日本化学療法学会雑誌
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49 巻 , 9 号
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  • 坂田 宏
    2001 年 49 巻 9 号 p. 531-534
    発行日: 2001/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    対象は2000年1月から2001年3月までに子宮内感染が疑われ, cefozopran (CZOP) を投与した2ないし3日齢の新生児9名である。在胎週数は29週と4日から40週と3日, 出生体重1,356gから3,410gであった。CZOPはone shot静注で投与し, 投与量は19.6mg/kgから25.0mg/kgの範囲であった。成熟児3名の血中半減期の平均値は2.31時間, 静注後30分での血中濃度の平均値は45.8μg/mL, 低出生体重児3名の半減期の平均値は2.21時間, 静注後30分での濃度の平均値は59.7μg/mLであった。両者をあわせた半減期は2.26±0.43時間, 静注後30分での濃度は51.4±14.7μg/mLであった。腎障害を伴った3名の半減期はそれぞれ9.31, 16.64, 18.79時間で著明に延長していた。
  • 山口 英世
    2001 年 49 巻 9 号 p. 535-545
    発行日: 2001/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    現在深在性真菌症の治療に使用できる抗真菌薬は少数しかなく, しかも各薬剤の臨床的有用性に限界がある。したがって, 既存薬を上回るかまたはそれを補う特性をもつ新しい抗真菌薬 (既存薬の新規製剤を含む) の早急な開発が望まれている。目下米国, ヨーロッパ諸国または日本において, 開発段階はことなるものの, 次のカテゴリーの薬剤が臨床試験に入っている。(i) ポリエン系 (特にamphotericin B) の種々の脂質担体製剤, (ii) itraconazoleのヒドロキシ-β-シクロデキストリン可溶化製剤, (iii) トリアゾール系新規薬剤, (iv) カンジン系薬剤。前2者のカテゴリーの製剤は, いずれも新しい薬物送達システムを用いることによって従来製剤よりも薬物動態が著しく改善され, 有用性が高まった。新規トリアゾール系化合物のなかで臨床開発が先行しているvoriconazole, posaconazoleおよびravuconazoleは, fluconazoleと比較していずれも抗菌活性の増強とスペクトルの拡大が図られており, 一般に良好な薬物動態と低毒性を示す。カンジン系は, 真菌細胞壁生合成のkeyenzymeとなる (1→3)-β泣Jン合成酵素を阻害することによって抗真菌活性を発揮する新規クラスの薬剤である。このクラスの3種の化合物, VER-002, MK-0991およびFK 463については, いずれも殺菌的に働くこと, 種々の真菌やPneumocystis cariniiに対する活性をもつこと, アゾール系と交叉耐性を示さないこと, 薬物動態と安全性にすぐれていること, など共通の特性がみられる。近い将来, これらの有望な抗真菌薬の開発が成功し, 深在性真菌症のマネジメントに有用な治療薬の選択肢が増えるものと期待される。
  • 外科系各科アンケート成績の比較
    品川 長夫, 真下 啓二, 岩井 重富, 横山 隆, 竹山 廣光, 藤井 修照
    2001 年 49 巻 9 号 p. 546-550
    発行日: 2001/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    MRSA保菌者の周術期対策を外科系7科の医師がどのように認識しているかアンケート調査した。回答者数 (回答率): 406/643名 (63%)。「定められた院内感染対策を守る」と, 「鼻腔MRSA保菌者では, 術前にmupirocin軟膏を使用し除菌を図る」は, 全科ともに50%以上の合意度であった。「鼻腔以外にMRSAを保菌する場合, 消毒薬を加え入浴あるいはシャワーする」は, 胸部外科, 一般外科と脳神経外科では50%以Lの合意度であったが, 他の4科では50%以下であった。「喀痰などその他の部位のMRSA (感染症ではない) については, 抗MRSA薬を投与して術前に除菌を図る」は, 全科50%以下の合意度であった。「上記の処置を行っても手術までにMRSAが除菌できない易感染宿主の大手術では, 感染対策専門医に相談した上で抗MRSA薬を感染子防に使用してもよい」についての全科平均の合意度は53%であった。
  • 外科系各科アンケート成績の比較
    品川 長夫, 真下 啓二, 岩井 重富, 横山 隆, 竹山 廣光, 藤井 修照
