日本化学療法学会雑誌
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44 巻 , 6 号
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  • 朝野 和典, 平潟 洋一, 古谷 信彦, 松本 哲哉, 館田 一博, 賀来 満夫, 河野 茂, 山口 恵三, 原 耕平
    1996 年 44 巻 6 号 p. 397-402
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    緑膿菌を内因性に持たないspecific pathogen free (SPF) マウスに緑農菌D-4m株を経口的に接種し, ampicillinを同時に投与して腸管に定着させた。さらに, マウスに150mg/kgのサイクロフオスファマイドを2回投与して, 顆粒球減少状態にすることで, 内因性の緑膿菌による敗血症を惹起するモデルを作成した。このモデルを用いて, Endotoxin感受性の異なるC3H/HeNマウス (感受性) とC3H/HeJマウス (抵抗性) の緑膿菌による内因性感染症に対する致死性と臓器内菌数の比較を行った。その結果, C3H/HeJマウスはC3H/HeNマウスに比べ, 緑膿繭性内因性敗血症に対し感受性であった (P<0.001)。また, C3H/HeJマウスの肝臓や脾臓, 心臓の血液から分離される緑農菌の菌数は経時的に増加したが, C3H/HeNマウスでは増加が抑制された。緑膿菌D-4m株の静注によるLD50 は, 両群のマウスで有意差をみなかった。また緑膿菌を静注した後の血液からの除菌率の検討でも, 両群のマウスに差はみられなかった。これらのことから, endotoxin感受性マウスでは, 以前に我々が報告した全身性敗血症にさきだつbacterial translocationによるendotoxinの血流中への流入が網内系の活性化をもたらし, 敗血症発症に対する抵抗性を獲得するものと考えられた。
  • 4菌種定着マウスにおける検討
    岩田 敏, 磯畑 栄一, 金 慶彰, 横田 隆夫, 楠本 裕, 佐藤 吉壮, 秋田 博伸, 南里 清一郎, 老川 忠雄, 小林 寅哲, 砂川 ...
    1996 年 44 巻 6 号 p. 403-408
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいβ-lactamase阻害剤のtazobactam (TAZ) と注射用ペニシリン系抗生物質のpiperacillin (PIPC) を1: 4 (力価比) に配合した新しい注射用配合剤であるtazobactam/piperacillin (TAZ/PIPC) について4菌定着マウスの腸内細菌叢におよぼす影響を検討し, PIPC単独の場合と比較した。Escherichia coli北研M, Enterococcus faecalis北研M, Bacteroides fragilis GKP 0001, Bifidobacterium breve YIT 4006の4菌種を腸管内に定着させた4菌種定着マウスにTAZ/PIPC 100mg/kgを1日1回, 連続5日間筋肉内投与した結果, いずれの菌種も投与開始翌日より減少し, 3日目以降はE.faecalisを除き検出限界以下となった。PIPC 100mg/kgを同様の方法で投与した場合もほぼ同じ成績であった。薬剤最終投与4時間後の消化管各部 (胃, 小腸上部, 小腸中部, 小腸下部, 大腸) の内容物中の生菌数は, TAZ/PIPC, PIPCどちらの場合にも, 4菌種共にすべての部位で薬剤投与群がコントロール群よりも低値を示した。投与開始翌日以後の糞便中および最終投与後の大腸内容物中のPIPC濃度は, TA27PIPC投与群が8.30~75.3μg/g (検出限界以下の1検体を除く), PIPC投与群が3.62~32.4μg/g (検出限界以下の1検体を除く) であった。消化管各部内容物中のPIPC濃度はTAZ/PIPC群, PIPC群共に小腸中部および小腸下部で高値を示した。TAZ/PIPC投与群における糞便中および消化管各部内容物中のTAZ濃度は2検体を除きいずれも検出限界以下であった。実験に使用した菌株に対するTAZ/PIPCおよびPIPCそれぞれの106CFU/ml接種における最小発育阻止濃度 (MIC) はE.coli北研Mで6.25μg/mlおよび3.13μg/ml, E.faecalis北研Mで3.13~6.25μg/mlおよび3.13μg/ml, B.fragilis GKP 0001で0.78~1.56μg/mlおよび3.13μg/ml, B.breve YIT4006で0.78μg/mlおよび0.39μg/mlで, TAz/PIPC, PIPCいずれの群においても薬剤の投与に伴いMICが上昇する傾向は認められなかった。
