雅人, 高柳 博
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 177-185
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    健常成人男子志願者8名を対象に1群4名のクロスオーバー法により, 食後または空腹時にazithromycin (AZM) 500mgを単回経口投与し, AZMの体内動態に及ぼす食事の影響を調べ, 同時に安全性について検討した。
    食後または空腹時投与でAZMの血清中濃度はほぼ同じ推移を示し, 最高血清中濃度到達時間 (Tmax), 最高血清中濃度 (Cmax), 血清中濃度時間-曲線下面積 (AUC) および血清中濃度半減期 (T1/2) は食後または空腹時投与間でt-検定による有意差を認めなかった。また, 生理学的検査および臨床検査 (血液学的検査, 血液生化学的検査, 尿検査) において, 臨床上特に問題となる検査所見は認められなかった。自他覚症状においても臨床上特に問題となる症状は認められなかった。
  • 柴 孝也, 吉田 正樹, 酒井 紀, 進藤 奈邦子, 今井 健郎, 石田 裕一郎, 松本 文夫, 西古 靖, 斎藤 功, 青木 信樹, 島田 ...
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 186-192
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    腎機能障害者におけるazithromycin (AZM) の体内動態を, クレアチニンクリアランス (Ccr) を指標として軽度障害 (I群: 50<Ccr≦70ml/min), 中等度障害 (II群: 30<Ccr≦50ml/min), 高度障害 (III群: Ccr≦30ml/min) の3群に分類して検討を行い, 以下の成績を得た。
    1) AZM 500mgを単回経口使用後の最高血清中濃度到達時間 (Tmax) は, 腎機能障害者各群 (I群, II群, III群) においてそれぞれ2.0, 2.4, 2.0時間, 最高血清中濃度 (Cmax) は0.557, 0.538, 0.582μg/ml, 血清中濃度の消失半減期 (T1/2) は34.1, 33.8, 29.9時間であり, 血清中濃度から算出した各パラメータに有意な差は認められなかった。
    2) 使用後72時間までの尿中回収率は, 腎機能障害者各群 (I群, II群, III群) においてそれぞれ4.48, 4.51, 2.87%であり, II群とIII群との間に有意差が認められた。
  • 大道 光秀, 平賀 洋明, 山田 玄
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 193-197
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新たに開発されたアザライド系抗菌薬azithromycin (AZM) を呼吸藩感染症患者に投与し, 経時的な血清中・喀痰中濃度推移および臨床的有用性について検討した。
    気管支拡張症の感染時1例にAZM 500mgを1日1回3日間投与し, 初回投与から14日目まで毎日喀痰を採取し, 喀痰検体中のAZM濃度を測定した。喀痰中濃度のピークは開始日, 2日目, 3日目とも投与後6~8時間後に見られ, その値は1.76μg/ml, 5.62μg/ml, 7.42μg/mlであった。1~1.5時間後の喀痰中濃度/血清中濃度比は0.697~32.6の範囲にあった。
    臨床的検討は肺炎4例, 慢性気管支炎1例, 気管支拡張症の感染時3例, 気管支喘息の2次感染4例, 肺線維症の2次感染1例の計13例に対し, 250mgまたは500mgを1日1回, 3日間経口投与した。
    臨床効果は, 著効2例, 有効11例で有効率は100%であった。
    細菌学的効果の検討では起炎菌と判定されたStreptococcus pneumoniae 2株, Streptococcus pyogenes 1株, Enterobacter cloacae 1株, Haemophilus influenzae 1株, Haemophilus parahaemolyticus1株の計6株は消失した。しかし, S. pneumoniae 1株は不変であった。副作用, 臨床検査値の異常は認められなかった。
  • 丹野 恭夫, 西岡 きよ, 荻原 央子, 大野 勲, 前田 貴美人, 佐藤 裕子, 白土 邦男
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 198-203
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規マクロライド系抗生物質azithromycinの臨床分離株 (3菌種) S. pneumoniae, M. catarrhalis, H. influenzaeに対するin vitroでの抗菌力を測定したところ, MIC90値はS. pneumoniaeが0.78μg/ml, M. catarrhalisが0.1μg/ml, H. influenzaeが3.13μg/mlであった。
    本剤を11例の呼吸器感染症に投与しその有効性と安全性を検討した。呼吸器感染症11例に対し, AZM250mgまたは500mgを1日1回, 2~4日間投与し, 以下の成績を得た。起炎菌で消失したのは, M. catarrhalis3株全て, H. influenzae3株中1株, S. pneumoniae2株全てであった。Pseudomonas aeruginosaが1株分離されたが, 本剤投与2日後より他の抗菌薬を使用したため, 細菌学的効果は不明であった。臨床効果は有効7例 (急性気管支炎2例, 慢性気管支炎2例, 陳旧性肺結核+感染3例), やや有効1例 (慢性肺気腫+感染1例), 無効2例 (急性咽喉頭炎1例, 慢性気管支炎1例), 判定不能1例 (びまん性汎細気管支炎の急性増悪1例) で, 有効率は70.0%であった。自他覚的副作用は認められなかった。臨床検査値異常変動は1例に肝機能検査値の上昇が認められた。
  • 渡辺 彰, 庄司 聡, 高橋 洋, 菊地 宏明, 貫和 敏博, 本田 芳宏, 中井 祐之, 滝沢 茂夫
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 204-211
