日本化学療法学会雑誌
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46 巻 , 6 号
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  • 菰田 照子, 坂内 久一, 萩原 敏且, 岩田 敏, 秋田 博伸, 佐藤 吉壮, 横田 隆夫, 砂川 慶介
    1998 年 46 巻 6 号 p. 205-209
    発行日: 1998/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    1992年5月~1995年末までに呼吸器症状を呈した小児およびその家族から分離されたChlamydia pneumoniae株の各種抗菌薬に対する感受性を調べた。試験薬剤としてazithromycin (AZM), roxithromycin (RXM), clarithromycin (CAM), rokitamycin (RKM), erythromycin (EM), doxycycline (DOXY), ofloxacin (OFLX) を用いた。その結果, いずれの薬剤も0.03~0.125μg/mlの濃度で分離株の封入体形成はほとんど完全に抑制され, 高い感受性を示すことが確認された。標準株のTW183株も同様であった。最小発育致死濃度は調べたどの薬剤もMICの約10倍の濃度であった。また同一患者から治療前および治療後, 長期にわたり重複して分離された株の薬剤感受性に差はみられなかった。このようにC. pneumoniaeの各種抗菌薬に対する感受性はこれまでの報告とほぼ一致し, またChlamydia trachomatisのそれともほぼ一致するものであった。
  • 西村 欣也, 吉田 勇
    1998 年 46 巻 6 号 p. 210-215
    発行日: 1998/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    経口セフェム薬cefcapene (CFPN) のHaemophilus influenzaeに対する抗菌力と薬剤濃度をヒト血中濃度にシミュレートした場合の殺菌作用における接種菌量の影響について検討し以下の成績を得た。
    1) CFPNのH. influenzaeに対する抗菌力を同じ経口セフェム薬のcefpodoxime, cefteram (CFTM), cefaclor, cefotiamを対照薬に選びMIC測定を行ったところ106CFU/ml接種でCFPNはCFTMに次いで優れた抗菌力を示した。しかし, 108CFU/ml接種した場合は経口セフェム薬のすべてが薬剤高濃度まで菌苔が観察され判定困難であった。そこで, レプリカ法を用いた判定を行ったところCFPNは106CFU/ml接種時のMICと近似した結果を示した。
    2) CFPNMIC測定における108CFU/ml接種直後の平板上の生菌数に比べ, 平板培養後の菌苔の生菌数はMIC (106CFU/ml接種) 濃度以上の平板では明らかに少なく, 増殖を抑制していることが認められた。
    3) CFPN 100mgを1日3回投与時のヒト血中濃度動態にシミュレートしてH. influenzae (β-ラクタマーゼ産生株を含む4株) 105CFU/mlおよび107CFU/mlに作用させた際の殺菌効果を検討した。CFPNは優れた殺菌作用を示し, 105CFU/mlでは約10時間までに, 107CFU/mlでは約18時間までに菌は消失し, 有用性が示唆された。
  • 横田 健
    1998 年 46 巻 6 号 p. 216-222
    発行日: 1998/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Cefpirome (CPR) の感受性実態調査第3回として, 1996年4月から1997年3月までに全国51施設の臨床材料から分離された16,861株の各種細菌について, 入院患者および外来患者別にその分離頻度をまとめた。また, 1濃度法, 3濃度法またはKB法で測定されたCPR感受性を集計した。Eseheriehiacozi, methicillin-susceptible Staphyzococcus aureus (MSSA), およびHaemophizusinfluenzaeが高率に外来患者から分離されたのに対し, 入院患者からの分離頻度はPseudomonasaeruginosa, methicillin-resistant S. aureus (MRSA) およびE. coliが高かった。S. aureusのうちMRSAは入院患者および外来患者でそれぞれ75.9%および30.0%であった。CPRの感受性率は3方法ともに, MSSA, Streptoeoccus pneumoniae, Streptococcus pyogenes, Streptococcus agalactiae, Nisseria gonorrhoeae, H. influenzae, Moraxella subgenus Branhamella catarrhalis, E. coli, Kliebsiella pneumoniae, Klebsiella oxytoea, Proteus mirabilis, Proteusvulgaris, Morganella morganii, Providencia rettgeri, Enterobacter aerogenes, Enterobaeter cloacae, Serra6tia marcescensおよびPeptostreptococcus spp.では90%以上であった。P. aeruginosaに対するCPRの感受性率は1濃度法, 3濃度法で72%, KB法で71%であった。CPRの感受性率が50%以下の菌種はMRSA, Enterococeus faecium, Xanthomonas maztophilia, Achromobacter xyzosoxidansおよびBac6eroidesspp. であった。
  • 中江 孝, 菊谷 健二, 矢田 考治, 北村 妙, 平尾 豊, 藤田 英之
    1998 年 46 巻 6 号 p. 223-229
    発行日: 1998/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    ヒトIgGサブクラスは構造的に4種類に分類され, 機能あるいは抗原への選択性が異なる。Streptococeus pneumoniaeの臨床分離株ならびにその莢膜多糖体に対するヒト静注用免疫グロブリン製剤 (IVIG) のIgGサブクラス抗体価を酵素抗体法により測定したところ, いずれもIgG2抗体価がIgG1, IgG3, IgG4にくらべて高かった。その中でもっともIgG2への選択性が高いS. pneumoniaeSP-23を用いて, IgG2のオプソニン作用について検討した。IgG2とヒト好中球との結合性はFluorescein isothiocyanate標識した抗ヒトIgG2モノクローナル抗体を作用させることで, フローサイトメトリーにより確認され, この結合は抗FcγRIIIモノクローナル抗体により阻害された。さらに球状ピロリン酸マグネシウムカラムを用いたカラムクロマトグラフィにより, MGからIgG2を4分の1以下に低下させたIgG2欠乏フラクション (IgG2-D) を調整した。IVIGあるいはIgG2-DのIgGフラクションをS. pneumoniae SP-23と30分間, さらに健常人の好中球浮遊液と混合して1時間, 37℃で作用させたのちに, 好中球内に取り込まれた菌数を光学顕微鏡下で計測した。IgG2-DはMGと同IgG濃度の比較において好中球へのオプソニン作用が低かった。次に, 上記のいずれかのIgGフラクションをS. pneumoniae SP-23と1時間作用させた後に, ICRマウスの静脈内に接種して, 20分後の血液中の生菌数を測定した。IgG2-DはIVIGと同IgG濃度の比較においてマウス血液中からの菌体の消失に対する作用が低かった。IgG2は一般的にIgG1に比べて細胞結合性が低いなど免疫機能との関わりが不明であたが, 今回の結果から, S. pneumoniaeに対する感染防御作用におけるIgG2の重要性が示唆された。
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