日本化学療法学会雑誌
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47 巻 , Supplement1 号
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  • in vitroおよびin vivo抗菌力について
    満山 順一, 宮崎 修一, 石井 良和, 松本 哲哉, 館田 一博, 金子 康子, 山口 惠三
    1999 年 47 巻 Supplement1 号 p. 1-15
    発行日: 1999/02/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規注射用ニューキノロン系抗菌薬pazufloxacin mesilate (PZFX mesilate) のin vitroおよびin vivo抗菌力をofloxacin (OFLX), ciprofloxacin (CPFX), imipenem (IPM), ceftazidime (CAZ), gentamicin (GM) およびminocycline (MINO) と比較した.
    グラム陽性菌のうち, Staphylococcus aureus, Staphylococous epidermidisに対するPZFXmesilateのMIC90は0.25-4μg/mlであり, さらにmethicillin (DMPPC) 耐性S.aureus (MRSA) に対する抗菌力 (MIC90;16μg/ml) は被験薬中最も強かった. 腸内細菌科の菌種, IPMやGM耐性Pseudomonas aeruginosaを含むグラム陰性菌に対するPZFXmesilateの抗菌力はCPFXと同等で, 他の対照薬に比べ強かった.
    キノロン耐性P. aeruginosa (nfxA, nfxB, nfxCおよびnalB変異株) に対するPZFX mesilateのMICを親株と比較した場合, nfxB変異株に対するMICの上昇度が低かった. S.auresにおけるPZFX mesilateの菌体内蓄積量はCPFXと異なり, carbonylcyanide-m-chlorophenyl hydrazone (CCCP) 添加の影響を受けなかった.
    PZFX mesilateは短時間殺菌作用が強く, また高濃度, 短時間作用により対照薬より強いPAEを示した.
    PZFX mesilateはMRSA, GM, IPM耐性P. aeruginosaを含むグラム陽性, 陰性菌によるマウス全身感染モデルに対し, in vitroの成績を反映した強い感染防御効果を, またマウス肺炎モデルおよび尿路感染モデルに対し, MICから予想される以上の強い治療効果を示した.
  • 田中 香お里, 加藤 直樹, 加藤 はる, 渡邉 邦友, 上野 一恵
    1999 年 47 巻 Supplement1 号 p. 16-20
    発行日: 1999/02/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    ニューキノロン系の注射薬であるpazufloxacin注射薬 (PZFX注射薬) の活性体, pazufloxacin (PZFX) の嫌気性菌に対する抗菌力上, 1994年以降に分離された臨床分離株539株上対象に, 既存のニューキノロン薬であるtosufloxacin (TFLX), ciprofloxacin (CPFX), β-ラクタム系の注射薬であるceftazidime (CAZ) およびimipenem (IPM) 上対照薬として検討した.
    PZFXのこれらの臨床分離株に対する抗菌力は, 全般的にIPM, TFLXより劣るものの, CPFXとほぼ同等, CAZについては, ほぼ同等か菌種によっては優れる傾向にあった.
    菌種問の比較では, PZFXはclostridiumperfringens, Fusobacterium nudeatum, Peptostreptococcus属の一部, Porphyromms spp.とPrevotella属の一部, Propionibacteriumacnesには比較的良好な抗菌力上示し, これらの臨床分離株の90%が感受性を示すMIC値 (MIC90) は1.56μg/ml以下であった。Bacteroidesfragilis group, Prevotellabiviaについては, 50%の株が感受性上示すMIC値であるMIC50がいずれも6.25μg/ml, MIC90に関しては12.5~200μg/mlと他の菌種に比べ感受性は低かった.
    今回検討した新鮮臨床分離株では, 以前の報告に比べP.bivia, Peptostreptococcus mgnus, clostridium difficileで, PZFXに対してMIC値の高い株が認められたが, B.fragilis groupの感受性には, これまでの報告と比べて大きな変化は認められなかった.
  • 三鴨 廣繁, 佐藤 泰昌, 早崎 容, 川添 香子, 和泉 孝治, 伊藤 邦彦, 山田 新尚, 玉舎 輝彦
    1999 年 47 巻 Supplement1 号 p. 21-24
    発行日: 1999/02/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発された合成抗菌薬pazufloxacin注射薬 (PZFX注射薬) について, 産婦人科領域臨床分離菌株に対する抗菌力上pazufloxacin (PZFX) を用いて検討し, 以下の成績を得た.