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Azithromycin (AZM) の臨床分離株6菌種, 計138株に対するin vitro抗菌力を, erythromycin, clarithromycin, roxithromycinと比較検討すると共に呼吸器感染症13例に対する本剤の臨床効果, 細菌学的効果及び安全性を検討した。Staphylococcus aureus (MSSA及びMRSA) に対する本剤の抗菌力は対照薬の1/2~1/4であった。腸内細菌科 (Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae, Enterobacter cloacae, Serratia marcescens) 及びPseudomonas aeruginosaに対しては対照薬より2~32倍あるいは64倍強かった。急性気管支炎2例, 慢性気管支炎2例, 陳旧性肺結核+感染1例, 肺炎7例, マイコプラズマ肺炎1例の計13例に, 本剤の1回250mg (6例) あるいは500mg (7例) を全例で1日1回, 計3日間投与して著効が4例, 有効9例の成績を収めた。本剤投与前にS. aureus1株, Streptococcus pneumoniae 6株, Haemophilus inflnenzae 1株の計8株を分離し, 投与後に6株が消失, 2株が減少 (S. aureusS. pneumoniae各1株) の成績であった。下痢を2例, GOTとGPTの上昇を1例に認めたが, いずれも投与終了後に改善した。AZMは呼吸器感染症に対する有力な第一次選択薬剤の一つと考えられる。
  • 金子 光太郎, 大石 明, 青崎 登, 勝 正孝
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 212-218
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Azithromycin (AZM) の基礎的および臨床的検討を行い以下の知見を得た。基礎的検討では, グラム陽性菌 (methicillin sensitive Staphylococcus aureus (MSSA), Staphylococcus epidermidis, Streptococcus pyogenes, Streptococcus pneumoniae, Enterococcus faecalis) およびグラム陰性菌 (Moraxella catarrhalis, ampicillin (ABPC) sensitive Haemophilus influenzae, ampicillin (ABPC) resistantH. influenzae, Acinetobacter sp.) に対するAZMのMICを他のマクロライド系抗菌薬 (erythromycin, clarithromycin, rokitamycin) およびofloxacin, tosufloxacin, clavulanic acid/amoxicillin, amoxicillin, cefotiam, minocycline, cefpodoximeのそれと比較検討した。本剤は特にグラム陰性菌に対して, 他のマクロライド系抗菌薬に比較して, 優れた抗菌力を示した。
    臨床的検討では呼吸器感染症13例に本剤250mgまたは500mgを1日1回3日間投与し, 著効10例, 有効3例 (有効率は100%) の成績を得た。副作用は認めず, 1例に軽度のGOTの上昇を認めたのみであり, 本剤は呼吸器感染症に対して有効かつ安全な抗菌薬であることが確認された。
  • 佐野 靖之, 宮本 康文, 荒井 康男, 村上 敦子, 島田 馨, 岡 慎一, 後藤 元, 井口 万理, 佐藤 正夫, 圷 宏一, 吉森 浩 ...
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 219-229
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    アザライド系抗菌薬azithromycin (AZM) について基礎的・臨床的検討を行った。
    喀痰由来Streptococcus pneumoniae計39株および血液由来S. pneumoniae 8株に対する最小発育阻止濃度 (MIC) の測定を行った。喀痰由来のS. pneumoniae 39株のうち28株はbenzylpenicillin (PCG) に対するMICが0.1μg/ml未満のpenicillin sensitive S. pneumoniae (PSSP), 11株はPCGに対するMICが0.1μg/ml以上のpenicillin insensitive S. pneumoniae (PISP) であった。また, 血液由来のS. pneumoniaeは全てPSSPであった。喀痰由来のPSSPに対する本剤のMIC50, MIC80は0.05μg/ml, >100μg/mlであった。PISPに対するMIC50, MIC80は0.78μg/ml, >100μg/mlであった。血液由来のPSSPに対するMIC50, MIC80は0.05μg/ml, 0.39μg/mlであった。
    41例の呼吸器感染症について臨床的検討を行った。症例の内訳は急性気管支炎2例肺炎10例, マイコプラズマ肺炎1例, 慢性気管支炎18例, 気管支拡張症に伴う感染症3例, びまん性汎細気管支炎に伴う感染症1例, 気管支喘息に伴う感染症3例, 肺気腫に伴う感染症1例, 肺線維症に伴う感染症2例であった。用法・用量はAZM250mgまたは500mgを1日1回食後投与とし, 投与期間は原則として3日間とした。
    臨床効果は著効9例, 有効19例, やや有効7例, 無効3例・判定不能3例で判定不能を除いた有効率は73.7%(28/38) であった。
    副作用は認められなかったが, 臨床検査値の異常変動として好酸球の増多が1例, Kの減少が1例およびKの増加が1例に認められた。
  • 宍戸 春美, 佐藤 紘二, 片山 弘文
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 230-233
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    呼吸器感染症10例を対象にazithromycin 250mgまたは500mgの1日1回, 3日間療法の臨床的有用性を検討した。細菌学的には, 起炎菌と判定されたEnterobacter agglomerans, Enterobactecloacae, Haemophilus influenzaeの3株は消失したが, Klebsiellaoxytocaは減少に留まった。臨床的な有効率は80.0%であった。副作用は認められなかったが, 1例にγ-GTPの軽度上昇を認めた。
