日本化学療法学会雑誌
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45 巻 , 11 号
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  • Ceftazidimeを対照薬とした第III相臨床比較試験
    原 耕平他
    1997 年 45 巻 11 号 p. 901-922
    発行日: 1997/11/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    中等症もしくは重症の細菌性肺炎に対するニューキノロン系抗菌薬ciprofloxacin (CPFX) 注射薬の有効性, 安全性および有用性を検討するため, セフェム系抗菌薬ceftazidime (CAZ) を対照薬として比較試験を実施した。CPFXは1回300mgを1日2回, CAZは1回2gを1日2回, 原則として14日間点滴静注し, 以下の成績を得た。
    1. CPFX群101例, CAZ群100例, 合計201例の患者に投与された。有効性解析対象例はCPFX群91例, CAZ群75例, 概括安全度解析対象例はCPFX群98例, CAZ群87例, 有用性解析対象例はCPFX群95例, CAZ群80例であった。
    2. 臨床効果における有効率はCPFX群85.7%(78/91), CAZ群84.0%(63/75) で, 両群問に有意差は認められなかった。許容差Δ を10%とした同等性の検定では, 臨床効果に関する同等性が示された。なお, 背景因子の中で感染症重症度において偏りが認められたが, これを調整した場合においても, 結果は変わらなかった。
    3. 細菌学的効果における菌陰性化率はCPFX群78.9%(30/38), CAZ群100%(28/28) で, 両群間に有意差が認められた (Fisherの検定: p<0.05)。
    4. 副作用はCPFX群で11.1%(11/99) に, CAZ群で13.8%(12/87) に認められた。主な症状はCPFX群では過敏症状および注射部位の局所症状, CAZ群では過敏症状であった。
    5. 臨床検査値異常はCPFX群で22.3%(21/94), CAZ群で29.4%(25/85) に認められた。主な所見は好酸球増多およびトランスアミナーゼの上昇であった。
    6. 概括安全度判定で安全と評価された症例の割合はCPFX群で70.4%(69/98), CAZ群で63.2%(55/87) であり, 両群間に有意差は認められなかった。
    7. 有用性判定で有用と評価された症例の割合はCPFX群で76.8%(73/95), CAZ群で77.2%(61/80) であり, 両群問に有意差は認められなかった。
    以上の成績から, 本注射薬の300mg×2回/日投与は, 細菌性肺炎の治療において高い臨床的有用性が期待される薬剤であることが確かめられた。
  • 原 耕平他
    1997 年 45 巻 11 号 p. 923-935
    発行日: 1997/11/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    内科領域の重症あるいは難治性感染症を対象とし, ciprofloxacin (CPFX) 注射薬をCPFXとして1回300mg, 1日2回点滴静注し, 本薬の有効性・安全性および有用性をオープン試験にて検討した。投与期間は3~14日間とした。総投与症例は66例であり, 疾患別では慢性気管支炎16例, 気管支拡張症 (感染時) 23例, 慢性呼吸器疾患の二次感染20例, 膿胸2例, その他5例であった。有効性, 安全性, 有用性解析対象例はそれぞれ55例, 62例, 58例であった。対象例での臨床効果 (有効率) は, 慢性気管支炎92.3%(12/13例), 気管支拡張症 (感染時) 59.1%(13/22例), 慢性呼吸器疾患の二次感染72.2%(13/18例), 以上慢性気道感染症では71.7%(38/53例), 膿胸は2例ともやや有効以下で, 全体では69.1%(38/55例) であった。このうち, 他剤無効例に対する有効率は66.7%(8/12例) であった。一方, 細菌学的効果 (菌消失率) は, 全体で65.7%(23/35株) であった。副作用は62例中7例 (11.3%), 10件に認められ, 主な症状は中枢神経症状, 消化器症状であった。いずれの症状も軽度あるいは中等度で, 投与継続中または中止後に消失した。臨床検査値の異常は61例中8例 (13.1%), 19件に認められ, 主な所見はGOT, GPT, γ-GTPの上昇であった。概括安全度での安全率は77.4%(48/62例) で, 有用性での有用率は62.1%(36/58例) であった。以上の成績から, 本注射薬は重症あるいは難治性の慢性気道感染症に対して満足すべき有効性および安全性を示し, 臨床的有用性を有する薬剤であることが確認された。
  • 相川 直樹他
    1997 年 45 巻 11 号 p. 936-950
    発行日: 1997/11/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    外科系の感染症のうち敗血症, 腹膜炎, 胆道感染症, 外傷・熱傷・手術創の二次感染および婦人科領域感染症の疾患において, 特に対象を重症あるいは難治性感染症に限定し, ciprofloxacin (CPFX) 注射薬をCPFXとして1回300mgを1日2回点滴静注し, 本剤の有効性, 安全性および有用性をオープン試験にて検討した。投与期間は3~14日間とした。本剤投与症例総数は87例であり, 疾患別では敗血症4例, 腹膜炎22例, 胆道感染症11例, 外傷・熱傷・手術創の二次感染33例, 婦人科感染症13例, その他4例であった。このうち, 有効性, 概括安全度, 有用性解析対象例はそれぞれ74例, 85例, 74例であった。臨床効果での有効率は腹膜炎88.2%(15/17例), 胆道感染症63.6%(7/11例), 外傷・熱傷・手術創の二次感染90.6%(29/32例), 婦人科感染症83.3%(10/12例), 敗血症2例中2例で, 全体では85.1%(63/74例) であった。細菌学的効果における菌消失率は, 全体で67.9%(55/81株) であった。副作用は1例 (1.2%) に貧血が認められたが, 投与終了後に回復した。臨床検査値異常は18例 (21.2%) に認められ, 主な所見は好酸球増多およびトランスアミナーゼ値の上昇であった。概括安全度での安全率は80.0%(68/85例) で, 有用性での有用率は83.8%(62/74例) であった。以上の成績から, 本注射薬は外科・婦人科領域の重症あるいは難治性感染症に対して臨床的有用性の高い薬剤であることが確認された。