  • メチシリン耐性株での特徴と型別分類への応用について
    前澤 浩美, 吉沢 幸夫, 柴 孝也
    1996 年 44 巻 6 号 p. 409-416
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    黄色ブドウ球菌のなかでも特にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (methicillin-resistant Staphylococcus aureus: MRSA) による感染症は, 高齢者やimmunocompromised hostなどの症例に多発することから予後不良なことが多く, 感染症の原因菌の一つとして, 重要視されている。この黄色ブドウ球菌の持つ細胞壁構造因子protein Aは, メチシリン耐性への関連においていくつかの報告がある。1973年にWinbladらが多くのMRSAでは細胞外protein Aに比し細胞内protein Aの減少が著しいと説いており, 1979年にはCohenらもA 676株を用いてメチシリン耐性をもつとprotein Aの含有量が増加すると発表しており, mecA遺伝子 (mec) とprotein A遺伝子 (spa) の関わりについては古くから論議が重ねられている。そこで著者らは, 1993年7月から1994年6月までの1年間の東京慈恵会医科大学附属病院第二内科における外来通院患者19例と入院患者82例の計101例から臨床分離された黄色ブドウ球菌を対象に, polymerase chain reaction (PCR) 法にてメチシリン耐性の有無, protein A・IgG結合ドメイン数 (5, 4, 3, 2, 0) の分類 (PA分類) を行い, この結果よりmec A陽性 (+) と陰性 (-) の各々の株においてのprotein A・IgG結合ドメイン数の分布を検討した。PA5, 4, 3を有した株はmec (+) の40株では, 各々5株, 34株, 1株, mec (-) の61株では各々38株, 21株, 2株認められた。PA2, 0の株はいずれにも認められなかった。これらの結果から, mec (+) の株には, PA4が有意に高率に認められ (p<0.001, X2=22.92), mecspaの関連性を示唆する成績が得られた。次にこの101株で, コアグラーゼ型, ファージ型別分類, 感受性検査を行った。その内訳は, コアグラーゼ型分類では, II型が46株 (45.5%) と高率に認められた。さらにこの中でメチシリン耐性を有し, かつPA4の株は30株で, ファージ型別の内訳では, NT (判定不能) が16株 (53.3%) 認められたが, 残りは, I, I M, I II III, III, IIIM, IIIV, Vに, 各1~5株と多様にわたっていた。薬剤感受性の検討では, mec (-) の株で11種, mec (+) の株で10種のパターンに分類することができた。以上の結果を前記のPA分類と共に総合的に評価し, この101株を54種に分類し得た。また当科における臨床分離のMRSAは, PA4の株の出現頻度が高いことが判明した。今回明らかにしたドメイン数分類は, 感受性検査だけでは分別不可能な株をさらに細分化する方法として利用することにより, 黄色ブドウ球菌感染症の院内感染対策の一手段として有用であると考えられた。
  • 小児科臨床例における検討
    岩田 敏, 上牧 勇, 磯畑 栄一, 金 慶彰, 横田 隆夫, 楠本 裕, 佐藤 吉壮, 秋田 博伸, 南里 清一郎, 老川 忠雄, 砂川 ...
