日本化学療法学会雑誌
Online ISSN : 1884-5886
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45 巻, 12 号
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  • 小林 宏行
    1997 年 45 巻 12 号 p. 977-981
    発行日: 1997/12/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
  • 金子 明寛, 山根 伸夫, 椎木 一雄, 松崎 薫, 小林 寅哲, 佐々木 次郎
    1997 年 45 巻 12 号 p. 982-986
    発行日: 1997/12/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    口腔感染症からの原因菌の検索は閉塞膿瘍から穿刺吸引により常在細菌の汚染を避けながら採取した試料を用いて検討を行っている。口腔は常在菌の汚染を受けやすい環境にあり, 採取した試料の品質は原因菌の検出に影響すると考えられる。今回, 検査材料の基準を新鮮度および品質度をもとに作成し, 臨床症状とあわせて検討を行った。細菌学的に感染症状が明らかな検体すなわち菌量も多くさらに貪食像も観察された検体は原因菌の検出率も高かった。これらの検体からは, 特に嫌気性菌の検出率が高かった。重症度と検出菌の関連性では, 重症な症例ほど嫌気性菌の検出率が高かった。これらの結果から今回定めた品質基準と臨床症状は関連が深く診断的意義が高いと思われた。
  • 尾熊 隆嘉, 矢野 義孝, 財前 政美, 牡丹 義弘, 伊賀 立二, 全田 浩, 奥村 勝彦, 安原 眞人, 堀 了平
    1997 年 45 巻 12 号 p. 987-994
    発行日: 1997/12/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症の治療時におけるバンコマイシンの有効性, 安全性に関与する要因を統計的に検討する目的で, Therapeutic Drug Monitoringの対象となった患者の背景, 病態, 投薬履歴, 血漿中濃度等の要因と, 有効性, 安全性の臨床評価のデータを集積した。有効性としては効果の有無を, 安全性としては副作用として比較的報告例数の多かった腎機能, 肝機能を対象とし, その検査値異常の発現を採用した。患者背景, 病態, 治療履歴, 体内動態の各要因について, さらに項目ごとに有効性, 安全性との関連性を直接確率計算法, ロジスティック回帰分析法にて検討した。有効性に関しては高齢患者におけるアミノグリコシドの先行投与が有効率の向上に対し, 有意な関連性を示した。安全性に関しては肝機能, 腎機能の検査値異常発現率に対する1日投与量の関連性が強いことが示された。特に, 高齢患者においては血清クレアチニン値, 重症度, 総ビリルビン濃度が影響要因になることが明らかとなった。さらに, 腎機能異常値発現率の影響要因となることが示されたトラフ濃度とその発現率についてノンパラメトリックな2値回帰分析により解析したところ, アミノグリコシドとの併用により発現率が高くなることが示されたが, いずれの場合においてもトラフ濃度を10μg/ml以下にコントロールすることにより, 発現率を15%以下に抑制できることが示された。バンコマイシンの適正使用を推進するうえで, 今回の検討において有効性, 安全性に関与する要因を明らかにできたことは意義深いものと考えられるが, 今回の検討によって, 必ずしも十分な結論が得られたとは言い難く, 今後さらに臨床データを蓄積し, より精度の高い検討をする必要があると思われる。
  • 真山 武志, 横田 正幸, 小山 義之, 赤嶺 有希子, 新井 敏美
    1997 年 45 巻 12 号 p. 995-1002
    発行日: 1997/12/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Post-marketing surveillanceの一環としてprospectiveなDrug Use Investigationを実施した。Arbekacin (ABK) は小児への適用はないが, 小児に使用された貴重な症例が720例収集された。そのうち, MRSAによる敗血症・肺炎の適応疾患に使用された596症例について解析を行い, Drug Utilization Reviewを行った。患者背景因子としての基礎疾患の有無を調べると, 敗血症で66.6%, 肺炎で70.9%の患者が基礎疾患を保有していた。さらに, 基礎疾患を保有する敗血症191例, 肺炎219例について詳細に調査した。その結果, 心室中隔欠損・低酸素脳症・呼吸器窮迫症候群・壊死性腸炎・低出生体重等に代表される, 重篤な疾患を複数保有していた。MRSAの検索は596症例全部に実施され, MRSAが検出された症例は敗血症で83.3%, 肺炎で80.3%であった。Pseudomonas aeruginosa などの他菌が検出された混合感染症は敗血症で13.8%, 肺炎で23.0%であった。ABKと他の抗菌薬との併用症例は敗血症で90.9%, 肺炎で90.0%であった。併用抗菌剤ではcephem系, imipenem, penicillin系がほとんどであった。有効性は敗血症で73.5%, 肺炎で71.2%であった。安全性では副作用の発現率, 副作用の種類とも成人・高齢者と同様であって, 小児に特異なものはみられなかった。アミノグリコシッド系薬に共通する問題であるが, 腎機能の未発達な新生児・乳児などでは投与量の設定が重要であることが示唆された。
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