日本化学療法学会雑誌
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47 巻 , 2 号
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  • 高橋 公毅, 菅野 治重
    1999 年 47 巻 2 号 p. 67-73
    発行日: 1999/02/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    1994年から1997年までの4年間に千葉大学医学部附属病院検査部で臨床材料から分離された緑膿菌計2,793株を用い, 各種抗菌薬に対する感受性について検討したのでその成績を報告する. 耐性の判定は原則としてNCCLSの基準に従った. 緑膿菌2,793株に対するpiperacilhn (PIPC), ceftazidime (CAZ), cefsulodin (CFS), imipenem (IPM), aztreonam (AZT), gentamycin (GM), tobramycin (TOB), amikacin (AMK), isepamicin (ISP), fbsfbmycin (FOM) およびofloxacin (OFLX) の耐性率は,それぞれ22.1, 10.9, 13.2, 19.6, 18.3, 14.8, 10.1, 27.4, 19.2, 80.9および24.2%であった. 特にTOBとCAZが低い耐性率を示した. 1997年に分離した緑膿菌755株のうちCAZ, IPMまたはTOBのいずれかに耐性を示した181株に対するCAZ, cefpirome (CPR), cefbpime (CFPM), cefbzopran (CZOP), IPM, meropenem (MEPM), panipenem (PAPM), TOBの耐性率は, それぞれ33.7, 44.1, 18.7, 20.4, 43.6, 13.2, 53.0および13.8%であった. 特にMEPMとTOBが低い耐性率を示した. 緑膿菌181株に対するCAZ, CPR, CFPM, CZOP, IPM, MEPM, PAPMおよびTOBのMIC80は, それぞれ32, 64, 16, 16, 16, 8, 32および2μg/mlあった. 緑膿菌70株に対するCAZとTOB, MEPMとTOBおよびCZOPとTOBの併用効果をみてみると, 相乗作用はそれぞれ59株 (84.3%), 55株 (78.6%) および47株 (67.1%) に認められた. 拮抗作用は認められなかった. またCAZとTOB, MEPMとTOBおよびCZOPとTOBの組み合わせは, 殺菌曲線でも著しい相乗効果を示し, 重症な緑膿菌感染症に対する臨床的有用性がうかがわれた.
  • 竹末 芳生, 横山 隆, 赤木 真治, 大毛 宏喜, 村上 義昭, 坂下 吉弘, 佐々木 秀, 横山 雄二郎, 金廣 哲也, 板羽 秀之, ...
    1999 年 47 巻 2 号 p. 74-79
    発行日: 1999/02/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    胃癌胃切除患者7例を対象に, flomoxefを術中ならびに術後4日間, 1回1g, 1日3回点滴投与を行い, 腸内フローラへの影響について検討した.年齢45-69歳, 男性5例, 女性2例で, 検体は手術前日, 投与終了時, 終了1週間後に糞便を採取, 1g中の嫌気性菌, 好気性菌の生菌数を算出した. 総嫌気性菌数は変化を認めず, これは主要菌種であるBacteroides spp. が温存されたためであった. しかしBifidobacterium spp., Veillonella, Clostridium spp. は投与後有意に減少し, Bifidobacteriumでは回復が遅延した. 好気性菌においては菌数は変化なく, Escherichia coliも温存された. 総嫌気性菌数の保持とE. coliの温存により耐性菌の増殖はほとんど問題とならず, Enterococcus spp. で有意でないものの増加傾向が認められたが, Candida spp., Staphylococcus spp. の変化はみられなかった. 以上よりflomoxef術後短期間 (4日間) 投与で, 軽度の腸内環境の変化は認められたが, 腸内フローラの機能はほぼ維持されるものと推察した.