  • 青木 信樹
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 234-238
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    各種腎機能障害を伴った高齢の患者5例において, 新しい経口アザライド系抗生物質azithromycin (AZM) 500mgを1回経口投与した際のAZMの血清中濃度と尿中排泄率を測定した。腎機能障害の程度を軽度 (I群) 1例, 中等度 (II群) 1例, 高度 (III群) 3例に分類し, それぞれの群の体内動態を比較検討した。その結果, 血清中濃度半減期はI群45.4時間, II群30.5時間, III群29.7時間 (平均値) であり, 血清中濃度-時間曲線下面積 (AUC) は, I群3.83μg・h/ml, II群4.21μg・h/ml, III群4.66μg・h/ml (平均値) であった。投与後120時間までの累積尿中排泄率はI群5.57%, II群5.53%, III群 (平均値) 4.62%であった。
    慢性気管支炎1例, 気管支拡張症+感染2例, 気管支喘息+感染3例の計6例の呼吸器感染症にAZMを使用した。臨床効果は有効6例であった。副作用, 臨床検査値異常は認められず, 呼吸器感染症に有用な薬剤であると考えられた。
  • 二木 芳人, 窪田 好史, 宮下 修行, 玉田 貞雄, 大場 秀夫, 狩野 孝之, 長友 安弘, 吉田 耕一郎, 中林 美枝子, 中島 正光 ...
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 239-244
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいアザライド系抗生物質azithromycin (AZM) について, 各種呼吸器感染臨床分離菌ならびに各種クラミジア標準菌株に対する抗菌活性を検討し, 他剤と比較した。また, 呼吸器感染症11例を対象に本剤を投与してその臨床効果, 安全性を評価して各々以下の成績を得た。
    1) AZMのStaphylococcus aureus, Streptococcus pneumoniaeのグラム陽性菌群に対する抗菌活性は, clarithromycin (CAM) やroxithromycin (RXM) に劣るものであったが, Haemphilus influenzae, Moraxella catarrhalisでは, それらに1~2管優る結果であった。
    2) Chlamydia psittaci, Chlamydia pneumoniae, Chlamydia trachomatisに対するAZMのMICは, 各々0.125μg/mlで, erythromycin (EM) には優るもののCAMには劣る結果であった。
    3) 呼吸器感染症11例に対する本剤1回250~500mgの1日1回, 3日間投与での臨床効果は, 著効4, 有効6, やや有効1と良好で, 重大な副作用もみられなかった。
  • 松本 行雄, 杉本 勇二, 山崎 整児, 阪田 拓哉, 櫃田 豊, 佐々木 孝夫
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 245-249
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しい経口アザライド系抗菌薬azithromycinの呼吸器感染症起炎菌に対する抗菌力と, 呼吸器感染症に対する臨床効果ならびに安全性について検討し, 下記の結果を得た。
    呼吸器感染症の臨床分離株に対する本剤のMICは, Staphylococcus aureusでは0.39~>100μg/ml (MIC90>100μg/ml), Streptococcus pneumoniaeでは0.05~25μg/ml (MIC90 25μg/ml), Moraxella catarrhalisでは≦0.025~0.1μg/ml (MIC90 0.1μg/ml), Haemophilus influenzaeでは0.39~3.13μg/ml (MIC90 1.56μg/ml) に分布していた。
    呼吸器感染症8例 (急性気管支炎1例, 細菌性肺炎1例, 慢性気管支炎1例, びまん性汎細気管支炎2例, 気管支拡張症に伴う感染症2例, 肺気腫に伴う感染症1例) における本剤の臨床効果は著効1例, 有効7例で全例有効以上であった。起炎菌が判明した症例は4例でS. aureusS. pneumoniaeの混合感染が1例, S. pneumoniae 1例, E. coli 1例, H. influenzae 1例であったが, 本剤により全て除菌できた。
  • 高本 正祇, 原田 進, 原田 泰子, 石橋 凡雄
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 250-256
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    呼吸器感染症患者21例 (急性気管支炎1例, 肺炎5例, 慢性気管支炎5例・気管支拡張症+感染3例, 陳旧性肺結核+感染3例, 肺気腫+感染2例, 気管支喘息+感染1例・肺気腫+肺結核+感染1例) にazithromycin 250mgまたは500mgを1日1回, 3日間食後経口投与し, 臨床効果, 安全性について検討した。判定不能の1例を除いた20例の臨床効果は, 著効8例, 有効7例, やや有効2例, 無効3例で有効率は75.0%(15/20) であった。細菌学的効果の検討ではStreptococcuspneumoniae 1株, Haemophilus influenzae 1株の計2株が分離され, いずれも消失した。副作用は1例に下痢が出現し, 臨床検査値の異常変動は4例に好酸球の増多が, 1例にALPの上昇が認められた。本剤は軽症, 中等症の呼吸器感染症に有用であると思われた。
    また, 上記の入院患者の中の10例 (平均年齢73.4歳) にazithromycin 250mgまたは500mgを1日1回, 3日間投与した時の血中濃度の測定を行った。個々の症例において経時的な血中濃度の測定は実施できなかったが, 得られた血中濃度の推移は本剤の第I相反復投与試験の血中濃度推移と大差はなかった。
  • 澤井 豊光, 掛屋 弘, 福田 美穂, 朝野 和典, 古賀 宏延, 河野 茂, 原 耕平, 餅田 親子, 伊折 文秋, 賀来 満夫, 増本 ...