    産婦人科領域細菌感染症から分離された7菌種226株上用いてPZFXの抗菌力上ciprofloxacin (CPFX), ceftazidime (CAZ), imipenem (IPM), gentamicin (GM) 上比較薬剤として寒天平板希釈法により検討した.
    S.agalactiaeに対するPZFXのMIC90.値は, 3.13μg/mlであり, CPFXより4倍劣っていたが, IPMと同等で, CAZより2倍優れていた.Gvaginalisに対するPZFXのMIC90値は, 6.25μg/mlで, CPFXと同等で, CAZ, IPMより2~16倍劣っていた. E. coliに対するPZFXのMICg。値は, 0.10μg/mlであり, CPFXと同等で, CAZ, IPM, GMより優れていた.Paeruginosaに対するPZFXのMIC90.値は, 12.5μg/mlであり, CPFX, IPMより2倍劣っていたがCAZと同等で, GMより4倍優れていた. P. aeruginosaに対するPZFXのMIC50値は6.25μg/ml, MIC90値は, 25μg/mlであり, CPFX, GMとほぼ同等で, CAZ, IPMより劣っていた。B.fragilisに対するPZFXのMIC50値は, 6.25μg/mlであり, IPMより16倍劣っていたが, CPFXと同等で, CAZより4倍優れていた。P.biviaに対するPZFXのMIC50値は, 12.5μg/mlであり, IPMより8倍劣っていたが, CPFX, CAZより2倍優れていた。PZFXは, S. agalactiae, Ecoliなどの好気性菌およびP.magnus上代表とする嫌気性グラム陽性球菌に対しては良好な抗菌力上示したが, B.fragilis, P.biviaなどの嫌気性グラム陰性菌に対しての抗菌力は十分とは言えなかった.
  • 西野 武志, 池田 靖, 大槻 雅子, 林 広成, 今西 律子
    1999 年 47 巻 Supplement1 号 p. 25-36
    発行日: 1999/02/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新注射用ニューキノロン薬pazufloxacin mesilate (PZFXmesilate) のin vitroおよびin vivo抗菌力をlevofloxacin (LVFX), ciprofloxacin (CPFX), imipenem (IPM) あるいは他の注射用β-lactam薬と比較検討した.
    PZFXmesilateの活性体pazufloxacin (PZFX) はグラム陽性菌およびグラム陰性菌に対して幅広い抗菌スペクトルを有しており, そのin vitro抗菌力はほぼLVFXおよびCPFXと同等で優れており, これら他のニューキノロン薬と同様にIPM, flomoxef (FMOX) およびceftazidime (CAZ) などの注射用β-lactam薬とは交差耐性を示さなかった.
    マウス全身感染モデルに対するPZFXmesilateの治療効果をこれらの薬剤と比較した結果, グラム陰性菌に対してはCPFXと共に最も強い治療効果を示し, IPMに比べて4~120倍優れていた. またStaphylococcus aureus3株に対するPZFX mesilateの治療効果はFMOXとほぼ同程度でLVFXおよびCPFXに比べて優れていた. PZFXmesilateの皮下投与単回治療のED50値は3回または5回分割治療あるいは経口投与単回治療に比べて2~4倍優れていた.
    EscherichiacoliおよびPseudomoms aeruginosaを用いてPZFXmesilateのin vitropostantibiotic effect (PAE) を検討した。その結果PZFXmesilateのPAEは濃度と接触時間の両方に依存したが, 濃度の方がより大きなファクターであることが分かった
  • 満山 順一, 高畑 正裕, 山城 芳子, 北山 理恵子, 村谷 哲郎, 松村 尚樹, 中田 光人, 福田 淑子, 山田 博司, 前花 淳子, ...
    1999 年 47 巻 Supplement1 号 p. 37-64
    発行日: 1999/02/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規注射用ニューキノロン系抗菌薬pazufloxacin mesilate (PZFXmesilate) の注射薬としての特徴を明らかにするために, in vitroおよびin vivo抗菌作用をceftazidime (CAZ) を中心にimipenem (IPM), gentamicin (GM), ciprofloxacin (CPFX) と比較した.
