日本化学療法学会雑誌
Online ISSN : 1884-5886
Print ISSN : 1340-7007
ISSN-L : 1340-7007
47 巻 , 12 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 佐々木 次郎, 坂本 春生, 椎木 一雄, 松井 義郎, 道 健一, 菅野 和幸, 大野 朝也, 山本 忠, 山根 伸夫, 出口 浩一
    1999 年 47 巻 12 号 p. 805-817
    発行日: 1999/12/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    フルオロキノロン系抗菌薬gatifloxacin (GFLX, AM-1155) について歯科・口腔外科領域への適応を基礎的, 臨床的に検討し以下の成績を得た。
    1) 患者にGFLX100mgを内服させた後の骨組織濃度は, 上顎骨では投与後1.75~5.5時間で 0.35~0.80μg/g, 下顎骨では3.25~5時間で測定限界値以下~1.85μg/g, 上顎歯槽骨では2.75時間で0.37μg/g, 下顎歯槽骨では3時間で0.45μg/gであった。
    2) 患者に100mgを内服させた後の手術創滲出液の濃度は, 投与後2.83~4.17時間において0.49~0.57μg/gであった。
    3) 臨床効果は, 1日100または200mgを2回投与した結果, 担当医師判定の解析対象症例93例において有効率96.8%であった。評点比判定の解析対象症例91例において有効率93.4%であった。
    4) 歯周組織炎, 歯冠周囲炎および顎炎の患者より313菌株が検出され, 細菌学的効果は100%の菌消失率であった。
    5) 副作用は下痢, 発疹および口唇水疱が3例 (29%) に認められたが, いずれも重篤な症状ではなかった。臨床検査値異常としてはS-GPT, S-GOTおよび好酸球増多などが12例 (14.3%) に認められたが, 投薬終了で回復または回復傾向を示した。
    以上の成績より, GFLXは歯科・口腔外科領域の感染症に対し1日100または200mg投与で優れた臨床効果を示し, 安全性にも特に問題も認められないことから, 本領域の感染症治療に有用な薬剤であると考えられた。
  • 荒田 次郎他
    1999 年 47 巻 12 号 p. 818-828
    発行日: 1999/12/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発された8-メトキシキノロン系抗菌薬gatifloxacin (GFLX) について, 各種皮膚科領域感染症に対する多施設共同臨床的検討を行うとともに, 皮膚滲出液への移行を検討した。GLFLXは主として, 1回100mgまたは200mg, 1日2回投与, 4~7日間投与された。全体の有効率は91.8%(56/61例), 疾患群別にみると, 第I群 (a) 95.2%(20/21), 第I群 (b) 100%(5/5), 第II群 (a) 100%(10/10), 第II群 (b) 84.6%(11/13), 第III群90.9%(10/11), 第IV群0%(0/1) であった。細菌学的効果では87.5%(49/56株) に菌が消失した。GFLX100mgを2回投与した2時間後の滲出液濃度/血清濃度比は1.24であった。副作用は73例中4例 (5.5%) に, 臨床検査値異常は67例中7例 (10.4%) に認められた。副作用 (すべて消化器症状), 臨床検査値異常 (肝機能検査値異常が主) はいずれも軽微であった。これらの成績より, GFILXは皮膚科領域感染症に対して有用な抗菌薬であることが示された。
  • 松田 静治他
    1999 年 47 巻 12 号 p. 829-842
    発行日: 1999/12/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規のフルオロキノロン系抗菌薬gatifloxacin (GFLX) の骨盤内性器組織移行性の検討および, 産婦人科領域感染症に対する有用性を検討した。
    1) 骨盤内性器組織濃度: GFLXの200mg経口投与後1~3時間の肘静脈血中濃度, 子宮動脈血中濃度はそれぞれ0.08~1.85μg/ml, 0,08~1.91μg/mlであり, ほぼ一致した。各組織のGFLX濃度は, 子宮筋層で測定限界値以下~1.69μg/g, 子宮内膜では0.20~2.28μg/g, 子宮膣部では0.15~1.47μg/g, 子宮頸部では0.19~1.44μg/g, 卵管では0.13~1.42μg/gおよび卵巣では0.99~1.49μg/gであった。
