日本化学療法学会雑誌
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46 巻 , 4 号
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  • 出口 浩一, 豊永 義清, 鈴木 由美子, 石原 理加, 石井 由紀子, 中澤 ありさ, 石原 俊秀
    1998 年 46 巻 4 号 p. 139-147
    発行日: 1998/04/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    小児細菌性上気道感染症患者の上咽頭ぬぐい液から検出した細菌の検出パターン, β-ラクタマーゼ産生性ならびに薬剤感受性を調べて, 直接的病原性菌 (direct pathogen) とβ-ラクタマーゼを産生する間接的病原性菌 (indirect pathogen) を推定し, これらの症例における第一次選択剤のあり方を考察した。
    1. direct pathogenと推定した菌種は, Streptococcus pneumoniaeおよびHaemophilus influenzaeの割合が高く, S.pneumoniaeはPC-intermediate S.pneumoniae (PISP) +PC-resistant S.pneumoniae (PRSP) が29.5%, β-ラクタマーゼ産生H.influenzaeは13.8%であった。
    2. indirect pathogenと推定した菌種は, β-ラクタマーゼ産生Moraxella subgenus Branhamella catarrhalisおよびStaphylococcus aureusが多く, これらの菌種はS.pneumoniaeまたはH.influenzaeと同時に検出される症例が多かった。
    3. 検出菌パターンは, S.pneumoniae+M.(B.) catarrhalis, H.influenzae+M.(B.) catarrhalisが多く, 両者を合わせると全症例の32.6%を占めることから, 小児細菌性上気道感染症におけるindirect pathogenicityの主流はM.(B.) catarrhalisが産生するβ-ラクタマーゼと考えられた。
    4. S.pneumoniaeおよびH.influenzaeの除菌率は, indirect pathogenが関与したと仮定した症例群においてclavulanic acid/amoxicillinの除菌率がamoxicillinに比較して有意差をもって勝っていた。
  • 豊永 義清, 石原 俊秀, 出口 浩一
    1998 年 46 巻 4 号 p. 148-155
    発行日: 1998/04/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    小児細菌性上気道感染症例を対象として, β-ラクタマーゼ産生菌によるindirect pathogenicityについて臨床的に検討し, 本感染症における抗菌薬選択のあり方について考察した。検討例数は176例であり, 単独菌感染例は41例 (23.3%), 複数菌感染例は135例 (76.7%) であった。direct pathogenとして分離された主な菌種はHaemophilus influenzaeおよびStreptococcus pneumoniaeであり, indirect pathogenとしてはMoraxella subgenus Branhamella catarrhalis, Staphylococcus aureusが主に分離された。β-ラクタマーゼ産生菌によるdirectまたはindirect pathogenicityの関与が考えられる症例は, 130例で全検討例数の73.9%を占めていた。これらの症例に対し, 無作為にamoxicillin (AMPC) またはclavulanic acid/amoxicillin (CVA/AMPC) を投与し, direct pathogenの消失効果ならびに臨床効果について, β-ラクタマーゼ非産生菌による症例 [β(-) 感染例] とβ-ラクタマーゼ産生菌を含む症例 [β(+) 感染例] にわけて比較検討した。direct pathogenの消失率は, 薬剤投与3日後, 7日後ともに, β(-) 感染例では両投与薬剤群間に有意差は認められなかったのに対して, β(+) 感染例ではCVA/AMPC群が有意に優れていた。これらの結果は, M.(B.) catarrhalisが分離された複数菌感染例においても同様であった。臨床効果では, 両群間に有意差は認められず, M.(B.) catarrhalisが分離された複数菌感染例においてCVA/AMPC群が優れる傾向が示された。direct pathogenの消長において, β-ラクタマーゼ産生菌によるindirect pathogenicityの関与は明白であるが, 感染病態全般を含めた臨床的な意義を明らかにするためには, 長期的な予後も含めた検討を要すると考えられた。
  • 森川 嘉郎, 宍田 紀夫
    1998 年 46 巻 4 号 p. 156-160
    発行日: 1998/04/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    β-lactamase-negative (B-L-N), ampicillin (ABPC) resistant (MIC: 3.13μg/ml), Haemophilus influenzae type bによる4か月男児の髄膜炎症例を報告した。ABPCでは髄液所見は改善したがsubdural effusionを合併し, 最終的にchloramphenicolにより治癒させることができた。本院において分離されたインフルエンザ菌の1993年 (前期) 59株と1996年 (後期) 61株でのβ-lactamase-positive (B-L-P) 率は前期22%, 後期10%, B-L-NでABPCにMIC 1.56μg/ml以上の耐性菌は前期15%, 後期29%であった。B-L-P株をβ-ラクタマーゼ阻害薬によってβ-lactamaseを失活させても感受性を復活しない菌株がみられた。B-L-N, ABPC酎性菌が約15~30%あり, しかもdisk法ではこれを検出することが困難iである以上, インフルエンザ菌性髄膜炎の治療にはABpcは不適で, 今のところ耐性菌のないcefbtaximeが望ましいと考えられる。
  • 橋爪 一光, 笠松 紀雄, 滝沢 茂夫, 柳瀬 賢次, 中村 美加栄, 土手 邦夫, 豊田 高彰, 立花 昭生, 大鹿 裕幸
    1998 年 46 巻 4 号 p. 161-169
    発行日: 1998/04/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    今回, 我々は肺癌患者における肺炎を中心として呼吸器感染症に対して抗生剤治療としてβ-lactamase阻害剤配合のsulbactam/cefbperazone (SBT/CPZ) 単独投与の検討および, β-lactamase産生抑制作用も報告されているclindamycin (CLDM) とSBT/CPZとの併用意義やその有用性について検討した。その結果, 単独投与群の有効率は46.7%, 併用投与群の有効率は64.3%であった。両群間に推計学的有意差は認めなかった。中等度以上の症例では単独群では有効率は37.5%に対して, 併用群で60.0%であった。今回の検討では中等症以上の難治例では併用投与の意義があると推定された。
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