日本化学療法学会雑誌
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46 巻 , 5 号
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  • polymyxin Bとの比較
    生貝 初, 原 征彦, 大鶴 洋, 島村 忠勝
    1998 年 46 巻 5 号 p. 179-183
    発行日: 1998/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    チャCamellia sinensisの葉抽出液に含まれる (-) epigallocatechin gallate (EGCg) の膜傷害作用機構について研究した。EGCgのStaphylococcus aureusに対する吸着量はEscherichia coliSalmonella Typhimuriumに比べて約1.5~3倍多く, グラム陽性菌とグラム陰性菌に対するEGCgの抗菌作用の差が菌体へのEGCgの吸着量に依存していることが示唆された。また, S.Typhimuriumのwild株 (SL696) はlipopolysaccharide (LPS) 変異株 (SL1069, TA2168) よりEGCgの吸着量が少なく, LPSがEGCgの吸着を阻害していることが考えられた。しかしながら, 本研究で用いたサルモネラ菌株の問ではEGCgのminimum inhibitory concentration (MIC) に差が認められなかった。次に, 膜傷害性抗菌物質polymyxin B (PL-B) とEGCgの膜傷害活性について比較した。Phosphatidylcholine (PC) リボソーム膜中に含まれるphosphatidylserine (PS) 濃度の増大に伴ってリボソームに内包された蛍光物質5, 6-carboxyfluorescein (CF) のEGCgによる放出は抑制され, PCとPSのモル比が19: 1になるとCFの放出はほとんど起こらなくなった。一方, PCリボソーム膜中のPS含量の増大に伴いPL-BによるリボソームからのCF放出が増加した。これらの結果から, EGCgはマイナスのnet chargeを持ち, プラスの電荷を持つ細菌の膜成分に結合後, 膜傷害を引き起こす可能性が示唆された。
  • 坂本 光男, 相澤 久美子, 中澤 靖, 進藤 奈邦子, 前澤 浩美, 吉川 晃司, 吉田 正樹, 柴 孝也, 細谷 龍男, 斎藤 篤
    1998 年 46 巻 5 号 p. 184-187
    発行日: 1998/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    造血器悪性腫瘍の顆粒球減少時における原因菌, 感染巣とも不明であるが, 感染症が強く疑われるような発熱をfever with granulocytopenia: FGPと定義し, cefpirome (CPR) とamikacin (AMK) の併用効果について検討し, 以下の成績を得た。
    1) 対象症例は45例, のべ入院74回, のべ入院日数5, 426日であり, 全入院期間の14.3%に38℃以上の発熱を認めた。
    2) 造血器悪性腫瘍では発熱期間の76.6%が感染症に起因すると考えられ, そのうちの40.6%の期間はFGPに該当していた。
    3) FGPエピソードの85.5%は抗菌薬あるいは抗真菌薬の投与で解熱し, 細菌もしくは真菌感染症によると考えられた。
    4) FGPに対しCPRとAMKの併用は72.7%と高い有効率を示した。
    以上よりCPRとAMKの併用は造血器悪性腫瘍の顆粒球減少時の発熱に対し有用であると考えられた。
  • 上田 陽彦, 鈴木 俊明, 金原 裕則, 伊藤 奏, 山本 員久, 高崎 登, 勝岡 洋治
    1998 年 46 巻 5 号 p. 188-194
    発行日: 1998/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    前立腺肥大症患者を対象にlevofloxacin (LVFX) とsparfloxacin (SPFX) の前立腺組織内移行を検討した。LVFX, SPFXは, 200mgを各々, 経尿道的前立腺切除術の2時間前, 6時間前に投与した。血清中薬剤濃度はLVFX投与群では, SPFX投与群に比較して有意に高値を示した (LVFX: 2.42±0.66μg/ml, SPFX: 0.63±0.26μg/ml, P<0.01)。前立腺組織内濃度はLVFX投与群ではSPFX投与群と比較して有意に高値を示した (LVFX: 3.25±0.87μg/g, SPFX: 0.68±0.35μg/g, P<0.01)。血清に対する前立腺組織内濃度の比 (対血清比) は, LVFX投与群1.43±0.48, SPFX投与群1.07±0.45であり, 両者に有意差は認められなかった。LWX, SPFXともに対血清比からみると, 前立腺への移行は良好で, 前立腺炎の治療に有効な薬剤であると考えられた。
  • 近藤 捷嘉, 赤枝 輝明, 志田原 浩二, 中山 恭樹
    1998 年 46 巻 5 号 p. 195-200
    発行日: 1998/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    急性単純性膀胱炎を対象にlevofloxacin (LVFX) の単回投与法の有用性を検討するため, 7日間投与の成績と比較検討した。対象はUTI薬効評価基準に合致する女子急性単純性膀胱炎症例で, A群はLVFX200mg1回投与, B群は1日1回100mg7日間投与とした。総合臨床効果についてみると, A群は31例中著効23例 (74.2%), 有効8例, B群は34例中著効30例 (88.2%), 有効4例であり, 有効率は両群とも100%であった。再発はA群19例, B群20例について検討した。A群では再発なし14例, 判定保留3例, 再発あり2例であった。B群では再発なし15例, 判定保留5例で, 再発は認めなかった。総合臨床効果, 再発率とも両群に有意差を認めなかった。副作用はB群で38例中1例に即時型過敏症と考えられる発疹を認めたが, 皮膚科での治療により治癒した。初診時の起炎菌と再発判定時に同じ菌種を分離したのは2例である (Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae)。この4株についてパルスフィールド電動泳動法による染色体DNAの制限酵素切断パターンを検討したところ, 同一症例ではいずれも同じパターンを示し, 同一菌株による再燃が強く示唆された。以上の検討から, 急性単純性膀胱炎に対する治療としてLWXの単回投与法は有用な治療法と考えられた。
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