    PZFXmesilateの抗菌活性本体であるpazufloxacin (PZFX) は各種グラム陽性菌とグラム陰性菌に対し, IPM, CPFXと同様でCAZ, GMより幅広い抗菌スペクトルを示した. 臨床分離グラム陽性菌のうち, Streptococcus属に対するPZFXのMIC90.は3.13μg/mlで, その抗菌力はIPMCPFXより劣ったがキノロン薬感受性のstaphylocooccus属, Enterococcus属に対するMIC90は0.2~6.25μg/mlでCAZより優れていた. セフェム耐性腸内細菌群, CAZ, IPMとGM耐性Pseudonas aeruginosaを含むグラム陰性菌に対するPZFXのMIC90.は0.025~50μg/mlであり, ほとんどの菌種に対してCAZ, IPM, GMより優れていた.
    4MICで選択したときの各種菌株におけるPZFXの自然耐性菌出現頻度は3.1×10-10~2.9×10-8で, 誘導型β-lactamaseを産生するEntmbacter cloacae, atrobacter freundii, P. aeruginosaではCAZより低かった.
    PZFXはStaphylococcusaureus, Escherichiacoli, Paeruginosaに対し, 1MIC以上の濃度で殺菌的に作用し, その短時間殺菌力はCAZ, IPMより強かった。また, 増殖期のS. aureus, P. aeruginosaにヒト臨床用量の血中Cmaxに相当する濃度を作用させた時の殺菌作用はCAZ, GMより強かった。さらに, PZFXはP. aruginosaに対してCAZ, IPMより強いPAEを示した.
    PZFXmesilateは他剤耐性菌を含むグラム陽性, 陰性菌によるマウス全身感染モデルに対し, CAZより1.45~496倍強い感染防御効果を示した。また, 実験的呼吸器感染モデル, 尿路感染モデル, 背部皮下感染モデル, CMCポーチ感染モデルに対してもPZFXmesilateはCAZより強い治療効果を示した.
  • 中田 光人, 山城 芳子, 島倉 雅子, 高畑 正裕, 南 新三郎, 渡辺 泰雄, 成田 弘和
    1999 年 47 巻 Supplement1 号 p. 65-75
    発行日: 1999/02/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    ニューキノロン系抗菌薬pazufloxacin (PZFX) をメタンスルホン酸塩とした注射薬pazufloxacinmesilate (PZFXmesilate) の各種実験動物における体内動態について検討した結果, 以下の成績を得た.
    1. マウス, ラット, ウサギおよびイヌにPZFXmesilateをPZFX換算で5mg/kg静脈内投与した時のPZFXI血清中半減期はそれぞれ0.23, 0.88, 1.0, 4.5時間であった. また, 投与5分後のPZFX血清中濃度は4.77~6.83μ9/mlで動物種による顕著な差はみられなかった.
    2. PZFXmesilateをラットに静脈内投与するとPZFXは脳を除く各組織に速やかに分布した. 組織内濃度は, 特に腎臓で高く, 他の組織では血清中濃度とほぼ同程度であった. また, いずれの組織においてもPZFXの消失は速やかであった.
    3. 静脈内投与24時間後までの活性体の尿中排泄率はマウスで44.7%, ラットで74.3%, ウサギで54.9%, イヌで56.6%であった.また, ラットにおける活性体の24時間までの胆汁中排泄率は2.2%であった.
    4. ラットにPZFXmesilateをPZFX換算で5, 20および100mg/kg静脈内投与した時, AUC0 ∞はほぼ投与量に比例して増加した. また, 尿中排泄率はほぼ一定であった.
    5.ラットに1日2回6日間連続静脈内投与した結果, 血清中濃度, 尿中排泄率とも単回投与時と有意差はなかった.
    6. D-ガラクトサミンで作製した肝障害ラットでは, 血清中濃度が正常ラットより若干持続的に推移したが, 血清中濃度および尿中排泄率に有意な差は認められなかった. 一方, 塩化第二水銀で作製した腎障害ラットでは血清中濃度が有意に高く持続的となり, 尿中排泄率は有意に低値を示した.
    7. マウス, ラット, ウサギおよびイヌの尿中活性体をバイオオートグラフィーにより検索した結果, PZFX以外に抗菌活性を示す物質は検出されなかった.
