日本化学療法学会雑誌
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47 巻 , Supplement2 号
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  • 副島 林造
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 1-2
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
  • 福田 秀行, 大森 康男, 山本 隆雄, 安江 徳太郎, 富澤 寛, 堀 閑子, 保坂 雅喜
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 3-11
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新キノロン系抗菌薬gatifloxacin (GFLX) のin vitro抗菌力について他の新キノロン系抗菌薬との比較を行った。
    GFLXはグラム陽性菌, グラム陰性菌, 嫌気性菌およびMycobacterium spp. に対して幅広く強い抗菌力を示した。Staphylococcus aureus subsp. aureusおよびStreptococcus pneumoniaeを含む臨床分離のグラム陽性菌に対するGFLXの抗菌力はnorfloxacin (NFLX), ciprofloxacin (CPFX) およびlevofloxacin (LVFX) より優れ, tosufloxacin (TFLX) およびsparfloxacin (SPFX) と同等であった。腸内細菌科およびブドウ糖非 発酵桿菌を含む臨床分離のグラム陰性菌に対するGFLXの抗菌力はNFLX, SPFXおよびLVFXと同等で, CPFXおよびTFLXよりやや劣っていた。Haemophilus inflenzaeの臨床分離株に対するGFLXの抗菌力はNFLX, CPFX, SPFXおよびTFLXより優れ, LVFXと同等であった。臨床分離のMycoplasma pneumoniaeおよびUreaplasma urealyticum に対するGFLXの抗菌力は, CPFXより優れ, SPFXと同等であった。
    GFLXの抗菌力は, 培地の種類, 接種菌量, 培地のpH, ヒト血清および尿による影響を受けなかった。一方, Mg++の添加により抗菌力の低下が認められたが, これはCPFXと同程度であった。
  • 山本 隆雄, 福田 秀行, 庭田 寧, 富澤 寛, 保坂 雅喜, 大森 康男
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 12-19
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新キノロン系抗菌薬gatifloxacin (GFLX) の各種動物感染モデルにおけるin vivo効果をlevofloxacin (LVFX), sparfloxacin (SPFX), ciprofloxacin (CPFX) およびmetronidazoleを対照薬剤として検討し, 以下の結果を得た。
    1. マウス実験的全身感染モデルにおけるGFLXの感染防御効果は, CPFX感受性および耐性Staphylococcus aureus subsp. aureus (S.aureus) に対してLVFXおよびCPFXより優れ, SPFXと同等であった。Streptococcus pneumniaeに対して試験した新キノロン系抗菌薬の中で最も優れた効果を示した。グラム陰性菌のうちEscherichia coliに対してはSPFXより劣るがLVFXおよびCPFXと同程度の効果を示し, Pseudomonas aeruginosaに対しては対照薬剤と同等の効果を示した。
    2. GFLXは, S. pneumoniaeを感染菌とした経鼻肺感染モデルにおいて対照薬剤と比較して3倍以上優れた効果を示した。また, Klebsiella pneumniae subsp. pneumoniae噴霧肺感染モデルではCPFXより約3倍優れ, LVFXおよびSPFXと同等の治療効果を示した。
    3. E. coliによる尿路感染モデルに対するGFLXの治療効果はSPFX, LVFXおよびCPFXと同等であった。
    4. S. aureusによるマウス皮膚感染モデルに対してGFLXは, SPFX, LVFXおよびCPFXと比較して同等以上の治療効果を示した。
    5. S. aureusおよびBacteroides fragilisによるラットポーチ内感染モデルにおいてGFLXは, ポーチ内の菌に対し強い殺菌作用を示した。
    以上の結果から, GFLXは各種グラム陽性菌, グラム陰性菌および嫌気性菌による動物感染モデルにおいて有効性を示し, 特にグラム陽性菌による感染症に対して, 従来の新キノロン系抗菌薬よりも有用な薬剤であることが示唆された。
  • 保坂 雅喜, 若林 栄二
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 20-26
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    ヒトの血清中薬剤濃度推移を再現するin vitro pharmacokinetic modelを用いて, Staphylococcus aureus subsp. aureus (以下, S. aums), Streptococcus pneumoniae, Escherichia coliおよびPseuaomnas aeruginosaに対するgatifloxacin (GFLX) の殺菌作用を検討し, 以下の知見を得た。
    1. GFLXは200mg内服時の血清中薬剤濃度を再現したin vitroモデルにおいて, S aureus Smith, S. pneumoniae TypeIIIおよびE. coliML4707に対し強い殺菌作用を示し, 菌増殖抑制作用は24時間持続した。しかし, P. aeruginosaIID1210に対しては殺菌作用を示したものの, 薬剤添加6時間後より再増殖がみられ, 24時間後には菌数が非添加群と同レベルに達した。
    2. In vitro pharmacokinetic modelにおけるGFLXの殺菌作用は, 本化合物のin vitro 抗菌力と薬剤濃度推移に依存した。
    3. GFLXの殺菌効果を類薬と比較した結果, S aureus, S. pneumoniae及びP. aeruginosaに対してはtosufloxacin, sparfloxacinおよびlevofloxacinと同等以上の効果を示した。
  • 安江 徳太郎, 三浦 資子, 弦巻 葉子, 保坂 雅喜, 平井 敬二
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 27-30
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Gatifloxacin (GFLX) およびその光学異性体であるS, R体のin vitroおよびin vivo抗菌力を測定し, 以下の成績を得た。
    1.2種の光学異性体は幅広い抗菌スペクトルを示し, その活性はGFLXとほぼ同等であった。
    2.マウス全身感染モデルにおいて, GFLXおよびその光学異性体は経口および皮下投与によりほぼ同等の効果を示した。
    以上, GFLXの光学異性体問に抗菌力の差はなく, ラセミ体であるGFLXと同等の活性を示すことが明らかとなった。
  • 松本 好弘, 西成 千里, 中根 豊, 出口 浩一, 鈴木 由美子, 石原 理加, 石井 由紀子, 中澤 ありさ, 福本 寅雄
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 31-41
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    当所保有の標準菌株, および1995年に当所において検出した臨床分離株に対するgatifloxacin (GFLX) の抗菌スペクトルと抗菌活性を検討することを目的に, 対照薬剤を加えた最小発育阻止濃度 (MIC) を測定して, 以下の結果を得た。
    1. Streptococcus pneumoniae, Streptococcus pyogenes を含むstreptococcus spp., Peptostreptococcus spp.に対するGFLXの抗菌活性は, tosufloxacin (TFLX) と同等もしくはやや勝り, levofloxacin (LVFX), およびciprofloxacin (CPFX) に勝っていた。
    2.Bacteroides fragilis group, Prevotella spp.に対するGFLXの抗菌活性は, TFLX, LVFX, CPFXのいずれに対しても明らかに勝っていた。
    3.Staphylococcus spp., Enterococcus spp., quinolones-resistant Enterobacteriaceaeを対象とした結果からは, 既存のフルオロキノロン耐性菌にGFLXが強いことが示唆された。
    4.Pseudomonas aeruginosa に対するGFLXの抗菌活性は既存のフルオロキノロンとほぼ同等であるが, 他のglucose-nonfermentative gram-negative rodsに対するGFLXの強い抗菌活性を確認した。
  • 蟹本 雄右, 河田 幸道
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 42-47
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Gatifloxacin (GFLX) は新しく開発されたニューキノロン薬でグラム陽性, 陰性菌に幅広く, 強力な抗菌力を有している。GFLXの体内動態は種々の投与量で血中濃度半減期が約7時間, 24時間における尿中回収率は80%の成績である。