    1996 年 44 巻 6 号 p. 417-428
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいβ-lactamase阻害剤のtazobactam (TAZ) と注射用ペニシリン系抗生物質のpiperacillin (PIPC) を力価比1: 4に配合した新しい注射用配合剤であるtazobactamlpiperacillin (TAZ/PIPC) について, 小児臨床例の腸内細菌叢におよぼす影響を検討した。対象は感染症で入院した小児5例 (男児2例, 女児3例, 年齢4か月~9歳10か月, 体重8.14~28.0kg) で, TAZ/PIPCを1回43~53.6mg/kg, 1日4回, 5~15日間静脈内投与し, 投与前, 中, 後の糞便を採取して, 糞便19中に含まれる各種細菌の同定および菌数計算を行った。同時に糞便中のTAZおよびPIPC濃度, β-1actamase活性およびClostridium difficile D-1抗原の測定も行った。TAZ/PIPC投与中の糞便内細菌叢の変動は症例により若干のばらつきが認められたが, 主要な好気性菌のうちEnterobacteriaceaeは全症例で投与中に減少する傾向が認められ, 5例中3例では検出限界以下まで著明に減少した。Enterococcusも5例中3例で投与中に検出限界以下まで減少し, 残りの2例でも属内での菌交代が認められた。その結果好気性菌総数は1例で著明な減少が, 1例で軽度の減少がそれぞれ認められた。嫌気性菌では優勢菌種であるBifidobacterium, Eubacterium, Bacteroidesが投与中著明に減少し, その結果嫌気性菌総数が著明に減少した症例が3例認められたが, これらの症例はいずれも乳幼児例であった。ブドウ糖非醗酵性グラム陰性桿菌は1例で, 真菌は4例で, Bacizlusは4例でそれぞれ投与中に増加する傾向が認められ, Enterobactenaceae, Entemcoccus, 主要嫌気性菌のいずれもが著明に減少した乳幼児の2例では下痢が認められ, Candidaが投与中の最優勢菌種となっていた。C.difficileおよびC.difficile D-1抗原はそれぞれ1例および2例で検出されたが, その消長と便性に関連性はなかった。糞便中のTAZは1例で投与中の検体から検出され, その濃度は27.4~41.8μg/gであった。一方糞便中のPIPCは腸内細菌叢の変動の大きかった乳幼児例3例で投与中の検体から検出され, その濃度は34.7~238μg/gであった。糞便中β-lactamase活性は4例で投与前に陽性を示したが, このうち3例では投与中に陰性化した。以上の成績から, TAZ/PIPCは小児の腸内細菌叢におよぼす影響が大きい薬剤と考えられ, 使用する場合には下痢や菌交代に注意する必要がある。
  • 柴 孝也, 坂本 光男, 中沢 靖, 進藤 奈邦子, 前澤 浩美, 吉田 正樹, 酒井 紀
    1996 年 44 巻 6 号 p. 429-436
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    トシル酸トスフロキサシン (TFLX) の薬物動態を, 日常使用されている金属イオン製剤 (沈降炭酸カルシウム, 酸化マグネシウム, クエン酸第一鉄ナトリウム) との併用, およびTFLXが鉄剤 (クエン酸第一鉄ナトリウム) の吸収におよぼす影響について, 健常成人男子志願者において検討した。血中薬物動態から求めたCmax, AUC0~24h 腫尿中排泄量0~24hを指標パラメータとした解析の結果, TFLXとカルシウム, マグネシウム, そして鉄の金属イオンを含有する製剤との併用によりTFLXのバイオアベイラビリティの低下が認められた。その程度は沈降炭酸カルシウムでCmax52.6%, AUC0~24h57.6%, 尿中排泄量0~24h63.2%, 酸化マグネシウムでCmax37.4%, AUC0~24h45.8%, 尿中排泄量0~24h51.2%, そしてクエン酸第一鉄ナトリウムでCmax68.9%, AUC0~24h84.1%, 尿中排泄量0~24h67.6%に低下した。血清鉄濃度はクエン酸第一鉄ナトリウム単独およびTFLXとの併用において測定した。その結果バラツキは大きかったものの, そのCmax, AUC0~24hの平均値には特に低下は認められず, TFLXがクエン酸第一鉄ナトリウムの吸収におよぼす影響は少ないものと考えられた。
  • 副島 林造他