  • Ciprofloxacinおよびceftazidimeとの比較
    山城 芳子, 大懸 直子, 高畑 正裕, 南 新三郎, 渡辺 泰雄, 成田 弘和
    1999 年 47 巻 Supplement1 号 p. 76-80
    発行日: 1999/02/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    マウスおよびラットにpazufloxacin mesilate (PZFX mesilate) 10mg/kg (pazufloxacin (PZFX) 換算) を静脈内投与したときの, PZFX血清中濃度, 尿中濃度, 尿中回収率ならびに組織内濃度を測定し, ciprofloxacin (CPFX) およびceftazidime (CAZ) と比較した。
    1) PZFX mesilate投与5分後の血清中PZFX濃度は, マウスでは8.29μg/ml, ラットでは10.0μg/mlで, CAZより低く, CPFXより高かった。本剤の血清中半減期はマウス, ラット共にCPFXより短く, CAZより長かった。
    2) マウスにおけるPZFX mesilate投与後24時間までのPZFX尿中排泄率は34.9%で, CPFX, CAZよりも低かった。
    3) ラットにおけるPZFX mesilate投与後1時間までのPZFX尿中濃度ならびに尿中排泄率は, CAZより低く, CPFXより高かった.本薬投与後24時間までの尿中排泄率は82.6%で, CAZより低く, CPFXより高かった。
    4) ラットにおける本薬の組織移行率はCAZより高く, CPFXより低かった。
  • 早川 大善, 藤巻 久美, 清水 祐子, 田井 賢, 今泉 弘之, 中島 良文, 成田 弘和
    1999 年 47 巻 Supplement1 号 p. 81-87
    発行日: 1999/02/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Pazufloxacin注射薬 (PZFX注射薬)(Pazufloxacin (PZFX) のメタンスルホン酸塩) を静脈内投与した各種動物の尿および胆汁, また, PZFX注射薬を静脈内投与した臨床第I相試験で得られたヒト尿を用いてPZFX注射薬の代謝物を検索した。
    1) 14C-PZFX注射薬 (PZFXとして5mg/k) を投与した時の尿中の放射能は, マウスでは, グルクロン酸抱合体画分に多く認められた。ラットではほとんど代謝を受けず大部分は未変化のPZFXとして尿中に排泄された.ラットでは, 胆汁中への未変化PZFXの排泄はわずかであった。
    2) 動物では, 主代謝物であるグルクロン酸抱合体以外に, グルコース付加体であるPZFXM1が認められた.また, 酸化を受けたPZFXM2およびPZFXM3がウサギおよびサルに検出され, これらは, サルに比較的多く認められた。
    3) ヒトにおいては, 投与したPZFX注射薬 (PZFXとして400mg) の大部分が尿中に排泄され, 投与量の約94%が未変化のPZFXであり, 残り5.7%はグルクロン酸抱合体であった。その他微量のPZFXM2, PZFXM3が認められた。
    4) ヒトに反復投与 (PZFXとして300mg1日2回5日間) した時の主代謝物であるグルクロン酸抱合体の排泄率は, 初回投与と変わらなかった。
  • 早川 大善, 高野 容子, 十亀 祥久, 今泉 弘之, 中島 良文, 成田 弘和
    1999 年 47 巻 Supplement1 号 p. 88-103
    発行日: 1999/02/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    ラットおよびマウスに14C-pazufloxacin注射薬5mg/kgを単回および反復静脈内投与し, 血中濃度, 分布および排泄を検討し, 以下の知見を得た。
    1.ラットおよびマウスに単回静脈内投与した場合, 全身クリアランス (CLtotal) はそれぞれ1.03, 1.21 1/h/kg, 分布容積 (Vdss) はそれぞれ1.25, 0.99 1/kgであった。血中放射能濃度推移は2相性を示し, 消失相の半減期はそれぞれ1.49時間, 1.91時間であった。
    2.ラット, マウスとも主排泄経路は腎排泄であり, ラットでは約77%, マウスでは約68%が尿中に排出され, 残りは糞中に排泄された。ラットでの胆汁排泄率は約18%であった。
