日本化学療法学会雑誌
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48 巻 , 10 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 宮崎 修一, 藤川 利彦, 山口 惠三
    2000 年 48 巻 10 号 p. 763-767
    発行日: 2000/10/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    最近分離されたHaemophilus influenzaeに対するazithromycinの抗菌力 (MIC90: 2μg/mL) はclahthromycin, ampicillinより4倍以上強かったが, cefdinir, cefcapeneの1/2であった。マウス気管支肺炎モデルにおいて, 1日2回3日閥50mg/kgを連続投与した場合, azithromycinとcefcapene pivoxilの治療効果は他の抗菌薬投与群に比べ有意差をもって債れていた。一方, 100mg/kgを1回のみ投与した場合, 抗菌薬投与24時間後まではazithromycinとcefcapene pivoxil投与群の治療効果はclarithromycin, ampicillinおよびcefdinir投与群に比べ有意差をもって優れていた。48時間後の場合, azithromycin投与群の治療効果はその他の抗菌薬投与群に比べ, 有意差をもって優れていた。感染菌に対するcefcapene, cefdinir, ampicillinの抗菌力はazithromycinより4倍以上強かった。これら成績は, azithromycinの良好な組織移行性が治療効果に反映していることを示している。
  • 佐藤 久聡, 前原 信敏, 井川 房欣, 斎藤 洋介, 阿知波 信夫, 松井 英則, 小宮山 寛機
    2000 年 48 巻 10 号 p. 768-774
    発行日: 2000/10/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    水道水に少量の食塩を添加後隔膜を介して眠気分解し階極側から生成された強酸性電解水 (酸性水) は薬剤耐性菌を含めた種々の微生物に対して優れた殺菌効果を示す。また陰極側から生成される強アルカリ性電解水 (アルカリ水) は器物に付着した有機物を除去する効果が期待されている。一方, 贋房内の機器に付着した細菌は食中毒の一因にもなっており有効な洗浄・消毒剤が望まれている。そこで, 食中毒防止のため, われわれは厨房内の器物に対する電解水を用いた有効な消毒方法について検附した。はじめにタイル, ステンレスおよびガーゼ小片に0.1%のスキムミルクとともに付着したEscherichia coli, Staphylococcus aureusおよびSalmonella typhimuriumに対する電解水の殺菌効果を調べた。これらの細菌は次亜塩素酸ナトリウム液 (次亜水) および酸性水での消毒により103個以上の細菌数が101~0に減少した。ただし, 1%のスキムミルクとともに付着した細菌については, 次亜水および酸性水での消毒後にも生残していた (102~101個)。しかし, アルカリ水での洗浄後に酸性水で消毒したところ101~0個に減少した。次いで市中のスーパーマーケット厨房内の汚染された器物 (たとえば, 狙板, 長靴, 包丁など) を対象にしてアルカリ水での洗浄後に酸性水で消毒した。汚染菌は上記の処置により水道水での洗浄後に次亜水で消毒する従来の方法と比較し, ほぼ同等の効果ないしは対象によっては優れた効果が認められた。したがって, 有機物の混入が多い厨房の除菌には, 水道水感覚で使用できる電解水 (強酸性電解水, 強アルカリ性電解水) がきわめて有効な方法であると考える。
  • 石丸 直澄, 羽地 則雄, 柳 久美子, 林 良夫
    2000 年 48 巻 10 号 p. 775-779
    発行日: 2000/10/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    シェーグレン症候群モデルNFS sldマウスに自己免疫病変の発症しはじめる4週齢よりfosfomycin (FOM) を腹腔内投与すると, 12週齢にて対照群に比較してFOM投与群に痢変の抑制効果が認められた。また, 8週齢および12週齢でのFOM投与群の唾液腺組織におけるTUNEL陽性腺上皮細胞は有意に減少していた。ヒト唾液腺細胞株 (HSG, HSY) のFasを介したアポトーシスは低濃度域 (0.001~0.1μg/mL) のFOM前処理にて阻害され, さらに唾液腺特異的自己抗原α-fodrinの分断化を抑制することが明らかとなり, そのメカニズムとしてカスパーゼ (ICE, CPP 32) 活性のFOMによる抑制効果が示された。したがって, FOMが臓器特異的自己免疫疾患の治療に応用可能であることが示唆される。
  • 眞島 利匡, 三笠 桂一, 坂本 正洋, 濱田 薫, 古西 満, 前田 光一, 善本 英一郎, 村川 幸市, 高橋 賢, 喜多 英二, 成田 ...
