日本化学療法学会雑誌
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48 巻, 2 号
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  • 澤井 哲夫, 小原 康治, 大沼 雅江, 中村 昭夫, 内藤 泰代, 仲澤 今日子
    2000 年 48 巻 2 号 p. 101-106
    発行日: 2000/02/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    臨床分離菌の生産するβ-ラクタマーゼのクラスA, B, CおよびDへのクラス鑑別を, 3種のβ-ラクタマーゼ阻害剤を利用して簡便, 迅速に行う方法を考案した。阻害剤としてクラブラン酸, カルバペネム誘導体 (J-110,441) およびモノバクタム誘導体 (Syn-2161) を用いた。J-110,441およびSyn-2161はそれぞれ, クラスBβ-ラクタマーゼおよびクラスCβ-ラクタマーゼに対する新阻害物質である。アンピシリン抗菌活性 (MIC) への阻害剤併用効果から, 被験菌の生産するβ-ラクタマーゼのクラス鑑別を行った。生産するβ-ラクタマーゼ活性とそのクラスの明らかな7菌種, 計14菌株を被験菌として本鑑別法を適用し, クラスA/D, クラスB, クラスCの各生産菌をMICパターンから鑑別できた。MIC測定は一般的な微量液体希釈法を用いたが, ATP-bioluminescence法 (Hattori N., et al. Antimicrob. Agents Chemother., 42: 1406~1411, 1998) を適用すると, 鑑別時間は5分の1以下に短縮でき, 同一の判定結果が得られた。
  • 花谷 勇治, 小平 進, 浅越 辰男, 宜保 淳一, 戸枝 弘之, 川上 小夜子
    2000 年 48 巻 2 号 p. 107-111
    発行日: 2000/02/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    最近10年間に留置した中心静脈カテーテル (CVC) 2,202本を対象とし, CVC感染の重症度判定と治療方針について検討した。CVC留置中に38℃ 以上の発熱を認め, 他に明らかな感染源がなく, CVC先端培養が陽性の場合, あるいはCVC抜去により72時間以内に解熱した場合にCVC感染陽性と判定した。CVC感染で血圧低下 (収縮期血圧90mm Hg以下) および/あるいは合併症 (急性腎不全, 心不全, 呼吸不全, 眼内炎) を呈した症例を重症と判定した。CVC感染発生率は10.6%(233本) で, このうち15.5%(36本) が重症化した。性別, 年齢, 基礎疾患の良悪, 併存症の有無, CVC留置期間により重症化率に有意差を認めなかった。発熱からCVC抜去までの期間が72時間を超えると重症化率が25.9%と有意に高率となった (P<0.05)。最高体温が39℃以上で, 白血球数が10,000/mm3以上の場合には重症化率が36.7%と有意に高率であった (P<0.001)。CVC感染からの検出菌はグラム陽性球菌 (GPC) が42.0%, 真菌が39.5%, グラム陰性桿菌 (GNR) が16.6%であった。GPCとGNRの半数以上がいわゆる耐性菌であり, 適切な抗菌薬の選択にはCVC先端および血液の培養が必須と考えられた。検出菌の年次推移をみると, 真菌の有意の減少を認めた (P<0.01)。単独菌検出例での重症化率はGPC 2.6%, GNR 40.0%, 真菌26.5%で, GPCの重症化率は有意に低率であった (P<0.01)。CVC感染の重症化予防のため, CVC早期抜去の重要性が再確認された。体温が39℃ 以上で白血球数が10,000/mm3以上の症例は中等症と判定し, 重症に準じて取り扱う必要があると考えられた。軽症はCVC抜去のみで経過をみてよいが, 中等症と重症は CVC抜去とともに抗菌薬投与を開始すべきと考えられた。CVC感染の治療にはカルバペネムを第一選択とし, 血中β-D-グルカン定量が陽性の場合にはアゾールを併用する必要があると考えられた。症状の改善が得られない場合あるいは重症化する場合には, vancomycinを併用すべきと考えられた。
  • 坂本 正洋, 三笠 桂一, 眞島 利匡, 古西 満, 前田 光一, 善本 英一郎, 村川 幸市, 高橋 賢, 喜多 英二, 成田 亘啓
    2000 年 48 巻 2 号 p. 112-116
    発行日: 2000/02/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    14員環マクロライド系抗菌薬clarithromycin (CAM) がBRM活性を有し, 切除不能非小細胞肺癌患者の生存期間をquality of lifeを損うことなく延長することを報告してきた。今回, 月以上の長期生存例 (responder: R群) 11例と6か月未満の短期死亡例 (non-responder: N群) 25例とで背景因子を比較した。全症例の50%生存期間は63週で扁平上皮癌78週, 腺癌49週, 大細胞癌68週であった。R群で組織型は扁平上皮癌が8例 (73%) と多く, 臨床病期はIV期が3例 (27%) と少なかった。前治療内容ではR群は化学療法単独施行例は1例 (9%) のみで9例 (82%) が放射線療法を含む前治療を受けていたが, N群では化学療法単独施行例は9例 (36%) で, 放射線を含む治療を受けたのは12例 (48%) であった。またR群ではperformance status (p. s.) 良好例が多く, CAM投与3か月後には臨床指標である体重, ヘモグロビン, コリンエステラーゼ, アルブミンの有意な増加が認められたが, N群では有意な変動はなかった。血清中IL-6はN群はR群と比較してCAM投与前でも有意に高く3か月後もなお高値であったが, R群では投与前でもIL-6は低値で投与3か月後にはさらに低下した。CAMのresponderと考えられる長期生存例は扁平上皮癌でp. s. が良好であり, 放射線療法を含む前治療を受けたIII期症例が多く, 血清中IL-6とCAM投与3か月後の体重, ヘモグロビン, コリンエステラーゼ, アルブミンとはCAM投与非小細胞肺癌患者の予後予測に有用であると考えられた。
  • 砂川 慶介, 渡辺 彰, 小野寺 昭一, 川合 眞一
    2000 年 48 巻 2 号 p. 117-129
    発行日: 2000/02/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
  • 2000 年 48 巻 2 号 p. 130-142
    発行日: 2000/02/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
  • 2000 年 48 巻 2 号 p. 142-155
    発行日: 2000/02/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
  • 2000 年 48 巻 2 号 p. 161
    発行日: 2000年
    公開日: 2011/08/04
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