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 257-262
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    経口マクロライド系抗菌薬azithromycinについて, 基礎的ならびに臨床的検討を行い, 次の結果を得た。
    1) 抗菌活性: 臨床分離株16菌種571株に対する最小発育阻止濃度を測定し, 他4薬剤 [erythromycin, clarithromycin, roxithromycin, josamycin] と比較検討した。その結果, 本剤はグラム陽性菌の中ではmethicillin-sensitive Staphylococcus aureus (MSSA) とStreptococous pyogenesに対する抗菌活性は同等かやや劣るものの, グラム陰性菌の中ではHaemophilus influenzaeMoraxella catarrhalisに対して, 他の薬剤と同等または優れた抗菌活性を認めた。
    2) 臨床的検討: 呼吸器感染症患者11例に対して本剤を投与し, 臨床効果および副作用について検討した。総合判定では11例中著効3例, 有効7例, やや有効1例で有効率は90.9%と良好な成績が得られた。副作用および臨床検査値異常変動は全例で認められず, 本剤の安全性が示唆された。
  • 宇都宮 嘉明, 松本 慶蔵, 永武 毅, 渡辺 貴和雄, 中西 俊裕, 坂本 翊, 苑田 文成, 田尾 操, 大石 和徳, 力富 直人, 田 ...
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 263-271
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    呼吸器感染症において新規アザライド系経口抗生物質azithromycin (AZM) の基礎的, 臨床的検討を行なった。
    呼吸器病原性が明確な臨床分離菌株に対するMIC50, MIC70およびMIC90 (μg/ml) は, それぞれMethicillin sensitive Staphylococcus aureus 26株で0.78, 3.13と>100, Methicillin resistant Staphylococcus aureus 22株ではいずれも>100, Streptococcus pneumniae 46株では0.10と1.56と3.13, Haemophilus influenzae 41株では1.56, 3.13と6.25, Moraxella catarrhalis 45株ではすべて0.05, Pseudomonas aeruginosa 46株ではすべて>100であった。気管支拡張症の症例における本剤500mg経口投与時の最高血中濃度は1.84μg/mlで連日3日間投与での最高喀痰中濃度は3.54μg/ml, 投与終了5日後でも喀痰中には2.16μg/mlと高い濃度が維持されていた。
    慢性呼吸器感染症9例に対して, 治療目的にて本剤を250mgまたは500mgを1日1回3日間投与した。臨床的効果は著効1例, 有効7例, やや有効1例であった。細菌学的効果は起炎菌の判明した8例中7例で菌が消失した。その内訳はH.influenzae 3株中1株のみ除菌できず, 他のS.pneumoniae 1株, M.catarrhalis 2株Corynebacterium pseudodiphtheriticumの1株とAcinetobacter haemolyticus 1株は消失した。副作用, 臨床検査値に異常は認められなかった。以上の成績から従来のマクロライドの弱点であったH.influenzae感染症を含めてAZMは呼吸器感染症において1日1回500mg 3日間のみの投与で優れた臨床効果が期待できる経口抗生物質であると結論される。
  • 後藤 陽一郎, 橋本 敦郎, 一宮 朋来, 平松 和史, 永井 寛之, 那須 勝, 山崎 透, 立川 良昭, 中野 忠男, 菅原 弘一, 伊 ...
