日本化学療法学会雑誌
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45 巻 , 3 号
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  • 各種抗真菌薬のin vitro活性とfluconazoleのin vitro/in vivo活性相関
    須藤 貴子, 槙村 浩一, 川田 かおる, 伊藤 章, 岡 慎一, 内田 勝久, 山口 英世
    1997 年 45 巻 3 号 p. 115-122
    発行日: 1997/03/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    国内2施設の口腔・食道カンジダ症症例から分離されたCandida albicansその他のCandida属菌種74株およびC.albicans保存株100株の抗真菌薬感受性について, 日本医真菌学会提案法にもとついて作製した抗真菌薬感受性測定キット「酵母様真菌FP」を用いて測定を行うとともに, fluconazole (FILCZ) 療法施行例について分離株のin vitro感受性と治療への反応性との相関について検討した. 本キットを用いた試験にて得られた5種の抗真菌薬の臨床分離株に対するMIC値の範囲は, amphotericinB (0.12~2μg/ml) を除けば, fluconazole≦0.12~>64μg/ml, itraconazole≦0.016~>8μg/ml, miconazole≦0.06~2μg/ml, flucytosine≦0.12~8μg/mlと広範囲におよんでおり, 各抗真菌薬特にアゾール系薬剤のMICが比較的高い分離株の出現頻度は予想以上に高いことが示された. また臨床分離株に対する各薬剤のMIC分布のパターンは, 保存株のそれと近似していた. 今回得られた分離株のなかには, アゾール系3薬剤すべてに低い感受性を示すものと, 特定の1薬剤のみに感受性が低下しているものが認められた. FLCZ治療患者群からの分離菌株のFLCZ感受性と治療効果との問には, 有意な相関性が認められた. 以上の成績から, 「酵母様真菌FP」を用いた抗真菌薬感受性試験が臨床的有用性をもつ可能性が示唆された.
  • 船岡 勝博, 尾上 孝利, 佐川 寛典
    1997 年 45 巻 3 号 p. 123-131
    発行日: 1997/03/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Prevotella intermedia の β-lactamase 低度産生株 (MA1) と高度産生株 (MA1-V2) のβ-lactam薬感受性とこれら細菌由来β-lactamase の基質特異性について検討した。β-Lactam薬は28種使用した。MA1-V2に対する4種penicillins, 12種cephalosporins, 2種oral cephemsの合計18抗菌薬のMICが≧128μg/mlのとき, それら抗菌薬を基質としたときのMA1-V2β-lactamase活性は≧0.122U/mgpであり, MICと酵素活性は平行していた。18抗菌薬に対する本酵素のKmは6.3~2, 141.7μmol, Vmaxは0.03~10.21μmol/min/mgpであった。しかし, 酵素活性や基質親和性は必ずしもMICに反映していなかった。本酵素は供試oxyiminocephalosporinを分解したのでoxyiminocephalosporinaseと考えられる。MICは大きいが, 酵素活性が低いかあるいは検出限界以下の抗菌薬が9剤みられた。このうち阻害効果が検出された抗菌薬は4種 (cefoxitin, cefmetazole, cefbupemoneおよびlatamoxef) で, 残り5抗菌薬では阻害効果は見られなかった。IPMでは阻害効果がみられ, 基質として安定していた。β-Lactamase阻害剤のclavulanicacid, sulbactamおよびtazobactamはMAI1V2β-lactamase活性 (基質cefazolin) を阻害した。MA1に対する供試β-lactaln薬のMICのほとんどは著しく小さかった。MA1β-lactamaseは供試抗菌薬のうち17抗菌薬を分解したが, その活性は低かった。以上の事実は, MA1-V2β-lactamaseはcefbulodin, cephamycins, mipenem, latamoxefとaztreonamを除くβ-lactam薬に対し広い分解能を示し, 本菌のβ-lactam薬問での交叉耐性や高度耐性化に深く関与していると推定される。
  • 中田 勝久, 荒川 創一, 守殿 貞夫
    1997 年 45 巻 3 号 p. 132-143