    3.臓器および組織内濃度は, 腎臓, 肝臓が最も高かった.その他, 顎下腺, 脾臓, 肺, 心臓, 骨髄, リンパ節, 副腎, 膵臓, 筋肉など広く全身に分布した, しかし脳, 脊髄への移行は少なかった。
    4.授乳中の雌性ラットに投与し乳汁中移行を検討した結果, 放射能は乳汁中へ高濃度に移行し (血液中濃度比1.5-3.2) 血液中濃度より高く推移した。
    5.妊娠20, 21日目の雌性ラットに投与後, 放射能は胎盤を通過して胎児へ移行し (母獣血漿濃度比0.2-0.8), 胎児中濃度は母獣血漿中濃度よりやや遅れて推移した。
    6.妊娠マウスの全身オートラジオグラフィーにおいて, 放射能は母獣の脳, 脊髄, 眼球以外の全身に広く分布し, 胎児には母獣よりやや遅れて移行した。
    7.ラットに1日1回10日間反復静脈投与した場合, 排泄パターンの変化は認められず, 最終投与終了後放射能は速やかに排泄され体内への残留は認められなかった。
    8.ラットに1日1回10日間反復投与した場合の体内分布は単回投与とほぼ同様であった.他のキノロン系抗菌薬と比較して特に蓄積性を示す臓器, 組織は認められなかった。
  • 一般症状および中枢神経系に対する作用
    古畑 邦一, 寺島 信雄, 小野 哲, 田中 啓一, 福田 均, 長澤 寿代, 能島 哉子, 荒井 博敏
    1999 年 47 巻 Supplement1 号 p. 104-117
    発行日: 1999/02/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    注射用ニューキノロン系抗菌薬pazufloxacin mesilate (PZFX mesilate) の一般症状および中枢神経系に対する作用を検討し, 以下の結果を得た。
    1.PZFXmesilate200mg/kg以上の静脈内投与により, 体姿勢弛緩などの中枢抑制的な症状が一過性に認められた (マウス一般症状)。
    2.PZFXmesilateは100mg/kgの静脈内投与・で軽度の抗reserpine作用 (マウス) を示した。自発運動, 協調運動能, pentobarbital睡眠 (以上マウス), 体温 (ウサギ), 受動的回避行動 (ラット) および脳波 (ネコ) に対しては10~100mg/kgで影響を及ぼさず, 抗痙攣作用および痙攣協力作用 (以上マウス) も示さなかった。
    3.4-biphenylacetic acid (BPAA, fenbufenの活性代謝物) との併用において, PZFXmesilateは200mg/kgまでの静脈内投与で痙攣を誘発しなかった (マウス)。また, γ-aminobutyric acidの受容体結合に対しては, BPAA非共存下および共存下のいずれにおいても10-4Mで影響を及ぼさなかった (ラット脳シナプス膜)。
  • 呼吸・循環器系, 自律神経系, 消化器系およびその他に対する作用
    古畑 邦一, 寺島 信雄, 小野 哲, 田中 啓一, 福田 均, 長澤 寿代, 能島 哉子, 荒井 博敏
    1999 年 47 巻 Supplement1 号 p. 118-140
    発行日: 1999/02/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    注射用ニューキノロン系抗菌薬pazufloxacin mesilate (PZFX mesilate) の呼吸・循環器系, 自律神経系, 消化器系およびその他に対する作用を検討し, 以下の成績を得た。
    1.呼吸・循環器系1麻酔イヌにおいて, PZFX mesilateは10~100mg/kgの静脈内投与で一過性に血圧を下降, 後肢血流量を増加または減少させた。30mg/kg以上では心拍数が減少し, 100mg/kgで呼吸数の増加と心電図上T波の増高が認められた.麻酔ウサギにおいては, 10~100mg/kgの静脈内投与で一過性の血圧上昇が認められた。
    2.自律神経系: PZFX mesilateは10-4g/ml以上で摘出回腸のacetylcholine収縮および摘出気管のepinephrine弛緩を抑制し, 摘出輸精管のepinephrine収縮を増強した (以上モルモット).また, 30mg/kgの静脈内投与でepinephrineの昇圧作用を増強し (麻酔イヌ), 100mg/kgでマウスの瞳孔を散大させた.
