日本化学療法学会雑誌
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48 巻 , 12 号
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  • 熊澤 淨一
    2000 年 48 巻 12 号 p. 883-891
    発行日: 2000/12/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    日本化学療法学会は化学療法の発展を図り, 広くこの方面の研究の促進, 知識の交流および普及を目的とし1946年から歴史がはじまっている。本学会が関与してきた抗菌薬開発の流れとしてはナリジクス酸, ピペミド酸, ニューキノロンへと続く1つの大きな流れがあった。オールドキノロンとよばれる主としてグラム陰性菌に抗菌力を示すナリジクス酸が1962年に誕生し以降種々の同系薬が開発された。しかし抗菌スペクトラム, 尿中回収率, 代謝などが課題とされていた。これらを解決するものとしてフッ素とピペミド酸を合体したオールドキノロンとは異なる構造をもついわゆるニューキノロンとして1984年にノルフロキサシンが世界で最初に開発/承認された。抗菌スペクトラムがグラム陽性菌まで拡大し, グラム陰性菌に対して一段と強い抗菌力をもったことから適応が尿路感染症, 腸管感染症, 耳鼻科感染症に加え, 上気道感染症, 浅在性化膿性疾患まで拡大された。よりすぐれた同系薬の開発はオフロキサシンをはじめ多くの製品が開発されたが, そのすべてを本学会として臨床治験を行っている。しかし, 小児適応については現在もノルフロキサシンしか取得されていない。ニューキノロンは優れた抗菌薬であるが, 副作用について当初から指摘されていた関節障害は臨床例では認められなかったものの中枢神経作用, 光毒性など当初想定していなかったものが臨床試験開始後, 市販後に明らかになってきた。光毒性については幸いなことに改善を期待できる薬剤が開発されている。本学会はこのような新抗菌薬の評価を含め今後も化学療法に関する研究, 調査に力を注いでいくべきであり, 学会誌, 学術集会, 研究会そして関連学術団体との共同研究も実施し続けなくてはならない。
  • 小笠原 圭子, 佐藤 勝昌, 冨岡 治明
    2000 年 48 巻 12 号 p. 892-897
    発行日: 2000/12/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    WQ-3034およびHSR-903は, グラム階性球菌に特に優れた抗菌力を有する新規キノロン薬であるが, 今回は, これらの薬剤のin vitro抗結核菌ならびに抗Mycobacterium avium complex (MAC) 活性について, sitafloxacin (STFX), gatifloxacin (G-FLX), sparfloxacin (SPFX), levofloxacin (LVFX), ciprofloxacin (CPFX) との比較検討を行った。まず, 7H11培地を用いた寒天平板希釈法で測定したMIC50の比較では, RFP感受性結核菌に対してはSTFX, GFLX (各0.1μg/mL)<SPFX (0.2μg/mL)<LVFX (0.39μg/mL)<WQ-3034, HSR-903, CPFX (各0.78μg/mL) の順であり, RFP耐性結核菌に対してはST既GFLX (各0.39μg/mL)<SPFX,。また, RFP感受性MACに対するMIC50はSTFX, GFLX (6.25μg/mL)<SPFX, HSR-903 (各12.5μg/mL)<LVFX, WQ-3034, CPFX (各25μg/mL) の順であり, RFP耐性MACに対してはSTFX, SPFX (各1.56μg/mL)<GFLX, WQ-3034, HSR-903, CPFX (各3.13μg/mL)<LVFX (6.25μg/mL) の順であった。なおMIC90値についてもおおむね同様な成績が得られている。次に, 供試薬剤を血中Cmax濃度で添加した場合のMono Mac 6ヒトマクロファージ細胞株 (MM6-MΦ) およびA-549ヒトII型肺胞上皮細胞株内局在結核菌 (93062株) に対する抗菌活性についてみたところ, SPFX≧LVFX>WQ-3034>CPFXの順の活性が認められた。また, MIC濃度で加えた場合のMM6-MΦ 内局在結核菌 (Kurono株) に対する抗菌活性はWQ-3034≧HSR-903>LVEXの順であった。以上の成績より, WQ-3034やHSR-903の抗マイコバクテリウム活性はLVFXとほぼ同等と考えられる。したがって, キノロン薬においてはグラム陽性球菌に対する抗菌力の増強は, 結核菌やMAC菌に対する抗菌力の増強には必ずしもつながらないものと考えられた。次に, WQ-3034, HSR-903各単独ならびに他剤との併用での細胞外MAC菌に対する抗菌活性について検討したところ, 両キノロン薬の抗菌力はclarithromycinやrifampicinとの併用により, かえって減弱するものの, isoniazidとの間には有意な併用効果が認められることが明らかになった。