  • 二木 芳人, 渡邉 信介, 玉田 貞雄, 橋口 浩二, 中島 正光, 松島 敏春
    1997 年 45 巻 11 号 p. 951-954
    発行日: 1997/11/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    慢性気管支炎を有する79歳の男子が, Haemophilus influenzaeによる感染増悪を繰り返していた。当初の分離菌はディスク感受性でofloxacinに感受性の報告を受けており, ニュー・キノロン系薬の治療で小康を得ていたが, 今回, 経口セフェム系薬での治療は奏功せず, 菌も存続した。本症例はAM-1155とlevofloxacinによる二重盲検比較試験に組み入れられ治療されたが, これも満足な治療効果は得られず菌の消失も認められなかった。治療中および治療後の分離菌はディスク感受性でofloxacinに耐性を示し, そのMICは2~32μg/mlとニューキノロン薬耐性を示した。
  • 出口 浩一, 鈴木 由美子, 石原 理加, 石井 由紀子, 中澤 ありさ
    1997 年 45 巻 11 号 p. 955-964
    発行日: 1997/11/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    1996年に検出した一次性穿孔性腹膜炎患者由来株の薬剤感受性パターンを検討して, 以下の結果を得た。
    1. Escherichia coliの多剤耐性株にはextend-spectrum β-lactamase (ESBL) 産生もしくはそれらに類似のβ-ラクタマーゼ産生を示唆する株が存在した。すなわち, 供試50株の薬剤感受性パターンは14に分類されたが, cefotiam (CTM) に耐性を示した6株はampicillin (ABPC), cefazolin (CEZ) にも耐性を示し, さらにそのうちの3株はcefmetazole (CMZ) にも耐性であった。
    2. peptostreptococcus spp.のpiperacillin (PIPC), およびCEPs耐性株が2割程度に認められた。
    3. Bacteroides fragilis groupのCMZ耐性が高い割合であり, β-lactamase low producers, β-lactamase high producersに対するPIPC, CEZ, CTM, CMZのMIC90は共に高い値であった。そして, B.fragilis groupの上記薬剤耐性は, β-ラクタマーゼによることが強く示唆された。
    4. Prevotella spp.のβ-ラクタマーゼ産生株の割合は高く, β-ラクタマーゼ産生株の薬剤感受性パターンはB.fragilis groupと類似していた。
    5. CEPs耐性E.coliにはsulbactam/cefoperazone (SBT/CPZ) が, CEPs耐性Peptostreptocoecus spp.にはABPCおよびSBTIABPCが, B.fragilis groupとPreuotella spp.のβ-ラクタマーゼ産生株にはSBT/ABPCとSBTICPZが共に強い抗菌活性を示した。
    6. B.fragilis groupとPrevotella spp. は複数菌感染の原因菌としての役割と, そこで産生されているβ-ラクタマーゼが間接的にCEPsなどの抗菌活性に影響する役割, すなわちdirect and indirect pathogenicityとしての役割を有している。
  • 松崎 薫, 雑賀 威, 戸田 陽代, 内野 卯津樹, 佐藤 弓枝, 小林 寅哲, 金子 明寛, 佐々木 次郎
    1997 年 45 巻 11 号 p. 965-971
    発行日: 1997/11/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    1996年度に全国の医療施設において分離された比較的新しい臨床分離株16菌種合計500株に対する新経口ペネム薬であるfaropenemとその他の経口抗菌薬のMICを測定し検討した。その結果faropenemはStaphylococcus, StrelptococcusおよびEnterococcusに強い抗菌力を示し, 特にpenicillin耐性Streptococcus pneumniaeに対しても, そのMICが0.39μg/mlを超えるものはなかった。腸内細菌各菌種に対しても同時に測定したlevofloxacinと同等もしくは若干劣る程度であった。また, その抗菌活性は嫌気性菌に対しても優れBacteroides fragilis group, PeptostreptococcusおよびPropionibacterium acnes各30株に対する本薬剤のMIC90値は0.39, 0.39および0.05μg/mlであった。以上のことからfaropenemはカルバペネム系抗菌薬の強い抗菌活性と幅広い抗菌スペクトラムを継承した新しい経口抗菌薬として臨床において大きく期待できるものと思われた。
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