日本化学療法学会雑誌
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50 巻 , 2 号
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  • 倉持 憲路
    2002 年 50 巻 2 号 p. 105-107
    発行日: 2002/02/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新医薬品の承認までに得られる有効性, 安全性に関する情報などについては, 患者数, 併用薬, 合併症, 年齢などに関する一定の制限のもとに行われる治験などにより得られたものであることから, 限定された情報とならざるを得ない。しかし, 新医薬品の販売開始後においては, 治験時に比べてその使用患者数が急激に増加するとともに, 使用患者の状況も治験時に比べて多様化することから, 治験段階では判明していなかった重篤な副作用などが発現する可能性がある。こうした新医薬品の特性に応じ, 特に市販直後に注意深い使用を促し, 重篤な副作用などが発生した場合の情報収集体制を強化するため, 平成12年12月に「医薬品の市販後調査の基準に関する省令 (平成9年厚生省令第10号)(医薬品GPMSP)」が改正され, 平成13年10月1日から「市販直後調査」制度が施行されたので, 本制度の内容を紹介する。
  • 井上 松久, 荒明 美奈子, 平田 泰良, 秋沢 宏次, 木下 承晧, 橋本 弘司, 草野 展周, 斎藤 厚
    2002 年 50 巻 2 号 p. 108-117
    発行日: 2002/02/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Cefepime (CFPM) 市販後調査のために3回にわたり菌株を収集し, 各種臨床分離株のCFPMに対する感受性推移を検討した。被験菌は第1回調査として1996年5月より7月までに臨床材料より分離された20菌種596株, 第2回調査として1998年5月より9月までに分離された同20菌種523株と第3回調査として2000年1月より2001年1月に分離された同20菌種551株である。第3回調査に分離された各種被験菌のCFPMに対する感受性は, 第1回および第20中11の調査時に分離された被験菌のそれとほぼ同様な傾向を示した。しかし, Streptococcus pneumoniae, Haemophilus influenzaeのMIC90値は第1, 2回調査に比べ, 第3回収集菌でやや高い傾向にあった,) グラム陰性菌のCFPMに対する感受性は第1回, 2回, 3回の調査でほぼ同様で良好であったが, Escherichia coliから第2回調査に2株, 第3回調査にKlebsiella pneumoniaeから1株ceftazidime (CAZ) のMICが100μg/mLの株が分離された。Pseuaomonas aeruginosaに対するCFPMの抗菌力はcefzopran (CZOP), CAZ, imipenem/cilastatin (IPM/CS) とほぼ同程度であり, 過去3回の調査で変動は見られなかった。Serratia marcescensでは第1回収集株のなかに, IPM/CSを含むすべての薬剤に対して100μg/mL以上の菌株が1株分離された。以上, 3回にわたる調査で収集した各種菌株に対する注射川β-ラクタム系薬の抗菌力は, 大きな変動が認められなかった。特に, CFPMはグラム陽性菌から陰性菌まで幅広い抗菌スペクトラムを有し, 優れた抗菌力を示し, 各菌種に対する発売後の感受骨の低下は少なく, 耐性化しにくい薬剤と考えられた。
  • 伊藤 勇, 大久保 幸枝, 福地 邦彦, 原 征彦, 島村 忠勝
    2002 年 50 巻 2 号 p. 118-125
    発行日: 2002/02/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Streptococcus pneumoniaeに対する緑茶抽出エキスおよび茶から抽出, 精製したカテキン ((-) epigallocatechin gallate: EGCg) の抗菌・殺菌作川について検討した。菌株は標準株9株と臨床分離株49株を用いた。これら面菌株に対するEGCgのMICは250μg/mL (MIC90) であった。殺菌実験において緑茶抽出エキスは, 通常飲川濃度 (2.5%) で十分な殺菌作川を示した。EGCg500μg/mLでは1×104/mLの菌 (初発菌数) が5時間で死滅した, しかしEGCg250, 125μg/mLでは初発菌数の1/100~1/1,000にまで減少した生菌数が再び増加した。そこでこの系において, 6時間経過した時点でMIC未満のEGCgを添加したところ, 1/2MICの添加によって再増殖することなく死滅することがわかった。さらにpenicillin-resistant S. pneumoniae (PRSP) 11株に対するEGCgとペニシリンとの併用効果について検討した。1/4MICのEGCgを併川することによって, 高度耐性株が感受性株と同じ濃度のペニシリンで殺菌されることがわかった, そこで, PCR法を用いてこれら耐性株の耐性遺伝子の検出を行ったところ, penicillin binding Protein (PBP) 2 B class Bが8株検出された。PBP 2 B class Aは0株, 他の3株は別の耐性獲得機序によるものと思われた, このことから, PRSPに対するペニシリンとEGCgの併用効果は, PRSPの耐性獲得機序に関係なく得られることが判明した。
  • 島内 千恵子, 保坂 美生, 中野 百実子, 北里 英郎, 小松 洋子, 江田 孝志, 星野 和夫, 瀬戸 勇, 井上 松久
    2002 年 50 巻 2 号 p. 126-134