    発行日: 1997/03/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    緑膿菌およびMethicillin resistant Staphylococcus aureus (MRSA) に対するsparfloxacin (SPFX) とfosfblnycin (FOM) との併用効果をin vitroおよびin vivo実験系を用いて検討した。In vitro併用効果はcheckerboard法およびtime-killing曲線により, in vivo感染防御効果は実験的白血球減少マウスを用いた上行性腎孟腎炎および全身感染モデルで検討した。緑膿菌22株およびMRSA32株に対するSPFXとFOMのFIC indexは0.127~1.0で相乗または相加効果を示した。Time-killing曲線の結果から, SPFXとFOMの併用は緑膿菌4株およびMRSA3株に対して著明な殺菌作用を示し, 両剤のin virto相乗効果が確認された。白血球減少マウスにおけるin viivo感染防御実験では両薬剤の経口投与で以下の成績を得た。キノロン耐性Pseudomoms aerusinosaKP-62およびMRSAK. 1株の実験的腎孟腎炎においては, 単独投与ではほとんど効果の認められないSPFX12.5mg/kgとFOM 3.13mg/kgとの併用で両菌株共に70%の菌消失率を示し, 有効性が認められた。両菌株による全身感. 染実験では, 上述の投与量の併用でやはり単独投与では効果の乏しかったのに対し, 両者同時投与ではP.aeruginosa P-62モデルは70%, MRSAK-1モデルは60%のマウスが生存し, 併用は有効であった。SPFXのP.aemginoss KP-62およびMRSAK-1の菌体内への取り込み実験ではSPFXとFOM の同時添加およびFOM2時間前処理後にSPFXを添加した場合, SPFX単独処理に比べ, 高濃度のSPFXが菌体内へ取り込まれていた。以上, SPFXとFOMのin vitroおよびin vivo併用に関する基腱的研究において優れた有効性が示されたことにより, ヒトでのキノロン耐性株を含む緑膿菌およびMRSA感染症に対し, 本併用療法を応用できることが示唆された。
  • 寺本 正治, 喜多 英二, 三笠 桂一, 濱田 薫, 古西 満, 前田 光一, 坂本 正洋, 辻本 正之, 森 啓, 澤木 政好, 成田 亘 ...
    1997 年 45 巻 3 号 p. 144-147
    発行日: 1997/03/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    我々は手術不能原発性肺癌患者にclarithromycin (CAM) を投与し, 生存期閥の延長を報告し, その機序として宿主要因と癌悪液質改善とを報告している. 今回は非小細胞癌患者にCAMを投与し末梢血単核球中interleukin (IL)-12mRNA発現の推移をRevers Transcriptase-assisted Polymerase Chain Reaction (RT-PCR) 法を用い, 非投与症例と比較検討した。対象は当科に入院した初回治療の非小細胞肺癌者11例 (CAM投与例9例, 非投与例2例) でCAM投与例9例の平均年齢は65.7±10.4歳, 性別は男性7例, 女性2例で, CAM非投与2例の年齢は77歳と56歳, 男性2例である. 結果は末梢血単核球中IL-12 subunitp 40 mRNAの発現がCAM投与で増強傾向を示し. 生存期閥延長の機序の1つと考えられた。
  • 守殿 貞夫他
    1997 年 45 巻 3 号 p. 148-154
    発行日: 1997/03/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    複雑性尿路感染症24例を対象に, 新規の注射用カルバペネム系抗生物質BO-2727新処方製剤の臨床的検討を行い以下の知見を得た。UTI薬効評価基準に合致した21例の同基準による臨床効果は著効7例, 有効9例, 無効5例で, 有効率は76.2%であった。細菌学的効果は31株中28株が消失し, 消失率は90.3%であった。安全性については, 24例中軽度の軟便が1例に, 好塩基球増多が1例に, また, 肝機能検査値の上昇が3例にみられた。
  • 臨床経過の解析
    古西 満他
    1997 年 45 巻 3 号 p. 155-158
    発行日: 1997/03/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    抗HIV療法を施行しても末梢血CD4陽性リンパ球数が100/μl未満, かつ厚生省AIDS診断基準でAIDS未発症の血友病によるHIV感染者4症例に, 抗HIV療法を可能な限り継続し, clarithromycin (CAM) 200mgを1日1回併用内服投与した。4症例中2症例がAIDSを発症し, うち1症例が死亡したが, 1996年8月現在でCD4陽性リンパ球数100/μl未満の生存期間は41.8±8.8か月, CAM投与期間は25.3±3.6か月であった。CD4陽性リンパ球数は4症例中死亡症例を除く3症例でCAM投与後5~10か月の間増加した。β2ミクログロブリンは死亡症例で増加したが, 他の3症例は変化が少なかった。p-24抗原は1症例でCAM投与中に陰性化した。死亡症例を除き, CAM投与中血清TNF-α濃度は低下傾向を認めた。以上からCAM長期投与療法はHrv感染症の補助的治療となる可能性が示唆された。
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