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 272-277
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたマクロライド系抗生物質azithromycinについてin vitro抗菌力を測定し, 呼吸器感染症に対する臨床的検討を行ない以下の結果を得た。
    1.抗菌力: 臨床材料から分離した18菌種756株 (グラム陽性球菌175株, Moraxella catarrhalis 50株, 腸内細菌科325株, ブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌129株, Haemophilus influenzae51株, Bacteroides fragilis26株) について, 日本化学療法学会規定の方法により最小発育阻止濃度を測定し, erythromycin, rokitamycin, clarithromycinの抗菌力と比較した。本剤は, 全般にはグラム陽性菌に対して既存のマクロライド系抗生物質よりも同等かやや弱い抗菌力を示したが, グラム陰性菌, 特にH.influenzae, Acinetobacter calcoaceticusには耐性株はなく強い抗菌力を示した。
    2.臨床成績: 呼吸器感染症7例を対象に1日1回, 1回量250mgないし500mgを3日間投与した。臨床効果は全症例有効と判定された。本剤投与による自・他覚的副作用および臨床検査値の異常変動は認められなかった。
  • 普久原 浩, 田場 秀樹, 稲留 潤, 健山 正男, 斎藤 厚, 仲宗根 勇, 平良 真幸, 草野 展周, 外間 政哲, 外間 朝哲
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 278-283
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新経口マクロライド系抗生物質であるazithromycin (AZM) について基礎的, 臨床的検討を行った。
    基礎的検討: 臨床分離株14菌種, 284株について, AZMとerythromycin (EM), roxithromycin (RXM), clarithromycin (CAM) の抗菌力を比較した。
    AZMのMIC90は, グラム陽性菌に対してはEM, CAMと同等あるいはやや劣る成績であり, グラム陰性菌に対しては4剤中最も優れた成績であった。
    臨床的検討: 呼吸器感染症6例 (肺炎4例, 慢性気管支炎の急性増悪1例, 急性気管支炎1例) に対し, 本剤1日1回250mg, または500mgを3日間投与した。
    臨床効果は著効2例, 有効4例であった。副作用及び臨床検査値異常は認められなかった。
  • 中山 一誠他
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 284-298
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたマクロライド系抗生物質azithromycin (AZM) の外科領域における基礎的・臨床的評価を目的として, 全国18機関とその関連施設による共同研究を実施し, 以下の成績を得た。
    1) 体内動態に関する検討: 500mg単回投与時の胆嚢組織への移行濃度は24時間後8.42μg/g, 48時間後3.92~10.4μg/gであった。胆汁中濃度は投与後2~5時間に最高濃度186~509μg/mlを示した。
    2) 臨床的検討: AZMは250mg (力価) または500mg (力価) を1日1回, 3日間投与を中心に186例に投与された。除外・脱落7例を除いた179例が臨床効果の評価対象症例であり, その内訳は, 浅在性化膿性疾患85例, 乳腺炎13例, 肛門周囲膿瘍25例, 外傷・熱傷・手術創による表在性二次感染45例, 胆嚢炎・胆管炎6例, その他5例であった。
    主な疾患群の有効率は, 浅在性化膿性疾患96.5%(82/85例), 乳腺炎76.9%(10/13例), 肛門周囲膿瘍84.0%(21/25例), 外傷・熱傷・手術創による表在性二次感染75.6%(34/45例) であり, 全体としては87.7%(157/179例) であった。
    140例より分離された起炎菌241株の消失率は, グラム陽性菌90.1%(109/121株), グラム陰性菌85.7%(36/42株), 嫌気性菌93.6%(73/78株) であり.全体としては90.5%(218/241株) であった。
    副作用は評価対象181例中6例に認められ, その内訳は消化器症状5例, 発疹1例であった。また, 臨床検査値の異常変動は5例に認められ, その内訳は好酸球の増多1例, S-GOT, S-GPTの上昇1例, S-GOT・S-GPT・γ-GTPの上昇1例, S-GPTの上昇1例, AL-P・γ-GTPの上昇1例であった。
    以上の成績から, AZMは外科領域感染症において有用性の高い薬剤であると考えられた。
  • 松田 静治他
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 299-312
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発された経口用マクロライド系抗生物質azithromycin (AZM) の産婦人科領域感染症に対する有効性, 安全性および有用性を検討するため, 基礎的検討および臨床的検討を行い, 以下の成績を得た。
    1.体内動態に関する検討
    AZM 500mgを単回投与時の肘静脈, 子宮動脈の最高血清中濃度はいずれも投与後約4時間以内に0.38μg/mlを示し, 約61時間後には0.02μg/mlが認められた。性器各組織内濃度は投与後約7時間以内に最高濃度2.60~8.23μg/gを示し, 約61時間後には0.81~5.25μg/gが認められた。また, いずれの時間においても性器各組織内濃度は血清中濃度の約10~20倍高く推移した。
    2.臨床的検討