    今回, 試験管内膀胱モデルを用いてGFLX, fleroxacin (FLRX), of loxacin (OFLX), ciprofloxacin (CPFX), norfloxacin (NFLX) の尿中濃度の変化をモデル内で再現し, 大腸菌2株の細菌増殖抑制効果を比較検討した。尿中濃度の推移は抗菌薬の100mg1日1回投与と50mgを12時間毎に2回投与する2つのパターンを用いた。
    検討5薬剤の中でGFLXは被験大腸菌2株とも最も長い時間細菌の再増殖を抑制した。FLRXではいずれの菌株でも単回投与の抑制時間が2分割投与の抑制時間を明らかに上回ったが, GFLXは単回投与と2分割投与で抑制時間に明らかな差はなかった。
    今回の膀胱モデルの実験条件では再増殖した大腸菌株の各薬剤に対する耐性化は認められなかった。
    以上よりGFLXは尿路感染症の治療において1日1回投与でも2分割投与でも高い有効性が期待される薬剤と思われた。
  • 舘田 映子, 近藤 典子, 桑原 京子, 堀 賢, 平松 啓一, 横田 健
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 48-56
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Gatifloxacin (GFLX) の各種臨床分離株に対するMIC90は, Staphylococcus aureus subsp. aureus (66株), メチシリン耐性S.aureus subsp.aureus (MRSA)(47株), 高度耐性MRSA (64株), coagulase-negative staphylococci (CNS)(41株), Streptococcus pneumniae (33株), ペニシリン低感受性S.pneumniae (17株), Streptococcuspyogenes (47株), Entmcoccus faecalis (37株), Entmcoccus faecium (41株), Escherichia coli (43株), Klebsiella pmumoniae subsp.pneumoniae (47株), Proteusmimbilis (48株), Proteus vulgaris (54株), Mbrganella morganii (49株), Providmia rettgeri (45株), Sermtia mamscens (50株), Entmbacter cloacae (50株), Citrobacter freundii (48株), Acinetobacter spp.(41株), Pseudomnas aeruginosa (32株), Burkholderia cepacia (33株), Stenotrophomonas maltophilia (47株), Haemophilus influenzae (54株), およびBacteroides frogilis (38株) に対して, それぞれ3.13, 0.2, 6.25, 0.2, 0.39, 0.39, 0.39, 0.78, 1.56, 0.39, 0.2, 0.39, 0.39, 0.78, 25, 1.56, 0.78, 1.56, 0.39, 6.25, 6.25, 0.78, ≦0.013および1.56μg/mLであった。
    GFLXはsparfloxacinと同等の幅広い抗菌スペクトルを有する新規のニューキノロン薬である。特にMRSAやペニシリン低感受性S.pneumoniaeを含むグラム陽性菌に対しては, 他のニューキノロン薬に比べて優れた抗菌力を示した。
    Norfloxacin (NFLX) 耐性S.aureus subsp.aureusおよびNFLX-ofloxacin (OFLX) 耐性S.aureus subsp.aureusのGFLXに対するMIC値を測定したところ, 本薬剤とNFLX, OFLXとの交差耐性は認められなかった。またキノロン感受性MRSAおよびNFLX-OFLX耐性MRSAの本薬剤に対する耐性変異率 (mutationrate) は低く, GFLXはブドウ球菌に対して耐性化を受けにくいニューキノロン薬と言えよう。
    GFLXのCHO-K1, HeLa, IMR-32細胞に対する細胞増殖抑制作用は50μg/mL以上の高濃度でOFLXより強く, OFLXよりは若干細胞毒性の強いニューキノロン薬であることが明らかになった。
  • 小栗 豊子, 三澤 成毅, 中村 文子, 猪狩 淳
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 57-68
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    最近開発された新キノロン系薬gatifloxacin (GFLX) の抗菌力を1990年より1995年までに分離された臨床分離株2, 178株について測定し, sparfloxacin (SPFX), tosufloxacin (TFLX), ofloxacin (OFLX), ciprofloxacin (CPFX), norfloxacin (NFLX) などの抗菌力と比較検討した。
    GFLXはグラム陽性菌, 陰性菌に対し強い抗菌力を示し, その抗菌スペクトルはSPFX, TFLXにほぼ等しく, NFLX, OFLXよりも優れていた。特にStreptococcus属 (ペニシリン耐性Streptococcus pneumoniaeを含む) やEnterococcus属 (Enterococcus faecalis, Enterococcus faeciumを除く), Haemophilus influenzae (ampicillin耐性株を含む), Branhamella catarrhalisに対しては強力であった。
    GFLXの抗菌力はBacteroides thetaiotaomicron, Prevotella bivia, Fusobacterium spp.には他の同系統の抗菌薬と同様弱かった。
  • 青木 興治, 宮崎 修一, 辻 明良, 金子 康子, 山口 惠三, 五島 瑳智子
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 69-80
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新キノロン系抗菌薬gatifloxacin (GFLX) のin vitro及びin vivo抗菌作用を, sparfloxacin (SPFX), tosufloxacin (TFLX), ciprofloxacin (CPFX) 及びofloxacin (OFLX) を対照薬として比較検討し, 以下の成績を得た。
    GFLXは広範囲な抗菌スペクトラムを有し, メチシリン耐性Staphylococcus aureus subsp.aureus (MRSA) を含むStaphylococcus属, Streptococcus属及びEnterrococcs属などのグラム陽性球菌に対し, CPFX及びOFLXより強く, SPFX, TFLXと同等の抗菌力を示した。腸内細菌科の菌種, Pseudomonas aeruginosaを除くブドウ糖非発酵菌に対してはSPFX, TFLX, CPFX, OFLXと同等の強い抗菌力を示した。P.aeruginosaに対する抗菌力はSPFX, OFLXと同等であった。Bacteroides fragilisに対してはいずれの対照薬よりも強い抗菌力を示した。
    S.aureus subsp.aureus Smith, Strptococcus pneumoniae TMS3, Escherichia coli C11及びP.aeruginosa E7を用いたマウス全身感染モデルに対するGFLXの経口投与の治療効果はSPFXと同等であった。S.pneumoniae TMS3感染モデルでは, GFLXはTFLX, OFLX及びCPFXよりも5~8倍優れた効果を示し, S.aureus subsp.aureus Smith感染モデルでもOFLX, CPFXよりも4~8倍優れた効果を示した。
    S.pneumoniae TMS3を感染菌とする経鼻肺感染モデルにおけるGFLXの治療効果はCPFX及びOFLXより優れていた。
    GFLXをマウスに50mg/kg経口投与後の血清中, 肺内及び腎内最高濃度は, 各々3.86±0.61μg/mL (投与・15分後), 7.80±6.58μg/g (2時間後) 及び16.49±4.69μ9/9 (30分後) であった。これらの濃度は腎内濃度を除きOFLXよりも低い値であったが, CPFX, TFLXよりも2~6倍高い値であり, SPFXのそれに近似した。本薬の優れた治療効果は, その高い抗菌活性と優れた組織分布によるものと考えられた。
  • 永山 在明
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 81-83
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しいフルオロキノロン系合成抗菌薬gatifloxacinのChlamydia trachomatisに対するin vitro抗菌力を検討し, 他の3種類のフルオロキノロン系抗菌薬およびminocyclineとの抗菌力を比較し次のような成績を得た。
    C. trachomatis標準株ならびに臨床分離株に対するMIC値は, gatifloxacin;0.06~0.25μg/mL, tosufloxacin; 0.125~0.25μg/mL, ofloxacin;0.5~1.0μg/mL, levofloxacin;0.25~0.5μg/mL, minocycline;0.03~0.06μg/mLであった。比較した5薬剤の中では, テトラサイクリン系抗菌薬のminocyclineのMIC値が最も小さくクラミジア感染症の治療薬として優れていることが, 抗菌力の面からも証明された。
    Gatifloxacinはtosufloxacinより若干優れた抗菌力を有し, ofloxacin, levofloxacinより優れていた。既にofloxacin, levofloxacin, tosufloxacinはクラミジア性尿道炎, 性器感染症に対しての治療効果が確認されており, 本薬剤のMIC値を考えるとクラミジアによる非淋菌性尿道炎, 性器感染症の治療薬として十分期待できるものと考えられる。