    3.消化器系: PZFXmesilateは10-4g/ml以上でウサギの胃運動を抑制または充進し, 回腸および結腸運動を抑制した。マウスの腸管輸送能およびラットの胃液分泌, 胃粘膜に対しては10~100mg/kgで影響を及ぼさなかった。
    4.その他: PZFXmesilateは100mg/kgの静脈内投与でラットのPSP排泄を抑制し, 尿中K+排泄量を増加させた.また, 10-4g/ml以上でラット子宮の自動運動を抑制または尤進し, ウサギの血小板凝集反応を抑制した。2×10-3g/mlではラット皮膚の血管透過性を充進し, 3×10-3g/mlでわずかな溶血性を示した。
  • 中島 光好, 梅村 和夫, 小菅 和仁, 植松 俊彦
    1999 年 47 巻 Supplement1 号 p. 141-175
    発行日: 1999/02/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    健康成人男子のべ52名を対象に, pazufloxacin注射薬 (PZFX注射薬) の臨床第I相試験を行った. 単回投与 (30分間点滴静注) 試験は, 50mg投与より開始し, 100, 200, 400および500mg投与まで段階的増量により検討した。反復投与試験は, 1回300および500mgの1日2回と500mgの1日3回を5日間連続投与にて検討した。また, 点滴時間の影響およびプロベネシドとの併用についても検討し, 以下の成績を得た。
    臨床検査値異常として500mgの単回・反復投与試験で軽度のNAG上昇が2例認められたが, これら以外に自覚症状, 他覚所見, 理学所見, 心電図および臨床検査値などに異常は認められなかった。
    PZFX注射薬の50, 100, 200, 400および500mgの単回投与試験の血清中濃度は用量に依存し, Cmaxは点滴終了時の0.5時間後に得られ, 2-コンパートメントモデルによる解析によりそれぞれ1.28, 2.68, 4.61, 9.93および11.0μg/mlであり, T1/2は1.74~1.88時間であった. CmaxとAUCは用量間に比例した。尿中排泄率には用量による差はほとんどなく, 投与24時間までに89.5~93.9%排泄された。反復投与試験で, 血清中濃度推移は1日目よりプラトーに達し, 尿中排泄率からも蓄積性は認められなかった。
    点滴時間の影響について, 500mg単回投与にて30と60分間を比較すると60分間点滴では最高前清中濃度は30分間点滴の約80%に低下した. 本薬は60分間点滴にて1回1,000mg投与まで忍容性が確認された. プロベネシドとの併用では, 血中半減期の延長および尿中排泄の遅延が認められ, 本薬の腎排泄機序として, 糸球体濾過および尿組管分泌の関与が示唆された。
    以上の成績より, PZFX注射薬は今回の検討にて副作用は認められず, 薬物動態および各種細菌に対する抗菌力を考慮すると, 臨床評価を行うに値すると考えられた。
  • 島田 馨他
    1999 年 47 巻 Supplement1 号 p. 176-195
    発行日: 1999/02/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    ピリドンカルボン酸系抗菌薬pazufloxacin (PZFX) 注射薬の中等症以上および難治性の呼吸器感染症に対する有効性および安全性について検討した。投与量は1回300mgまたは500mgの1日2~3回を原則として3~14日間点滴静注し, 以下の成績を得た。
    1) 総投与症例278例が集積され, 臨床効果解析対象例として241例, 安全性解析対象例として253例, 有用性解析対象例として236例が採用された。
    2) 臨床効果における有効率は, 慢性気道感染症で76.1% (67/88), 肺炎・肺化膿症で75.7% (109/144), 全体で75.1% (181/241) であった。他薬無効例に対する有効率は63.3% (38/60) であった。1日投与量別の有効率は, 600mg (分2) 投与で74.2% (49/66), 1000mg (分2) 投与で74.7% (124/166) であった。起炎菌の消失率は, 全体で69.2% (72/104) であった。3) 副作川は11例 (4.0%) に認められ, その内訳は神経症状が3例, アレルギー症状が2例, 消化器症状が5例, その他口内乾燥感が1例であったが重篤なものはなかった。臨床検査値異常は36例 (14.3%) に認められ, 主なものはトランスアミナーゼの上昇が16例, 好酸球増多が12例などであった。
    4) 有用性における有用率は全体で72.9% (172/236) であり, 1日投与量別の有用率は, 600mg (分2) 投与で71.4% (45/63), 1000mg (分2) 投与で72.6% (119/164) であった。
    以上の成績からPZFX注射薬は, 1日投与量600mg (分2) または1000mg (分2) にて中等症以上および難治性の呼吸器感染症の治療に有用な薬剤であることが期待された。
  • 大道 光秀, 平賀 洋明
    1999 年 47 巻 Supplement1 号 p. 196-203