    総投与症例107例のうち, 臨床効果の評価対象98例における有効率は子宮内感染96.0%(48/50), 子宮付属器炎92.3%(12/13), 乳腺炎100%(11/11), 外性器感染84.2%(16/19) などで, 全体としては93.9%(92/98) であった。細菌学的効果の評価対象症例は72例で, 起炎菌109株の消失率は82.6%(90/109) であった。副作用は評価対象106例中5例 (4.7%) に主として消化器症状が認められ, 臨床検査値の異常変動は101例中1例 (1.0%) に軽度の白血球減少が認められたが, いずれも一過性で重篤なものはなかった。安全性の評価対象106例における安全率 (「問題なし」の割合) は94.3%(100/106) であった。有用性の評価対象99例における有用率 (「有用」以上の割合) は, 91.9%(91/99) であった。
    以上の成績から, 子宮内感染, 子宮付属器炎, 乳腺炎, 外性器感染に対するAZMの有用性が示唆された。
  • 三鴨 廣繁, 川添 香子, 和泉 孝治, 伊藤 邦彦, 玉舎 輝彦
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 313-318
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規マクロライド系抗生物質azithromycin (AZM) の抗菌力, 女性性器組織への移行性および産科婦人科領域感染症に対する臨床効果, 安全性について検討した。
    1. 産婦人科領域感染症から分離された6菌種110株を用いてAZMの抗菌力をerythromycin (EM), clarithromycin (CAM) を比較薬剤として寒天平板希釈法により検討した。methicillinsusceptible Staphylococcus aureus (MSSA), methicillin-resistant S.aureus (MRSA), Streptococcus agalactiae, Enterococcus faecalis, Escherichia coli, Bacteroides fragilis, Prevotella biviaに対するAZMのMIC90値は, それぞれ, 0.20, 100, 0.10, 6.25, 25, 12.5, 6.25μg/mlであった。
    2. 各種産婦人科疾患のため子宮全摘出術を施行した10例に対し, 術前にAZM500mgを単回経口投与し, AZMの血清中濃度および女性性器組織内濃度をbioassay法により測定した。女性性器組織への移行性については, 投与2.1~61.2時間後で血清中濃度は0.45~0.02μg/ml, 組織内濃度は, 10.8~0.03μg/gであった。
    3. 産婦人科領域感染症7例にAZM500mgを1日1回, 3日間の経口投与, クラミジア性子宮頸管炎に対してはAZM1000mgの単回経口投与とし, 臨床所見の推移, 起炎菌の消長, 副作用および臨床検査値の異常変動について検討した。臨床効果は, 子宮頸管炎では, 著効1例, 有効1例であり, Chlamydia trachomatisは2例とも消失した。また, 他の感染症では, 有効4例, 無効1例であった。起炎菌については, S. agalactiae 1株, Pseudomonas aeruginosa 1株が分離されともに消失した。副作用および臨床検査値の異常変動は認められなかった。
    以上の成績より, AZMは産婦人科領域感染症に対して有用な薬剤であると考えられた。
  • 保田 仁介, 山元 貴雄, 岡田 弘二
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 319-325
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいマクロライド系抗菌薬azithromycin (AZM) について産婦人科領域における臨床的検討を行い以下の結果を得た。
    同意の得られた子宮内膜炎3例, バルトリン腺膿瘍3例および, Chlamydia trachomatis (以下クラミジア) による非淋菌性子宮頸管炎20例の計26例の産婦人科性器感染症に対し, 子宮内膜炎, バルトリン腺膿瘍では本剤1回250mgまたは500mgを1日1回3日間, クラミジア性・非淋菌性子宮頸管炎では本剤1回500mgの単回投与を行ったところ, 臨床効果は子宮内膜炎, 子宮頸管炎の各1例を除いて有効となり, 全体の有効率は92.3%であった。
    細菌学的効果は本剤投与前にグラム陽性菌5株, グラム陰性菌2株, 嫌気性菌2株, C. trachomatis20株の計29株が検出されEscherichia coli, C. trachomatisの各1株を除いて消失し, 全体の消失率は93.1%であった。
    また本剤投与による自他覚的副作用および臨床検査値の異常変動は1例もみられなかった。
    以上のことからAZMは産婦人科性器感染症に対して有用となり得ると考えられた。
  • 荒田 次郎他
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 326-338
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規の経口マクロライド系抗生物質であるazithromycin (AZM) の浅在性化膿性疾患に対する有効性, 安全性および有用性を検討した。原則として1日投与量は250mgまたは500mgとし, 投与期間は3日間とした。総投与症例数は128例であり, そのうち評価対象症例数は臨床効果116例, 安全性126例, 有用性116例であった。臨床効果における有効率 (「著効」+「有効」の割合) は85.3%(99/116) であった。細菌学的効果における消失率 (「消失」+「菌交代」の割合) は73.4%(58/79) であった。副作用は126例中6例 (4.8%) に認められ, その内訳は軟便2例, 胃の痛み1例, 腹部膨満感1例, 胸やけ1例, アトピー性皮膚炎の悪化1例であり, いずれの症状も軽度であった。臨床検査値の異常変動は109例中1例 (0.9%) に好酸球の増多が認められた。副作用, 臨床検査値の異常変動ともに臨床上, 特に問題となるものはなかった。
  • 佐々木 次郎