  • 上野 一恵, 渡辺 邦友, 加藤 直樹, 渡部 恂子, 水谷 潤
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 84-92
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたニューキノロン系抗菌薬の経口剤であるgatifloxacin (GFLX) を, 健康成人6例に対し, 1回300mg, 1日2回, 連続7日間 (合計13回), 朝, 夕食後に服用させ, 各被験者の糞便内細菌叢への影響を検討したところ, 次のような結果を得た。
    服用期間中6例中2例に総菌数の減少が認められた。これは糞便内最優勢菌であるBacteroidaceaeの菌数が服用前の十分の一から百分の一に減少したことによる。Bacteroides以外の主要な嫌気性菌では, 服用3日目に全例でbifidobacteria, eubacteria, 嫌気性Gram (+) 球菌の減少が, また6例中5例でlecithinase (-) clostridiaの減少が観察された。
    Enrerobacteriaceaeの菌数は服用期間中すべての被験者で激減し, 検出限界以下になった。また, Enterococcus spp.は服用前6例中5例から検出されたが, うち3例では服用3日目に検出限界以下の菌数になった。
    しかし, すべての被験者で服用終了後14日目には, 服用3日目で減少した菌属の菌数は服用前のレベルに回復した。
    GFLXの連続服用によりClostrdium difficileの出現が, 服用3日目に1例で, 服用終了後14日目に他の1例で認められたが, その後の検査では検出限界以下となり, 毒素も検出されなかった。
  • 堀 誠治, 嶋田 甚五郎
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 93-98
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    キノロン薬が潜在的に痙攣誘発作用を有する可能性はよく知られている。我々は, 新しいキノロン薬, gatifloxacin (GFLX) の痙攣誘発作用とγ-aminobutyrate (GABA) 受容体結合に及ぼす影響を検討した。GFLXの脳室内投与により, マウスに投与量依存的に痙攣が誘発された。その痙攣誘発作用はnorfloxacinとfleroxacinの中間であった。また, GFLXは, 高濃度でGABA受容体結合を阻害した。Biphenylacetate, flurbiprofenの共存により, そのGABA受容体結合阻害作用は中等度増強された。以上の成績より, GFLXは, その脳内濃度が上昇した際にはGABA受容体結合を阻害することにより痙攣を誘発する可能性のあることが示唆された。その痙攣誘発作用は, norfloxacinとfleroxacinの中間に位置する可能性が示された。
  • 戸塚 恭一, 柴田 雄介, 清水 喜八郎, 保坂 雅喜
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 99-103
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新キノロン系抗菌薬gatifloxacin (GFLX) の各種細菌に対するin vitro postantibiotic effect (PAE) およびKlebsiella pneumoniaeによるマウス大腿感染におけるin vivo PAEをofloxacin (OFLX) を対照として比較検討した。
    1.Staphylococcus aureus Smith, Streptococcus pneumoniae IID552, Enterococcus faecalis IID682およびK.pneumoniae BKにGFLXの4MICを1時間作用させた時のin vitro PAEは2.1~4.1時間であった。S.aureusおよびS.pneumoniaeに対するGFLXのin vitro PAEはOFLXとほぼ同等であったが, E.faecalisおよびK.pneumoniae BKに対するin vitro PAEはOFLXよりも長かった。
    2. 白血球減少マウスを用いたK.Pneumoniae BK大腿感染においてGFLXおよびOFLXを4mg/kg皮下投与した時のin vivo PAEはそれぞれ4.5および1.2時間であった。
    3. K.pneumoniae BKによるマウス大腿感染においてGFLXを4および8mg/kg投与した時のeffective regrowth time (ERT) はそれぞれ12時間以上, 16時間以上であり, OFLX4mg/kg投与時のERT (6.6時間) に比べ2倍以上長かった。
  • 草嶋 久生, 草川 元, 石田 了三, 岡村 久也
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 104-111
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新キノロン系抗菌薬であるgatifloxacin (GFLX) の血漿及び尿中濃度について, 高速液体クロマトグラフィー (HPLC) による分析法をそれぞれ確立した。血漿についての方法は, カラムスイッチングシステムを用い, BSA-ODSカラムによるon-line除蛋白とODSカラムによる分離後に蛍光モニターにより検出するものである。尿についての方法は, ODSカラムによる分離後に蛍光モニターにより検出するものである。血漿及び尿試料は内標準 (AM-1202) を加え混合した後に, その一部を直接HPLCシステムに注入した。これらの方法では, クロマトグラム上において定量の妨害となるブランクピークは認められず, 検量線は, 血漿で0.05~2.5μg/mL, 尿で0.5~250μg/mLの濃度範囲でそれぞれ良好な直線性を示した。検出及び定量限界は, 血漿でそれぞれ0.01及び0.05μg/mL, 尿でそれぞれ0.1及び0.5μg/mLであった。測定精度及び真度も良好であった。GFLXは, 血漿及び尿, 並びにその分析混合試料中で室温で少なくとも1日間, 血漿及び尿中-40℃で少なくとも3箇月間, 並びに3回の凍結・融解繰り返し時に, いずれも安定であった。これらの方法は臨床検体の分析に適用可能であった。本法は, 分析操作が迅速かつ簡便であり, クロマトグラム及び測定値の再現性も高いことから, 有用な分析法と考えられる。
  • I. 各種実験動物における体内動態
    大家 毅, 石川 紅美, 町田 正明, 草嶋 久生, 石田 了三, 内田 広
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 112-123
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新キノロン系抗菌薬であるgatifloxacin (GFLX), 並びにその光学異性体 (S体, R体) のマウス, ラット, ウサギ, イヌ及びサルにおける体内動態を, それぞれ単独の静脈内及び経口投与により検討した。GFLXは経口投与後, いずれの動物種においても速やかに吸収された。ラット, イヌ及びサルにおけるバイオアベイラビリティは87~116%であり, これらの動物種ではほぼ完全に経口吸収されることが窺われた。また, 定常状態における分布容積はいずれの動物種においても2L/kg前後であり, 良好な組織分布が示唆された。一方, 全身クリアランスは大動物であるほど低下し, 血中半減期は, マウス, ラット, ウサギ, イヌ及びサルでそれぞれ1.1, 1.6, 1.9, 6.0及び2.2時間と, 大動物ほど延長した。血清蛋白結合率は, 15~27%と低値であった。いずれの動物種においても, GFLXの投与後24時間までに未変化体の排泄はほぼ終了していた。投与後48時間までには, ラット, イヌ及びサルにおいては約40%以上が, マウス及びウサギにおいては20~30%がそれぞれ未変化体として尿中へ排泄された。GFLXはラットにおいて胆汁からも排泄された。尿中ではそのほとんどが未変化体であったのに対し, 胆汁中では大部分がグルクロン酸抱合体であった。GFLX, S体及びR体の実験動物における血中動態, 吸収, 血清蛋白結合及び排泄に, 大差は認められなかった。
  • II. 実験動物における体内動態の光学選択的分析法による検討
    町田 正明, 伊澤 成, 堀 弥, 石田 了三, 内田 広
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 124-130
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新キノロン系抗菌薬gatifloxacin (GFLX) は, 化学構造中に1個のキラル炭素を有するが, その2種の光学異性体が同等の抗菌活性を有することからラセミ体として開発されている。今回我々は, この2種の光学異性体について, 高速液体クロマトグラフィー (HPLC) による, 生体試料中濃度の光学選択的同時定量法を確立した。本法は, 血漿 (血清) 及び尿中のR及びS体を光学活性なL-valinamideの誘導体とした後, このジアステレオマーを逆相HPLCにより分離定量するものである。つぎにこの方法を用い, ラット, イヌ及びサルにおける生体内光学異性化の有無について検討した。クロマトグラム上において, GFLXの光学異性体を静脈内投与後の血清試料には互いの対学体のピークは観察されず, これらは生体内で異性化しないものと考えられた。さらにサルにおいて, 本薬物を経口投与後の血中動態及び尿中排泄について検討したところ, 光学異性体問で大差は認められなかった。以上のことから, GFLX光学異性体は実験動物で同様の生体内挙動を示すものと考えられた。
  • 出澤 彰, 伊澤 成, 小関 望, 町田 正明, 鳥海 千冬, 湯浅 龍三, 小室 正勝, 永津 芳雄, 石田 了三, 大久保 秀夫, 内田 ...