  • 多施設共同試験
    浦部 晶夫, 武藤 良知, 溝口 秀昭, 宮崎 保, 三浦 亮, 柴田 昭, 外山 圭助, 山口 英世, 高久 史麿
    1999 年 47 巻 2 号 p. 80-88
    発行日: 1999/02/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    血液疾患患者において深在性真菌症と診断された患者, またはその疑いのある患者に対する経口抗真菌薬itraconazole (ITCZ) の有効性, 安全性を検討するとともに, ITCZの血中動態と臨床効果との相関についても検討した。総症例数は94例であり, 安全性については全94例, 有効性については確診例31例, 疑診例39例の計70症例について解析を行った。有効率は66.2% (4568;「判定不能」の2例を除く) であり, 確診例で65.5% (1929例), 疑診例で66.7% (2639) であった。原因菌として真菌が分離されたのは28例 (40%) であり, うちCandida属が86%を占めた。主な亜属において有効と評価されたのは, Candida albicans 9例中8例, Candida glabrata 3例中2例, Candida krusei2例中2例であった。また他の抗真菌薬無効のために切り替えた症例は20例であり, うち18例がfluconazole (FLCZ) からの切り替えであり, 有効率は72.2% (1318) であった。安全性について評価した94例中, 本剤との因果関係が否定できない1例2件の副作用 (両下肢の浮腫, 顔面の浮腫各1件), 臨床検査値異常14例44件 (主なものとしてはGOT上昇10件, GPT上昇9件, LDH上昇7件, AL-P上昇5件など) がみられ, 安全と評価されたのは81.9% (7794) であった。以上より, 経口抗真菌薬ITCZは造血器悪性疾患患者に発症した深在性真菌症に高い治療効果を示し, かつ安全性に優れ, 有用性の高い薬剤であると考えられた.またC. albicans以外の真菌や他剤無効例に対しても有効性を示した.
  • 松井 隆, 李 勝, 酒井 豊, 米本 洋次, 中野 雄造, 樋口 彰宏, 宮崎 茂典, 郷司 和男, 岡田 弘, 荒川 創一, 守殿 貞夫
    1999 年 47 巻 2 号 p. 89-96
    発行日: 1999/02/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    目的: 急性および慢性前立腺炎に対するlevonoxacin (LVFX) の有効性および安全性, さらにこれら前立腺炎における尿中サイトカインtumor necrosis factor (以下TNF)-α, interleukin (以下IL) 1β, IL-6, IL-8の治療前後での変動を比較検討する。
    対象および方法:
    対象は1995年11月より1997年3月までに神戸大学泌尿器科および関係施設泌尿器科で急性または慢性前立腺炎と診断された19例とした。方法は急性前立腺炎に対しては, LVFX200-300mg/日を7日間投与し, 有効例には100-200mg/日をさらに7日間継続投与した。慢性前立炎に対してはLVFX200-300mg/日を14日間投与し, 有効例にはさらに100-200mg/日を14日間投与した。有効性と治癒の評価は, 急性で7, 14, 28, 42日目, 慢性で14, 28, 42, 56日目に行い, いずれもUTI薬効評価基準 (第3版追補) に準じ判定した。またLVFX投与前後で, 急性ではVB1またはVB2中の, 慢性ではVB3中のサイトカインをEHSA法にて測定した。VB3中サイトカインについては健常成人ボランティア20名をコントロール群とした。
    結果:
    疾患別の有効率は急性細菌性前立腺炎 (ABP) 6例では7日目の判定で6/6, 慢性細菌性前立腺炎 (CBP) 9例では14日目の判定で4/9であり, 慢性非細菌性前立腺炎4例の14日目の白血球の改善率は3/4であった。尿中サイトカインについては, コントロール群に比しCBP群のVB3においてIL-1βが有意に上昇しており, ABP群のVB1またはVB2では測定した全項目において有意な上昇を認めた。また治療前後の比較では, ABP群でTNF-αの治療後の有意な低下を認めた。