  • 宮下 琢, 島本 祐子, 斧 康雄, 山岡 利守, 小澁 陽司, 伊藤 匡, 松本 かおる, 杉山 肇, 西谷 肇, 國井 乙彦
    2000 年 48 巻 12 号 p. 898-902
    発行日: 2000/12/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    抗菌薬の液性免疫に対する作用を検討する目的で, 健常成人の末梢血から分離した丁細胞とB細胞を各種抗菌薬の存在下で混合培養し, 培養上清中のIgG産生と細胞増殖を検肘した。Erythromycin, darithmmycin, fosfbmycin, tobramycin, amikacinを最終濃度1μg/mLあるいは5μg/mLの存在下で培養したとき, 培養上清中のIgG濃度は, 築剤非存在下で行ったコントロール培養の濃度とほぼ同程度であった。Grepafloxacinは, 1μg/mL以下で用いた場合はコントロールと同程度であったが, 5μg/mL以上ではIgG濃度が有意に低下し, 明らかな抑制作用を示した。しかし, 同じキノロン薬でもofloxacinは。1μg/mLおよび5μg/mLでIgG濃度に影響をおよぼさず, 抑制作用は認められなかった。IgG濃度に影響しなかった6薬剤は, 細胞増殖についてもあきらかな影響をおよぼさなかった。一方grepafloxacinは, 1μg/mL以下の濃度ではコントロールと有意差はなかったが, 5μg/mL以上であきらかに細胞増殖を抑制した。以上の結果から, 今回使用した薬剤のなかでは, 唯一grepafloxacinが液性免疫に対する免疫修飾作用を有している可能性が示唆された。この作用は, 臨床的に到達可能な濃度で示されたことから, 注目すべき抗菌外作用の1つと考えられる。
  • 宮崎 修一, 藤川 利彦, 山口 惠三
    2000 年 48 巻 12 号 p. 903-907
    発行日: 2000/12/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    最近日本において, アンピシリン耐性Haemphilus influeniae, 特にβ-lactamase非産性アンピシリン耐性 (BLNAR) 株の増加が問題になっている。本菌種は市中呼吸器感染症の主要原因菌の1つであり, 使用頻度の高い経口第3セフェム系薬のアンピシリン耐性株に対する有用性を比較検討した。アンピシリン感受性株, β-lactamase産生株, BLNAR株によるマウス気管支肺炎モデルを用いて, 各薬剤を20mg/kg1日2回3日間投与し, 残存生菌数を測定した。Cefditoren pivoxil, cefcapen epivoxil, cefbodoxime proxetil投与群がいずれの菌株感染モデルにおいても他の比較抗菌薬に比べ優れた治療効果を示した。これら3つの抗菌薬のなかで, 3株の感染菌に対するin vitro抗菌力がもっとも強かったのはcefditorenであり, 次いでcefbapeneであった。Cefpodoximeの抗菌力はこれら抗菌薬の約1/4以下であった。以上の成績から, 治療効果にはin vitro抗菌活性の他に感染部位での抗菌薬の体内動態や蛋白結合率など他の要因の関与も示唆された。
  • 花谷 勇治, 小林 昶運, 小平 進, 宜保 淳一, 藤田 正信, 戸枝 弘之
    2000 年 48 巻 12 号 p. 908-912
    発行日: 2000/12/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    食道癌19症例 (原発巣13検体, 転移巣12検体, 生検組織13検体) を対象にコラーゲンゲルドロップ包埋培養による抗癌薬感受性試験 (CD-DST) を行った。CD-DSTの培養成功率は, 原発巣85%, 転移巣92%, 生検組織69%であった。7日間培養における食道癌の腫瘍増殖率 (7.33±8.43) は胃癌のそれ (2.68±2.95) に比べ有意に高値を示した。原発巣の薬剤感受性は, cisplatin 45%, 5-fluorouradl 45%, mitomycinc 40%, adriamycin 20%, etoposide 18%であった。食道癌では多剤耐性の腫瘍の比率は27%であり, 胃癌のそれ (67%) に比べ低率であった。原発巣の薬剤感受性 (T/C比) と転移巣のそれとの間には有意の相関を認めた。5-fluorouracilの抗腫瘍効果はその接触条件によって差を認めなかった。CD-DSTにより, 計測可能病変を有する4例中3例の臨床効果を予測することが可能であった。
  • 2000 年 48 巻 12 号 p. 917a
    発行日: 2000年
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
  • 2000 年 48 巻 12 号 p. 917b
    発行日: 2000年
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
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