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 131-140
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    [14C] Gatifloxacin (GFLX) 10mg/kgを単回経口投与後の雄性ラットにおける吸収, 分布および排泄, 妊娠ラットにおける胎児移行, 並びに授乳中ラットにおける乳汁中移行について検討した。
    1. 雄性ラットにおいて, 血液中放射能濃度は経口投与後1時間以内に最高濃度1.93μgeq./mLに達した後, 2.46時間の半減期で消失し, 24時間後には0.05μgeq./mLとなった。
    2. 胃, 十二指腸, 空腸および回腸の各ループ内へ [14C] GFLXを投与した時, 放射能は小腸全域から良好に吸収された。胃からの吸収は少なかった。
    3. [14C] GFLXを経口投与後1時間の組織内放射能濃度は, 消化管, 膀胱, 腎臓, 膵臓, 前立腺, 肝臓, 顎下腺および脾臓で高かった。これに対して, 脳および脳脊髄液では血液中濃度の約1/10の濃度であった。放射能は, ほとんどの組織で速やかに消失し, 投与後72時間では検出限界以下となった。このことは全身ラジオルミノグラムの結果とも一致した。
    4. [14C] GFLXを経口投与後192時間までに尿に43.1%, 糞に57.6%, 総計で100.7%の放射能が排泄された。その大部分は24時間以内に排泄された。
    5. [14C] GFLXを経口投与後48時間までに胆汁中には投与量の34.4%が排泄された。また, 尿に43.1%, 糞には20.4%が排泄された。
    6.[14C] GFLXを経口投与後4時間までに排泄された胆汁を別のラットの十二指腸内に投与して求めた再吸収率は, 37.1%であった。
    7.妊娠中の雌性ラットにおいて, [14C] GFLXを経口投与後1時間の胎児中放射能濃度は, 母獣の血液中濃度と同程度であったが, 投与後24時間では検出限界以下まで低下した。
    8.授乳ラットにおいて, [14C] GFLXを経口投与後の乳汁中放射能濃度は, 投与後8時間まで血液中濃度の3.5~7.4倍高い濃度推移を示した。乳汁中放射能濃度は, 血液中放射能の消失とともに低下した。
  • 出澤 彰, 町田 正明, 湯浅 龍三, 小室 正勝, 石田 了三, 内田 広
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 141-146
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Wistar系雄性ラットに [14C] gatifloxacin (GFLX) 10mg/kgを1日1回, 14日間反復経口投与し, 血中動態, 組織分布および尿糞中排泄について検討した。
    1. 反復投与期間中, 投与後1時間の血液中放射能濃度は, 0.63~0.88μg eq./mLの範囲を推移した。また, 投与後24時間の血液中放射能濃度は, 6日目までにほぼ一定の0.04μg eq./mLを示した。初回および最終投与後の薬物速度論的パラメータには, 有意な差が認められなかった。
    2.最終投与後1時間の組織内放射能濃度は消化管を除くと腎臓, 膵臓および肝臓で高く, それぞれ7.55, 4.17および3.77μg eq./gであった。これに対して, 脳, 脳脊髄液, 眼球および脂肪では, 同時刻の血液中濃度 (0.98μgeq./mL) の1/2以下であった。その後, 組織内濃度は漸減し, 最終投与後192時間では骨 (0.14μgeq./9) を除くほとんどの組織で検出限界 (0.01μg eq./g) 以下となった。
    3. 反復投与期間中, 24時間毎の1日投与量に対する尿および糞中への排泄率は, それぞれ22.2~34.7%および68.2~84.3%とほぼ一定であった。一方, 最終投与後24時間以内に, 大部分の放射能が尿糞中に排泄された。最終投与後192時間における, 総投与量に対する尿および糞中への累積排泄率はそれぞれ28.4%および78.6%であった。
  • 大家 毅, 橋本 秀男, 弦巻 葉子, 小室 正勝, 多賀 福太郎, 大久保 秀夫
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 147-160
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新キノロン系抗菌薬であるgatifloxacin (GFLX) のラット, ウサギおよびイヌにおける代謝について検討し, 以下の結果を得た。
    1.GFLXを経 [投与後のラット胆汁および尿から, 未変化体, GFLXのエステル型グルクロン酸抱合体 (M-1), 3-メチルピペラジン環の開環した置換基を有するエチレンジアミン体 (M-2), 2-メチルエチレンジアミン体 (M-3) およびアミノ体 (M-4) がそれぞれ同定された。
    2. 14Cで標識したGFLX ([14C] GFLX) をラット, ウサギおよびイヌに経口投与後24時間までに, それぞれ99.9, 83.6および70.5%の放射能が体外へと排出された。尿および糞中への放射能の排泄の割合は, それぞれ34: 66, 40: 60, 69: 31であった。
    3. ラット, ウサギおよびイヌから採取した尿において, 放射能は主にGFLXとして存在し, 尿中へ排泄された放射能の約90%を占めていた。その他にM-1が約3%, M-4が1~2%, M-2およびM-3がそれぞれ約1%検出された。各種の動物問でその代謝パターンに大きな差は見られなかった。
    これら動物の糞中では, GFLXが主に存在し, その他にM-2, M-3およびM-4が糞中へ排泄された放射能のそれぞれ1~2%認められた。
    4. 胆管カニュレーションを施したラットに [14C] GFLXを経口投与後24時間までに96.1%の放射能が体外に排泄され, 尿, 胆汁および糞中への放射能の排泄の割合は41: 45: 14であった。ラット胆汁中へ排泄された放射能のうち, M-1が54%, GFLXが18%であった。その他, M-2, M-3およびM-4が認められた。
    5.[14C] GFLXを経口投与した実験動物において, 投与後24時間までに尿および糞中へ排泄された放射能の中でGFLXとM-1の占める割合は, ラットで82%, ウサギで91%, イヌで89%を示した。
    6.[14C] GFLXを経口投与したラットから採取した血清中の放射能は, その大部分がGFLXとして存在した。
    7. M-2, M-3およびM-4の抗菌活性は, 多くの菌種でGFLXの1/4~1/256以下であった。
  • 草嶋 久生, 石田 了三, 大久保 秀夫
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 161-165
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新キノロン系抗菌薬であるgatifloxacin (GFLX) のラット消化管からの吸収特性について, in situルーフ.法により検討した。
    1. GFLXは十二指腸, 空腸, 回腸及び結腸から良好に吸収されたが, 胃からの吸収は少なかった。
    2. GFLXは空腸及び回腸から速やかに吸収され, 組織中における蓄積は少なかった。
    3. 種々の新キノロン薬の空腸ループからの吸収率は, 脂溶性の高いものほど高値を示した。GFLXはfleroxacin, ofloxacin, sparfloxacinと同様にほぼ完全に吸収された。
    4. GFLXの空腸ループからの吸収は, 高濃度のアミノ酸及びペプチドによる阻害を受けなかった。一方, 小腸においてジペプチドに特異的な担体により輸送を受けるとされるcephalexinの吸収は, glycineにより阻害されなかったが, glycylglycineにより阻害された。このことからGFLXの小腸における吸収には, アミノ酸またはペプチド輸送担体を介する能動輸送系は関与しないものと考えられた。
  • 伊澤 成, 堀 弥, 小関 望, 草嶋 久生, 小室 正勝, 大久保 秀夫
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 166-174
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新キノロン系抗菌薬gatifloxacin (GFLX) のメラニン親和性を他の同系薬chloroquineおよびbefunololと比較した。また, HPLCによるメラニン含有眼組織内のGFLX濃度測定法を確立した後, その方法を用い, 有色ウサギにおける本薬の眼内動態を検討した。
    1. 牛眼由来の酸不溶性メラニン (0.1mg/mL) に対する結合率はchloroquineが最も強く, ついでbefunolol, ciprofloxacin, norfloxacinまたはpefloxacin, ofloxacin, lomefloxacinまたはGFLX, fleroxacinの順であった。薬物濃度1および10μg/mLにおけるGFLXの結合率はそれぞれ66.9, 36.9%であった。
    2. メラニン含有眼組織内GFLX濃度についてHPLCによる測定法を確立した。本法は, 6M水酸化カリウムの添加により組織をホモジナイズした後, 固相抽出による前処理を行い, HPLCにて分析するものである。分析操作におけるGFLXの回収率, 安定性は良好であり, 本法による実測値は放射能測定法による値とも一致した。
    3. GFLX 30mg/kgを有色ウサギに, 1日1回, 14日間反復経口投与し, 最終投与後8週間までの眼組織内濃度推移を測定した。メラニン非含有組織からのGFLXの消失は速やかであった。虹彩・毛様体内GFLX濃度は最終投与後24時間で214μg/g, 網膜色素上皮・脈絡膜内GFLX濃度は最終投与後2時間で268μg/gの最大値をそれぞれ示した後, 半減期10.7および12.1日で緩慢に消失した。
    以上のことから, GFLXは他のキノロン薬と同様, メラニンに対し親和性を有し, 有色ウサギのメラニン含有眼組織に高濃度で分布することが示された。また, メラニン含有組織に比較的長く留まるものの, メラニンに対する結合は可逆的であることが考えられた。