  • 綿貫 祐司, 小田切 繁樹, 鈴木 周雄, 高橋 宏, 高橋 健一, 吉池 保博, 小倉 高志, 平居 義裕, 石丸 百合子, 戸田 万里子
    1999 年 47 巻 2 号 p. 97-102
    発行日: 1999/02/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    抗菌化学療法 (化療) の早期 (3日後) 効果判定は, 化療の奏効スピードをみるうえで重要であるが, 慢性気道感染の急性増悪では病巣への抗菌薬の移行が悪いため化療効果発現が遅く, 抗菌化療効果判定は抗菌薬投与開始3日後では困難なことがある。1994年1月より96年12月に慢性気道感染症の急性増悪にて当科を受診した患者群を対象とし, 化療開始3日後効果判定におよぼす背景因子を臨床的に検討した。感染症の重症度は, 体温, 喀痰 (量・性状), 白血球数, CRPの各項を点数化し, その合計点数を感染症重症度スコアとした。化療効果は, 化療開始時と3日後・終了時のそれぞれにおける感染重症度スコアの改善率 (3日後改善率・最終改善率) で評価し, 最終改善率に対する3日後改善率を早期化療効果達成率として算出した。症例数は92例で, 3日後改善率は平均43±25%, 最終改善率は74±22%で, 早期化療効果達成率の平均値は57%であった。対象感染症別では慢性気管支炎では3日後改善率は平均57%で, 気管支拡張症, DPB, 肺結核V型の33-43%の改善率に比べて有意に良好であった。また最終改善率でも慢性気管支炎は84%と気管支拡張症, DPBの60%台に比べ良好であったが, 3日後改善率が40%程度と低かった肺気腫と肺結核V型の最終改善率は80%弱にまで上昇し, 慢性気管支炎との有意な差は認められなかった。起炎菌は69例で特定され, 起炎菌が球菌および緑膿菌以外のグラム陰性桿菌であった症例 (A群: 42例) の平均の3日後改善率は48±17%で, 緑膿菌 (B群: 27例) の同改善率の38±22%に比べ良好であった。また起炎菌が不明の症例群 (C群: 23例) の同改善率は41±22%であった。最終改善率では, A群: 80±13%, B群: 63±23%, C群: 78±13%と, B群はA・C群に比べ有意に低値であった。肺活量, 1秒率, 指数, 動脈血酸素分圧と感染重症度の3日後改善率, 最終改善率および化療効果の早期達成率に有意な相関は認められなかった。
  • 高橋 孝行, 松本 文夫, 宮崎 修一
    1999 年 47 巻 2 号 p. 103-107
    発行日: 1999/02/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    最近臨床材料より分離したMRSA161株に対するarbekacin (ABK), vancomycin (VCM), teicoplanin (TEIC) のin vitro抗菌力を検討し, 以下の結果を得た。ABKのMRSAに対する感受性ピークは, 0.39μg/mlであり, VCMとTEICのそれは0.78μg/mlであった。VCMのMIC90値は0.78μg/mlで, 他の2薬剤のそれは, 1.56μg/mlであり, 被験菌に対する3抗菌薬の抗菌力は, ほぼ同等であった。被験菌に対するABKとVCMのMIC相関において, 同等が23%, ABKの優る株が59%, VCMの優る株が18%であった。ABKとTEICのMIC相関は, 同等が27%, ABKの優る株が61%, TEICの優る株が12%であった。VCMとTEICのMIC相関は, 同等が40%, VCMの優る株が40%, TEICの優る株が20%である。ABKは2MIC濃度以上において短時間殺菌作用を示し, 2MICおよび4MIC添加6時間後, それぞれ約2.5 logおよび約5 logの生菌数の減少を認めた。VCMは, 2MICおよび4MIC添加群の6時間後において, 約3logの生菌数の減少を認めた. しかし, TEICでは4MIC添加群の6時間後において約1.5 logの生菌数の減少しか認められなかった。
  • 1999 年 47 巻 2 号 p. 112
    発行日: 1999年
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
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