Vancomycin (VCM) 感性
Staphylococcus aureus ATCC 6538P株, 臨床分離VCM感性Methicillinresistant
S.aureus (MRSA) H-1株, heterogeneously vancomycin-resistant
S.aureus (Hetero-VRSA) Mu 3株, vancomycin-resistant
S.aureus (VRSA) Mu 50株のVCMに対する感受性をMIC, population analysisを用いて解析した結果, VCMに対するMIC値はそれぞれ0.5, 0.5, 1, 8μg/mlであった。またpopulation analysisで10
7CFUの細胞増殖を完全に阻止するVCM濃度はそれぞれ3, 4, 10, 13μg/mlであった。またMu3株の
14C-N-acetylglucosamine (
14C-GluNAc) の細胞壁取り込みを, ATCC6538P株, H-1株およびMu50株と比較した結果, hetero-VRSA Mu 3株の取り込み量はVRSA Mu 50株の取り込み量の80%で, VCM感性株と比較した場合, 2.6~14.4倍増加していた。さらにMu 3株に対するVCMとaminobenzylpenicillin, ceftizoxime (CZX), cefpiromeおよびsulbactam/aminobenzylpenicillinの併用効果は, すべて拮抗を示した。さらに, Mu 3株が生育できないVCM 5μg/ml含有のBHIBに段階希釈したCZXを添加するとCZXの0.0078~0.125μg/ml共存下でMu 3株の生育が認められた。このVCMとβ-ラクタム薬の拮抗現象を利用してhetero-VRSAの簡易検出法を検討したところ, Mu 3株が生育できないVCM4μg/ml含有寒天平板上のβ-ラクタム薬含有paper disk周囲にのみ生育円が観察された。この方法を用いて全国の臨床分離MRSA1673株のスクリーニングを行ったところ, 6.5%(108株) が検出された。
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