  • I. 単回経口投与
    中島 光好, 植松 俊彦, 小菅 和仁, 草嶋 久生, 大家 毅, 石田 了三, 内田 広
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 175-207
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    健常成人男子を対象として, 新キノロン系抗菌薬gatifloxacin (GFLX) の臨床第I相試験を行い, 単回経口投与時の安全性および体内動態について検討した。試験ではまず, 本薬の空腹時投与を20mgから開始し, 50, 100, 200, 400および600mgと増量した。また, 食事またはprobenecidの併用による影響について, 同一の被験者においてGFLX200mgの単回経口投与で検討した。
    被験者延べ40例によるいずれの投与量における自覚および他覚症状, 血圧, 脈拍数, 体温, 心電図, 血液学的検査, 血液生化学検査および尿検査において, GFLXの投与と関連のある異常所見は認められなかった。また, 400および600mgの投与における聴力検査, 眼科的検査, 平衡機能検査および尿中薬物結晶検査においても, GFLXの投与と関連のある異常所見は認められなかった。
    GFLX 100, 200, 400および600mgの空腹時単回経口投与では, 最高血清中濃度到達時間 (Tmax) は1.41~2.28時間, 最高血清中濃度 (Cmax) はそれぞれ0.873, 1.71, 3.35, 5.41μg/mL, 無限時間までの血清中濃度-時間曲線下面積 (AUC0-∞) はそれぞれ7.00, 14.5, 32.4, 53.5μg・h/mLで投与量に比例して増加した。消失相における血中半減期 (T1/2β) は, 投与量によらず6.93~8.41時間であった。尿中には投与72時間後までに81.6~87.9%が未変化体として排泄され, 400mg投与後72時間までの糞中排泄率は5.7%であった。また, 血清たん白結合率は薬物の濃度によらずほぼ一定であり, その平均値は約20%であった。唾液中濃度は血清中濃度の約80%であった。食後投与では空腹時投与に比べ, AUCが12.7μg・h/mLとわずかに低下したが, Cmaxは1.65μg/mL, Tmaxは1.86時間, T1/2βは6.52時間であり, 食事の影響はなかった。Probenecid 1.5g (500mg×3) の同時投与では, AUC0-∞が20.6μg・h/mLへ, T1/2βが10.2時間へと, GFLXの単独投与時に比べそれぞれ増加または延長し, 見かけの全身クリアランスは235から164mL/minへ, 腎クリアランスは197から122mL/minへ, 排泄比 (固有腎クリアランス/クレアチニン・クリアランス) は2.28から1.35へとそれぞれ低下した。これらのことから, 本薬の腎排泄には尿細管分泌が関与することが示唆された。
    以上, GFLXの投薬に起因すると考えられる重篤な副作用は認められず, 体内動態および各種細菌に対する抗菌力を考えると, 本薬は各種感染症に対する効果が期待された。
  • II. 反復経口投与
    中島 光好, 植松 俊彦, 小菅 和仁, 草嶋 久生, 大家 毅, 石田 了三, 内田 広
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 208-217
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    健常成人男子6名を対象に, 新キノロン系抗菌gatifloxacin (GFLX) 300mgを, 1日2回, 7日間 (計13回) 反復経口投与し, 安全性および体内動態について検討した。血液生化学検査において, 7日間の投与終了後, 1例の被験者にGPTの一過性の上昇が認められたが, 4日目以降には正常範囲に復した。その他の血液生化学検査, 自覚および他覚症状, 血圧, 脈拍数, 体温, 血液学的検査, 尿検査, 心電図, 脳波, 聴力検査, 眼科的検査, 平衡機能検査には, いずれも異常は認められなかった。また, 薬物による尿中結晶も認められなかった。一方, 投与初日, 4および7日目における血中動態に, 投薬回数の増加による変化は認められず, 血清中濃度の実測値はシミュレーション曲線によく一致した。尿中排泄も速やかであり, 総投与量に対する未変化体の累積尿中排泄率は最終投与後72時間では78.8%であった。血清中濃度および尿中排泄は, 投与開始後2~3日で定常状態に達し, 本剤の体内動態は反復投与時においても線形性が保たれ, 蓄積性はないと考えられた。
    以上, 本剤は健常人における安全性に問題はなく, その良好な体内動態, ならびに強い抗菌活性と広範囲な抗菌スペクトルを考慮すると, 各種感染症に対し十分な治療効果が期待できると考えられた。
  • 柴 孝也
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 218-223
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新キノロン系抗菌薬gatifloxacin (GFLX) の体内動態に及ぼす, 制酸剤乾燥水酸化アルミニウムゲル [Al (OH) 3], 並びに消化性抗潰瘍剤シメチジンの影響を, 6名の健常成人男子志願者において検討した。GFLX200mg服薬後の最高血清中濃度 (Cmax) 及び血清中濃度一時間曲線下面積 (AUC0-∞) は, Al (OH) 3 1gの同時服薬により, それぞれ1.71から0.75μg/mL, 14.4から7.79μg・h/mLへと低下した。また, このとき唾液中のCmax及びAUC0-∞;も, それぞれ1.35から0.36μg/mL, 6.55から3.88μg・h/mLへと低下し, 血清中濃度の変化に対応していた。さらに, 服薬後48時間までの尿中未変化体排泄率は, 72.5から42.3%へと減少した。これに対しGFLXの服薬1時間前にシメチジンを服薬した場合には, これら薬物速度論的パラメータの低下はいずれもみられなかった。このことから, GFLXの胃腸管吸収はAl (OH) 3の併用により半減するが, シメチジンの影響は少ないものと考えられた。
  • 柴 孝也
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 224-229
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新キノロン系抗菌薬gatifloxacin (GFLX) の体内動態に及ぼす鉄剤 (乾燥硫酸鉄) 160mgの同時服薬, 並びに緑茶または牛乳による服薬による影響を, 6名の健常成人男子志願者において検討した。GFLX 200mg服薬後の最高血清中薬物濃度及び血清中薬物濃度-時間曲線下面積 (AUC0~∞) は, 鉄剤の併用により, それぞれ1.97から1.00μg/mL, 14.2から10.1μg・h/mLへと低下した。また, 服薬後48時間までの尿中未変化体排泄率も80.8から65.2%へと低下した。一方, 緑茶による服薬ではこれらの薬物速度論的パラメータに変化はみられず, また牛乳による服薬ではAUC0~∞が14.2から12.0μg・h/mLへと低下したが, その他のパラメータに変化はなかった。このことから, GFLXの胃腸管吸収は鉄剤との併用により低下するが, 緑茶または牛乳による服薬による影響は少ないものと考えられた。
  • 青木 信樹, 柴 孝也
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 230-237
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新キノロン系抗菌薬gatifloxacin (GFLX, AM-1155) の高齢者における体内動態を, 74~86歳の感染症患者5名において検討した。本薬剤100mgを単回服用後, 血清中未変化体は速やかに (0.39~4.74h) ピーク濃度 (0.91~1.36μg/mL) に達し, 以後10.4~17.0時間の半減期 (T1/2β) で消失した。48時間までの未変化体の尿中排泄率は44.4~67.6%であった。被験者間では, クレアチニン・クリアランスの低下と共に, 血清中濃度-時間曲線下面積 (AUC0~∞) は増加し, 逆に見かけの全身クリアランス (CLT/F), 腎クリアランス (CLR) 及び尿中排泄率はいずれも低下する傾向にあった。既報の健常成人 (21~38歳) における成績と比較して, 高齢者ではAUC0~∞が増加し, T1/2βも延長していた。このT1/2βの延長は, CLRの低下, 並びにそれに伴うCLT/Fの低下によるものと考えられた。反復服用時における血清中濃度の予測から, 腎機能が低下した高齢者では, 本薬剤100mgの1日2回の服用が適正な用法・用量と推察された。高齢者においては腎機能に注意し, その低下が予想される場合には本薬剤の1回服用量を減量するなど, 慎重な投与を行うべきであろう。
  • 河田 幸道, 蟹本 雄右, 高橋 義人, 石原 哲, 坂 義人, 仁藤 博, 篠田 俊雄, 斎藤 功, 吉田 雅彦
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 238-247
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    腎機能障害者におけるgatifloxacin (GFLX) の体内動態を検討し, 以下の結論を得た。
    1) クレアチニンクリアランス (Ccr) を指標として腎機能の障害の程度により軽度障害群: 60<Ccr≦90mL/min (I群, n=6), 中等度障害群: 30<Ccr≦60mL/min (II群, n=5), 高度障害群: 10≦Ccr≦30mL/min (III群, n=7) の3群に分けた。
    2) GFLX100mg単回経口投薬後の平均最高血清中濃度は, I群では1.0時間後で1.29μg/mL, II群では1.8時間後で1.22μg/mL, III群では1.9時間後で1.37μg/mLであった。
