尿路感染症を除く各種感染症の患者から分離された2,197株の臨床分離菌について, trovafloxacinおよび各種抗菌薬に対する薬剤感受性を微量液体希釈法で測定した。試験菌株は, 1997年から1999年の間に本邦の14施設において分離された。Trovafloxacinは, グラム陽性菌に対して他のフルオロキノロン系抗菌薬 (cipronoxacin, tosufloxacin, sparnoxacin, levofloxacin) およびセフェム系抗菌薬より強い抗菌活性を示した。Methicillin-susceptible
Staphylococcus aureus, Streptococcus pyogenes, Streptococcus pneumoniaeおよび
Streptococcus agalactiaeに対するtrovafloxacinのMIC
90は, それぞれ0.03, 025, 0.25および0.5 μg/mLであった。また, trovafloxacinはペニシリン耐性
S.pneumoniaeに対して, ペニシリン感性株の場合と同様の良好な活性を示した。
Enterococcus faecalisおよび
Entmcoccus faeciumに対するtrovafloxacinの抗菌活性は, 他のフルオロキノロン系抗菌薬と同様に弱かったが, trovafloxacinは,
Enterococcus aviumに対して他の抗菌薬より強い活性 (MIC
90: 2μg/mL) を示した。
Escherichia coli, Klebsiella pneumoniae, Citrobacter freundii, Enterobacter aerogenes, Proteus vulgarisおよび
Morganella morganiiに対するtrovafloxacinの抗菌活性 (MIC
90: 0.12~1μg/mL) は, セフェム系抗菌薬およびimipenemの活性と比較して, 同程度あるいはより強力であった。
Moraxella catarrhalisおよび
Haemopkilus influenzaeに対して, trovafloxacinおよび他のフルオロキノロン系抗菌薬は, 非常に強い活性 (MIC
90: ≤0.015~0.06μg/mL) を示した。Trovafloxacinを含むフルオロキノロン系抗菌薬 (MIC90: 4~8μg/mL) は,
Pseudomoms aeruginosaに対して他の抗菌薬より強い活性を示した。
Bacteroides fragilisに対してtrovafloxacinは, もっとも強い抗菌活性 (MIC
90: 2μg/mL) を示した。
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