    2) 臨床効果: 解析対象は69例で, 投与量は100mgx2回/日が37例, 200mg×1回/日が8例および200mg×2/日が24例であった。解析対象69例での有効率は89.9%(62/69) であった。69例中. クラミジア感染症23例に対する有効率は, 95.7%(22/23) で, 有効以上の症例で再燃は認められなかった。
    3) 細菌学的効果: 起炎菌が検出され, その消長が明らかであった27例中23例が陰性化し, 陰性化率は85.2%であった。また, 菌消失率は92.5%(49/53) であった。
    4) 安全性: 副作用は1例において軽度の立ちくらみが発現し, 発現率は13%(1/75) であった。臨床検査値異常変動は, 白血球の減少が1例で認められ, 発現率は16%(1/61) であった。どちらも, 重篤なものではなかった。
    5) 有用性: 解析対象69例において, 有用以上が61例であり, 有用率は88.4%(61/69) であった。
    以上の成績より, GFILXは良好な骨盤内性器組織移行を示し, またクラミジア感染症を含めた産婦人科領域感染症に対し, 有用な薬剤であると考えられた。
  • 津川 昌也他
    1999 年 47 巻 12 号 p. 843-851
    発行日: 1999/12/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    前立腺炎に対する8-メトキシキノロン系抗菌薬gatinoxacin (GFLX) の臨床効果, 治癒効果, 安全性ならびに前立腺液への移行性を検討した。UTI薬効評価基準 (第3版) 追補の患者条件に合致する前立腺炎患者にGFLX1回200mg, 1日2回の経口投与を14日間行い, 7, 14, 28日目に臨床効果を判定して薬効および治癒効果を評価した。また, 前立腺液への移行は, 健常成人にGFLX200mgを単回投与して2および4時間後に検討し, 次の成績を得た。
    1. 前立腺圧出液中のGFLX濃度は, 投与後2時間で0.65~2.20μg/mL, 4時間で1.02~1.56μg/mLであり, 血清中濃度との比はそれぞれ0.98, 1.03であった。
    2. 急性細菌性前立腺炎 (慢性細菌性前立腺炎の急性増悪を含む) に対する投与7日後の総合臨床効果は有効率100%(7/7例: 著効4例, 有効3例) であった。投与終了時 (14日後) の有効率は100%(6/6例) で休薬2週後 (28日後) において6例中6例に治癒効果が認められた。
    3. 慢性細菌性前立腺炎に対する投与終了時の総合臨床効果は有効率100%(9/9例: 著効6例, 有効3例) であった。休薬2週後において7例中7例に治癒効果が認められた。
    4. 副作用発現率は6.3%(2/32例) に, 臨床検査値異常発現率は9.7%(3/31例) に認められたが, いずれも重篤なものはなかった。
    以上の成績から, GFLXは前立腺液への良好な移行性を有し, 前立腺炎の治療において安全かつ有効な薬剤で良好な治癒効果も認められた。
  • 河田 幸道他
    1999 年 47 巻 12 号 p. 852-862
    発行日: 1999/12/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    複雑性尿路感染症に対する注射用カルバペネム剤, biapenem (BIPM) の臨床用量を検討する目的で, imipenem/cilastatin (IPM/CS) を対照薬とした用量検討試験を行った。対象は尿路に基礎疾患を有する複雑性尿路感染症とし, 50歳以上80歳未満の入院症例, カテーテル非留置症例であることも条件とした。BIPMは1回150mg (L群) または300mg (H群), IPM/CSは500mg/500mg (C群) を1日2回, 5日間点滴静注後にUTI薬効評価基準 (第3版) にしたがって臨床効果を判定した。総合有効率はL群の10例で80.0%, H群の11例とC群の14例では100%, 細菌消失率はる群の14株中85.7%, H群の21株中100%, C群の17株中94.1%であり, ともに3群間に有意差を認めなかった。副作用はL群の10例中1例に発疹が認められたのみで, H群の13例, C群の15例では認められなかった。臨床検査値の異常変動は正群の1例とC群の2例に認められたが, H群の12例では認められなかった。これらの成績から, 複雑性尿路感染症に対するBIPMの臨床用量は1日600mg (分2) が適当と考えられた。
feedback
Top