    3) 血清中濃度-時間曲線下面積はそれぞれ13.4, 20.2, 48.7μg・h/mL, 血中半減期はそれぞれ9.0, 15.7, 30.2時間で, 腎機能障害の程度に相応して増加または延長した。
    4) 投薬後72時間までの尿中排泄率はI群62.7%, II群50.8%, III群36.3%であり, 腎機能障害の程度が強いほど尿中濃度および尿中排泄率は低値であった。
    5) 自・他覚的副作用および臨床検査値異常は認められなかった。
    6) 100mg単回経口投与時の血清中濃度から得られた薬物速度論的パラメータを用い, 反復投薬した場合の血清中濃度をtwo-compartmentopenmodelによりシミュレーションした。その定常状態における最高血清中濃度から判断すると, 常用量を1回200mg1日2回投薬とした場合, 障害の程度が30<Ccr≦90mL/minで1回100mg1日2回, 10≦Ccr≦30mL/minで1回100mg1日1回の投薬が適当であると思われた。
  • 川原 元司, 速見 浩士, 北川 敏博, 牧之瀬 信一, 山内 大司, 中目 康彦, 松下 真治, 内田 洋介, 後藤 俊弘, 大井 好忠
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 248-252
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたフルオロキノロン系抗菌薬であるgatifloxacin (GFLX) のヒト髄液中移行を検討した。腰椎麻酔を必要とした手術症例で中枢神経系疾患のない患者に, GFLXを投与した後, 髄液及び血液を採取し, HPLC法で測定した。
    本薬剤200mg単回経口投与約3時間後の髄液中及び血清中濃度は, それぞれ0.21±0.16, 1.67±0.43μg/mLであり, 髄液/血清濃度比は0.11±0.07であった。
    本薬剤200mgを1日2回, 3日間連続経口投与した場合, 最終投与約3時間後の髄液中及び血清中濃度は, それぞれ0.82±0.31, 2.47±0.96μg/mLであり, 髄液/血清濃度比は0.35±0.10であった。連続投与群の髄液/血清濃度比は, 単回投与群の約3倍高値を示した。
    本薬剤のヒト髄液中への移行性は, 単回投与及び連続投与のいずれにおいても, 他のフルオロキノロン系抗菌薬と同程度であった。安全性について特に問題は認められなかった。
  • 涙液中への移行性の検討ならびに臨床効果の評価
    吉野 啓, 藤原 隆明, 坪井 實
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 253-259
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発された新規のフルオロキノロン系抗菌薬gatifloxacin (GFLX) を眼瞼炎1例, 麦粒腫1例, 結膜炎1例, 瞼板腺炎3例の計6例に投与し, 有効性と安全性について検討した。1回100mgを1日2回経口投与し, 投与期間は3~8日間であった。臨床効果は著効4例, 有効1例, やや有効1例であった。副作用および臨床検査値異常を認めた症例はなかった。有用性は有用5例, やや有用が1例であった。
    また, 本薬剤200mgを健康成人男子9名に空腹時単回投与した時の涙液中濃度を測定した。涙液中のGFLXの濃度は投与後0.5時間で最大値 (1.22±0.90μg/mL) に達し, 涙液/血清比は0.85±0.34であった。
  • 斎藤 篤他
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 260-276
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発された新規フルオロキノロン系抗菌薬gatifloxacin (GFLX) の内科領域感染症に対する臨床的有用性および体内動態を検討した。投与量は本薬剤1回100mg, 150mg, 200mgを, 1日1回または2回投与とし, 投与期間は, 呼吸器感染症および尿路感染症とも原則として3~14日間投与とした。
    1) 臨床効果
    臨床効果の解析対象症例は172例で, その内訳は「著効」37例, 「有効」125例, 「やや有効」4例および「無効」6例で, 有効率は94.2%(162/172) であった。
    2) 細菌学的効果
    細菌学的効果の解析対象症例は72例で, その内訳は「陰性化」64例, 「一部消失または減少」3例, 「菌交代」1例および「不変」4例で, 菌陰性化率は90.3%(65/72) であった。
    3) 安全性
    副作用の解析対象症例は192例で, 副作用発現率は4.2%(8/192) であった。臨床検査値異常の解析対象症例は156例で, 臨床検査値異常発現率は10.3%(16/156) であった。
    4) 有用性
    有用性の解析対象症例は175例で, 有用率は90.9%(159/175) であった。
    5) 体内動態
    喀痰中濃度は, 本薬剤200mgを1日2回反復投与した結果, 投与開始日の2時間後で最高濃度2.13μg/mLを示し, 対血清比は1.09と良好な組織移行性が確認された。
    以上の結果から, GFLXは高い臨床効果と強い抗菌力および良好な組織移行性が認められ, 内科領域感染症に対して1回投与量が100~200mgで1日2回投与することにより十分な臨床効果が期待できる有用な抗菌薬であると考えられた。
  • 斎藤 篤他
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 277-291
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発された新規フルオロキノロン系抗菌薬gatifloxacin (GFLX) の呼吸器感染症に対する有効性, 安全性, 有用性および体内動態を検討した。投与量は本薬剤1回100mg, 150mg, 200mgを, 1日1回または2回投与とし, 投与期間は, 急性気管支炎は最長7日間とし, 慢性気道感染症と肺炎は最長14日間投与とした。
    1) 臨床効果
    臨床効果の解析対象症例は87例で, その内訳は「著効」14例, 「有効」66例, 「やや有効」2例および「無効」5例で, 有効率は92.0%(80/87) であった。
    2) 細菌学的効果
    細菌学的効果の解析対象症例は34例で, その内訳は「陰性化」31例, 「一部消失または減少」1例, 「不変」2例で, 菌陰性化率は91.2%(31/34) であった。
    3) 安全性
    副作用の解析対象症例は97例で, 副作用発現率は6.2%(6/97) であった。臨床検査値異常の解析対象症例は84例で, 臨床検査値異常発現率は11.9%(10/84) であった。
    4) 有用性
    有用性の解析対象症例は89例で, 有用率は84.3%(75/89) であった。
    5) 体内動態
    喀痰中濃度は本薬剤200mgを1日2回反復投与した結果, 投与3日後および投与5日後の第1回目の投与後で2.83~6.94μg/mLを示し, 対血清比は1.60および2.38であった。
    以上の結果から, GFLXは高い臨床効果と強い抗菌力および良好な組織移行性が認められ, 呼吸器感染症に対して投与量が1回100~200mgで1日2回投与した場合, 有用かつ満足できるものと考えられた。
  • 河田 幸道, 熊本 悦明, 折笠 精一, 阿曾 佳郎, 町田 豊平, 斎藤 功, 河村 信夫, 鈴木 恵三, 河邉 香月, 岡田 謙一郎, ...
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 292-307
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    フルオロキノロン系抗菌薬gatifloxacin (GFLX) の泌尿器科領域感染症に対する臨床効果, 安全性および体内動態を検討する目的で, 多施設共同研究により一般臨床試験を実施した。
    対象は急性単純性膀胱炎, 急性単純性腎孟腎炎, 複雑性尿路感染症 (膀胱炎, 腎孟腎炎, 前立腺術後感染症) の患者で, GFLXを1回100mg~300mg, 原則として1日1~2回, 3~14日間投薬した。体内動態については, 血清および尿については薬効評価を行う症例のうちから, また血清および男性生殖器組織については外科的処置等により検体の採取可能な患者で検討し, 以下の成績を得た。
    1. 単純性尿路感染症に対して, 担当医判定による臨床効果は96.4%(53/55例) の有効率であった。また, UTI薬効評価基準による判定が可能であったのは急性単純性膀胱炎の34例で, 総合臨床効果の有効率および原因菌の消失率は, それぞれ100%(34/34例) および100%(47/47株) であった。
    2. 複雑性尿路感染症に対しては, 担当医判定による臨床効果は80.2%(158/197例) の有効率であった。また, UTI薬効評価基準による総合臨床効果の有効率および原因菌の消失率は, それぞれ84.1%(138/164例) および86.2%(206/239株) であった。
    3. 副作用は271例中5例 (1.8%) に認められ, 臨床検査値の異常変動は223例中7例 (3.1%) に認められた。いずれも重篤なものではなく臨床上特に問題になるものはなかった。
    4. 体内動態の検討では, GFLX 100mgまたは200mgを単回投薬後2~4時間に採取した前立腺組織, 前立腺液および精巣上体組織のGFLX濃度は, 対血清比でそれぞれ1.11~2.69, 0.49~1.35, 4.09であり, 前立腺液の一部を除き対血清比1.0以上で, これらの組織への良好な移行性が示唆された。また, 尿路感染症患者の尿中へも良好な移行性が認められた。
    以上の成績から, GFLXは1回用量として100mg~200mgを, 1日1回または2回の投薬で, 尿路感染症に対して高い有効性と安全性が認められ, 男性生殖器系組織への薬物移行も良好であり, 泌尿器科領域の感染症治療において有用性が期待される薬剤と考えられた。
  • 河田 幸道, 熊本 悦明, 折笠 精一, 町田 豊平, 斎藤 功, 鈴木 恵三, 鈴木 和雄, 名出 頼男, 守殿 貞夫, 大森 弘之, 大 ...