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 339-354
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいマクロライド系経口抗生物質azithromycin (AZM) について, 歯科・口腔外科領域への適応を臨床的に検討した。
    1) 歯科・口腔外科領域の感染症148例に対して, AZM250mgまたは500mgを1日1回, 3日間投与し臨床的検討を行った。250mg投与時の有効率 (評点比判定) は65.0%(13例/20例), 500mgでは90.7%(98例/108例) であった。
    2) 疾患別の有効率は歯周組織炎78.7%(37例/47例), 歯冠周囲炎90.0%(27例/30例), 顎炎92.2%(47例/51例) であった。
    3) 菌消失率 (「消失」+「菌交代」の割合) は92.3%(60例/65例) であった。
    4) 500mg投与群1例に発疹がみられ, 全体の副作用発現率は0.7%(1例/146例) であった。臨床検査値の異常変動発現率は9.0%(12例/134例) であった。
    5) 安全率 (「問題なし」の割合) は91.1%(133例/146例) であった。
    6) 有用率 (「有用」以上の割合) は82.2%(106例/129例) であった。
    7) AZM 250mgもしくは500mgを術前に投与し, 口腔外科手術を施行した71症例を対象に, 抜歯創貯留液または, 血中および口腔組織への移行性を検討した。AZM 500mg単回投与後, 1.4時間から20.5時間までの抜歯創貯留液中濃度は0.01~0.95μg/mlであった。各組織内濃度は投与後3時間から28時間までに歯肉0.27~5.6μg/g, 嚢胞壁0.57~14.1μg/g腫瘍・上顎骨等, その他の口腔組織0.06~2.50μg/gの濃度が認められた。
    以上の成績から, AZMは歯科・口腔外科領域感染症に対し有用な薬剤である。
  • 斎藤 篤, 坂本 光男, 柴 孝也, 酒井 紀, 嶋田 甚五郎, 堀 誠治
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 355-357
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しい経口マクロライド系抗菌薬azithromycin (AZM) の臨床的検討を行い, 以下の成績を得た。
    肺炎2例, 慢性気管支炎3例の計5例にAZM 250mgまたは500mgを1日1回, 3日間投与した。臨床効果は肺炎2例中1例が有効, 慢性気管支炎3例中2例が有効であり, 全体では5例中有効3例, 無効2例であった。副作用, 臨床検査値の異常変動は認められなかった。
  • 杉山 肇, 國井 乙彦
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 358-360
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたマクロライド系抗菌薬azithromycin (AZM) の内科領域感染症に対する臨床的有用性について検討した。
    マイコプラズマ肺炎1例, 急性扁桃炎2例の計3例に本剤を1回500mg, 1日1回, 3日間投与した。臨床成績は著効, 有効, やや有効各1例ずつであった。3例とも起炎菌を分離できず, 細菌学的効果は不明であった。副作用は認められなかったが, 臨床検査値の異常変動は1例にGOT, GPT, LDHの軽度上昇が認められた。
  • 戸塚 恭一, 柴田 雄介, 清水 喜八郎
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 361-363
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたマクロライド系抗生物質azithromycin (AZM) についてin vitroのpostantibio-tic effect (PAE) を検討した。
    Staphylococcus aureus Smith株, Streptococcus pneumoniae TW 228株, およびHaemophilus influenzae TW 644株に対するAZMの2 MIC濃度でのin vitro PAEはそれぞれ0.6, 1.0, 3.9時間, 4 MIC濃度では1.1, 1.3, 4.2時間であった。
    AZMは, 対照として検討したerythromycin (EM), roxithromycin (RXM), clarithromycin (CAM) と比較し, S. aureus Smith株S. pneumoniae TW 228株では他剤より短く, H. influenzae TW 644株では他剤より長いPAEを示すことが認められた。
    臨床的には肺炎1例に対しAZMを投与したが, 観察期間中に抗菌薬の併用が行われたため臨床効果は判定不能であった。本剤との関連性が疑われる臨床検査値の異常変動としてGPT, ALP, LDHの上昇がみられた。
  • 小林 宏行, 武田 博明, 酒寄 享, 米田 泰幸
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 364-367
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    呼吸器感染症10例 (肺炎2例, 慢性気管支炎3例, 気管支拡張症+感染1例, 気管支喘息+感染3例, 器質化肺炎1例) に対してazithromycin 250mgまたは500mg 1日1回内服投与による臨床効果を観察した。その結果, 判定不能1例を除く上記の呼吸器感染症9例に対して著効2例, 有効7例であった。
    また, 副作用は認められなかった。臨床検査成績の異常変動については, GPTの軽度上昇が1例に認められた。
  • 杉山 温人, 工藤 宏一郎
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 368-370