    発行日: 1999/02/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規注射用フルオロキノロン系抗菌薬pazufloxacin mesilateの抗菌力, 経時的な体液中移行および呼吸器感染症に対する臨床的有用性について探索的に検討し, いくつかの知見を得た。以下にその結果を示す。
    1) 抗菌力
    本薬の活性本体pazufloxacin (PZFX) の臨床分離6菌種, 115株に対する抗菌力を測定した。本薬のMIC90Staphylococcus auureusでは25μg/ml, Streptococcus pneumoniaeでは3.13μg/ml, Escherickhia coliでは0.05μg/ml, Klebsiella pneumoniaeでは0.05μg/ml, Haemophilus spp.では0.05μg/ml, Pseudomonas amginosaに対しては6.25μg/mlであった。
    2) 体内動態
    Pazufloxacin mesilate 500mg (PZFXとして500mg) をびまん性汎細気管支炎患者に1日2回, 30分間点滴を11日間行った結果, 5日目までの血清中濃度は3.88~17.04μg/mlで推移した。喀痰中および唾液中の最高濃度は1日目でそれぞれ13.50μg/g, 4.88μg/ml, 3日目でそれぞれ6.70μg/g, 4.14μg/ml, 5日目でそれぞれ6.92μg/g, 4.72μg/mlであった。
    3) 臨床的検討
    細菌性肺炎4例, 肺化膿症1例, 慢性呼吸器疾患の二次感染3例, 慢性気管支炎1例, びまん性汎細気管支炎1例, マイコプラズマ肺炎1例の計11例に本薬を1回300mgまたは500mgを1日2回30~60分点滴静注した。疾患不適格 (マイコプラズマ肺炎) の1例を除き, 有効率は100%と, 広範囲な抗菌スペクトルと体内動態を反映したものであった。また疾患に伴う体温, 喀痰性状, 呼吸困難といった症状は迅速に改善した。本薬による臨床検査値異常として, 軽度の好酸球増多が2例に認められた。
    以上の結果より, pazufloxacin mesilateは呼吸器感染症に対して, 有効性が高く, 安全性においても特に問題がなく, 高い有用性が期待される注射用抗菌薬と思われた。
  • 青木 信樹, 薄田 芳丸, 石塚 康夫, 若林 信人, 林 静一, 本間 康夫, 北村 亘子
    1999 年 47 巻 Supplement1 号 p. 204-208
    発行日: 1999/02/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    腎機能障害者を含む高齢の患者7名にpazufloxacin注射薬300mgを30分かけて点滴静注した時の血中濃度と尿中回収率を測定した。腎機能障害の程度で正常~軽度障害群 (I群) 2例, 中等度障害群 (II群) 2例, 高度障害群 (III群) 3例に分類し検討した。最高血中濃度 (Cmax) はいずれも点滴終了直後に得られ, 血中濃度の低下は腎機能障害が高度になるに伴い遅延し, 高度障害例において極めて緩徐となった。
    血中濃度半減期 (T1/2) はI群2.3~2.4時間, II群4.6~4.7時間, III群12.1~18.3時間と腎機能障害が高度になるに従い延長し, 血中濃度曲線下面積 (AUC0・∞) もI群12.3~17.8μg・h/ml, II群38.5~53.7μg・h/ml, III群94.2~148.2μg・h/mlと増大した。24時間までの尿中回収率はI群80.7~92.8%, II群60.9~63.6%, III群12.2~28.6%であり, 特に高度な障害例で明らかな低下を認めた。
  • 松本 哲朗他
    1999 年 47 巻 Supplement1 号 p. 209-226
    発行日: 1999/02/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規注射用ニューキノロン薬pazufloxacin mesilate (PZFX注射薬) の複雑性尿路感染症を対象とした臨床第II相試験を全国36施設による多施設共同研究にて実施し, その有効性, 安全性および有用性を検討した。
    総症例数179例のうち, 不採用症例29例を除く, UTI薬効評価基準に合致する150例を臨床効果解析症例とし, 以下の成績を得た。
    PZFX注射薬の1日投与量は, 1回300mg×2回が49例, 500mg×2回が100例, 500mg×3回が1例であった。UTI薬効評価基準判定による総合臨床効果は全体で著効37.3%(56/150), 有効41.3%(62/150) および無効21.3%(32/150) で, 有効以上の有効率は78.7%(118/150) であった。疾患別での有効率は, 腎盂腎炎で75.9%(44/58), 膀胱炎では80.4%(74/92) であった。また, 1日投与量別の有効率は300mg×2回で81.6%(40/49), 500mg×2回で77.0%(77/100), 500mg×3回で1/1であった。