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 308-322
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    フルオロキノロン系抗菌薬gatifloxacin (GFLX) の尿路・性器感染症に対する臨床効果, 安全性および男性性器における体内動態を検討する目的で, 多施設共同研究により一般臨床試験を実施した。
    対象は急性単純性膀胱炎, 急性単純性腎孟腎炎, 複雑性尿路感染症, 尿道炎, 前立腺炎, 精巣上体炎の患者で, GFLXを1回100mg~300mg, 原則として1日1~2回 (1日量として150mg~400mg), 3~14日間投薬した。体内動態については, 外科的処置等により男性生殖器系組織および血液の採取可能な患者で検討し, 以下の成績を得た。
    1. 単純性尿路感染症に対して, 担当医判定による臨床効果は96.6%(28/29例) の有効率であった。また, UTI薬効評価基準による急性単純性膀胱炎19例, 急性単純性腎盂腎炎2例の合わせた総合臨床効果の有効率および原因菌の消失率は, それぞれ100%(21/21例) および100%(33/33株) であった。
    2. 複雑性尿路感染症に対して, 担当医判定による臨床効果は68.8%(22/32例) の有効率であった。また, UTI薬効評価基準による総合臨床効果の有効率および原因菌の消失率は, それぞれ70.0%(21/30例) および87.7%(50/57株) であった。
    3. 性器感染症に対しては, 担当医判定による臨床効果は尿道炎で97.1%(34/35例), 前立腺炎で86.7%(13/15例), 精巣上体炎で87.5%(7/8例) の有効率であった。また, UTI薬効評価基準による総合臨床効果の有効率および原因菌の消失率は, それぞれ淋菌性尿道炎では88.9%(8/9例) と88.9%(8/9株), 非淋菌性クラミジア性尿道炎では100%(10/10例) と100%(10/10株), 慢性前立腺炎では100%(9/9例) と100%(14/14株) であった。
    4. 副作用は122例中4例 (3.3%) に認められ, 臨床検査値の異常変動は76例中3例 (3.9%) に認められた。いずれも重篤なものではなく臨床上特に問題になるものはなかった。
    5. GFLX投薬後1~14時間に採取した前立腺および精巣上体の組織中濃度は対血清比1.20~3.28で, これら組織への良好な移行性が示唆された。
    以上の成績から, GFLXは尿路感染症および男性性器感染症に対して高い有効性と安全性が認められ, 男性生殖器組織への薬物移行も良好で, 泌尿器科領域の感染症治療において有用性の高い薬剤であると考えられた。
  • 由良 二郎他
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 323-337
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたニューキノロン系経口抗菌薬gatifloxacin (GFLX, AM-1155) の外科領域における基礎的・臨床的検討を行い, 以下の成績を得た。
    1) 6例についてGFLX150mg, 200mgまたは300mgを単回経口投与し, 体内動態を検討した。その結果, 血清中薬物濃度は投与後4時間に最高値を示し1.17~2.31μg/mLの値であった。胆汁中薬物濃度は投与後24時間までのいずれの測定時間においても血清中薬物濃度を上回り, さらに胆嚢壁内への移行も良好であった。
    2) 外科領域感染症に対する臨床効果は著効37例, 有効23例, やや有効2例および無効6例の有効率88.2%(60/68) であり, 細菌学的効果において陰性化率は89.5%(51/57) であった。また, 菌の消長が確認できた129株における菌消失率は, グラム陽性菌で90.0%(45/50), グラム陰性菌93.1%(27/29) および嫌気性菌100%(50/50), 全体では94.6%(122/129) であった。臨床分離菌132株に対する本剤のMICを測定した結果では, グラム陽性菌, グラム陰性菌, 嫌気性菌に対するMIC90はそれぞれ3.13μg/mL, 0.78μg/mL, 1.56μg/mLであり, 他のニューキノロン系抗菌薬と比べグラム陽性菌, 嫌気性菌に対しては特に優れた値であった。副作用は1例 (1.1%) に軽度の胃部不快感がみられたのみで, 特に問題となるべきものではなかった。臨床検査値異常は1例も認めなかった。
    これらの成績より, 本薬は外科領域感染症に対して有用性の高い薬物であると考えられた。
  • 荒田 次郎他
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 338-350
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規経口フルオロキノロン系抗菌薬GFLXの皮膚組織への移行性ならびに皮膚科領域感染症に対する臨床的検討を多施設共同で行い, 以下の成績を得た。
    GFLX 100mgを単回投与した時の2時間後の皮膚内および血清濃度は, それぞれ1.22~1.39μg/g, 0.85~1.13μg/mLであり, 皮膚内濃度/血清濃度比は1.23~1.44であった。
    臨床的検討において, 分離されたStaphylococcus aureus 22株に対するGFLXのMIC値は≦0.025~0.2μg/mLに分布し, MIC50およびMIC90はともに0.1/μg/mLであった。
    GFLXを1回100mg, 150mgあるいは200mgを1日1~2回投与した時の110例における疾患群別臨床効果は, 第I群 (a) 100%(5/5), 第I群 (b) 100%(2/2), 第II群 (a) 87.8%(36/41), 第II群 (b) 90.9%(20/22), 第III群78.4%(29/37), 第IV群33.3%(1/3) の有効率であり, 全体の有効率は84.5%であった。細菌学的効果は91.1%(82/90) の菌消失率であった。
    副作用は122例中3例 (2.5%) に, 臨床検査値異常は106例中8例 (7.5%) に認められたが, いずれも軽微であった。
    以上の成績より, GFLXは皮膚科領域感染症に対し有用性が期待できる抗菌薬と考えられた。
  • 松田 静治他
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 351-371
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    フルオロキノロン系抗菌薬gatifloxacin (GFLX, AM-1155) の骨盤内性器組織移行性ならびに産婦人科領域の細菌感染症に対する有効性, 安全性, 有用性について検討した。
    1. 骨盤内性器組織移行性の検討:
    手術予定患者において本薬100, 150あるいは200mg経口投与後の血清中ならびに骨盤内性器組織濃度 (子宮内膜, 子宮筋層, 子宮頸部・頸管, 子宮膣部, 卵巣, 卵管) を測定した。各組織の最高組織内濃度 (μg/g) は, 子宮内膜4.42, 子宮筋層4.29, 子宮頸部・頸管3.44, 子宮膣部2.95, 卵巣4.60, 卵管3.85であった。また各組織の血清比は子宮内膜0.77~2.83, 子宮筋層1.00~2.20, 子宮頸部・頸管1.00~2.64, 子宮膣部0.85~2.02, 卵巣0.69~3.07および卵管0.69~2.56であった。2時間以降では140分での卵巣の1検体を除き, すべての組織で上回った。
    2. 臨床的検討:
    (1) 臨床効果: 121例から, 除外症例27例, 脱落症例14例を除いた80例の臨床効果は, 著効9例, 有効69例および無効2例であり, その有効率は78/80 (97.5%) であった。疾患別の有効率は子宮内感染35/36 (97.2%), 子宮附属器炎12/13 (92.3%), 外性器感染13/13 (100%), 子宮頸管炎12/12 (100%), 乳腺炎6/6であった。
    (2) 細菌学的効果: 分離菌別細菌学的効果は45例で検討され, 陰性化率は88.9%であった。分離された74株に対する分離菌別消失率は93.2%であった。また, Chlamydia trachomatisの消失率は100%であり。再燃も認められなかった。
    (3) 安全性: 副作用は評価対象118例中2例 (1.7%) で発現し, 1例は悪心, 1例は頭重感・全身倦怠感であった。臨床検査値異常変動は観察されなかった。
    (4) 有用性: 有用性は評価対象82例で検討し, 極めて有用7例, 有用71例, やや有用1例, 有用でない3例であり, その有用率は78/82 (95.1%) であった。以上の成績より, GFLXは, 産婦人科領域感染症に対して, 臨床的有用性の高い薬剤であると考えられた。
  • 馬場 駿吉他
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 372-386
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規な経口用ニューキノロン系抗菌薬であるgatifloxacin (GFLX, AM-1155) の耳鼻咽喉科領域感染症に対する基礎的, 臨床的検討を行った。
    1) 150mg1回経口投与後の各組織への移行濃度は, 中耳粘膜は2.68~3.64μg/g, 副鼻腔粘膜は0.30~2.49μg/g, 扁桃組織は0.06~3.12μg/gであった。