    2000 年 48 巻 10 号 p. 780-785
    発行日: 2000/10/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    14員環マクロライド系抗菌薬clarithromycin (CAM) はbiological response modifer (BRM) 作用を有し, 非小細胞肺癌患者への投与により生存期間の延長・quality oflife (QOL) の改善が得られた。今回. 臨床的検討として抗痛化学療法・放射線療法を施行しなかったCAM投与非小細胞肺癌患者を対象に末梢血単核球中のcytokinemRNAの変動を検討した。その結果, CAM投与後に1L-12, IFN-γは増強し, IL-10は抑制された。また基礎的検討としてマウス肺癌モデルにCAMを経口投与し脾細胞のcytokine mRNAの変動を検討したところCAM投与後に1L-12, IFN-γmRNAは増強し, IL-6, 1L-10mRNAは抑制された。以上からCAMの投与は非小細胞肺癌の担痛状態でのcytokineをTh 1優位に導くことが示唆された。
  • アイルランドと本邦の慢性気道感染症例の薙について
    二木 芳人, 青木 信樹, 小林 宏行, 長島 正人, 松森 浩士
    2000 年 48 巻 10 号 p. 786-792
    発行日: 2000/10/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    近年, 新規抗菌薬の臨床開発に際して, ブリッジング試験が実施される機会が増加している。その場合, 特に問題となるものにわが国の慢性気道感染症と欧米の慢性気管支炎の急性増悪, それぞれで評価される症例間の相違が挙げられる。この点は, しばしば欧米の研究者と討議されてきたが, 明確な比較をすることが今後のわが国の抗菌薬臨床評価法を考える上できわめて重要と思われ, 本検討を実施した。今回, trovafloxacin第3相試験に参加し, 慢性気管支炎の急性増悪症例を数多く経験しているアイルランドの1施設 (O'Doherty Clinic, Wexfbrd, Ireland) を訪問し, 現地の担当医, 放射線科医師と診断, 重症度, 組み入れ基準などを症例ごとに検討し, わが国の基準と比較した。18症例の詳細な検討では, 慢性気管支炎の急性増悪は臨床的診断であり, 臨床経過と膿性痰の存在およびそのグラム染色鏡検結果がもっとも重要視されている。わが国の基準で必要とされるCRP値や白血球数あるいは発熱の有無などは評価されていない。この結果全体としてわが国の症例よりやや軽症例が多い。一方, 胸部X線の検討では, 陳旧性肺結核や肺気腫あるいは気管支拡張症などの器質的障害を有する症例も5例あり, 純粋な慢性気管支炎のみが対象となっていないことが明らかであった。ただし, 嚢胞性肺線維症は含まれず, また, 緑膿菌の持続排菌例なども含まれていない。また, 喀痰グラム染色の重視から起炎菌の判明率は高かった。今回の比較検討症例は限られた例数であったが, 原則的に欧米の慢性気管支炎の急性増悪とわが国の慢性気道感染症との症例間では類似性が高く, 大きな差異は重症度がわが国でやや高い方に偏るのではないかと考えられた。
  • 赤木 真治, 横山 隆, 竹末 芳生, 村上 義昭, 今村 祐司, 金廣 哲也, 大毛 宏喜, 坂下 吉泓, 松浦 雄一郎
    2000 年 48 巻 10 号 p. 793-797
    発行日: 2000/10/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    消化器手術後の感染症で問題となるPseudomonas aeruginosa, Enterobacterに強い抗菌力を有するため, 術後のempiric therapyに用いられるcefozopranの腸内細菌叢への影響を検討するため, 胃切除患者9例を対象に術中・術後にcefozopranを投与 (3g/日, 4日間) し, 前後の糞便中の各種細菌数を算出した。嫌気性菌総菌数は有意差なく (前: 9.90±0.95→ 後: 9.94±0.50 log CFU/g), 菌種別ではVeillonellaで低下傾向 (p=0.07) を示したが。Bacteroides spp., Eubaeterium spp., Bifidobacterium spp.では有意な変化は認めなかった。好気性菌では総菌数に変化なく, 主要菌であるEscheichia coliも温存されていた。Enterococcusspp.で有意な上昇を認めたが, Clostridium difficile, Pseudomonas aeruginosa, Candida spp.などの耐性菌の増加は認めなかった。以上より, cefbzopran術後4日間の投与では, 腸内細菌叢の生態系はほぼ維持されたと推察した。しかし, 治療的抗菌薬である当薬剤は予防抗菌薬の後に使用されることが多く, 予防抗菌薬3日間使用後の当薬剤を投与した際の腸内細菌叢への影響を検討する必要があると考えた。
  • 2000 年 48 巻 10 号 p. 798-815
    発行日: 2000/10/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
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