    1996 年 44 巻 6 号 p. 437-450
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    注射用セフェム系薬剤cefoselis (FK 037, 以下CFSL) の細菌性肺炎を対象とした至適用量検討試験を実施した。
    1) 投与量はCFSL1回0.5g (力価)(以下0.5g群), 1.0g (力価)(以下1.0g群) および2.0g (力価)(以下2.0g群) とし, 1日2回原則として14日間点滴静注した。組み入れられた症例数は92例, そのうち有効性, 安全性および有用性解析採用例数はそれぞれ79例, 90例, 79例であった。
    2) 臨床効果 (有効率) は0.5g群84.6%(22/26), 1.0g群90.0%(27/30), 2.0g群91.3%(21/23) であった。
    3) 細菌学的効果は菌消失率が0.5g群90.9%(10/11), 1.0g群85.7%(6/7), 2.0g群88.9%(819) であった。
    4) 副作用は1.0g群において下痢が1例認められたが, 重篤なものではなかった。
    5) 臨床検査値異常変動の頻度は0.5g群20.0%(6/30), 1.0g群34.4%(11/32), 2.0g群19.2%(5/26) であった。臨床症状を伴うものあるいは璽篤な症例は認められなかった。
    6) 有用性は0.5g群80.8%(21126), 1.0g群86.7%(26/30), 2.0g群91.3%(21/23) であった。
    以上, 臨床効果の成績から, 細菌性肺炎に対するCFSLの臨床用量は1回1.0g (力価).1日2回測投与が適当と考えられた。
    本治験成績は, すでにCHEMOTHERAPYVol, 42, No.10に報告したが, その後, GCP不適合施設が判明したので, 当該施設の症例を除きあらためて報告する。
  • 臨床的指標に与える影響について
    寺本 正治, 三笠 桂一, 澤木 政好, 濱田 薫, 古西 満, 前田 光一, 坂本 正洋, 辻本 正之, 森 啓, 喜多 英二, 成田 亘 ...
    1996 年 44 巻 6 号 p. 451-458
    発行日: 1996/06/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    我々は原発性肺癌患者にclarithromycin (CAM) を投与し, 生存期間が延長することを報告した。今回はCAM投与による生存期間と各種臨床的指標の変動とを検討した。対象は平成4年7月1日から平成6年10月31日の期間に登録し, 無作為にCAM投与群、非投与群に割り付けた初回治療の手術不能非小細胞肺癌54例 (CAM投与群28例, 非投与群26例) であった。登録症例中6か月間外来のみで経過観察可能であった26症例を解析対象症例とし, CAM投与群17例, 非投与群9例であった。登録症例中6か月以内の死亡症例はCAM投与群4例, 非投与群10例で, CAM投与による生存期間の延長を再確認した。臨床的指標は末梢血中のTotal Protein (TP), Albmin (Alb), Cholinesterase (ChE), Hemo910bin (Hb), リンパ球数, NaturalKmer (NK) 細胞活性, 体重を用いた。結果はCAM投与群は非投与群に比べてAlb, chE, Hbが有意に上昇し, 体重は増加傾向にあった。Quality of Lifb (QOL) の検討では特に肉体面と精神面とでCAM投与群に改善傾向がみられた。以上からCAMは非小細胞肺癌患者の宿主要因を改善し, 生存期間延長とQOLの改善とをもたらす可能性が示唆された。
  • 1996 年 44 巻 6 号 p. 467
    発行日: 1996年
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
  • 1996 年 44 巻 6 号 p. 473
    発行日: 1996年
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
  • 1996 年 44 巻 6 号 p. 474
    発行日: 1996年
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
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