    2) 耳鼻咽喉科領域感染症96例に対する臨床効果の有効率は, 中耳炎77.8%(28/36), 副鼻腔炎96.4%(27/28), 扁桃炎81.8%(18/22) であった。全体での臨床効果は, 著効48例, 有効33例, やや有効10例, 無効5例であり, その有効率は84.4%(81/96) であった。細菌学的効果はグラム陽性菌85.7%(60/70), グラム陰性菌88.9%(24/27), 嫌気性菌100%(11/11) の消失率であった。副作用は138例中8例 (5.8%) に認められたが, いずれも重篤なものはなかった。また, 臨床検査値異常は97例中2例 (2.1%) に認められたが, いずれも軽度なものであった。
    以上の成績から, GFLXは耳鼻咽喉科領域の各感染症に対して有用性の高い薬剤であると考えられた。
  • 大石 正夫他
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 387-401
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたフルオロキノロン系抗菌薬gatifloxacin (GFLX) の眼科領域感染症における基礎的, 臨床的有用性の検討を行った。
    1) 抗菌力: 標準株35株に対するGFLXの抗菌力はtosufloxacin (TFLX) および sparfloxacin (SPFX) と同等で, ofloxacinより優れていた。標準菌株35株中Pseudomonas aeruginosaの1株を除き, 全ての菌株がGFLX 200mg 1回経口投与時に得られる血清中濃度 (1.71μg/mL) 以下のMIC値であった。教室保存のStphylococcus aureus (20株) に対するGFLXのMIC90は0.10μg/mLでTFLXおよびSPFXと同等であった。
    P.aeruginosa (20株) に対するGFLXのMIC90は3.13μg/mLであり, 抗菌力はSPFX とTFLXの中間に位置していた。
    2) ヒト眼内動態: 前房水中, 瞼板腺内および結膜内濃度は200mg単回経口投与後, それぞれ0.04~0.22μg/mL (2.37~24.03時間後, 対血清比0.09~0.60), 4.36~6.02μg/g (1.87~2.5時間後, 対血清比2.71~3.17), 2.27~3.46μg/g (2~2.37時間後, 対血清比1.22~1.48) であった。
    3) 臨床試験: 臨床効果の解析対象例44例に対する本薬剤1回100mgまたは150mg, 1日2回および1回200mg, 1日1回または2回経口投与時の臨床効果は著効34例, 有効7例, やや有効2例, 無効1例で有効率は93.2%(41/44) であった。起炎菌の明らかとなった25例における細菌学的効果 (菌陰性化率) は, 92.0%(23/25) であった。副作用の解析対象例46例における副作用は, 腹部異和感1例 (2.2%), 臨床検査値の解析対象例18例における臨床検査値異常は, LAP上昇1例 (5.6%) であり, 有用率は93.2%(41/44) であった。
    以上, GFLXについて基礎的ならびに臨床的検討を行った成績から, 本薬剤は各種細菌性外眼部感染症に対して, 1回100mg1日2回の投与でも有用性が期待できる経口抗菌薬と考えられるが, 症状および重症度によっては用量を増やした検討の必要があると考えられる。
  • 佐々木 次郎, 金子 明寛, 椎木 一雄, 道脇 幸博, 道 健一, 菅野 和幸, 大野 朝也, 山本 忠, 山根 伸夫
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 402-418
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    フルオロキノロン系抗菌薬gatifloxacin (GFLX, AM-1155) について歯科・口腔外科領域への適応を基礎的, 臨床的に検討し以下の成績を得た。
    1) 手術予定患者に150mgを内服させた後の体液組織移行は, 歯肉0.97~7.28μg/g, 歯槽骨0.13μg/g, 口蓋粘膜1.67μg/g, 嚢胞3.51μg/gであった。
    2) 抜歯予定患者に100mgを内服させた後, 抜歯時に抜歯創に貯留した血液の濃度を測定した。個人差はみられたが, 投与後0.2~5.6時間で, <0.01~1.59μg/gであった。
    3) 臨床効果については1日200~400mgを投与した結果, 主治医判定では評価対象症例76例において有効率は82.9%であった。点数判定では評価対象症例67例において有効率は85.1%であった。
    4) 副作用は8例 (7.7%) に認められた。いずれも重篤な症状ではなく投与継続中もしくは投与中1上によりすべて消失した。臨床検査値異常は2例 (2.8%) に認められた。
    以上の成績より, GFLXは歯科・口腔外科領域の感染症に対し1日200~400mg投与で優れた治療効果を示し, 安全性にも問題が認められないことから, 本領域の感染症の治療に有用な薬剤となりうると考えられた。
  • 斎藤 篤他
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 419-437
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    フルオロキノロン系抗菌薬gatifloxacin (GFLX) の呼吸器感染症に対する至適臨床用量を検討する目的で, 慢性気道感染症を対象として100mg×2回/日 (L群), 150mg×2回/日 (M群), 200mg×2回/日 (H群) の3群間で無作為割付けによる二重盲検群間比較試験を実施した。成績の概略は以下のとおりであった。
    1) 臨床効果: 臨床効果の解析対象例は104例で, 3群の有効率はL群97.1%(33/34), M群87.5%(28/32), H群94.7%(36/38) であり有意差は見られなかった。3群の著効率はそれぞれL群5.9%(2/34), M群6.3%(2/32), H群21.1%(8/38) であった。
    2) 細菌学的効果: 細菌学的効果の解析対象例は59例で, 3群の細菌学的効果 (菌陰性化率) はL群75.0%(18/24), M群76.5%(13/17), H群72.2%(13/18) であった。
    3) 安全性: 副作用の解析対象例は114例で, 3群の副作用発現率はL群5.1%(2/39), M群2.9%(1/35), H群7.5%(3/40) であった。また, 臨床検査値の解析対象例は106例で, 3群の臨床検査値異常発現率はL群14.7%(5/34), M群0%(0/34), H群5.3%(2/38) であった。
    4) 有用性: 有用性の解析対象例は107例で, 3群の有用率はL群94.3%(33/35), M群84.9%(28/33), H群92.3%(36/39) であった。
    慢性気道感染症に対するGFLXの臨床効果および細菌学的効果において3群間でほぼ同様の結果が得られ有意差は見られなかったが, 投与量群別臨床効果におけるH群の有効率は94.7%(36/38) であり, さらに著効率は21.1%(8/38) とL群5.9%(2/34) 及びM群6.3%(2/32) より高かった。層別解析の結果, 気管支拡張症 (感染時) 及び重症度別臨床効果の中等度のH群がL及びM群より優れていた。一方, 副作用及び臨床検査値異常に用量依存性はみられず, 副作用の種類や程度も各群間で同様なものであった。
    以上の結果より, 慢性気道感染症に対するGFLXの至適臨床用量は200mg×2回/日が妥当と考えられた。
  • 河田 幸道他
    1999 年 47 巻 Supplement2 号 p. 438-451
    発行日: 1999/09/27
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発されたフルオロキノロン系抗菌薬gatifloxacin (GFLX) の複雑性尿路感染症に対する至適臨床用量を検討する目的で, 3用量群の無作為割付けによる二重盲検群間比較試験を行った。
    カテーテル非留置の複雑性尿路感染症患者143例を対象として, GFLXの100mg1日2回 (L群), 150mg1日2回 (M群), 200mg1日2回 (H群) をそれぞれ7日間経口投与し, UTI薬効評価基準 (第3版) に従って臨床効果を判定し, 以下の成績を得た。
    1. 有効性の評価対象症例はL群37例, M群39例およびH群37例の計113例で, 3群の患者背景に有意差を認めなかった。
    2.総合臨床効果は, L群86.5%(32/37), M群82.1%(32/39) およびH群94.6%(35/37) の有効率であり, 3群に有意差を認めなかった。
    3. 細菌学的効果は171株で検討され, 菌消失率はL群90.7%(49/54), M群90.3%(56/62) およびH群96.4%(53/55) であり, 3群に有意差を認めなかった。
    4. 副作用はL群の2.1%(1/48), M群の6.5%(3/46) およびH群の2.1%(1/48) に認められたが消化器症状がほとんどで, また臨床検査値異常はL群の4.5%(2/44), M群の2.2%(1/45) およびH群の2.3%(1/44) に認められたが, いずれも3群に有 意差を認めなかった。副作用および臨床検査値異常に重篤なものはなかった。
    5. 有用性スコアの平均値はL群81.2, M群81.5およびH群85.9で, 3群に有意差を認めなかった。
    以上のように, 臨床効果および細菌学的効果において3群に有意差を認めなかったが, H群の有効率および菌消失率が最も高く, 安全性においても問題がなかったことから, 複雑性尿路感染症に対するGFLXの至適臨床用量は1回200mg1日2回が妥当であると考えられた。
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