    2001 年 49 巻 9 号 p. 551-556
    発行日: 2001/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    術後感染予防薬の選択基準についてアンケート調査した。回答者数 (回答率): 406/643名 (63%)。選択基準として, 「手術時に汚染すると予想される細菌を目標とする」, 「汚染菌の発育阻止可能な濃度が目的部位で達成できる薬剤を選ぶ」と「重篤な副作用が考えられる薬剤であってはならない」については, 全科ともに75%以上という高い合意度であった。「常在菌叢などの生体環境を乱さない薬剤を選ぶ」と「術後感染症の治療薬として新しい薬剤は残しておく」の合意度はやや低かったが, 合意は得られている事項と判断された。目標細菌として全科がブドウ球菌属をあげたが, これに加え一般外科, 産婦人科および泌尿器科は大腸菌を, さらに前記3科と耳鼻咽喉科はBacteroides fragilisgroupをあげた。MRSAや腸球菌を目標とする科はなかったが, 耳鼻咽喉科では緑膿菌を目標とする医師が半数以上を占めた。予防薬としては, ペニシリン薬あるいは第1-2世代セフェム薬が選ばれた。
  • 和田 鉄郎, 山崎 春城, 大西 哲郎, 鈴木 英訓, 仲田 浄治郎, 小野寺 昭一, 池本 庸, 清田 浩, 阿部 和弘, 大石 幸彦, ...
    2001 年 49 巻 9 号 p. 557-561
    発行日: 2001/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    内分泌治療後の再燃前性立航腺癌患者18例に対して外来通院も可能と考えられるエストラサイトとエトポシドによる併用化学療法を多施設共同研究により検討した。投与スケジュールはエストラサイト560mg (140mg×4cap/分2) を連日内服, およびエトポシド100mg/m2/day3日間の静脈投与, 原則としてこれを4週ごとに施行した。治療継続期間は平均104日 (最大360日) であった。3コース終了まで投与継続可能であった症例は11例 (61.1%) であった。3コース終了後の主観的効果はperformance status (PS) の改善2例, 不変8例, 悪化1例であったが, 疼痛の改善をみた症例が8例存在した。前立腺癌取扱い規約による効果判定で, 客観的効果はpartial response (PR) 1例, no change (NC) 5例, progressive disease (PD) 5例, 評価不能6例で, 奏効率は9.1%であった。しかし, NCであってもQOLを保ちながら外来通院可能であった症例を含めると (PR+NC) 54.5%であった。また, PSAのみの効果では (PR以上) 45.4%,(PR+NC) 81.8%であった。本治療は74歳以下でPSが比較的よい症例で奏効率が高かった。また, 血液学的副作用は少なく, 十分に外来での投与が可能と考えられた。本治療は, 近接効果は高くはないが, 高齢者がQOLを保ちながら外来通院で繰り返し施行できる化学療法として有効な方法と考えられた。
  • 石井 良和, アルバ ヒメナ, 満山 順一, 山口 惠三
    2001 年 49 巻 9 号 p. 562-564
    発行日: 2001/09/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    各種ESBL産生株, β-ラクタマーゼ阻害薬耐性酵素産生株およびToho-1産生株に対するβ-ラクタマーゼ阻害薬の効果を比較検討した。 各種β-ラクタマーゼ産生株に対するpiperacillin (PIPC) のMIC値は32~256μg/mLであったが, clavulanateを4μg/mL含有する場合は, ESBL産生株に対して0.25μg/mLから2μg/mL, TEM-33およびTEM-34産生株に対して1~4μg/mL. Toho-型β-ラクタマーゼ産生株に対しては0.25および0.5μg/mLの値を示した。Sulbactamを4μg/mL含有する場合のPIPCのMIC値は, ESBL産生株に対して0.25~4μg/mL, 阻害薬耐性酵素産生株に対するMIC値は32~128μg/mL, Toho-型酵素産生株には128μg/mLの値を示した。Tazobactam (TAZ) を含有する場合のPIPCのMIC仙は, ESBL産生株に対して0.25~4μg/mL, 阻害薬耐性酵素産生株には4~8μg/mL, Toho-型酵素産生株には1μg/mLを示した。以上, 各種ESBL産f上株などに対しTAZなどのβ-ラクタマーゼ阻害薬は強い阻害効果を示した。
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