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発された経口用マクロライド系抗菌薬azithromycinを急性気管支炎2例, 肺炎1例, びまん性汎細気管支炎の急性増悪1例の計4例に投与し, 臨床的効果および副作用について検討した。1回量250mgまたは500mgを1日1回, 3日間 (1例のみ1日) 投与し, 全例有効の結果を得た。本剤投与による副作用としては下痢1例であり, 本剤に関係あると見られる臨床検査値異常は認められなかった。
  • 林 泉, 塩谷 譲司
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 371-373
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    呼吸器感染症にazithromycin (AZM) を投与し, 臨床的有用性について検討した。
    肺炎1例, マイコプラズマ肺炎1例, 気管支拡張症の感染1例, であり, AZM 250mg1日1回3日間を1例に, 500mg 1日1回3日間を2例に食後に経口投与した。
    細菌学的には3例中1例にStreptococcus pneumoniae 1株が検出され不変であった。
    臨床効果は著効1例, 有効2例であった。副作用, 臨床検査値異常はともに認められなかった。
  • 小山 優, 千田 守, 吉澤 正文
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 374-377
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたマクロライド系抗生物質azithromycinを, 急性咽喉頭炎1例, 急性扁桃炎1例, 急性気管支炎7例, 急性肺炎1例, マイコプラズマ肺炎1例, 慢性気管支炎1例, 気管支拡張症+感染1例の計13例に投与し, 臨床効果および安全性について検討した。投与方法は1回量500mgを1日1回 (1例のみ3回), 投与期間は3日間 (1例のみ7日間) であった。臨床効果は著効4例, 有効7例, やや有効1例, 無効1例であった。本剤によると思われる副作用は1例に下痢が認められ, 臨床検査値異常は1例にGOT, GPT, Al-P, LDH, γ-GTPの上昇がみられた。
  • 中田 紘一郎, 中谷 龍王, 川上 義和, 大塚 義紀, 大久保 隆男, 池田 大忠, 螺良 英郎, 小林 武彦, 矢川 克郎, 荻野 英夫
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 378-381
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたマクロライド系抗生物質azithromycinを呼吸器感染症7例に投与し, その臨床効果および安全性について検討した。
    疾患の内訳は, 急性気管支炎1例, 肺炎2例, 慢性気管支炎2例, 気管支拡張症+感染1例, 肺好酸球性肉芽腫症+感染1例である。臨床効果は, 著効1例, 有効3例, 無効3例であった。
    副作用は1例に軟便・腹痛が認められたが, 処置をせず翌日に消失した。臨床検査値の異常変動はLDHの上昇が1例に認められた。
  • 松本 文夫, 今井 健郎
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 382-384
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたアザライド系抗菌薬azithromycinについて臨床効果を検討したところ, 以下のごとき成績を得た。
    対象は急性気管支炎2例, 慢性気管支炎4例, 肺炎1例の計7例で, 臨床効果は全例が有効であった。
    細菌学的効果については, 慢性気管支炎1例よりHaemophilus influenzaeが分離され, 消失した。
    副作用および臨床検査値の異常変動は認められなかった。
  • 小田切 繁樹, 鈴木 周雄, 住友 みどり, 萩原 恵里
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 385-387
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Azithromycinを呼吸器感染症5例に投与し, 臨床的検討を行った。投与方法は1日1回250mgまたは500mgを3日間投与した。臨床効果は有効4例, 無効1例で有効率は4/5であった。原因菌は全例で特定できなかった。副作用の発現はなかったが, 臨床検査値異常はNAG・β2-mlcroglobulin (尿) 上昇とLAP軽度上昇が各1例に認められたが, 臨床的に何ら問題となるものではなかった。
  • 小花 光夫, 松岡 康夫, 入交 昭一郎
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 388-390
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発された15員環マクロライド系抗菌薬であるazithromycinを急性気管支炎2例, 急性扁桃炎2例, 気管支肺炎2例, マイコプラズマ肺炎1例, 喘息に伴った感染1例, 計8例に1回250mgまたは500mg, 1日1回, 3日間経口投与した。臨床効果判定可能であった8例では有効7例, 無効1例であった。本剤によると思われた副作用は1例も認められなかった。本剤投与前後における臨床検査値ではGPT, GPTの増加が1例で認められた。
  • 和田 光一, 荒川 正昭
    1995 年 43 巻 Supplement6 号 p. 391-392
    発行日: 1995/12/29
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいアザライド系抗生物質azithromycinを急性咽頭炎2例, 急性咽喉頭炎1例, 急性気管支炎2例, マイコプラズマ肺炎1例, 慢性気管支炎2例の計8例の感染症に使用した。本剤の臨床効果は, 8例全例有効であり, 細菌学的効果は消失3例, 減少1例, 不明4例であった。本剤によると思われる副作用, 臨床検査値の異常は認められなかった。
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