    発行日: 2002/02/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    プロドラッグ型キノロン系合成抗菌薬prulifloxacin (PUFX) の活性本体であるNM394の抗菌力 (MIC50) は, 臨床分離のセフェム系耐性Pseudomonas aeruginosa28株, levofloxacin (LVFX) 耐性P. aeruginosa43株およびカルバペネム系薬耐性P. aeruginosa52株に対してそれぞれ0.5, 32および0.5μg/mLであり, 対照薬norfloxacin (NFLX), ciprofloxacin (CPFX), tosufloxacin (TFLX), fleroxacin (FLRX), sparfloxacin (SPFX) およびLVFXのMIC50値に比べて同等またはそれ以上の抗菌力を示した。また, セフェム系薬耐性Escherichia coli24株およびextended-spectrumβ-lactamase (ESBL) 産生E. coli28株に対するNM394のMIC90値は, それぞれ0.03および1μg/mLであり, この値はNFLX, CPFX, TFLX, FLRX, SPFX, LVFXのMIC90値と比較してESBL産生菌で2~4管抗菌力が勝っていた。またESBL産生Klebsiella pneumoniae24株, β-ラクタマーゼ陰性かつアンピシリン耐性Haemophilus influenzae32株, LVFX耐性Enterococcus faecalis 17株, Enterococcus faecium18株, ampicillin (ABPC) 耐性Enterobacter cloacae30株およびSerratia marcescens20株に対するNM394のMIC90値は, それぞれ (2, ≦0.015μg/mL),(32, 32μg/mL) および (1, 2μg/mL) であり, 対照薬として用いたニューキノロン系薬6抗菌薬のMIC90値に比べて同等または3管勝る抗菌力を示した。Penicillin耐性Streptococcus pneumoniae (PRSP) 27株に対するNM394のMIC90値は, 0.5μg/mLとLVFXと同等であったが, TFLXやSPFXに比べて劣った。このNM394の強い抗菌力は, P. aeruginosaあるいはE. coliに対する短時間殺菌作用の結果からも認められ, CPFXおよびTFLX, LVFXに比較しても強い傾向にあった。
  • 小松 方, 木下 承晧, 佐藤 かおり, 山崎 勝利, 西尾 久明, 浦 敏郎, 島川 宏一, 相原 雅典
    2002 年 50 巻 2 号 p. 135-142
    発行日: 2002/02/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    Escherichia coliおよびKlebsiella spp.以外の腸内細菌科菌のextended-spectrumβ-lactamaseをdouble-disk synergy test (DDST) により簡易に検出する方法を開発した。近畿地区の基幹6医療施設から分離された8菌種903株を使用し, cefotaxime (CTX) あるいはceftazidime (CAZ) のMICが≧16μg/mLを示した株を抽出し, cefbpime, CTXおよびCAZ含有ディスクを使用したDDSTでESBL産生性をスクリーニングした。MIC≧16μg/mLの株は88株 (9.7%) あり, うちDDST陽性は10株 (1.1%) であった., 施設別のESBL陽性率は0~2.9%で, 高度特定機能施設で多く認められる傾向があった。DDST陽性となった菌種はEnterobacter cloacae 4株 (1.6%), Citrobacter freundii4株 (6.3%), Serratia marcescens1株 (0.3%) および、Proteus mirabilis 1株 (1.2%) であった。PCR法で8株がMEN-1関連および2株がToho-1関連遺伝子を保有していた。Random amplification ofpolymorphic DNA (RAPD) とenterobacterial repetitive intergenic consensus-PCR (ERIC-PCR) によるgenotypical markerおよびphenotypical markerを使用した解析で, 同一施設内で分離されたESBL産生菌は同一タイプがなく, いずれも散発的な発生であることが示唆された。
  • 坂田 宏
    2002 年 50 巻 2 号 p. 143-146
    発行日: 2002/02/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    1999年9月から2001年8月までの2年川に髄液・血液から分離されたStreptococcus pneumoniae11株を川いて, 菌型別, 薬剤感受性, penicillin-binding protein (PBP) 耐性遺伝子を検討した。患者は肺炎7名, 髄膜炎2名, 肺炎と中耳炎1名, 関節炎1名の計11名であった。年齢は生後5か月から4歳であった。型別で複数検出されたのは6型が5名ともっとも多く, 23型が2名であった。Penicillin Gに対する最小発育阻止濃度 (MIC) 分布は≦0.06μg/mLから2.0μg/mLの範囲であり, penicillin susceptible S. pneumoniaeが2株 (MIC<0.1μg/mL), penicillin intermediate S. pneumoniaeが8株 (MIC0.1~2.0μg/mL), penicillin resistant S. pneumoniae (MIC≧2.0μg/mL) が1株であった。PBP遺伝子の変異では, pbp 1a・pbp 2x・pbp 2bの3種類とも認めた例は3株, pbp 2x・pbp 2bの2種類の変異は2株, pbp 2xの1種類の変異は6株であり, すべての株でPBP遺伝子の変異が存在した。薬剤感受性試験ではampicillin, cefotaxime, ceftriaxone, panipenem, vancomycinそれぞれのMIC90は1.0μg/mL, 1.0μg/mL, 1.0μg/mL, ≦ 0.06μg/mL, 0.5μg/mLであった。
  • 2002 年 50 巻 2 号 p. 155
    発行日: 2002年
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
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