    また, UTI薬効評価基準合致症例での治験担当医師判定による臨床効果は, 著効48.7%(73/150), 有効32.7%(49/150), やや有効5.3%(8/150) および無効13.3%(20/150) であり, 有効率は81.3%(122/150) であった。
    分離菌別の菌消失率はグラム陽性菌で79.3%(88/111), グラム陰性菌で91.9%(113/123) であり, 全体で85.9%(201/234) であった。
    副作用は解析対象179例中2例 (1.1%) に中等度の下痢および軽度または中等度の嘔気・むかつき・下痢が認められ, また臨床検査値異常は解析対象163例中13例 (8.0%) に主として好酸球増多およびトランスアミナーゼの軽度または中等度の上昇が認められた。
    以上の成績から, PZFX注射薬は複雑性尿路感染症の治療において1日600mg~1500mg投与にて有用性の高い薬剤であることが示唆された。
  • 谷村 弘他
    1999 年 47 巻 Supplement1 号 p. 227-241
    発行日: 1999/02/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しい注射用ニューキノロン系抗菌薬であるpazufloxacin (PZFX) について全国19施設において基礎的・臨床的検討を行い, 以下の成績を得た。疾患別有効率は腹腔内感染症78.3% (18/23), 胆道感染症86.7% (13/15), 創二次感染73.7% (14/19), 術後肺炎86.7% (13/15), 敗血症2/2のほか, 蜂巣炎, 骨髄炎, 肛門周囲膿瘍に対してはいずれも著効で, 全体の有効率は81.8%であった。とくに, Pseudomonas aeruginosaを含む複数菌感染15例の臨床効果は80.0% (12/15) の有効率であった。副作用は全例に認めなかった。臨床検査値異常は12.5% (10/80) に認め, 主なものは肝機能検査値の上昇, 好酸球の増多および白血球数の減少であった。
    PZFX 300mgまたは500mg静脈内投与1~6時間後の胆嚢摘出術予定患者における胆嚢組織内濃度, 胆嚢胆汁中濃度および胆管胆汁中濃度は, それぞれ0.54~13.6μg/g (n=10), <0.5~212μg/ml (n=10), 5.77~39.5μg/ml (n=3) で, その時の血清中濃度0.45~11.8μg/ml (n=10) と比較して良好な胆嚢組織内移行および胆汁中移行を認めた。PZFX静脈内投与後の胆道ドレナージ患者における胆汁中最高濃度は5.47~56.4μg/ml (n=9) で, その時の血清中濃度2.94~12.8μg/ml (n=7) と比較して約4倍の良好な胆汁中への移行を認めた。また, 胆汁中グルクロン酸抱合体濃度は未変化体とほぼ同レベルかそれ以下であった。PZFX静脈内投与後の腹水中最高濃度は1.87と2.40μg/ml (n=2) で, その時の血清中濃度は1.74と6.30μg/ml (n=2) であった。PZFX静脈内投与後の胸水中最高濃度は1.43μg/ml (n=1) で, その時の血清中濃度は0.34μg/ml (n=1) であった。PZFX静脈内投与後の喀痰中最高濃度は0.87~6.24μg/g (n=4) で, その時の血清中濃度は1.89~10.5μg/ml (n=4) であった。
    以上より, PZFX注射薬は腹腔内感染症をはじめとする外科感染症に対して有用な薬剤のひとつであるといえる。
  • 岡田 弘二, 保田 仁介, 松田 静治, 安藤 三郎, 王 欣輝, 川又 千殊子
    1999 年 47 巻 Supplement1 号 p. 242-248
    発行日: 1999/02/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    注射用ニューキノロン系抗菌薬pazufloxacin注射薬 (PZFX注射薬) の産婦人科領域感染症に対する臨床的有用性を探索的に検討し, 以下の成績を得た。
    1) 治験参加同意の得られた広汎性子宮全摘手術施行患者 (5名) に本薬500mgを30分間点滴静注し, 経時的に血清中濃度および骨盤死腔液中濃度を高速液体クロマトグラフィーにより測定した (検出限界: 0.01μg/ml)。血清中濃度は投与開始後15から30分に, 骨盤死腔液中濃度は1.5から2.5時間に最高値を示した。各時間での血清中濃度および骨盤死腔液中濃度を平均した際の最高濃度は血清車では投与開始後0.5時間で20.65μg/ml, 骨盤死腔液中では投与開始後2.5時間で6.81μg/mlであった。なお, 血清中濃度の最高値の平均は20.89μg/ml, また骨盤死腔液車濃度の最高値の平均は6.98μg/mlであった。
    2) 中等症から重症の骨盤腹膜炎5例に対し, PZFX注射薬1000mg (分2) または600mg (分2) を投与した。臨床効果は著効1例, 有効4例であった。5例より7菌種8株が分離され, このうち7株が消失した。副作用および臨床検査値異常は認められなかった。
    以上の成績より, 産婦人科領域感染症に対し, 本薬は1回300mg1日2回から1回500mg1日2回の投与により臨床効果が得られることが示唆された。
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